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こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
QIDIの大型×10万円台のコスパ機種「Plus5」を実機レビュー
していきます。
小型の「Q2」、超大型の「Max4」と、次々展開されるQIDIのラインナップ。
その"ちょうど真ん中"を埋める1台として登場したのが、今回の主役となる「Plus5」です。
コスパの高さで人気を博した2024年に登場のシリーズ先代「Plus4」の後継モデルで、造形サイズは3辺が300mm以上。
そして、QIDIでおなじみの最大370℃の高温ホットエンドと最大65℃のヒートチャンバーもしっかり受け継いでいます。
この記事では、QIDI様よりご提供いただいた「Plus5」を使い込んで分かった性能や実力、導入前に知っておきたい注意点まで余すことなくお伝えします。
定番のPLAからスーパーエンプラのPPS-GFまで、いろいろな材料でじっくりプリントしてきましたので、ぜひ最後まで読んで「Plus5」購入の参考にしてみてください。

動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
※準備中※
QIDI Plus5の開封〜セットアップ〜テストプリント!

まずは、開封からセットアップ、そして、テストプリントまでの様子を見ていきましょう。
先にお伝えしておくと、「Plus5」の梱包の様子や同梱品に関しては、極めて一般的なCoreXYタイプ3Dプリンターといった印象。
開封プロセスに、とくに目立ったポイントはありませんでした。
3Dプリンターに慣れている方であれば、問題なく進められるでしょう。
開封からキャリブレーション

特段変わった点のない開封プロセスですが、強いて言えば「Plus5」では、本体の上に乗せる「スライド式のガラスのフタ」が同梱されています。
これは、「Q2」や「Max4」と同様に半分だけ開くタイプ。

PLAのような低温材料でのヒートクリープによるノズル詰まりを防いでくれるものです。
開封を終えたら、電源を入れて初期設定を進めます。
といった定番のプロセスを経て、配送用のネジや結束バンドのようなロックを取り外したことをしっかり確認した後、各種センサーのセルフチェックやキャリブレーションの実行に移りましょう。
キャリブレーションでは、振動補正とオートレベリングが自動で行われます。
初回のテストプリントを実行!

準備が完了したら、定番の3DBenchyからテストプリントを開始します。
今回は20gだけ同梱されていた純正のPLAラピッドフィラメントを使いました。
ドアとフタを解放した状態での騒音値は50デシベル後半で、標準的な動作音です。
25分ほどで完成したモデルは、高速プリントにもかかわらず表面の波打ちがなくキレイです。
わずかなオーバーハングの歪みや糸引きが見られる程度でした。

次に、FDMtestを「QIDI Studio」の標準設定でスライスしてプリントしました。

クリアランスを確認するピンは少し押すだけで外れ、リンギングの波打ちも抑えられています。

ブリッジの垂れ下がりもありません。

オーバーハングのクオリティは15°や20°で若干のスジが見られますが、標準並みの優れた仕上がりといえます。

さて、テストプリントの最後に第一層のシートをプリントします。
ここで、1点注意ポイント。
「Plus5」は、320×320のフルサイズではプリントできません。
左手前のフィラメントカッターのエリアがほんの少しだけ封じられているため、やむを得ず横幅を310mm程度に抑える必要があります。

幅と奥行きがそれぞれ10mm程度のごく小さなエリアとはいえ、すでにプリント不可エリアの発生を廃止している他社マシンは多いため、「Plus5」使用時は注意しておきましょう。
そんな「Plus5」ですが、オートベッドレベリングにおいて、ノズル自体がセンサーとしてプレートに直接触れて検知するゼロオフセット方式を採用しています。
プローブとノズルの位置ズレを補正する必要がない分、第一層の精度には期待がもてるでしょう。
では、完成したものを見てみましょう。

非常にキレイですね。
レベリングがしっかりと効いていて、どこか一部だけ凹んでいるということもなく、シートの裂け目もありません。
300mm超えの大きなベッドサイズだろうと問題なく、非の打ち所のないペラペラシートに仕上がりました。
QIDI Plus5の基本スペックは?進化したポイント

先代モデルである「Plus4」の後継機として登場した「Plus5」。
実際のプリント例に入る前に、
について整理しておきましょう!
Plus5のスペック・特徴・進化したポイント

まずは、大型の造形サイズは見逃せないポイント。
「Q2」よりも大きく、「Max4」よりも小さい、ちょうどよい真ん中サイズを提供してくれているのが3辺が300mm以上の「Plus5」です。
小さすぎると大型造形の際に手間がかかったり、大型すぎると置き場所に悩んだりと用途によっては、
ちょっと使いづらい……!
と感じてしまっていた方もいるはず。
そんな方には、まさにぴったりの1台となるでしょう。
そして、「Plus5」は大型なだけでなく、QIDI製マシンの強みである最大370℃の高温ホットエンドと、最大65℃のヒートチャンバーもしっかり搭載。
これは嬉しいポイントでしょう。
外見的なアップデートとしては、ヒートベッドの下にLEDバーが新搭載されました。

LEDバーは、プリント中の進捗度合いやエラー発生時のステータスを光で直感的に示してくれます。
さらに、前扉は180°以上開く仕様。

作業性が非常に高い設計に仕上がっています。
気になるUIは、図が豊富で、スマートフォンのように直感的に操作できるモダンな印象。


初めてQIDI製品を触るユーザーであっても、使いやすいUIです。
極めつけは、これだけのスペックを搭載しながら、10万円台前半という圧倒的なコストパフォーマンスを実現している点。
抜群コスパ力は、間違いなく「Plus5」の魅力的なポイントの1つでしょう。
定番フィラメント(PLA・PETG)での大型プリント事例

大型の3Dプリンターとはいえ、
大きなモデルを安定して綺麗にプリントできるの?
と、その品質はかなり気になるポイントでしょう。
また、長時間のプリントや、高さのあるモデルでのノズル詰まりが心配な方も多いはず。
そこで、定番のPLAやPETGを使った実例をもとに「Plus5」の信頼性とクオリティを確認していきましょう。
PLAによる大型プリント事例

1つ目の事例として、3D生成AIの「Tripo」で作成したメカニカルなフクロウのオブジェに挑戦。
「Plus5」のサイズ限界に近い、大迫力の期待できる大型のモデルです。
パンクロマサテンPLAフィラメントを使い、約22時間の長時間プリントを実行。
完成したモデルが、こちら。

細かい羽のシワまでしっかりと表現され、予想通りの大迫力な仕上がりです。

単色プリントはもちろん、後から塗装する前提でプリントする用途であれば、Comboではなく「Plus5」単体でもいいかもしれませんね。
ちなみに、サポート材を取り外す際、羽の一部やくちばしが折れるアクシデントがありました。
こういった破損を防ぎたい場合は、別売りの「QIDI Box」を併用してサポート専用材を使用することをおすすめします。
加えて1点気になったのは、フタを半分開けてプリントする際、フィラメントチューブがフタに引っかかる音が頻繁に発生したこと。

個人的にはかなり気になったので、不快な音を防ぎたい場合には、PLAプリント時はフタを半分開けるのではなく、完全に取り外す方が良いでしょう。
PLAによる高さ300mmのプリント事例とヒートクリープ対策

次に、高さを最大の300mmに設定した花瓶をPLAでプリントしていきます。
最初の挑戦では、プリントの途中でフィラメントが詰まり、空中をさまようエアプリント状態に。

プリントエリアの温度が高く、ホットエンドの内部でフィラメントが詰まってしまう、いわゆるヒートクリープが発生した模様。
そこで、フタを完全にオープンにして再チャレンジしたところ、約24時間のプリント時間を経て、無事に成功しました。
完成した花瓶は、ベッドスリンガー機では揺れて荒れやすい上部でも波打ちがまったくなく、極めて高いクオリティに仕上がりました。


高さ300mmもの巨大プリントでも、安心して任せられることがわかりました。
PETGによる大型&量産プリント事例

続いて、ポリメーカーPETGフィラメントを使い、高さ300mmのランプシェードをプリントしていきます。
一筆書きのスパイラルモードで設定したところ、わずか4時間少々で完成。

リンギングもほとんど目立たず、美しい光を通すやさしい質感に仕上がりました。
さらに、幅約30センチの排水プレートの代替品の作成にもチャレンジしてみます。

「Plus5」の広いベッドなら、1度に6枚並べてプリントが可能です。
オートベッドレベリングが正確に機能するため、1層目の精度が極めて高くなっています。
多数の小さな丸い穴が敷き詰められた複雑なモデルですが、1つの乱れもなく完璧にプリントできました。


これだけ手軽に量産できれば、排水プレートを手入れすることなく使い捨てにできそうです。

「Plus5」は大型プリントだけでなく、プリント品の量産にも活躍してくれそうです。
チャンバー加熱を活かしたABS・ASAの大規模プリント事例

次に確認していきたいのが、チャンバー加熱を活かしたプリントについて。
とくに、ABSやASAといった工業用プラスチックは、冷えると収縮して反りや割れが発生しやすく、温度の調節が必須。
では、最大65℃のヒートチャンバー機能をもつ「Plus5」は、一体どうなのか。
実例とともに見ていきましょう。
ABSによるプリント事例

まずはポリライトABSを使用し、折りたたみ式スマホスタンドの量産に挑みます。
「Plus5」の広大なビルドプレートを活かし、同時に40個を並べてプリント。
チャンバー温度を60度に設定し、加熱を開始します。
ABSはチャンバー加熱がないと反りやすく、細いパーツがベッドから剥がれて失敗しやすいデリケートな材料です。
しかし、「Plus5」では庫内全体にしっかりと熱が維持され、剥がれる気配はありません。

ドアと扉を完全に閉めると動作音も静かになり、騒音値は50デシベル台前半に下がりました。
約26時間という長時間のプリントを経て、40個すべてのスマホスタンドのプリントが完了。

品質も申し分ありません。

実製品レベルのパーツ量産も「Plus5」なら非常にお手軽です。
ASAによるプリント事例

続いて、ポリメーカーASAフィラメントを使い、高さがほぼ上限となる大きなボックスをプリントします。
耐候性に優れたASAは、屋外での実用品作成にとても人気の素材です。
ですが、ASAも冷えると簡単に反ったり割れたりするため、大型プリント時は非常に扱いが困難になる素材でもあります。
「Plus5」の実力は、どうでしょうか。
早速、ABSに続き、ASAでもチャンバー内部を60度に加熱してプリントを開始。
約30時間という長大な時間をかけて、大きなボックスが問題なく完成しました。

さらに、ボックスのフタとフタ枠も別々にプリントして取り付けると、成人男性の靴が何足も入るほど巨大な収納ボックスに早変わり。

反りや割れは一切見られず、広い面積と高さ、そしてヒートチャンバーの威力が証明されたといえるでしょう。
以上のように、「Plus5」ではABS・ASAいずれのプリント事例でも、完璧なプリントを実現してくれました。
実現できているのはなんといっても、庫内の温度を均一に保ち、フィラメントの急激な熱収縮を完全に抑え込んでいるためです。
安価な3Dプリンターでは仮に大型であっても、チャンバー機能がなければABSやASAの大型プリントはほぼ不可能。
「Plus5」は10万円台前半という価格ながら、強力な加熱チャンバーを標準搭載している点は大きな魅力といって良いでしょう。
「Plus5」が単なるホビー機ではなく、実用的なものづくりに対応できる優れたマシンであることが証明されましたね。
特殊フィラメントTPU-GFとスーパーエンプラPPS-GF20のプリント事例

さて、ここからは、少しクセのあるフィラメントでプリントしていきます。
ガラス繊維などの特殊な素材や、超高温での出力を必要とするスーパーエンプラのプリントでは、ノズル詰まりや温度不足という問題が発生しがち。
ホットエンドの耐摩耗性や加熱温度が足りず、プリントに失敗してしまうケースは少なくないでしょう。
では、最大370℃まで加熱可能な「Plus5」の場合、どれほどの品質でプリントが可能なのでしょうか。
ここからは、高度な素材に挑戦した結果を実例とともに、確認していきましょう。
TPU-GFによるプリント事例

まずは、ガラス繊維を配合した特殊材料であるTPU-GFを使って、ハンマーのモデルをプリントします。
TPU-GFは適度な柔らかさとカッチリした硬さを併せ持つ、面白い質感の材料です。
ちなみに「Plus5」は単体運用において、マルチカラーシステムを経由しないダイレクトな構造。
そのため、柔らかいTPU系フィラメントのプリントに比較的強いというメリットがあります。
プリント速度を落とすことなく、そして一切の詰まりも発生せず、約2時間半で美しい仕上がりのハンマーが完成しました。

耐摩耗ホットエンドを標準搭載する「Plus5」だからこそ、TPU-GFような特殊な繊維配合材料でも安定してプリントすることができました。
PPS-GF20によるプリント事例

最後に、ファイバロンのPPS-GF20を使ったプリントにチャレンジしていきます。
PPS-GF20は、350℃近くの非常に高いノズル温度を必要とする、スーパーエンプラと呼ばれる超高性能プラスチックです。
最大370℃まで対応する「Plus5」なら、PPS-GF20も十分に許容範囲内。
実際に、ノズルを最大の370℃まで加熱するのにかかった時間は2分少々でした。

早速、多くの羽を持つインペラをプリントしていきます。
しかし、プリント注に羽と羽の間を移動する部分で、目立つ糸引きが発生してしまいました。

推奨される乾燥条件を満たしたフィラメントを使い、温度やリトラクト設定を5〜6回調整しましたが、大きな改善には至らない結果に。
前機種の「Max4」では綺麗にプリントできたモデルですが、今回は少し荒い結果となりました。
PPS-GF20の造形クオリティが伸び悩んだ原因として、使用したノズルの径が関係していると考えられます。
今回は、標準で搭載されている0.4ミリのノズルを使用しましたが、QIDI公式では繊維が配合されたPPS-CFなどの素材では、0.6ミリ以上の太いノズルを推奨しています。
繊維配合フィラメントは非常に摩耗性が高く、細いノズルでは詰まりやフィラメントの吐き出し不良を起こしやすくなります。
そのため、「Plus5」でエンプラやスーパーエンプラを頻繁にプリントする予定がある場合は、最初から太い系のノズルをあらかじめ用意しておくといいでしょう。
適切なノズル径を選択することで、本来のポテンシャルを引き出せるようになるはずです。
Plus5を使い込んで分かった3つの重要なポイント

「Plus5」を実際に長期間使ってみると、カタログスペックだけではわからない特徴も見えてきます。
ここからは、「Plus5」をじっくり使い込むことで判明した、運用のポイントやソフト面の改善点、そして機種選びのヒントとなる3つの重要事項をお伝えしていきます。
詳しく見ていきましょう。
QIDI Box対応とComboパッケージ推奨の理由

「Plus5」は、マルチカラーシステムである「QIDI Box」に対応しています。
単体で購入するか、「QIDI Box」がセットになったComboパッケージで購入するかは、悩むポイントでしょう。
「QIDI Box」はマルチカラー専用だと思われがちですが、、実際にはフィラメントの防湿や乾燥、そしてオートリフィル機能も備えています。
「Plus5」は大型機のためプリント時間が長く、消費するフィラメントの量も膨大です。
単体運用ではフィラメントが切れるたびに手動で入れ替える必要があり、湿度管理にも手間がかかりました。
マルチカラープリントをしない方であっても、フィラメントの管理や自動交換の恩恵は非常に大きいです。
そのため、予算に余裕があれば、最初から「QIDI Box」付きのComboで導入することを強くおすすめします。
前機種から劇的に改善されたソフトウェアの安定性

2つ目のポイントは、ソフトウェアおよびファームウェア周りのバグが非常に少ない点です。
実は1つ前の機種である「Max4」のレビュー時は、ファームウェアのバグが多く、検証作業で何度も苦労させられました。
しかし、今回の「Plus5」では、使用中に不便や不具合を感じる場面にほとんど遭遇しませんでした。
おそらく、「Max4」と類似したシステムを採用しているため、過去のバグ修正や改善の蓄積がしっかり反映されているからだと考えられます。
バグによるプリントの中断やエラーが激減したため、初心者からプロユーザーまで、ストレスなく、スムーズにものづくりに集中できる環境が整っているといえます。
Q2やMax4と同じプラットフォームとしての位置づけ

3つ目のポイントは、「Plus5」が「Q2」と「Max4」と同じ位置づけのマシンである点です。
先代の「Plus4」は、後から「QIDI Box」に対応しましたが、リリース時点からComboパッケージとして完全対応したのは、Plusシリーズでは本機が初めてとなります。
さらに、アクティブツールヘッド冷却システムのPolar Coolerにも対応。
サイズ以外の基本的な仕様や使い勝手は、スタンダードな「Q2」や特大の「Max4」とほぼ同等です。
つまり、QIDIのプラットフォームにおいて、大・中・小の3サイズがようやく出揃ったということになります。
ユーザーは性能差を気にすることなく、設置場所や求める造形サイズに応じて最適な1台をシンプルに選べるようになりました。
まとめ:QIDI Plus5はどんな人におすすめ?

「Plus5」は、3辺がすべて300mm以上の大容量な造形ボリュームを備えた実力派3Dプリンター。
最大370℃の高温ノズルと最大65℃のヒートチャンバーを標準装備してなお、10万円台前半という価格で実現しているマシンは他にありません。
スタンダードサイズのQ2では小さすぎるけれど、超大型のMax4は大きすぎて置けない…
と、悩んでいた方にとって、まさに待望の1台となるでしょう。
また、
ABSやASAといったチャンバー加熱が必須の工業用材料で実用品を作りたい!
といった方にも、最もフィットする1台であるといえます。
そんな「Plus5」を導入する際には、Comboパッケージの検討も欠かせません。
マルチカラーやマルチマテリアルといった用途だけでなく、フィラメントの乾燥やオートリフィルができる点も「QIDI Box」を扱うメリットです。
このあたりも踏まえると、余裕があれば「QIDI Box」がセットになったComboでの導入を検討するのがおすすめです。
ぜひ、「Plus5」を導入して、実機のクオリティを自身の目でたしかめてみてください。
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
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