こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、ELEGOOのフィラメント乾燥機「H1 HT」の特徴と、CANVASを使う環境での活用方法を解説していきます。
H1 HTは、最高85℃の加熱、自動回転するスプール、湿った空気を逃がす排湿機構を備えた1本用の乾燥機です。
PLA・PETGだけでなく、PA・PCなど高めの乾燥温度を必要とする材料も扱える製品です。
同じ85℃まで加熱できるBambu LabのAMS HTと比べると、プリンターに接続せず動作するか、自動給材まで担うかが大きな違いです。
乾燥機をプリンターから独立して使うならH1 HT、Bambu本体と連携して自動給材まで使うならAMS HTが判断の軸になります。
ぜひ最後まで読んで、フィラメントの湿気対策の参考にしてみてください!

H1 HTはどんな乾燥機?85℃まで加熱できる1本用モデル

H1 HTは、フィラメントのスプールを1本入れ、温めながら水分を取り除く乾燥機です。
温度は45〜85℃、時間は0.5〜12時間の範囲で設定できます。
1台で4本を乾燥する製品ではなく、必要な1本を選んで乾燥する構成です。
| 項目 | H1 HTの仕様 |
|---|---|
| 設定温度 | 45〜85℃ |
| 設定時間 | 0.5〜12時間 |
| 収納本数 | 対応寸法のスプール1本 |
| フィラメント径 | 1.75mm |
| 対応スプール | 直径197〜202mm/幅50〜68mm |
| 外形寸法 | 280×256×126mm |
| 本体重量 | 1.55kg |
| 画面 | 3.5インチフルカラータッチスクリーン/英語・中国語 |
同じ1kgスプールでも、メーカーごとに直径や幅は異なります。
特に小径の250gスプールや幅の広い大容量スプールは、重量表記だけでなく実際の外形寸法が対応範囲に入るかが選ぶ基準です。
注目する3つの特徴:高温だけでなく、熱と湿気の逃がし方に工夫

H1 HTの特徴は、最高温度だけではありません。
スプールの位置による温まり方の違いと、乾燥中に出てくる湿気へ対処する仕組みも備えています。
自動回転:スプールを動かして温まり方の偏りを抑える

回転乾燥モードでは、スプールを少しずつ回転させて、同じ場所だけに熱が当たり続ける状態を避けます。
公式の使用ガイドでは、5分ごとに少し回転し、約30分で1周する動作として説明されています。
スプールを回しながら乾燥する仕組みは、H1 HTの特徴的な部分です。
回転中に材料の端が庫内の部品へ引っ掛からないよう、乾燥だけを行うときはフィラメントの端をスプールへ固定しておきましょう。
自動排湿:温めたあとに出てくる湿気を外へ逃がす

フィラメントを温めると、水分は庫内の空気へ移ります。
H1 HTは2つの自動排湿口を使い、乾燥中は湿った空気を外へ逃がし、乾燥後は閉じて湿気の再侵入を抑える仕組みです。
加熱することと、湿気を逃がすことを組み合わせているのがポイントです。
ただし、庫内の湿度表示が下がっただけで、フィラメント内部の乾燥が終わったと判断することはできません。
乾燥時間は材料メーカーの指定を基準にし、使わない材料は乾燥後の防湿保管も組み合わせましょう。
11種類のプリセット:材料とスプールの耐熱性に合わせる

PLA・PETG・TPU・ABS・ASA・PET・PP・PC・PA・PAHT-CF・PVAの11種類のプリセットを備え、カスタム設定にも対応します。
最高85℃は、どのフィラメントにも85℃を使うという意味ではありません。
PLAなどは材料に適した温度を選び、フィラメント自体に加えて、スプールや接着部分の耐熱性も合わせる必要があります。
過熱保護、フタ開放検知、ファン異常検知、難燃性の内側シェルなども備えています。
フタを開けると加熱が一時停止するため、乾燥中に何度も開けると熱と湿度の状態が変わり、乾燥が進みにくくなります。
乾燥しながらプリントするには?材料に合わせて出口を選ぶ

H1 HTは、乾燥機の中からフィラメントを取り出し、プリンターへ供給する使い方にも対応します。
ELEGOOのプリンター専用ではなく、フィラメントを供給する経路を合わせて、他社のFDM機でも使える構成です。
通常のPLA・PETG・ABS・ASAは下側の出口、TPUやPA-CFなどは上側の出口を使うよう、公式ガイドで案内されています。
柔らかい材料や曲げに弱い繊維強化材料は、できるだけまっすぐな経路を使うという考え方です。
チューブを急角度で曲げたり、スプールを逆向きに置いたりすると、給材抵抗が大きくなります。
高温で材料を乾燥する設定と、プリント中の材料を温めておく設定は、材料メーカーの条件に合わせて使い分けましょう。
CANVASの湿気対策には役立つ?4色運用では「1本用」が判断の分かれ目

CC2 Comboの実機レビューで気になったのは、CANVASのスプールが本体の側面へむき出しで並ぶ点でした。
本体が密閉型でも、外側のフィラメントは周囲の空気へ触れ続けます。
H1 HTは材料を乾燥する装置で、CANVASに乾燥機能を追加するユニットではありません。
CANVASの4本を、H1 HTの1台で全部乾燥できる?
収納できるのは1本なので、4色の材料をまとめて準備する場合は順番に乾燥することになります。
乾燥済みの材料は防湿容器で保管し、使う分だけ取り出せば、1台でもプリント前の準備に使えます。
4本すべてを乾燥機から同時に供給したい用途では、4本用の乾燥機や、複数台の1本用乾燥機という選択肢があります。
プリント前に乾燥し、CANVASの標準ホルダーへ移して使う運用なら、給材経路を変更せずに湿気対策ができます。
CANVASの配置や、CC2 Comboで感じた湿気対策の課題は、こちらの実機レビューで確認できます。
Bambu Lab AMS HTとの違い:同じ85℃でも、単独乾燥か自動給材まで使うか

H1 HTと近い比較相手が、Bambu LabのAMS HTです。
どちらも1本用・最高85℃・回転乾燥・自動排湿という特徴を持っています。
ただし、H1 HTはフィラメントを乾燥する独立した装置で、AMS HTは乾燥機能を備えるBambu Lab用の自動素材供給システムです。
| 比較項目 | ELEGOO H1 HT | Bambu Lab AMS HT |
|---|---|---|
| 収納本数/最高温度 | 1本/85℃ | 1本/85℃ |
| 回転乾燥/自動排湿 | 対応 | 対応 |
| スプール寸法 | 直径197〜202mm・幅50〜68mm | 直径197〜202mm・幅50〜68mm |
| 乾燥の操作 | 本体のタッチスクリーンで設定 | Bambu本体と連携して設定・管理 |
| 単独での乾燥 | プリンターに接続せず使用可能 | 電源を入れたBambu本体への6ピンバス接続が必要 |
| 自動給材/RFID | 自動給材・RFID認識機能はなし | 標準給材経路で自動給材。Bambu純正RFIDで材料・乾燥設定を認識 |
| 乾燥しながらの給材 | 出口・PTFEを使った外部給材に対応 | 一部機種で対応。機種とファームウェアによって条件が異なる |
ELEGOOや他社機のために、プリンターとは独立して乾燥したいならH1 HTが選びやすい構成です。
AMS HTは乾燥用の外部電源だけをつないでも単独では使えず、Bambu本体との通信も必要です。
CANVASへ接続する自動給材ユニットとして代用する製品ではありません。
一方、Bambuユーザーが、乾燥から材料の認識・自動ローディングまでまとめたいなら、プリンター側の材料管理に組み込めるAMS HTが比較候補になります。
AMS HTのバイパス出口を使う場合は、標準の自動給材経路とは異なります。
汎用TPUなどをこの経路で使うときは、自動給材・自動巻き戻しを使う構成ではありません。
また、AMS HTの乾燥と造形の同時実行は一部機種で対応しているため、すべてのBambu機で同じ温度・操作になるとは考えず、使用機種とファームウェアの条件を合わせて選びましょう。
AMS HTの実機経験:PA-CFの乾燥で表面と嵌合が改善

筆者のAMS HTレビューでは、PA-CFを85℃で12時間乾燥した作例を検証しました。
以前の作例で見られた表面の縞模様がなくなり、パーツ同士の嵌合や回転構造の動作も改善しました。
PVAでも80℃乾燥後に水溶性サポートのプリントを完走でき、高めの乾燥温度を使える利点を実感しています。
乾燥の仕上がりは、最高温度に加えて送風・排湿・乾燥時間にも左右されます。
すでにAMS HTを持つ方は、追加でH1 HTを買う前に、乾燥する本数が足りないのか、別メーカーのプリンターでも独立して使いたいのかを考えると、役割の重複を避けられます。
複数本・さらに高温の用途なら:SUNLU S4・E2も比較候補

乾燥機を選ぶときは、普段使うスプールの本数と、材料が要求する乾燥温度から考えると整理できます。
| 製品 | 収納の目安 | 最高温度 | 選ぶ用途 |
|---|---|---|---|
| ELEGOO H1 HT | 1本 | 85℃ | 1本ずつ高温乾燥し、回転・自動排湿を使う |
| SUNLU S4 | 1kgスプール4本 | 70℃ | 多色用など、複数本を同じ条件で一度に乾燥する |
| SUNLU E2 | 1kgスプール2本/対応2kgスプール1本 | 110℃ | 85℃を超える乾燥条件やアニーリングも使う |
PLA・PETGの4色をまとめて乾燥したいなら、収納本数の多いS4が比較候補です。

PAやPCなどの乾燥指定を踏まえ、70℃では足りず85℃の範囲で使うならH1 HT、さらに高温が必要ならE2という比較になります。
複数本用でも、異なる材料を同時に入れると乾燥温度や時間を揃える必要があります。
1本用を使い分ける方式は、材料ごとに別の設定で乾燥しやすい一方、台数分の電源と置き場所が必要になります。
4本をまとめて準備するS4と、高温乾燥やアニーリングも扱うE2の使用感は、以下のレビューで詳しく紹介しています。
S4・E2の購入先はこちらです。
まとめ:H1 HTは、必要な1本を85℃まで乾燥したい人向け

H1 HTは、最高85℃の加熱に、自動回転と排湿を組み合わせた1本用の乾燥機です。
Bambu本体と連携して材料の認識・自動給材まで使いたいならAMS HT、プリンターから独立して乾燥したいならH1 HTという違いが、まず判断の軸になります。
さらに、CANVASなどの4色構成をまとめて乾燥したい用途では、複数本用のS4なども比べたいところです。
購入前は、使うスプールが直径197〜202mm・幅50〜68mmに収まるかを確かめると、収納できないという失敗を避けられます。
「1本をしっかり乾燥」と「複数本を一度に準備」のどちらを優先するかを考えて選んでみてください!
吸湿による糸引きと乾燥・防湿保管の基本は、以下の記事も参考になります。










