こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、いま注目を集めているツールチェンジャー方式の3Dプリンターを3機種まとめて徹底比較していきます。
取り上げるのは、
の3台です。
ツールチェンジャーとは、複数のツールヘッドをまるごと交換することで、色や材料を切り替えても無駄なゴミを出さずにプリントできる、次世代のマルチカラー・マルチマテリアル方式のことです。
そして、今回比較する上記3機種は、どれもAge of 3DPで私が実際にレビューしてきたもの。
使ってみて実感したのは同じツールチェンジャー方式といえど、価格・サイズ・得意分野・注意点など、機種ごとに性格が異なる点。
そのためこの記事では、
ツールチェンジャーが気になってるけど、どの機種を買えばいいの?
マルチカラーをやってみたいけど、結局どれを選べばいいの?
という方に向けて、価格・サイズ・対応材料・使い勝手といったスペックを比較し、自分に合う最適な1台が選べるようおすすめな人の特徴まで解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、ツールチェンジャー機選びの参考にしてみてください!

動画でツールチェンジャー比較をチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeで公開中の「Snapmaker U1レビュー」動画内でも解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
結論:じぶんに1番最適なツールチェンジャー機はどれ?

具体的な3機種比較の話に入る前に、結論から先にお伝えしましょう!
以上3機種のどれが1番、自身にぴったりな3Dプリンターなのか。
実際に実機を使用してみて感じたおすすめな人の特徴を紹介していくので、まずは自分に合う1台のあたりをつけてみてください。
コスパ重視で、いろんな材料を使いたいなら「Creator 5 Pro」
3機種の中でもっとも安く、そしてエンクロージャーとヒートチャンバーを標準装備しているのがFlashforgeの「Creator 5 Pro」です。
ABSやASA、カーボン系まで含めて、幅広い材料を最初から扱いたい方に向いています。
さらに国内代理店があるので、サポート面の安心感を重視する方にもおすすめです。
マルチカラーを気持ちよく、使いやすさも重視なら「Snapmaker U1」
自動ローディングや今どきの操作画面など、日々の使い勝手がとにかく快適なのが「Snapmaker U1」です。
数色のフィラメントから多彩な色を作り出すフルスペクトラムも得意なので、PLAやPETGでマルチカラーをゴリゴリ楽しみたい方に最適でしょう。
大型・多ヘッド・拡張性を求める玄人なら「Prusa XL」
造形サイズもヘッド数も別格なのが、老舗Prusa Researchの大型機「Original Prusa XL」です。
価格は60万円を超える一方で、最大5ヘッド、そして継続的なアップグレードという強みがあります。
予算に余裕があり、設定の追い込みも自分でこなせる玄人の方にこそ響く1台です。
そもそもツールチェンジャーとは?3機種の共通点は◯◯なし!

まずは、3機種に共通するツールチェンジャーならではの強みを押さえておきましょう。
一般的なAMSタイプのマルチカラーは、ノズルが1つだけです。
色を変えるたびにノズルの中身を入れ替える必要があるので、切り替えのたびにPoopと呼ばれる大量のゴミが出て、時間もかかります。
一方、ツールチェンジャーは、あらかじめ別々のフィラメントをセットした複数のツールヘッドをまるごと交換して色や材料を切り替えます。
前の色を押し出して捨てる工程がないので、切り替えのゴミがほとんど出ないのが最大の魅力です。
つまり、どの機種を選んでも、Poopの少ないマルチカラーという恩恵は共通して得られます。
では、そのうえで3機種は一体何が違うのか。
ここから詳しく見ていきましょう!
より詳しく、ツールチェンジャー・AMS・デュアルノズルの違いを知りたい方は以下の動画もご覧ください。
【スペック・価格比較】Creator 5 Pro・Snapmaker U1・Prusa XLの違い

まずは、基本スペックと価格を一覧で見比べてみましょう。
| 項目 | Creator 5 Pro | Snapmaker U1 | Prusa XL |
|---|---|---|---|
| ツールヘッド数 | 4 | 4 | 最大5 |
| 造形サイズ | 256×256×256mm | 270×270×270mm | 360×360×360mm |
| 参考価格 | 約10万円台前半 | 約15万円 | 60万円超 |
| エンクロージャー | 標準+ヒーター65℃ | なし(開放)※別売あり | オプション |
| 耐摩耗ノズル | 標準 | 非対応(別売あり) | 非対応(別売あり) |
| 自動ローディング | なし | あり | なし |
| 国内代理店 | あり | なし | あり |
わかりやすい違いでいうと、価格は、
と、はっきり差があります。
造形サイズは逆の順で、
と、「Prusa XL」が最大、「Creator 5 Pro」が最小クラスです。
基本スペックから、少しずつ違いがあることが見て取れますね。
さらに違いに関して、選ぶときに気になるポイントを項目ごとに掘り下げていきましょう。
価格とコストパフォーマンス
もっとも分かりやすい違いが上記でも見た通り、やはり価格です。
「Creator 5 Pro」は、エンクロージャーやヒーターまで備えながら10万円台前半という攻めた価格設定。
次いで「Snapmaker U1」も約15万円と、ツールチェンジャーとしては破格の部類でしょう。
それに対して「Prusa XL」は60万円超と、まさに別格の価格帯です。
「Prusa XL」は2機種よりも造形サイズが大きく、ヘッド数も多いので単純比較はできませんが、
まずツールチェンジャーを手軽に試したい
という観点では、「Creator 5 Pro」と「Snapmaker U1」が圧倒的に手を出しやすいでしょう。
造形サイズとヘッド数
大きなものを一度にプリントしたいなら、「Prusa XL」が頭ひとつ抜けています。
1辺360mmという造形サイズに加え、ツールヘッドを最大5つまで積めるので、色数でも容量でも余裕があります。
「Snapmaker U1」は270mm、「Creator 5 Pro」は256mmとどちらも個人向けとして標準的なサイズ。
とくに「Creator 5 Pro」はツールチェンジャーの中でも最小クラスなので、大きな造形物を作りたい方は物足りなさを感じるかもしれません。
対応材料とヒートチャンバー
「Creator 5 Pro」は、エンクロージャーとヒートチャンバーを標準装備。
さらにノズルも標準で耐摩耗仕様になっています。
そのため、ABSやASA、PC、カーボン系といった反りやすい材料や硬い材料を最初から扱えるのが強みです。
実際に、あえて反りやすい直方体をABS・ASA・PCでプリントしてみたところ、いずれもほぼ反りなしで仕上がりました。
一方で、「Snapmaker U1」はそもそも上部が開放された構造です。
別売のトップカバーを取り付けるか、またはIKEAのSAMLAというプラスチックケースをそのまま被せる方法をとる必要があります。

「Prusa XL」もエンクロージャーは、オプション扱い。
どちらも標準のままでは、ABSやASAのような反りやすい材料は苦手です。
カーボンやガラス繊維入りのフィラメントも、「Snapmaker U1」と「Prusa XL」は標準ノズルでは非対応。
使うには、耐摩耗ノズルを別途用意する必要があります。
マルチカラーの色表現
色の表現力という点では、「Snapmaker U1」が圧倒的でしょう。
「Snapmaker U1」とスライスソフトは、数色のフィラメントを薄く重ねて別の色を作り出すフルスペクトラムという機能の元祖。
シアン・イエロー・マゼンタといった数色から、オレンジや緑、紫といった色味まで表現できてしまいます。
もちろん、Poopの出ない多色プリント自体は3機種すべて得意ですが、
より少ない色数で豊かな色を出したい!
という場合なら、「Snapmaker U1」が最適でしょう。
「Snapmaker U1」のフルスペクトラム機能に関して詳しく知りたい方は、以下の動画をご覧ください。
使い勝手(組み立て・操作画面・ローディング)
日々の使い勝手も、意外と差が出るポイントです。
まず組み立ての手軽さでは、「Creator 5 Pro」がもっとも簡単でした。
エンクロージャーの組み立てこそありますが、それを除けば、半日仕事だった「Prusa XL」はもちろん、組み立てが必要な「Snapmaker U1」と比べても、さらに簡単な部類です。
操作画面のモダンさや、フィラメントの自動ローディングという点では「Snapmaker U1」に軍配が上がります。
先端を差し込むだけで自動で吸い込んでくれる「Snapmaker U1」に対し、「Creator 5 Pro」と「Prusa XL」は手動での送り込みが必要となり、プリントの度に手間が発生してしまいます。
さらに「Prusa XL」は、操作画面が文字ベースのアナログな画面。

直感的な操作は難しめなため、玄人好みの硬派な使用感だといえるでしょう。
サポート体制
意外と見落としがちなのが、購入後のサポート体制です。
「Creator 5 Pro」はAPPLE TREEが国内代理店を務めており、「Prusa XL」も国内で情報を得やすいブランドです。
一方の「Snapmaker U1」は、現時点で正規の国内代理店がなく、公式の日本語ページもありません。
トラブル時のサポートに不安を感じる方は、この差も判断材料になるでしょう。
実際に使ってわかった!Creator 5 Pro・Snapmaker U1・Prusa XLのデメリットと注意点

ここからはスペック表だけでは見えてこない、実際に使い込んで感じた各機種のクセについても見ておきましょう。
まず、“ツールチェンジャー機種”だからこその3機種共通の注意点について。
ただ裏を返せばこれらはすべて、マルチカラーやマルチマテリアルを本気でやりたい人のための特性。
単色のプリントがメインという方には、ツールチェンジャー自体がオーバースペックになりがちな点も、頭に入れておきましょう。
次に、各機種を使ってみて気になった独自の注意点について確認していきましょう。
次項から、より詳しく見てみましょう。
Creator 5 Pro:安さの代償もある

コスパと材料対応力が魅力の「Creator 5 Pro」ですが、使ってみると気になる点もありました。
もっとも不便だったのが、フィラメントのロードとアンロードの仕様です。
「Creator 5 Pro」はエンクロージャーを持ち上げて取り外さないと、ロードもアンロードもできません。
また、やわらかいTPUは詰まりやすく、詰まると分解にネジを8本も外す必要があるなど対処が非常に面倒でした。
さらに、ソフトウェア周りにも粗さがあり、不明なエラーで停止したり、頻繁にログアウトさせられたりと、ストレスを感じる場面がありました。
Snapmaker U1:品質は最高峰レベルではない

使い勝手が快適な「Snapmaker U1」にも、弱点はあります。
プリント品質は“最高峰”とまでは言えず、条件によってはリンギングと呼ばれる揺れの跡や、オーバーハングの乱れが気になることがありました。
また、やわらかいTPUの供給が苦手だったり、プリント完了後にポゴピンエラーという表示がよく出たりと、粗削りな部分も残っています。
Prusa XL:プロフェッショナル向けの手間がある

3Dプリント品質と拡張性が光る「Prusa XL」ですが、その実力を引き出すには手間がかかります。
組み立て済みモデルでありながら、開封からプリントまで半日近くかかり、キャリブレーションの工程も多め。
糸引きなどの設定の追い込みも必要で、まさに“自分でゴリゴリ調整していけるプロフェッショナル向け”の1台といえるでしょう。
まとめ:結局じぶんが買うべきツールチェンジャー機はどれ?

ここまで、ツールチェンジャー方式の3Dプリンター3機種を実際に使ったうえで比較してきました。
最後に改めて、
を整理しておきましょう。
「Creator 5 Pro」は、とにかくコスパ重視でABSやカーボン系まで含めた幅広い材料を使いたい、国内代理店によるサポートの安心感も欲しい方にとくにおすすめです。
「Snapmaker U1」は、フルスペクトラムを含むマルチカラーをゴリゴリ楽しみたい、PLAやPETGがメインで、使いやすさとコスパも重視する方に最適な1台になるでしょう。
そして、「Original Prusa XL」は大型・多ヘッド・拡張性を求める人、さらに予算に余裕があり設定の追い込みも自分でこなせる方におすすめできる玄人向けマシンです。
どの機種も、ゴミの少ないマルチカラーというツールチェンジャーの魅力は共通して持っています。
そのうえで、価格を取るか、使いやすさを取るか、サイズと拡張性を取るか。
ご自身の使い方に合わせて、早速導入してみましょう!
各機種の詳しい実力はそれぞれのレビュー記事でも解説していますので、気になる1台があれば、あわせてチェックしてみてください。
動画でツールチェンジャー比較をチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeで公開中の「Snapmaker U1レビュー」動画内でも解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!





