こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Revopointから登場した大型物体向けのワイヤレス3Dスキャナー「RANGE 3」と「RANGE 3 Pro」について、2機種の違いと購入前に確認したい点を解説していきます。
RANGEシリーズは、人体や家具、車のような大きなものを撮ることを得意とするRevopointの3Dスキャナーです。
今回のRANGE 3シリーズは、Wi-Fi 6でのワイヤレススキャンと10万ルクス未満の屋外スキャンに対応した2機種構成で、上位の「Pro」には精度と速度を高める赤外線レーザーのモードが加わっています。
日本公式ストアではすでに予約販売が始まっていて、11月1日から順次発送とされています。
ぜひ最後まで読んで、3Dスキャナー選びの参考にしてみてください!
| モデル名 | RANGE 3 | RANGE 3 Pro |
|---|---|---|
| 本体イメージ | ![]() | ![]() |
| メーカー | Revopoint | Revopoint |
| 価格(サンステラ) | ||
| 価格(SK本舗) | ||
| 価格(Amazon) | ||
| 価格(海外ストア) |

RANGE 3/RANGE 3 Proとは?20mmから4mまで撮れる大型向けシリーズの3代目

まずは、RANGE 3シリーズがどんな3Dスキャナーなのかを見ていきましょう。
RANGEシリーズは、2023年の初代「RANGE」、2024年の「RANGE 2」と続いてきた、大きな対象のスキャンに向けたシリーズです。
公式の仕様では、スキャンできる対象の大きさは20×20×20mm(RANGE 3は30×30×30mm)から4×4×4mまでとされています。
距離1000mmで687×672mmの範囲を一度に撮れるため、人物や彫刻、家具、車の外装のような大きなものを少ない回数で取り込めるのが持ち味です。
光源には目に安全なクラス1の赤外光を使っていて、公式のFAQでも人体のスキャンに対応すると説明されています。
本体のサイズは163×57×32mmで、重さはRANGE 3が218g、RANGE 3 Proが220gです。
公式FAQでは、2機種の主な違いとして、スキャン技術・精度・最小スキャンサイズ・トラッキング方式・付属アクセサリーの5つが挙げられています。
RANGE 3はVCSEL(面発光レーザー)による近赤外線の構造化光だけを使い、RANGE 3 Proはそれに加えて11本の平行な赤外線レーザーラインでもスキャンできる構成です。
初代のRANGEは実機をレビューしているので、シリーズの使い方が気になる方は以下の記事も参考にしてみてください。
同梱品の違い:Proはバッテリーグリップとスマホホルダーまで付属

同梱品にも、2機種ではっきりとした差があります。
RANGE 3の同梱品は、本体・2mのUSB-Cケーブル・キャリブレーションボードの3点です。
RANGE 3 Proには、これに加えて以下が付属します。
バッテリーグリップとスマホホルダーは、公式で「モバイルキット」と呼ばれている組み合わせです。
RANGE 3ではモバイルキットがオプション扱いなので、ケーブルなしで持ち歩いてスキャンするなら、Proは買い足しなしで始められる構成といえます。
RANGE 3とRANGE 3 Proに共通する特徴

続いて、2機種に共通する特徴を見ていきましょう。
順に確認していきます。
1000mmの距離で687×672mmを一度に撮れる

RANGE 3シリーズの動作距離は、VCSELのモードで200〜1000mmです。
1回で撮れる範囲は、200mmの距離では113×134mm、1000mmまで離れると687×672mmまで広がります。
大きな対象は離れて広く、細かい部分は近づいて撮る、という使い分けができるわけです。
点間距離は0.1mmで、2機種とも共通です。
VCSELのモードのスキャン速度は、20〜30fpsとされています。
Wi-Fi 6のワイヤレス接続と、最大約3時間のバッテリーグリップ

2機種ともWi-Fi 6を内蔵していて、ケーブルなしでPCやスマートフォンとつないでスキャンできます。
有線で使う場合は、付属の2mのUSB-C(USB 3.0)ケーブルでつなぎ、PCのUSBポートから給電する形です。
ケーブルを外して使うときの電源になるのが、5,000mAhのバッテリーグリップです。
公式のFAQによると、バッテリーグリップで最大約3時間の給電ができ、充電時間は約80分とのこと。
車や人物の周りを歩いて回るような撮り方では、ケーブルが引っかかったり、長さが足りなくなったりしがちです。
ワイヤレスで動き回れることは、大きなものを撮るRANGEシリーズと相性のよい機能と考えられます。
10万ルクス未満なら屋外でもスキャンできる

赤外線を使う3Dスキャナーは、太陽光に含まれる赤外線の影響を受けやすく、屋外が苦手なものが少なくありません。
RANGE 3シリーズは、周囲の明るさが10万ルクス未満であれば屋外でもスキャンできるとされています。
公式の紹介でも、直射日光の当たる屋外で大きなものを撮る使い方が挙げられています。
屋外に置かれた車や彫刻などを、その場で取り込む使い方も視野に入るでしょう。
カラースキャンとカラートラッキング

2機種とも130万画素のRGBカメラと2基のRGB補助ライトを搭載していて、色付きの3Dデータを取り込めます。
位置合わせの方式(トラッキング)は、以下の3つに対応しています。
カラートラッキングは、形の特徴が少なくても、模様や色の変化がある物体なら位置合わせを安定させやすい方式です。
平らな面が多くても柄や装飾があるもの、たとえば絵柄の入った壺や家具などで役立つと考えられます。
ただし、カラートラッキングはPCでのみ使え、独立GPUが必要とされています。
Revo Scan 6の3DGS・AIによる自動分割・寸法の計測

スキャンと後処理には、Revopointの専用ソフト「Revo Scan 6」を使います。
対応OSはWindows・macOS・Android・iOSで、PLY・OBJ・STL・ASC・3MF・glTF・FBX・Splatの形式で書き出せます。
AIによる自動分割では、背景の点群をワンクリックで取り除き、RGBの映像を見ながら直接トリミングできるとされています。

また、スマートフォンで撮ったテクスチャから、実物大の3DGS(3Dガウシアンスプラッティング)モデルを作る機能にも対応しています。
3DGSは、形だけでなく見た目の質感まで写真のように再現する表現方法で、公式では展示での活用が紹介されています。
アプリ上で点群・メッシュ・3DGSモデルの2点間の距離を測る計測機能もあり、モデリング前の寸法の確認に使えます。
3Dプリントに使う場合は、STL・OBJ・3MFなど、スライサーに合わせた形式で書き出す形です。
RANGE 3 Proだけの機能:11本の赤外線レーザーライン

続いて、上位モデルのRANGE 3 Proだけが持つ機能を見ていきましょう。
RANGE 3 Proは、VCSELの構造化光に加えて、11本の平行な赤外線レーザーラインでスキャンするモードを備えています。
公式FAQでは、中型〜大型の物体を広く素早く撮りたいときはVCSELモード、細かな形状を精密に撮りたいときはレーザーのモード、という使い分けが説明されています。
同じRevopointのPOP 4はブルーのマルチラインレーザーを搭載していますが、RANGE 3 Proのレーザーは赤外線です。
レーザーのモードで変わるのは、以下の3点です。
順に見ていきます。
体積精度は最大0.03mm+0.2mm×L

RANGE 3シリーズの精度は、「体積精度」という形で示されています。
式の中のLは対象物の長さ(m)で、対象が大きいほど値も大きくなる考え方です。
VCSELモードの体積精度は、2機種とも0.05mm+1mm×Lです。
RANGE 3 Proのレーザーモードでは、最大0.03mm+0.2mm×Lとされています。
式に当てはめると、長さ1mの対象ではVCSELモードが1.05mm、レーザーモードが0.23mmという計算になります。
つまり、大きな対象を撮るほど、レーザーモードとの差が開くというわけです。
ただし、これらは管理された実験室の環境で標準的な試験方法により測った値で、実際の結果は使う環境で変わると注記されています。
また、レーザーモードの動作距離は200〜600mmで、VCSELモードの最大1000mmより短くなる点も押さえておきましょう。
レーザーモードは最大105fps(NVIDIA製GPUの使用時)

レーザーモードのスキャン速度は、NVIDIA製のGPUを使ったときに80〜105fpsです。
CPUで処理する場合は、40〜60fpsとされています。
VCSELモードの20〜30fpsと比べると、1秒間に取り込めるフレームがかなり多くなります。
フレーム数が多いほどスキャナーを動かしてもデータが途切れにくくなるので、撮り直しの手間が減ることが期待できます。
最大105fpsを生かすなら、NVIDIA製GPUを積んだPCと組み合わせるのが前提になるでしょう。
マーカーなしのレーザースキャンとグローバルマーカー

レーザーラインで撮る3Dスキャナーは、対象や周りにマーカーを貼って位置合わせをするのが一般的でした。
RANGE 3 Proはレーザーモードでもカラートラッキングを使えるため、表面に模様や色の変化がある物体なら、マーカーを貼らずにスキャンできます。
マーカーの貼り付けと剥がす作業を省けるのは、大きな対象ほどありがたいポイントです。
さらに、トラッキング方式では、Proだけがグローバルマーカーにも対応しています。
グローバルマーカーは、一般に対象の周りに貼ったマーカーの配置を先にまとめて計測し、全体の位置合わせの基準にする方式を指します。
付属するマーカーポイント200枚も、模様の少ない対象を撮るときなどの使い方を想定したものと考えられます。
RANGE 2・POP 4とのスペック比較と価格

続いて、RANGE 3シリーズを、前モデルのRANGE 2、同じRevopointのPOP 4とスペックで比べてみましょう。
| モデル名 | RANGE 3 | RANGE 3 Pro | RANGE 2 | POP 4 |
|---|---|---|---|---|
| 本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| メーカー | Revopoint | Revopoint | Revopoint | Revopoint |
| 価格(サンステラ) | - | |||
| 価格(SK本舗) | - | - | ||
| 価格(Amazon) | ||||
| 価格(海外ストア) | ||||
| 精度 [mm] | 0.05 | 0.03 | 0.1 | 0.03 |
| 点間距離 [mm] | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.05 |
| 撮影領域(1ショット)[mm] | 687 x 672 | 687 x 672 | 860 x 1380 | 505 x 538 |
| スキャンボリューム [mm] | 30 x 30 x 30 〜 4000 x 4000 x 4000 | 20 x 20 x 20 〜 4000 x 4000 x 4000 | 50 x 50 x 50 〜 | 10 x 10 x 10 〜 2000 x 2000 x 2000 |
| 動作距離 [mm] | 200 〜 1000 | 200 〜 1000 | 400 〜 1300 | 200 〜 800 |
| スキャンスピード [fps] | 最大 30 fps(VCSEL構造化光) | 最大 105 fps(マルチラインレーザー・NVIDIA GPU使用時) 最大 30 fps(VCSEL構造化光) | - | 最大 105 fps / 5,000,000 点/秒 |
| 本体重量 [g] | 218 | 220 | 253 | 286 |
| 本体サイズ [mm] | 163 x 57 x 32 | 163 x 57 x 32 | - x - x - | 160 x 30 x 72 |
| 出力形式 | PLY OBJ STL ASC 3MF GLTF FBX Splat | PLY OBJ STL ASC 3MF GLTF FBX Splat | - | PLY OBJ STL ASC 3MF GLTF FBX Splat |
| 光源 | 近赤外線VCSEL構造化光 | 11本の平行赤外線レーザーライン 近赤外線VCSEL構造化光 | Class 1 赤外光 | ブルーマルチラインレーザー 近赤外線フルフィールド構造化光 VCSEL赤外線構造化光 |
| 屋外対応 | ○ | ○ | × | ○ |
| 対応OS | Windows 10/11 (64 bit) macOS 11.0 以降 Android iOS | Windows 10/11 (64 bit) macOS 11.0 以降 Android iOS | - | Windows 10/11 (64 bit) macOS 11.0 以降 Android iOS |
| その他 | 体積精度0.05mm+1mm×L(m) トラッキング:特徴・カラー・マーカー Wi-Fi 6 ワイヤレススキャン バッテリーグリップ(5,000mAh)は別売 3D Gaussian Splatting(3DGS)技術搭載 | 体積精度0.03mm+0.2mm×L(m)(マルチラインレーザーモード) トラッキング:特徴・カラー・マーカー・グローバルマーカー Wi-Fi 6 ワイヤレススキャン バッテリーグリップ(5,000mAh)・スマホホルダー標準付属 3D Gaussian Splatting(3DGS)技術搭載 | 撮影領域:距離1300mm | AIリアルタイム物体追跡 3D Gaussian Splatting(3DGS)技術搭載 |
| 出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
比較表のとおり、RANGE 2は動作距離が400〜1300mmと遠くまで届き、1回で撮れる範囲の数値もRANGE 3シリーズより大きくなっています。
一方で比較表の値では、RANGE 3シリーズのほうが本体が軽く、最小スキャンサイズも小さくなっています。
POP 4は、ブルーのマルチラインレーザーを持ち、10mm角の小さなものから撮れる小物寄りのオールラウンダーです。
最大スキャンサイズはPOP 4が2m、RANGE 3シリーズが4mなので、人や家具、車のように大きなものが中心ならRANGE 3シリーズ、フィギュアや機械部品が中心ならPOP 4という分け方になるでしょう。
POP 4の使い勝手は、以下の実機レビューで詳しく紹介しています。
RANGE 3シリーズの価格は、以下の表で確認できます。
| モデル名 | RANGE 3 | RANGE 3 Pro |
|---|---|---|
| 本体イメージ | ![]() | ![]() |
| メーカー | Revopoint | Revopoint |
| 価格(サンステラ) | ||
| 価格(SK本舗) | ||
| 価格(Amazon) | ||
| 価格(海外ストア) |
RANGE 3 Proは、RANGE 3からの追加費用で、レーザーモードとグローバルマーカー、モバイルキットが加わる構成です。
日本公式ストアのパッケージは、RANGE 3、RANGE 3 Proのほかに、RANGE 3 Proとソフト「Revo Design」(1年間ライセンス)のセット、「Revo Design Personal」(1年間ライセンス)とのセットの4種類が用意されています。
Revopointのほかの3Dスキャナーと比べたい方は、全機種の比較記事も参考にしてみてください。
RANGE 3シリーズの購入前に確認したい注意点

最後に、導入前に確認しておきたい点を整理しておきましょう。
透明な物体や鏡面反射の強い物体は、どちらのモデルでもスキャンスプレーを使う必要があると公式FAQに書かれています。
また、点滅する光源を使っているため、光過敏性てんかんのある方には適さない場合があるとも注記されています。
残りの2点を、順に確認していきます。
PCの動作環境:カラートラッキングには独立GPUが必要

RANGE 3シリーズをPCで使う場合の最低動作環境は、以下の通りです。
推奨環境は、WindowsがCore i9(第12世代)以上・メモリ32GB以上・RTX 4060(8GB)以上、MacがM3 Pro/Max/Ultra以上・メモリ24GB以上とされています。
GPUはNVIDIA製・AMD製・Mac向けのApple製に対応しますが、Proのレーザーモードで最大105fpsが出るのはNVIDIA製のGPUを使ったときです。
カラートラッキングもPCのみ・独立GPUが必要なので、GPUを積んでいないノートPCでは使える機能が限られます。
スマートフォンで使う場合も、AndroidはSnapdragon 8 Gen 1相当以上・メモリ12GB以上・Android 11以降、iPhoneはiPhone X以降・iOS 14.0以降が条件です。
手持ちの機器が条件を満たしているか、先に確認しておきましょう。
予約販売は11月1日から順次発送、Revo Designとのセットも

日本公式ストアでは予約販売の扱いで、11月1日から順次発送とされています。
保証は購入日から1年間で、新品・未開封品は商品到着後30日以内なら返品を受け付けるとのこと。
Revo Designとのセットは、スキャンデータからCADのモデルを作るための構成で、ソフトはWindows 10/11(64ビット)向けです。
ソフトウェアは返品・返金できないと商品画像に書かれているので、セットを選ぶ場合は使う予定を固めてからにしましょう。
スキャンから寸法の検査やCADでの作り直しまで考えている方には、セットが候補になるでしょう。
まとめ:大きなものを手早く撮るならRANGE 3、細部と速さを求めるならRANGE 3 Pro

今回は、Revopointの大型物体向けワイヤレス3Dスキャナー「RANGE 3」と「RANGE 3 Pro」を紹介しました。
公式FAQでは、人物・彫刻・家具・設備の外装のような中型〜大型の物体を素早く撮りたいならRANGE 3、細かな形状や速さ、モバイル用のアクセサリーを重視するならRANGE 3 Proがすすめられています。
ケーブルなしで持ち歩いて使う予定があるなら、バッテリーグリップを買い足す手間も含めて、Proのほうが始めやすいでしょう。
一方、PCの前で大きなものをまとめて取り込むのが中心なら、RANGE 3でも役割を十分に果たせると考えられます。
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