こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、ELEGOOから登場した3Dスキャナー「M1 Ultra」について、特徴と購入前に確認したい点を解説していきます。
ELEGOOといえば、光造形やFDMの3Dプリンターでおなじみのメーカーです。
そのELEGOOが送り出したM1 Ultraは、ブルーレーザーと赤外線(NIR)を切り替えて使う、ハンドヘルド型の3Dスキャナーです。
本体に3インチのタッチスクリーンとバッテリーを内蔵し、Wi-Fi 6でワイヤレスでもスキャンできます。
日本公式ストアでは予約販売が始まっていて、お届け予定は2026年11月27日とされています。
ぜひ最後まで読んで、3Dスキャナー選びの参考にしてみてください!

ELEGOO M1 Ultraとは?5mmの部品から4mの車まで撮れるハンドヘルド3Dスキャナー

まずは、M1 Ultraがどんな3Dスキャナーなのかを見ていきましょう。
M1 Ultraは、ブルーレーザーの3つのモードと、赤外線(NIR)を使う2つのモードを持つハンドヘルド型の3Dスキャナーです。
公式の仕様では、精度は最大0.02mm、体積精度は最大0.02mm+0.06mm/m×Lとされています。
スキャンできる対象の大きさは、5×5×5mmの小さな部品から4,000×4,000×4,000mmまでと幅広いのが特徴です。

ブルーレーザーで機械部品のような細かいものを精密に撮り、赤外線で人物や車のような大きなものを広く撮る、という使い分けができる構成です。
レーザーと構造化光を1台に載せたハイブリッド型は、Revopoint MetroY UltraやCreality CR-Scan Raptorなどと同じ方向性の製品といえます。
本体:3インチのタッチスクリーンとWi-Fi 6を搭載

本体の背面には、3インチのHDタッチスクリーンがあります。
スキャン結果やステータス、対象との距離を画面で確認でき、パラメータも本体から直接変えられるとされています。
本体には8コア(2.0GHz)のCPUが入っていて、データの取得・圧縮・画像処理をスキャナー側で受け持つ設計です。
PCとの接続は、USB Type-Cの有線とWi-Fi 6のワイヤレスの2通りです。
バッテリーは4,800mAhで、80%まで約1時間30分、100%まで約2時間で充電できます。
重さはバッテリー込みで511g、サイズは191×50×76mmです。
ワイヤレスで動き回れるので、車や大型の部品の周りを歩いてスキャンするような使い方でもケーブルを気にせずに済みます。
同梱品:予備バッテリーと三脚まで付属

日本公式ストアの販売構成は、M1 Ultra本体のセット1種類です。
パッケージには、以下が入っています。
予備バッテリーが最初から付くので、バッテリーを入れ替えながら長めのスキャンを続けられる構成です。
NIRフィルターは、日差しの強い屋外で赤外線モードを使うためのものです。
一方、付属の反射マーカーは計20枚なので、大きな対象にマーカーを貼って撮るなら、別売の反射マーカーを追加で用意することになるでしょう。
M1 Ultraの5つのスキャンモード

モードが5つもあると、どれを使えばいいか迷いそう…
続いて、M1 Ultraの中心になる5つのスキャンモードを見ていきましょう。
ブルーレーザーの3つのモードは、どれも精度が最大0.02mmで、マーカー・グローバルマーカー・マーカーレスの3つのトラッキングに対応しています。
モードごとに得意な対象が異なるので、順に確認していきます。
34本の交差ブルーレーザー:中型〜大型を速く・正確に

高速スキャンのモードでは、34本のブルーレーザーラインを交差させて投影します。
測定速度は最大2,040,000ポイント/秒で、中型から大型の対象を速く正確に撮るためのモードです。
体積精度の0.02mm+0.06mm/m×Lは、このモードの値です。
式の中のLは対象物の長さ(m)なので、長さ1mの対象では0.08mmという計算になります。
動作距離は200〜600mmで、600mmの距離なら1回で621×480mmの範囲を撮れます。
フレームレートは、有線のPC接続で最大80fps(1920×1200)・100fps(1520×1200)、ワイヤレスで最大50fps・60fpsとされています。
ただし、レーザーの安全クラスはクラスII(アイセーフ)なので、人物のスキャンには後述のNIRモードを使うのが前提になるでしょう。
7本の平行ブルーレーザーとシングルライン:細部と深い穴に

高精細スキャンのモードでは、7本の平行なブルーレーザーラインを使います。
動作距離は160〜400mmと近めで、160mmの距離で144×128mmの範囲を撮る、細部向けのモードです。
レーザーラインは最小0.1mmの細さとされていて、シャープなエッジや精密部品の細かな形状を捉えやすいのが持ち味です。
このモードはレーザーの安全クラスがクラスI(アイセーフ)になっています。
深穴スキャンのモードは、1本のブルーレーザーラインで、ほかのラインが届きにくい穴や溝の奥を撮るためのモードです。
測定速度は最大120,000ポイント/秒と控えめですが、精度は同じく最大0.02mmです。
NIRマーカーレス:人物や大きなものを広く撮る

NIRマーカーレススキャンのモードは、赤外線の双眼構造化光を使うモードです。
動作距離は170〜1200mmと長く、1200mmの距離なら1回で1121×960mmの範囲を撮れます。
測定速度は最大6,451,200ポイント/秒、フレームレートは有線・ワイヤレスとも最大30fpsです。
精度は最大0.05mm、体積精度は0.05mm+0.1mm/mで、ブルーレーザーのモードより一段下がります。
トラッキングは形状(ジオメトリ)とテクスチャを使うので、マーカーを貼らずに人物や家具、車のような大きなものを撮れるのがこのモードの利点です。
レーザーの安全クラスはクラスI(アイセーフ)です。
ただし、このモードで撮れる最小の対象は150×150×150mmなので、小さな部品はブルーレーザーのモードで撮ることになります。
モード共通の特徴:黒・金属面、屋外、フルカラー

続いて、モードをまたいだM1 Ultraの特徴を見ていきましょう。
順に確認していきます。
黒い表面や金属表面をスプレーなしでスキャン

黒い部品や金属って、スプレーを吹かないと撮れないんじゃないの?
黒い物や光る金属は、3Dスキャナーが苦手とする代表的な対象です。
これまでは、スキャン用のスプレーを吹き付けて表面を白っぽくしてから撮るのが一般的でした。
M1 Ultraは、ブルーレーザーとアルゴリズムの組み合わせで、黒い表面や金属表面もスプレーなしでスキャンできるとされています。
スプレーの塗布・乾燥・除去の手間が省けるうえ、対象の表面をそのままの状態で残せるのも利点です。
光学系には7枚のガラスレンズを使い、グローバルシャッターのカメラで手を素早く動かしてもブレを抑えるとされています。
本体には8個の青白色LEDと4個の赤外線LEDがあり、マーカーや対象の特徴を見失いにくくする役割を持っています。
屋外でのスキャンと、−10〜40℃の温度補正

屋外の明るさへの強さは、モードごとに以下のように示されています。
NIRのモードでは、強い日差しの干渉を抑える光学フィルターを使うことで、屋外でも安定してスキャンできるとされています。
また、温度補正と高精度なカメラ較正のアルゴリズムで、−10〜40℃の温度変化があっても精度を保つ設計です。
屋外に置かれた車や設備、季節を問わない現場でのスキャンを想定した仕様といえるでしょう。
24ビットのフルカラーで色と質感を取り込む

5つのモードはすべてカラーマッピングに対応しています。
24ビットのフルカラーのテクスチャマッピングと画像処理で、元の色や質感を3Dの形状に重ねられるとされています。
色付きのフィギュアや展示用のモデルを残したい場合にも使える機能です。
ただし、出力形式はSTL・OBJ・PLY・ASCの4つです。
3Dプリントに使うなら、STLかOBJで書き出してスライサーに読み込む流れになります。
ガイド付きのセットアップと、位置合わせ・メッシュ修復

ソフトウェアは、Windows版とmacOS版が用意されています。
公式で紹介されている主な機能は、以下のとおりです。
ソフト内にヘルプセンターもあり、初めて3Dスキャナーを使う人でも操作を覚えやすいようにする工夫といえます。
他社の3Dスキャナーとのスペック比較と価格

続いて、M1 Ultraを、ブルーレーザーと赤外線を併せ持つ他社の3Dスキャナーとスペックで比べてみましょう。
比較するのは、Revopoint MetroY Ultra、Creality CR-Scan Raptor、Creality Pikaの3機種です。
| モデル名 | M1 Ultra | MetroY Ultra | Pika | |
|---|---|---|---|---|
| 本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| メーカー | ELEGOO | Revopoint | Creality | Creality |
| 価格(サンステラ) | - | |||
| 価格(SK本舗) | - | - | ||
| 価格(Amazon) | ||||
| 価格(海外ストア) | ||||
| 精度 [mm] | 0.02 | 0.015 | - | 0.03 |
| 点間距離 [mm] | 0.05 | 0.05 | 0.02 | 0.1 |
| 撮影領域(1ショット)[mm] | 1121 x 960 | 332 x 276 | 270 x 170 | 764 x 670 |
| スキャンボリューム [mm] | 5 x 5 x 5 〜 4000 x 4000 x 4000 | 10 x 10 x 10 〜 2000 x 2000 x 2000 | 5 x 5 x 5 〜 | 10 x 10 x 10 〜 x x |
| 動作距離 [mm] | 160 〜 1200 | 200 〜 400 | 150 〜 1000 | 140 〜 1000 |
| スキャンスピード [fps] | 最大 2,040,000 点/秒(34本交差ブルーレーザー) 最大 6,451,200 点/秒(NIR) 最大 100 fps(有線)/60 fps(ワイヤレス) | Up to 90 fps / 7,000,000 Points/s | 60 | 110 FPS |
| 本体重量 [g] | 511 | 450 | 372 | 260 |
| 本体サイズ [mm] | 191 x 50 x 76 | 211 x 94 x 47 | 215 x 50 x 74 | 100 x 60 x 35 |
| 出力形式 | STL OBJ PLY ASC | PLY, OBJ, STL, ASC, 3MF, GLTF, FBX | .ply .obj .stl | STL/OBJ/PLY/ASC |
| 光源 | 34本の交差ブルーレーザー 7本の平行ブルーレーザー シングルブルーレーザー NIR(赤外線双眼構造化光) | Blue Laser / Blue Structured Light | Class 1 青色光+赤外光 | 7 Parallel Blue Laser / NIR Structured Light |
| 屋外対応 | ○ | ○ | - | ○ |
| 対応OS | Windows 10/11 (64 bit) macOS 14 以降 | Windows, macOS | Windows 10/11 macOS | Windows/macOS/iOS/Android |
| その他 | 体積精度0.02mm+0.06mm/m×L(34本交差ブルーレーザー) トラッキング:マーカー・グローバルマーカー・マーカーレス/ジオメトリ・テクスチャ(NIR) Wi-Fi 6 ワイヤレススキャン・3インチタッチスクリーン バッテリー4,800mAh(予備バッテリー付属) 黒色・金属面をスプレーなしでスキャン可能 | Volumetric Accuracy: 0.015 mm + 0.04 mm × L (m) | 撮影領域:距離300mm 2モード(ブルーライト/NIR) | 3インチタッチスクリーン, Wi-Fi 6, 交換式バッテリー(3350mAh・予備付属) |
| 出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
MetroY Ultraは、精度の数値がM1 Ultraより細かく、ブルーレーザーで精密に撮ることに重きを置いた機種です。
一方で、比較表の動作距離は、赤外線のモードを持つM1 UltraやCR-Scan Raptor、Pikaのほうが長く、離れた位置から撮れます。
1回で撮れる範囲は、M1 UltraとPikaが大きく、人物や車のような大きなものを少ない回数で取り込みやすいといえます。
Pikaは260gと軽いポケットサイズで、手軽さを重視するならこちらも候補になるでしょう。
M1 Ultraは、0.02mmのブルーレーザーと1200mmまで届く赤外線を1台で使い分けられ、予備バッテリーまで付く点が特徴といえます。
MetroY Ultraの使い勝手は、以下の実機レビューで詳しく紹介しています。
軽さを重視してPikaが気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
M1 Ultraの価格は、以下の表で確認できます。
日本公式ストアでは早割価格が用意されていて、期限は11月12日(木)16:00までとされています。
Amazonでも取り扱いが始まっているので、購入先は下のリンクから比べてみてください。
ほかの3Dスキャナーとも比べたい方は、おすすめ機種のまとめ記事も参考にしてみてください。
M1 Ultraの購入前に確認したい注意点

最後に、導入前に確認しておきたい点を整理しておきましょう。
レーザーのクラスはどのモードもアイセーフとされていますが、人物を撮る場合はクラスIのNIRモードを選ぶのが無難でしょう。
残りの2点を、順に確認していきます。
PCの動作環境:推奨はメモリ32GB以上

手持ちのノートPCでも使えるのかな?
M1 Ultraを使うPCの最低動作環境は、以下の通りです。
推奨環境は、WindowsがCore i7(第13世代)以降・GeForce RTX 4060(VRAM 8GB)以上・メモリ32GB以上、MacがApple M4以降・メモリ32GB以上とされています。
Windowsでは専用のNVIDIA製GPUが条件なので、GPUを積んでいないノートPCやAMD製GPUのPCでは条件を満たせません。
対応OSはWindowsとmacOSで、スマートフォンのアプリでのスキャンには触れられていません。
手持ちのPCが条件を満たしているか、先に確認しておきましょう。
予約販売のお届けは2026年11月27日の予定

日本公式ストアでは予約商品の扱いで、お届け予定は2026年11月27日とされています。
保証期間は本体が12か月で、バッテリー・USBケーブル・キャリブレーションボードは6か月、マーカーやNIRフィルターなどの消耗品は保証の対象外です。
精度の値は、100mmの球を2個使って実験室の条件で評価したもので、温度や振動など使う環境で変わると注記されています。
年内にスキャンを始めたい場合は、届く時期を踏まえて購入先を選ぶとよいでしょう。
まとめ:細かい部品から車まで1台で撮りたい人に向く3Dスキャナー

今回は、ELEGOOの3Dスキャナー「M1 Ultra」を紹介しました。
機械部品のリバースエンジニアリングのような精密なスキャンと、人物や車のような大きなもののスキャンを1台で済ませたい方には、有力な候補になるでしょう。
一方、小物を手軽に撮るのが中心なら、より軽くて小さい機種のほうが扱いやすいと考えられます。
撮りたいものの大きさと手持ちのPCの性能から、合う1台を選んでみてください!









