【ホログラフィの基礎】2.ホログラフィの原理に関する用語を解説

こんにちは、unogram管理人のうのちゅ〜です。

【ホログラフィの基礎】シリーズとしてホログラフィに関する基礎的な用語を解説していきます。

第2回は【ホログラフィの原理】に関する用語を解説していきます。ホログラフィについて学ぶ上での基礎となる用語ばかりなので、しっかり押さえておきましょう!

そもそも波としての光ってどう考えるの?という方は【ホログラフィの基礎】1.光波に関する用語を解説からご覧ください。

本シリーズは主に「ホログラフィ入門 コンピュータを利用した3次元映像・3次元計測」を参考にしています。書籍では数式や図を豊富に交えて解説されているので、気になる方はぜひ手にとってみてください(概要は計算機合成ホログラフィの初学者に最適!「ホログラフィ入門」にて解説しています)。

それでは見ていきましょう!



ホログラフィとは

ホログラフィとCGH

まずは、ホログラフィという用語がそもそも何を指すのか把握しておきましょう。

ホログラフィとは、3次元物体からの光(物体光と呼びます)を写真乾板のような2次元媒体に記録する技術です。ホログラフィにおいて情報を記録した2次元媒体のことをホログラムと呼びます。

また、現代では、写真乾板のような媒体に記録するだけがホログラフィではありません。LCD(液晶ディスプレイ)のようなデバイスにコンピュータで生成したホログラムを表示することで物体光を再生する計算機合成ホログラフィ(Computer Generated Holography, CGH)という技術も盛んに研究されています。

コンピュータホログラフィ

コンピュータを利用したホログラフィの分類について見ていきましょう。コンピュータを利用したホログラフィには、電子ホログラフィとデジタルホログラフィがあります。

電子ホログラフィ

電子ホログラフィとは、コンピュータで計算することによってホログラムを作成する技術です。主に、映像技術に使用されるホログラフィで、液晶ディスプレイにホログラムを表示して3次元像を投影します。

デジタルホログラフィ

デジタルホログラフィは、レンズやカメラなどの光学系でホログラムを撮像し、そのデータからコンピュータ内で3次元像を可視化する技術です。主に計測技術で用いられます。

ホログラムの基本原理

ホログラムの基本原理について改めて触れておきましょう。ホログラムでは、位相が揃った光(コヒーレント光と呼びます)の重ね合わせによって干渉縞が形成されることが重要です。コヒーレント光の代表であるレーザはホログラフィ技術における重要な光源で、歴史的にもホログラフィ技術の進歩に大きく貢献してきました。

物体光と参照光

「位相が揃った光が重ね合わされる」と述べましたが、どんな光とどんな光が重ね合わされるのでしょうか?ここで、ホログラフィを学んでいくと何度も登場する基本中の基本の用語である「物体光」と「参照光」について確認しておきましょう。

物体光

ホログラフィでは、レーザから出射した光をまず2つに分岐し、最終的にその2つの光をホログラム面上で重ね合わせます。そのうちの一方が物体光と呼ばれます。

物体光とは、2つに分岐したレーザ光のうち、記録したい3次元物体に照射されて拡散し、ホログラム面に届く光を指します。

参照光

参照光とは、もう一方の分岐したレーザ光です。参照光は物体に照射されることなく、そのままホログラム面上に届きます。

3次元像の再生

ホログラム面上では物体光と参照光が重ね合わされ、干渉縞が形成されることが分かりました。それでは、ホログラムを使ってどのようにして物体の3次元像を再生するのでしょうか?

3次元像は、ホログラムを記録した時と同じ位置から同じ波長の参照光をホログラムに照射することで再生されます。物体光と参照光が重ね合わされて形成されたホログラムは、波の重ね合わせの性質により、「直接光成分」と「物体光成分」、「共役光成分」を含みます。ここに参照光が照射されると、「物体光成分」が、物体が存在していたときと同じ波面を形成するため、あたかも物体が存在するかのように見えるのです。

数式や図解に関しては、書籍をご参照ください。

ホログラムの課題

物体が存在しなくても、存在しているときと同じ光の波面を再生できるホログラムですが、課題も存在します。それは、参照光をホログラムに照射したときに形成される波面は物体光だけではないことです。直接光・共役光成分も観察者の眼に入るため、これが物体光の視認性を悪化させてしまうのです。



インラインホログラムとオフアクシスホログラム

ホログラムに対する参照光の入射角度によって、2つの分類があります。

インラインホログラム

インラインホログラムは、参照光の入射角度が0°の場合です。再生時に物体光以外の成分も観察されてしまうという課題は、主にインラインホログラムに関するものです。

オフアクシスホログラム

一方、オフアクシスホログラムでは参照光の入射角度が0°ではありません。ある角度だけ傾いて入射したものをオフアクシスホログラムと呼びます。

オフアクシスホログラムの利点は、物体光を直接光や共役光とは異なる角度で観察できることです。これにより、物体光と重なって余計な成分が見えてしまうというインラインホログラムの課題を克服できます。

ホログラムの距離による分類

最後に、3次元物体とホログラムの距離に応じた分類を紹介します。

近距離イメージホログラム物体をホログラムのごく近くに置いて撮影した場合
近距離〜中距離フレネルホログラム物体光がフレネル回折で記述できる場合
遠距離フラウンホーファーホログラム物体光がフラウンホーファー回折で記述できる場合
あるいは、レンズのフーリエ変換作用によって近似的にフラウンホーファー回折とみなせる場合



まとめ

今回は、【ホログラフィの基礎】シリーズ第2回として、【ホログラフィの原理】に関する用語を解説してきました。そもそもホログラフィとは何を指しているのか・どのように分類されるのかといった内容を含め、ホログラフィの基礎についてしっかり理解しておきましょう。

次回は【電子ホログラフィの押さえておきたい用語】について解説していきます。