こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、初心者がやりがちな、国際学会発表でやってはいけないことと、その対策について紹介していきます。
初めての国際学会発表、緊張しますよね!
ついやってしまいがちな注意点を意識して、あなたの発表を成功させましょう!
国際学会発表でやってはいけないこと

カンペを見ながら発表する
これは初心者が特にやりがちな「国際学会発表でやってはいけないこと」です。主な理由には次のようなものが挙げられます。
- 聴衆に訴えかけるような抑揚のある発表になりにくい
- 発表時に手元で原稿を見られない場合がある
- 質問の際にうろたえる
まず、カンペを見ながら話すと目線が下がります。また、書いてあるものを読み上げるだけなので、発表の中で緩急や抑揚がつけにくいです。無理につけようとすると不自然になり、カンペを読むスタイルの発表ではなかなか聴衆へと自分の研究成果の価値を訴えることができません。
また、学会会場によっては、手元の画面にカンペを表示できない場合があります。カンペを使用する場合、PowerPointのメモの欄にスライドごとの原稿を書く場合が多いかと思いますが、それを確実に表示しながら発表できるとは限りません。むしろ、できない場合の方が多いのではないかと思います。紙に原稿を印刷しておくことも考えられますが、10分以上の発表となると原稿もかなりの文量となります。日本語ならまだしも、英文の場合、一度見失うとどこまで読んだかわからなくなってしまいやすいです。大勢の聴衆の前で不自然な間の空いた発表をしたくはないですよね。
カンペを見ながら発表するのは、既に話す内容が決まっているからだと思います。しかしながら、学会発表において欠かせないのはQ&A、質疑応答の時間です。これに関してはどんな質問が飛んでくるかわかりません。予めある程度の予想はつくかもしれませんが、考えうる質問パターンの全てについて回答パターンを準備しておくのは困難でしょう。質疑応答になった途端、質問を聞き取って、解釈して、英語で返答するという行為に対応できずオロオロしてしまっては、後味の悪い発表となってしまいます。
丸暗記する勢いで準備する
カンペが許されないのであれば、事前にどのような対策をすれば良いのでしょうか?その答えは、「丸暗記する勢いで準備する」です。丸暗記する勢いで準備するメリットはたくさんあります。
- 顔を上げて聴衆の方を向いて発表できる
- 内容がしっかりと頭に染み込んでいるので、抑揚をつけて話しやすい
- 会場の設備に左右されないので余裕が生じる
- 自身の発表に関わる語彙・表現がスラスラ出てきやすくなる
カンペから解放された状態であれば、手元の画面や原稿の書かれた紙ではなく、聞きに来てくれた聴衆に向かって発表することができます。これが学会発表のあるべき姿です。また、カンペを見なくても済むほどしっかり発表内容と英語での表現が染み付いていれば、重要な部分を強調して話すなど、抑揚のある人間的な表現がしやすくなります。
さきほど会場によってはカンペが見られない場合があると述べましたが、カンペから解放されていれば、どのような設備環境であっても、堂々と発表に集中できるようになります。
丸暗記する勢いで準備しておけば、自分の発表に関わる専門的な語句や表現などの、基本的な英語の枠を出たレベルの高い英語であってもスラスラ口をついて出るようになります。このような状態になれば、質疑応答においても焦ることはありません。ほとんどは準備の段階で頭に刷り込まれた英語をわずかに修正して対応するだけです。
「丸暗記した内容」をそのまま発表するわけではない
「丸暗記する勢いで」と書いたのには訳があります。というのも、原稿を丸暗記してそのまま発表すれば良い発表になる、というわけでもないからです。
なぜ丸暗記した内容をそのまま発表するのは良くないのでしょうか?理由はいくつかあります。
- 思い出せなかったときに、必死に正確な原稿を思い出そうとしてしまう
- 時間が押した時に、必要性の低い部分を省くなどの柔軟な対応ができない
- カンペよりは良いものの、原稿をなぞる以上、硬直した「新鮮さに欠ける」発表になってしまう
要は、原稿という型から抜け出せない以上、暗記しているとは言え柔軟性に欠ける発表になってしまうのです。
ではどうすれば良いのでしょうか?私のおすすめは、丸暗記するレベルまで内容を刷り込んだら、あとは自由に、自分の思いを乗せて発表することです。丸暗記する勢いで準備することには、上述のようなメリットがあるので、欠かさずやるべきです。一方、原稿という型から抜け出すためには、丸暗記した内容からの逸脱が必要になります。そこで、自分が聴衆に特に伝えたい研究内容や重要なポイントを強調するような逸脱を意識するのです。これはあくまでも自然な形で行われるべきであり、「逸脱しなきゃ!」などとは思わないほうが良いでしょう。丸暗記した内容は頭に完ぺきに存在し、その状態で聴衆への「語りかけ」を意識した結果、自然な形で逸脱していたというのが理想的なのではないかと思います。
丸暗記はマスト、自然な発表がベスト

今回は、初心者がやりがちな、国際学会発表でやってはいけないこととして、「カンペを見ながら発表すること」を取り上げました。カンペを見ることは考えず、予め丸暗記する勢いで準備することが重要です。そして、本番では丸暗記した原稿を頭に刷り込んだ状態で、聴衆に効果的に研究成果を伝えるために、あなたの思いを乗せることが成功の鍵となります。
学会発表ではありませんが、かの有名なスティーブ・ジョブズも、プレゼンの前には膨大な時間を準備にかけたといいます。優れたプレゼンターも、見えないところでの準備があってこそ、人々の心に残る発表ができるのです。ジョブズの姿勢も見習いつつ、自身の学会発表に生かしていきましょう。