【異業種編】研究職キャリアの選択肢

研究職のキャリアってどんな選択肢があるんだろう?

大学教授?企業に就職?

今回は研究職のキャリアの選択肢について、メリット・デメリットと共に見ていきたいと思います。私自身は理系の大学院で修士号を取得した後、企業の研究職として働いています。一方で、身の回りには博士課程に進学する人もいれば研究とは全く関係のない職業に就く人など、そのキャリアは多様です。そんな研究職のキャリアについて、自身の経験や知人の実例を交えて紹介していきます。

今回は【異業種編】として、研究職以外の技術職や、全く異なる職業に就職するキャリアについて見ていきたいと思います。大学教員編は【大学教員編】研究職キャリアの選択肢、民間企業での研究職については、【民間企業編】研究職キャリアの選択肢で紹介しています。

それでは見ていきましょう!



技術職(設計、商品開発等)の選択肢

Design
研究開発職以外にも、理系の学部卒・修士卒の経験が生かせる選択肢は多く存在します。その中でも代表的なのは、設計職や技術営業職などの一定の技術的素養・理系的素養が求められる職業です。その企業が力を入れている分野の技術に精通した人材は、研究職以外でも活躍することが可能です。また、CADソフトやシミュレーションソフトの経験など、多分野に応用が可能な技術をもつ人材の活躍の幅は想像以上に広いものです。

それでは技術職にはどのような種類があるか見ていきましょう。

設計職

機械設計や回路設計等、製品を形作る上で欠かせない各種設計業務を担当する職業です。設計と聞くと製品を作ることを指すように感じるかも知れませんが、製品自体の設計のみならず、研究開発に必要な電子機器、メカの設計を担当することもあります。

学生時代の研究を行う際、設計ソフトを使用することは少なくないと思います。企業における設計の現場でも、同じものや似たソフトを使用している場合があり、その経験を生かすことが可能です。また、ソフトに関する直接的な知見をもっていなかったとしても、ソフトを使用する前提として、専門分野の知識や理系としての素養が役立つ場合は多いです。

このように、理系として学部卒・修士卒の経験がある人の多くが活躍できる可能性がある選択肢として、設計職は魅力的であるといえるでしょう。

設計職に向いている人の特徴

  • ソフトウェアを使って設計するのが好き
  • 作業感の強い仕事が苦にならない
  • 創意工夫が求められるのは少し苦手

商品(製品)開発職

企業によって呼び方は異なることがありますが、他社にない付加価値をもつ商品を開発することを職務とするのが商品(製品)開発職です。研究職が製品として目が出るかどうかわからない長期的な目標をもって職務に取り組むのに対し、商品(製品)開発職は近い将来会社に利益をもたらすものとして新製品の開発に取り組みます。そのため、この商品は自分が作ったという達成感や、会社に利益をもたらしている、社会に良い影響を与えているという貢献感を感じやすい職業といえるでしょう。

企業によっては、利益が出にくい研究開発を積極的には行わず、既存の技術からユーザのニーズに合った商品を開発することで確実な利益を獲得している企業もあります。高利益率の収益モデルを確立し、社員の年収が飛び抜けて高いことでも有名なキーエンスはその筆頭と言えるでしょう。

商品(製品)開発職に向いている人の特徴

  • 自分がこの商品を作ったという達成感を味わいたい
  • 会社の利益に貢献しているという貢献感を得たい
  • 最先端の研究や、芽が出るかわからない研究にはあまり興味がない

生産技術職

こちらは上記の設計・開発系の職種とは異なり、製品の生産技術やコスト管理に直接関わる職種です。理系の素養を生かしてモノづくりの最前線の現場で活躍することも可能です。また、製品の生産は必ずしも日本国内で行われるわけではなく、海外での工場の立ち上げに関わるような経験も可能でしょう。

生産技術職に向いている人の特徴

  • 工場や生産ラインに直接関わる仕事がしたい
  • コスト管理や土台を支える役割が好き
  • 海外工場の立ち上げ等に興味がある

技術営業職

製品の設計や開発、生産を行うのではなく、顧客に自社製品を提案したり、技術的なサポートをするような、理系としてのバックグラウンドを生かして営業を行うのが、技術営業職です。顧客の課題解決のための提案と製品の売上により、顧客と自社の両方に貢献することができる職業です。

技術営業職に向いている人の特徴

  • 自社だけでなく、顧客の課題解決にも貢献したい
  • コミュニケーション能力に自身がある
  • 応用の効く営業としての経験を積みたい



技術職以外の選択肢

Buisinessman
理系として学部を卒業した人、さらには修士過程を修了した人が活躍できる分野は、技術職ばかりではありません。特に、論理的思考力や数学の素養といった理系として培った能力が生かせる職業では、文系出身者に勝る適性を発揮できることも少なくないでしょう。具体的な例をいくつか見ていきます。

コンサル

企業の課題解決、戦略立案を手掛けるコンサルという職業においては、理系出身者の論理的思考力能力や、数字を扱う力が遺憾なく発揮されます。就職活動においては、文系学生のみならず理系学生からも人気で、企業によっては理系院生が内定者のかなりの割合を占める例もあるようです。

また、コンサルティングファームの中にはアーサーDリトルのような製造業に強いファームもあり、理系のバックグラウンドを持つ学生の就職先転職候補としてもコンサルという職には十分検討の余地があるでしょう。

参考:https://www.onecareer.jp/articles/911

データサイエンティスト

こちらは情報数理系出身者にとっては「技術職」に該当するかもしれませんが、他の理系出身者が、その専門分野以外に活躍する選択肢としても有望でしょう。文系出身者の中には、プログラミングや統計学といった分野に抵抗感を覚える人も少なくないでしょう。一方で、少なからずそのような分野に触れる機会のある理系出身者にとってはスムーズに入っていける分野なのではないでしょうか。

機械学習や人工知能の分野のさらなる発展を考えると、理系出身者にとってはかなり魅力的な選択肢であると言えます。

国家公務員

最後に紹介するのは、少し意外な選択肢かもしれませんが、国家公務員です。あまり知られていないかも知れませんが、国家公務員の総合職試験には技術系の知識を問う問題もあります。配属先は、特許庁や金融庁、総務省など豊富で、国家公務員の職においても理系の素養が求められていることがわかります。企業にはないメリットとして雇用の安定性を上げる人もおり、一定の人気がある国家公務員の職も理系学生にとっての1つの選択肢でしょう。

参考:人事院国家公務員試験採用情報NAVI

研究職以外の選択肢も検討してみよう

Careerpath
学部の卒論や修士課程での研究生活を経験した理系学生にとっては、企業でお金をもらって研究を続けたい!と考える人も多いでしょう。一方で、今回見てきたように、研究職以外でもその経験を生かせる職業は数多く存在しています。自身の興味・適性に合わせて、一度視野を広げて自身のキャリアについて考えてみてください。

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