こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Bambu Labのフィラメント「PLAピュア」について解説していきます。
リビングや子ども部屋の近くにA1 miniやA1を置いて、おもちゃや身の回りの小物をプリントしている方も多いのではないでしょうか?
そうした使い方では、仕上がりだけでなく、プリント中の空気や材料の中身も気になりますよね。
PLAピュアは、成分の食品接触規格と、プリント時の排出に関する認証を前面に出したPLAです。
一方で、食品に触れるものを作るときには、メーカー自身が示している条件もあります。
ぜひ最後まで読んで、家庭で使うフィラメントを選ぶ参考にしてみてください!

PLAピュアとは?成分と排出の試験結果を重視したPLA

PLAピュアは、Bambu Labが2026年6月に発表したPLAフィラメントです。
日本公式ストアでは「より安全な室内造形向けPLAフィラメント」として販売されています。
メーカーが特徴として挙げているのは、次の3点です。
公式の作例も、おもちゃのトラックやおままごとのお皿、猫のおやつトイなど、家庭の中で手に触れるものが中心です。
造形のしやすさや強度を前面に出したPLAではなく、材料の中身と試験情報で選ぶPLAと考えると分かりやすいでしょう。
成分は5種類。すべてがEUの食品接触規則に適合

PLAピュアの成分は、ポリ乳酸(PLA)、アクリル共重合体、着色顔料、エチレンビスステアラミド(EBS)、タルクの5種類です。
タルクについては、第三者機関の試験でアスベストを含まないことを確認したと発表されています。
そして、顔料を含む5種類すべてが、食品に触れるプラスチック材料に関するEUの規則「EU No.10/2011」に適合しているとされています。
メーカーによると、食品接触への対応をうたうフィラメントの多くは、完成したスプールの状態で試験されているそうです。
PLAピュアは、原材料を一つずつ確認したうえで、スプールの状態でも試験している点を違いとして打ち出しています。
ただし、この適合はEUの規則に対するものです。
日本で食品用の器具を扱うときの考え方は、後ほど食品接触の章で整理します。
UL GREENGUARD 2904:開放型のA1・A2Lで試験

UL GREENGUARD 2904は、3Dプリンターのプリント中に出る微粒子やVOC(揮発性有機化合物)を評価する認証規格です。
Bambu Labによると、この認証の試験はA1とA2Lで行われました。
どちらも筐体やフィルターを持たない開放型の3Dプリンターです。
A1 miniやA1を部屋に置いて使っている方にとっては、自分の使い方に近い条件の試験といえるでしょう。
また、4時間の連続プリント試験では、同じ条件のサードパーティ製PLAよりPM2.5とPM10の放散量が少なかったとメーカーは説明しています。
一方で、PLAベーシックも同じ規格の認証を取得しているとBambu Labは発表しています。
そのため、認証の有無だけでPLAピュアとPLAベーシックが大きく分かれるわけではありません。
メーカーは、成分の構成によってPLAピュアの排出はさらに少なくなると説明しています。
なお、認証を取った材料でも、換気のよい場所で使うか、空気をろ過・排気する設備を用意するよう公式ストアで案内されています。
PLAベーシックとの違い:強度は同等、材料の情報で選ぶ

添加物を減らすと強度が落ちるのでは、と気になる方もいるかもしれません。
Bambu Labは、PLAピュアの機械的特性はPLAベーシックと同等だとしています。
主な仕様とプリント条件は、以下の表で確認できます。
| フィラメント名 | |
|---|---|
| イメージ | ![]() |
| メーカー | Bambu Lab |
| 色 | ■Pure White ■Absolute Black ■Baby Blue ■Milky Pink ■Apricot |
| ヒートベッド温度[℃] | 35-65 |
| エクストルーダ温度[℃] | 190-230 |
| 推奨プリントスピード[mm/s] | <200 |
| フィラメント直径[mm] | 1.75±0.03 |
| ファンスピード[%] | ON |
| 推奨プリント面 | Textured PEI Plate Smooth PEI Plate Cool Plate SuperTack |
| 密度[g/cm3] | 1.24 |
| 曲げ強度[MPa] | 75±2(XY) 55±5(Z) |
| 引張強度[MPa] | 51.5±2(XY) 30.0±3(Z) |
| シャルピー衝撃強さ[kJ/m2] | 20.6±0.7(XY) 10.0±0.7(Z) |
| 出典 | 公式サイト |
一般購入しやすいフィラメントとして、Amazonで購入できる種類・色を中心に記載。時期によって購入できる種類・色が異なる場合もあるため注意。
メーカーが推奨するノズル温度は190〜230℃です。
プリントのしやすさについても、残留物が少ないためノズル詰まりを抑えられること、事前に乾燥しなくても一般的なサードパーティ製PLAより糸引きが少ないことを、メーカーは特徴に挙げています。
一方で、耐熱性はPLAの範囲にとどまります。
技術仕様書では、荷重たわみ温度が56℃(荷重1.8MPa)とされています。
メーカーも、造形物を60℃を超える環境に置かないよう注意しています。
PLAベーシックとの選び分けは、次のように考えるとよいでしょう。
PLAピュアの色は、パステル調を中心に5色です。
色数の多いPLAベーシックと、同じ感覚で色を選べるわけではない点は押さえておきましょう。
Bambu Labのほかのフィラメントと比べたい方は、こちらも参考にしてみてください。
食品に触れるものを作るなら、フィラメントと造形物を分けて考える

PLAピュアを選ぶうえで最も大切なのが、食品接触の扱いです。
公式ストアでは、食品接触の認証はフィラメント単体を対象としたものと明記されています。
原材料とプリントしたサンプルは食品接触の試験に合格しているものの、完成品の安全性は、使う機器や造形環境、操作方法、後処理などによって変わるという説明です。
Bambu Labの責任はフィラメント自体の適合性と品質に限られ、ユーザーが作った食品接触用の造形物については保証しないとされています。
さらに、メーカーは用途についても次の制限を示しています。
熱いお茶を入れるコップや、汁気のある料理の保存容器は、PLAピュアでも用途に合いません。
袋を留めるクリップや、乾いたお菓子の袋まわりの道具などに用途を絞って考えるのが現実的でしょう。
のりを使わない・ノズルを清潔に保つ・日本での扱いも確認

プリントするときにも、気を付けたいポイントがあります。
一つ目は、ビルドプレートに塗るのりです。
メーカーは、接触安全性が求められる造形物には、Bambu Labの液体のり・固形のりを使わないよう案内しています。
のりの残りが造形物に付くおそれがあるためで、密着が足りない場合は、ベッド温度を上げて対応する方法が示されています。
二つ目は、ノズルの衛生状態です。
食品接触に適した造形物になるかどうかは、機器、特にノズルの衛生状態にも左右されるとメーカーは説明しています。
ほかのフィラメントで使ってきたノズルには、以前の材料が残っている可能性もあると考えられます。
三つ目は、日本での扱いです。
PLAピュアについて公式ストアが示している食品接触の規格は、EUの規則です。
日本で食品用の器具を販売するなら、食品衛生法の規制を別に確認する必要があります。
PLAピュアでクッキー型を作れば、そのまま販売してよいというわけではありません。
3Dプリンターで作るクッキー型の衛生面や、販売するときの注意点は、こちらで詳しく解説しています。
A1 mini・A1で使う条件:プレート・乾燥・AMS lite

PLAピュアは、A1 mini・A1を含むBambu Labのすべての3Dプリンターに対応しています。
AMS lite、AMS、AMS 2 Pro、AMS HTにも対応し、RFIDから材料情報を読み取れます。
外部スプールから使う場合は、Bambu StudioでPLAピュアの材料設定を選びましょう。
メーカーは、デフォルトのプロファイルを使うことで造形品質と接触安全性を両立できるとしています。
対応するビルドプレートは、テクスチャードPEIプレート、スムースPEIプレート、常温プレートSuperTackの3種類です。
ノズル径は0.2・0.4・0.6・0.8mmに対応しています。
乾燥については、使用前に乾燥させ、使用後は乾燥した環境で保管するよう案内されています。
技術仕様書の乾燥の目安は、送風式の乾燥機で50℃・8時間です。
また、開封したフィラメントを室内の空気にさらしておける目安は18日とされ、それを過ぎたら乾燥し直すことが推奨されています。
AMS liteには加熱乾燥の機能がないため、A1 mini・A1で乾燥が必要なときは、別に乾燥機を用意しましょう。
保管は乾燥剤を入れた密閉容器で、湿度20%RH未満が目安です。
開放型の3Dプリンターを部屋で使う場合は、PLAピュアを選んだうえで換気も組み合わせると安心です。
PLAピュアの価格と、購入時の選び方

日本公式ストアでは、1kgのPLAピュアが「スプール付き」と「スプール無し」の2タイプで販売されています。
色はピュアホワイト、アブソリュートブラック、ベイビーブルー、ミルキーピンク、アプリコットの5色です。
価格は以下の表で比較できます。
スプール無しのタイプは、Bambu Labの再利用可能なスプールに取り付けて使います。
初めて購入するならスプール付き、手元に空のスプールがあるならスプール無し、と考えると選びやすいでしょう。
購入するカラーとタイプを選び、在庫と出荷予定を確認してみてください。
まとめ:家族の近くでプリントする方の、材料選びの候補に

今回は、Bambu LabのPLAピュアを紹介しました。
PLAピュアは、強度はPLAベーシックと同等のまま、成分と排出の試験情報を重視して選べるPLAです。
押さえておきたいポイントは、次の3つです。
A1 mini・A1をリビングや子ども部屋の近くで使っていて、おもちゃや身の回りの小物を作る方なら、候補に入れてみるとよいでしょう。
作りたいものの用途と使う場所から、PLAベーシックと選び分けてみてください!





