こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Bambu Labの家庭向けラインナップ「A1シリーズ」の後継として登場した新型3Dプリンター「A2L」について解説していきます。
当チャンネル・当サイトでも何度も取り上げてきた、Bambu Labの「A1 mini」と「A1」。
とくにA1 miniは、2万円台という圧倒的なコスパと使いやすさで、今なお家庭用FDM3Dプリンターのベストセラーであり続けている、まさに鉄板の入門機です。
昨年から上位ラインナップの「H2」「P2」「X2」と第2世代が続々と発売される中、大人気のAシリーズにも、2026年6月1日に満を持して「第2世代」が登場しました。
それが、今回取り上げる「A2L」です。
この記事では、現時点で公開されている情報をもとに、次の内容を整理してお届けします。
- A2Lがどんな3Dプリンターなのか(注目スペックとA1シリーズとの違い)
- 導入前に知っておきたいBambu Labをめぐる懸念
- 販売情報・価格と、A1・A1 miniユーザーが買い替えるべきかのウノケン的見解
ぜひ最後まで読んで、A2Lの立ち位置を見極める参考にしてみてください。

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Bambu Lab A2Lの全体像|大きくなって多機能になったA1

A2Lをひとことで言えば、「大きくなって、多機能になったA1」です。
その構造は、A1シリーズと同じくベッドが前後に動く、いわゆるベッドスリンガータイプ。
密閉なしの開放型で、シングルノズルである点も共通です。
基本的な骨格は、A1シリーズと共通だと考えてよいでしょう。
ちなみに、名前のうしろについた「L」は、おそらく「ラージ(Large)」のLで、大型化を意識した命名でしょう。
大型化にともない、A1 miniのようにZ軸が1本だけということはなく、A1と同じ昔ながらのZ軸2本タイプとなっています。
そんなA2Lの注目ポイントは、大きく3つあります。
- ① 造形サイズの大型化:上位のH2シリーズに迫る、大型の造形エリアを実現
- ② 多機能化:ツールヘッドカバーを付け替えることで、カッティングやドローイングに対応
- ③ 振動対策:大型ベッドスリンガーの弱点である振動を、ソフト・ハードの両面で抑える工夫を搭載
ここからは、これらの注目ポイントをひとつずつ詳しく見ていきましょう。
進化①|造形サイズの大型化と対応材料

造形サイズは330×320×325mm(A1の2倍以上)
A2Lの造形サイズは330×320×325mmです。
A1 miniが1辺180mm、A1が1辺256mmだったことを考えると、これはかなりの大型化。
造形体積で言えば105%アップ、つまり2倍以上になっています。
A1 miniと比べれば1辺で15センチ近く大きくなる計算で、作れるもののサイズ感は、もはや別物といえるでしょう。
ホットエンドはA1共通、ビルドプレートはH2シリーズと同サイズ

おもしろいのが、このサイズが上位機種であるH2シリーズのビルドプレートと同じだという点です。
つまり、H2D系のビルドプレートをそのまま流用できる可能性が高いということ。
アクセサリを共通化してくるあたりは、いかにもBambu Labらしい設計です。
一方で、ホットエンドはA1シリーズと共通。
H2・P2・X2シリーズで使われる新しい規格ではなく、あくまでA1シリーズと同じアクセサリが使われています。
大物のビルドプレートは上位のH2系と、消耗が早いノズルまわりは数の出ているA1系と、それぞれ都合よく共通化してきた格好です。
すでにA1シリーズを使っている方なら、手持ちのアクセサリの一部を活かせる場面もありそうです。
最大ベッド温度は80℃|対応はPLA・PETG中心

ビルドプレートに関連して注意したいのが、ヒートベッドの最高温度です。
A2Lの最大ベッド温度は80℃とされていて、これは現行のBambu Labラインナップの中でも最も低い部類。
A1の100℃よりも低く、A1 miniと同じ水準です。
ただ、開放型の大型ベッドスリンガーという構造を考えると、これはむしろ理にかなった割り切りといえます。
A2Lが想定しているのは、あくまでPLAやPETGといった比較的扱いやすい材料が中心。
ABSのような高温材料や、密閉チャンバーが前提の素材を使い込みたいなら、もともとA1シリーズと同様に、このタイプは選ぶべきではありません。
実際、対応フィラメントはPLAやPETG、TPU、そして水溶性サポートのPVAあたりが中心で、ABSやASAは想定されていません。
ターゲットを家庭の趣味ユーザーに絞った、わかりやすい設計です。
進化②|カッティング・ドローイングに対応した多機能化

正体は“H2Sのライト版”(レーザーは非搭載)
A2Lは、モジュールを付け替えることで、3Dプリント以外の使い方ができるようになっています。
具体的には、ステッカーなどを切り出すカッティングと、ペンを取り付けてのドローイングです。
過去のBambu製品をウォッチしている方であれば、これがH2シリーズのレーザーエディションの簡易版であることは、すぐにピンと来るでしょう。
実際、Bambu Lab自身も、A2Lのことを「H2Sのライト版」と表現しています。
ただし、H2シリーズの多機能化のメインコンテンツであったレーザー加工機能は非搭載。
レーザーは安全面により一層の配慮が必要だったり、モジュールが高額だったりという点から、ホビー向け・低価格帯のA2Lへの搭載は見送られたのでしょう。
スマホカメラを使ったアライメント
H2シリーズとは異なるユニークなところが、スマホを使ったアライメント(位置合わせ)の仕組みです。
H2シリーズのようなバードアイカメラを持たないA2Lは、その代わりにスマホのカメラを活用する模様。
本体のマーカーを読み取って位置を合わせるコンピュータービジョン的なアプローチで、カッティングやドローイングの位置決めを手軽に行えるようです。
H2シリーズで打ち出された「3Dプリンターの複合マシン化」というコンセプトが、まさかのAシリーズで再展開されたわけです。
H2シリーズは高価格帯で、誰もが気軽に扱えるものではありませんでした。
A2Lのような低価格帯の装置が多機能化されたことで、Bambu Labの3Dプリント以外の側面を、より多くの人が気軽に楽しめるようになりそうです。
なお、このカッティングやドローイングで実際にどんなことができるのかは、当チャンネルでH2Sを使って実際に紹介しています。
仕組みや動作のイメージが気になる方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。
進化③|大型ベッドスリンガーを支える2つの振動対策

アダプティブ振動補正
ここからは、技術的に少し珍しいと感じた、振動補正まわりの新搭載テクノロジーです。
まず目を引いたのが、アダプティブ振動補正。
これは、最近では各社で標準搭載となっている「よくある振動補正機能」の、より賢いバージョンといえます。
振動補正とは、リンギング、つまり高速プリント時に表面に出てしまう、あの細かい波のような跡を抑えるための仕組みです。
CoreXYに比べて、土台が前後に動き、X軸が上へ上がっていくベッドスリンガーは、どうしても揺れが大きくなりがち。
とくに大型ともなると、ベッド全体が重くなったり、X軸がかなり上の方まで移動したりして、振動の仕方そのものが変化します。
これでは、プリント開始前の簡単な補正だけでは対応しきれず、大きなモデルの上の方では振動による表面の波打ちが目立ってしまうことがあります。
これを解決するために搭載されたのが、アダプティブ振動補正機能です。
Bambu Labの説明によれば、ツールヘッドの位置とベッドに積層されたモデルの重量の両方を考慮して、レイヤーごとに補正の度合いを調整してくれるとのこと。
実際にどの程度効くのかは要検証ですが、注目に値するA2Lの特徴です。
粒子ダンパー

さらに、ハードウェアの面でも、振動を抑えるための「粒子ダンパー」を搭載しています。
A2Lはガントリーの内部に微粒子が詰め込まれており、その無数の微粒子どうしの衝突や摩擦によって、効果的に振動を吸収する仕組みです。
これは、少なくとも個人向けの3Dプリンターとしては、かなり珍しい技術ではないでしょうか。
整理すると、2つのアプローチは次のように役割が異なります。
- アダプティブ振動補正:動きを予測して振動を打ち消す、能動的なアプローチ
- 粒子ダンパー:動きに応じて振動を吸収する、受動的なアプローチ
この2つを組み合わせることで、ベッドスリンガーの弱点である振動の影響を可能な限り抑えようというのが、Bambu Labの狙いでしょう。
AMS liteのトップマウントと振動
ちなみに、A1と同じく、マルチカラー用の「AMS lite」を本体の上に載せるトップマウントスタイルも紹介されています。
本来、装置の上に重量物を載せると、その分、振動の面ではさらに不利になりそうなもの。
それでも品質を保てるとすれば、ここまで見てきたアダプティブ振動補正や粒子ダンパーが効いているのかもしれません。
正直なところ、A2L登場の予告を目にしたときは、「今さら大型のベッドスリンガーを出すのか」と、驚きと懸念をもって受け止めていました。
どうやらBambu Labにとっては、そんな懸念は織り込み済みだったようです。
縁の下の進化|PMSMサーボ押出機と検知機能

振動対策とあわせてもうひとつ、目に見えにくい「縁の下」の部分もしっかりアップグレードされています。
それが、フィラメントを押し出す押出システムのサーボ化です。
A2Lは、押出機のモーターにPMSMクローズドループサーボと呼ばれるサーボモーターを採用しています。
これはA1シリーズとは違い、H2Sと共通の仕様です。
ざっくり言えば、より正確に動かせる賢いモーター、というイメージ。
これにより、高速プリント時でも安定して動力を供給できるようになります。
さらに、このサーボ押出機は押し出しの異常をリアルタイムで監視するセンサーの役割も兼ねており、フィラメントがうまく送れていない、詰まりかけている、といった異常を、モーター側の動きから検知できます。
A1シリーズで好評だった検知機能がさらにアップグレードされ、プリントの失敗を可能な限り未然に防いでくれる構成になっています。
Bambu Lab A2L Comboスペック&価格の比較表
| モデル名 | A2L Combo | A1 Combo | A1 mini Combo |
|---|---|---|---|
| 本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
| メーカー | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab |
| 価格(サンステラ) | - | ||
| 価格(SK本舗) | - | ||
| 価格(Amazon) | - | - | |
| 価格(海外ストア) | |||
| 本体サイズ(LxWxH)[mm] | 529 x 544 x 505 | 385 x 410 x 430 | 347 x 315 x 365 |
| 本体重量[kg] | 12.8 | 9.9 | 7.1 |
| 構造 | ベッドスリンガー | ベッドスリンガー | ベッドスリンガー |
| 密閉 | × | × | × |
| ヒートチャンバー | × | × | × |
| 組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 組み立て済み |
| 造形サイズ(LxWxH)[mm] | 320 x 330 x 325 | 256 x 256 x 256 | 180 x 180 x 180 |
| 最大スピード[mm/s] | 500 | 500 | 500 |
| 推奨スピード[mm/s] | - | - | |
| 最大加速度[mm/s²] | 10000 | 10000 | 10000 |
| 最大押出流量[mm³/s] | 28 | 28 | 28 |
| 最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 |
| 最大ヒートベッド温度[℃] | 80 | 100 | 80 |
| 対応フィラメント | PLA, PETG, TPU, PVA | PLA, PETG, TPU, PVA | PLA, PETG, TPU, PVA |
| マルチカラー | AMS lite AMS 2 Pro4台追加で最大19色 | AMS lite 1台で4色 最大4色 | AMS lite 1台で4色 最大4色 |
| 消費電力[W] | 1000 | 350 | 150 |
| ディスプレイ | 3.5インチタッチスクリーン | タッチ式 | タッチ式 |
| Wi-Fi | ○ | ○ | ○ |
| 内部ストレージ[GB] | ×(32GB microSD) | × | × |
| カメラ/リモートモニタリング | ○ | ○ | ○ |
| スライスソフト | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) |
| その他 | ブレードカットやペンドローイング用のモジュラーアドオン対応 適応型振動補正 粒状ダンパー搭載 | ||
| 出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
Bambu Lab A2Lの販売情報と価格

続いて、気になっている方も多いであろう販売情報を整理します。
A2Lは、グローバルでは2026年6月1日、そして日本では翌6月2日の午前11時に販売がスタートしました。
ラインナップは大きく分けて2つです。
- A2L(本体のみ):¥64,800
- A2L Combo(マルチカラーシステム同梱):¥84,800
ここで注目したいのが、このA2L Comboにセットになっているのが、AMS 2 Proではなく、A1シリーズでおなじみの「AMS lite」だという点です。
最近のA1シリーズでは、乾燥機能つきの箱型「AMS 2 Pro」とのコンボも登場していただけに、ここで開放型のAMS liteがセットになるのは、少し意外に感じるかもしれません。
とはいえ、Aシリーズらしいコスパ感・手の届きやすさを考えると、まずはコストを抑えたAMS liteを組み合わせてきた、ということなのでしょう。
そして、もうひとつ大事な注意点です。
さきほど紹介したカッティングやドローイングの機能を使うには、「カッティングアップグレードキット」が別途必要になります。
これは本体のA2Lにも、A2L Comboにも、デフォルトでは含まれていません。
A2Lの多機能なところに惹かれて購入を検討している方は、このキットが別売り・別料金のオプションだという点を、しっかり頭に入れておきましょう。
まとめ|Bambu Lab A2Lはどんな人におすすめ?

最後に、すでにA1 miniやA1を使っている方はA2Lに買い替えるべきなのか、そしてA2Lはどんな人におすすめなのか、登場時点の情報をもとにした個人的な見解をお伝えします。
まず、買い替えを考えているA1 mini・A1ユーザーの方。
今のサイズで満足しているなら、あえて乗り換える必要はないでしょう。
A1 miniの最大の魅力は、あのコンパクトさと2万円台という価格、そしてお値段以上のクオリティです。
A2Lは大きくなった分、当然ながら設置スペースが必要になりますし、低価格帯とはいえリリース直後ということもあって、単体でも6.5万円ほどになります。
「小さくて、安くて、高品質」というA1 miniの価値が刺さって買った方にとって、A2Lは必ずしも上位互換にはなりません。
A1ユーザーも同様で、価格やお家に置きやすいサイズ感という魅力は、A2Lでは薄れてしまいます。
一方で、「A1 miniやA1の手軽さは気に入っているけれど、もっと大きいものを作りたい」「カッティングやドローイングにも興味がある」という方にとっては、A2Lは魅力的な選択肢になります。
改めて整理すると、A2Lがおすすめなのは次のような方です。
- A1シリーズの使いやすさとコスパ感はそのままに、もっと大きなものをプリントしたい方
- 3Dプリントだけでなく、ステッカーのカッティングやドローイングといった工作も1台で楽しみたい方
- H2シリーズを買うほどの予算はなく、レーザーまでは必要ないと思っていた方
逆に、おすすめしにくいのは次のような方です。
- コンパクトさと安さを最優先する方:これは引き続きA1 miniが鉄板です
- ABSなど高度な材料を扱いたい方:開放型・ベッド最大80℃のA2Lでは力不足。価格は上がりますが、H2SやH2Dといった上位機種を検討すべきです
- マルチカラーをゴリゴリにやり込みたい方:A2Lはシングルノズルなので、色替えのたびにプープと呼ばれるゴミと、膨大な切替時間が発生する弱点はそのまま
マルチカラーについて補足すると、A2L Comboに加えて箱型のAMSを増設すれば最大19色まで扱えるとされています。
ただ、大型モデルのマルチカラープリントで、もはやシングルノズルは現実的とはいえません。
色をふんだんに使いたい方は、他社のツールチェンジャー機か、Bambu LabであればH2Cを検討するのがよいでしょう。
まとめると、A1から造形体積が2倍以上に大きくなり、カッティングやドローイングまでこなす多機能ぶり。
それでいて、ベッドスリンガー・開放型・シングルノズルというおなじみの構成による、高いコストパフォーマンス。
「大きな造形サイズが欲しいけれど、H2シリーズはちょっと高い」——そう感じていた工作好きのホビーユーザーには、ぐさっと刺さる1台になりそうです。
すでに日本国内でも販売が始まっています。
気になった方は、下記のリンクから製品ページもチェックしてみてください。








