こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、FDM3Dプリンターの材料であるフィラメントの乾燥について徹底解説していきます。
FDM3Dプリンターを使用する上で避けられないのが、フィラメントの防湿・乾燥です。
この記事では、
について解説していきます。
という方はぜひ最後までご覧ください。
それでは見ていきましょう!
なぜ3Dプリンターのフィラメントを乾燥させる必要があるのか?

3Dプリンターのフィラメントを乾燥させる必要があるのは、
湿気に弱い材料でできていることが多いから
です。湿気を吸収すると性能が低下し、プリント品質に悪影響を与えます。
特にPLAやABSなどの一般的なフィラメントは、水分を吸収しやすく、湿気が高い環境下では脆くなりやすいです。湿気による品質低下は、プリント品の強度や耐久性にも悪影響を与えることがあります。
このような問題を回避するために、フィラメントを適切に乾燥させることが重要です。
湿気を吸ったフィラメント使用時のリスク

湿気を含んだフィラメントをそのまま使用すると、さまざまな問題が発生します。
と、プリントの失敗や余計なメンテナンスの原因となってしまいます。
これらの問題を解決するためには、
フィラメントを適切に乾燥させ、湿気をコントロールすることが重要
です。対策としてよく使われているのが、乾燥剤やフィラメント乾燥機の使用です。これらを活用することで、フィラメントを適切な状態に保ち、3Dプリント品質を向上させることができます。
3Dプリンターのフィラメントを防湿・乾燥させる方法

湿気を含んだフィラメントを使用しないためには、主に2つの対策があります。
3Dプリンターのフィラメントを防湿・乾燥させる方法について、具体的に確認していきましょう。
密閉できる袋・容器と乾燥剤を活用して保管する
一度開封したフィラメントを湿気から守るためには、適切に保管することが重要
です。フィラメントが湿気を吸わないような保管の仕方をすれば、3Dプリントの品質を維持することができます。
対策は簡単で、
です。これにより、乾燥剤が湿気を吸収し、フィラメントの乾燥状態を維持することができます。
市販のジッパー付きの密閉袋に入れても良いですが、専用の密閉キットも販売されています。余分な空気を抜くこともできるため、密閉袋の中の水分を最小に抑えることが可能です。
フィラメントの種類が増えてきた方は、大きめのドライボックスを活用すると良いでしょう。
一度用意してしまえば、乾燥剤以外は繰り返し使うことができます。乾燥剤にはシリカゲルなどを使用して、定期的な交換を忘れないように注意しましょう。
フィラメント乾燥機(フィラメントドライヤー)を使用する【オススメ!】
フィラメント乾燥機(フィラメントドライヤー)は、フィラメントを効率的に乾燥させることができる専用の機器です。フィラメント乾燥機を使うと、
適切に加熱・保温することで、吸湿したフィラメントから水分を飛ばすことが可能
です。
乾燥機内から直接3Dプリンターにフィラメントを供給できるタイプが多く、フィラメントがきっちり乾燥された状態で3Dプリントに使用することが可能です。
また、フィラメントドライヤーの種類によっては、
ものも。用途や予算に合わせて自分にあったフィラメントドライヤーを選ぶと良いでしょう。
各社からサイズ・価格の異なる乾燥機がいくつか登場しています。ここからは、筆者愛用品も含めたおすすめ機種について解説していきます。
【2023最新】フィラメント乾燥機おすすめ5選
ここからは、
おすすめのフィラメント乾燥機(フィラメントドライヤー)を5つ紹介
していきます。
収納可能フィラメント数や実勢価格を含め、各機種の特徴について解説しています。ぜひフィラメント乾燥機選びに活用してください。
筆者も愛用中!高コスパロングセラー乾燥機「SUNLU FilaDryer S1」
収納可能フィラメント数 | 1 |
実勢価格(2023年9月時点) | 7,000円前後 |
「SUNLU FilaDryer S1」は、フィラメントやレジンといった3Dプリント用材料を取り扱うSUNLUのフィラメント乾燥機シリーズ「FilaDryer」の1台です。
庫内を設定した温度(例. 60℃)に保ち、1つのフィラメントスプールを乾燥させるスタンダードなタイプ。乾燥機に入れたままフィラメントを外側に通す穴がついており、スプール本体を乾燥させた状態で3Dプリントすることができます。
ボタン数やパネルの情報量が少なく、若干の扱いにくさは否めません。とはいえ、すぐに慣れるので、乾燥機にリッチなUIや操作性を求める方でなければ問題ないでしょう。
筆者も長く愛用しており、コスパの良いフィラメント乾燥機をお探しの方におすすめできる1台です。
効率&利便性向上の大人気フィラメントドライヤー「SUNLU FilaDryer S2」
収納可能フィラメント数 | 1 |
実勢価格(2023年9月時点) | 10,000円前後 |
「SUNLU FilaDryer S2」もSUNLUの「FilaDryerシリーズ」の1台で、「SUNLU FilaDryer S1」の後継機種にあたります。
角ばっていた「S1」に比べて、丸みを帯びた形状が特徴的な「S2」。この形状により、360°一定の温度で加熱することができ、30%の効率向上を達成しています。
インターフェースがタッチスクリーンになったり、フィラメントの種類ごとのプリセットが存在するなど、使い勝手も大幅に向上。できるだけコストを抑えたい方は「S1」、使い勝手を優先するのであればアップグレードされた「S2」を選択すると良いでしょう。
使い勝手とコスパを両立「eSUN eBOX Lite」
収納可能フィラメント数 | 1 |
実勢価格(2023年9月時点) | 7,000円前後 |
こちらもフィラメントやレジンといった3Dプリント材料でおなじみのeSUNによるフィラメント乾燥機「eSUN eBOX Lite」。
「SUNLU FilaDryer S1」に似通った機種でありながら、
という利点があります。大きな違いではありませんが、「FilaDryer S1」に比べると「eSUN eBOX Lite」が一歩リードといった印象です。
2個のフィラメントスプールをイッキに乾燥!「SOVOL SH01」
収納可能フィラメント数 | 2 |
実勢価格(2023年9月時点) | 7,000円前後 |
FDM3Dプリンター「SVシリーズ」で知られるSOVOLのフィラメント乾燥機「SOVOL SH01」。
その特徴は、
という点です。しかも価格はフィラメントスプール1個収容タイプの相場とほとんど変わらないというコスパも特徴。フィラメント2個収納タイプの製品は他にも見られますが、「SH01」は最安クラスのお得な機種となっています(2023年9月時点)。
密閉性に優れており、非使用時(電源オフ時)には乾燥剤を入れて防湿保管庫として使用することも可能です。
フィラメントドライヤーや3Dプリンターを展開するSOVOLについての解説記事はこちら!

電源不要!3Dプリンターへの取り付け可能!「QIDI Filament dryer box」
収納可能フィラメント数 | 1 |
実勢価格(2023年9月時点) | 8,000円前後 |
最後に紹介するのは、密閉型のFDM3Dプリンター「Xシリーズ」「Iシリーズ」で知られるQIDI TECHの「Filament dryer box」です。
少し変わったタイプで、
という特徴があります。
一度湿気を吸ってしまったフィラメントを「乾燥」させるというよりも、フィラメントを開封してから3Dプリントに使用する直前まで「防湿」するという役割で活躍してくれるでしょう。
まとめ〜フィラメントを防湿・乾燥させて3Dプリント品質を向上しよう〜
今回は、FDM3Dプリンターの材料であるフィラメントの乾燥について徹底解説してきました。
3Dプリンターのフィラメントは湿気に弱く、適切な乾燥が行われていないとプリント品質や耐久性に悪影響を与えることがあります。
湿ったフィラメントを使った3Dプリントを行わないためには、
乾燥剤を用いた防湿保管や、事前のフィラメントドライヤーによる乾燥を適切に行うことが重要
です。
今回解説した対策・おすすめのフィラメント乾燥機を使って適切にフィラメントを防湿・乾燥させ、品質を落とさず快適に3Dプリントを行いましょう!