【最新研究のレビュー・チュートリアル】Advances in Optics and Photonicsってどんな論文誌?

こんにちは、unogram管理人のうのちゅ〜です。

今回は、OSAの論文誌であるAdvances in Optics and Photonicsについて紹介していきたいと思います。Advances in Optics and Photonicsは、同じOSAから刊行されているOptics LettersやOptics Expressとは以下のような点で異なります。

  • 四半期に1回刊行
  • 数10ページに及ぶ長文のレビュー・チュートリアル記事
  • 論文の平均的な引用数であるインパクトファクターが14.690 (2019年)

どうやら一般的な論文誌とは一味違うようですね。以下では具体的にどのような論文が掲載されているのかも含めて紹介していきたいと思います。

それでは見ていきましょう!



はじめに:Advances in Optics and Photonicsとは

出典:Advances in Optics and Photonics ホーム

Advances in Optics and Photonicsとは、アメリカ光学会 (OSA) が刊行する光学論文誌です。包括的な長文レビュー記事とマルチメディア(アニメーションや動画等)チュートリアルに限定して掲載するという特徴があります。材料、デバイス、システムを含む基礎科学から工学的な応用まで、光学とフォトニクスのあらゆる分野をカバーする論文誌となっています。(参考:Advances in Optics and Photonics ホーム

インパクトファクター14.690!引用数1000以上の論文も多数!

他の論文誌との比較

上述のように、Advances in Optics and Photonicsのインパクトファクターは14.690 (2019年)となっており、平均的な光学論文誌より飛び抜けて大きい値となっています。

Advances in Optics and Photonics14.690
Optica9.778
Optics Letters3.714
Optics Express3.669
OSAの代表的な論文誌のインパクトファクター(各論文誌のwebページ記載の数値より作成)

「インパクトファクター」とは、”自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として、その雑誌の影響度、引用された頻度を測る指標”であり、”「平均的な論文」の被引用回数”のことを指します。雑誌の重要度を測る1つの指標としてしばしば用いられます。(参考:インパクトファクター – Wikipedia



引用数1000以上の論文を紹介

そんなインパクトファクターの大きいAdvances in Optics and Photonicsには、引用数1000を超える論文も存在します。ここでは、Advances in Optics and Photonicsに掲載された論文のうち、Google Scholarにおいて「引用元」の数値が1000を超える論文(2020.12.25現在)にどのようなものがあるか紹介していきます。

引用元:2151 Cylindrical vector beams: from mathematical concepts to applications

引用数2151回の本論文は、2009年の創刊号においてはじめに掲載されたものです。

“Cylindrical vector beams”についての数学的な概念から、生成・操作について、また、イメージングやマニピュレーションにおける応用まで、およそ60ページに渡って解説したレビュー論文となっています。

引用元:2024 Orbital angular momentum: origins, behavior and applications

こちらも引用数が2000を超える論文で、軌道角運動量(OAM)についてのレビュー論文です。

イメージングシステムや量子光学における活用が期待されるOAMについて詳細に解説されています。

引用元:1352 Optical Antennas

引用数1352回の本論文は、光アンテナについてのチュートリアル論文です。

本論文では、ラジオ波やマイクロ波の領域で活用されてきたアンテナの、光領域における起源や基本的な概念、設計・製造について説明されています。

引用元:1171 Structured-light 3D surface imaging: a tutorial

引用数1171回の本論文は、構造化照明に基づく非接触3次元表面計測技術にフォーカスしたチュートリアルとなっています。

様々なバリエーションが存在する3Dイメージング技術を体系的に整理し、代表的な技術について簡単に説明しています。また、3Dイメージングシステムの性能指標をレビューし、カメラとプロジェクタのキャリブレーション技術や、応用例も紹介しています。



まとめ:参考書が少ない最新の研究への理解・動向調査に活用しよう

今回は、OSAの論文誌であるAdvances in Optics and Photonicsについて紹介しました。数10ページに渡る詳細なレビュー・チュートリアル論文に限定して掲載するなど、非常に特徴的な論文であることがわかったのではないかと思います。

最新の研究について調べたい・理解したい場合、参考書には頼れない場合が多いです。そんなときに役立つレビュー論文の中でも、本誌に掲載される論文は概念や理論的な基礎についても詳細に記載されている場合が多く、かなり有用な文献として活用することができます。

ご自身の研究分野、気になる分野の理解・調査にぜひ活用してみてください。