こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Anycubicの家庭用光造形方式3Dプリンター「Photon Mono 4」について解説&実機レビュー
していきたいと思います。
2024年9月に登場した、Anycubicの最新光造形方式3Dプリンター「Photon Mono 4」。10月に入って日本のAmazonでも販売が開始されました。
2万円台で購入できるコスパ最強機種でありながら、「10K」の超解像度を誇る「Photon Mono 4」。いったいどのような特徴がある3Dプリンターなのでしょうか?
今回、さっそく購入し、しっかり使い込んでまいりましたので、
についてレビューしていきたいと思います!
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。記事とあわせて活用してみてください。
それでは見ていきましょう!
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Anycubic「Photon Mono 4」の特徴
実機レビューに入る前に、
「Photon Mono 4」の特徴について確認
しておきましょう。
「特徴はいいから実機レビューが見たい!」
という方は該当箇所までジャンプしてください。
2万円台の光造形エントリーモデル
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Anycubic「Photon Mono 4」は、初めての光造形3Dプリンターとして非常に魅力的なエントリーモデルです。登場直後から、3Dプリント初心者にとっても手が届きやすい2万円台という破格の価格で提供されています。
一般的にFDMプリンターに比べて光造形プリンターは高価になることが多いため、この価格設定は大きなメリットだと言えるでしょう。
超高解像度(10K & 17μm)
「Photon Mono 4」は、「10K」という非常に高い解像度を誇るモデルです。
10K解像度とは、液晶ディスプレイの長辺方向のピクセル数が約10,000ピクセルに達することを意味します。具体的には、9024×5120ピクセルのディスプレイを搭載しており、非常に緻密なプリントが期待できます。
さらに、表現できる構造の細かさに大きく影響するピクセルサイズがわずか17μm(17×17ミクロン)。このサイズは家庭用3Dプリンターの中ではトップクラスの微細度です。
このように、高解像度と微細なピクセルサイズを兼ね備えた「Photon Mono 4」は、模型やフィギュアなど、精密な造形物のプリントに最適でしょう。
コンパクトサイズ
「Photon Mono 4」のもう1つの特徴は、そのコンパクトなサイズです。
最大プリントサイズは、幅153.4mm、奥行87mm、高さ165mmと、一般的な家庭用光造形3Dプリンターの中では小型の部類に入ります。このサイズは、ELEGOOの「Marsシリーズ」相当で、特に初心者やスペースの限られた環境での使用に適しています。
初めて3Dプリンターを導入する人や、スペースを有効に使いたい人にとって、「Photon Mono 4」は理想的な選択肢の1つになるでしょう。
超高解像度を筆頭に、初心者向けでありながら魅力的な仕様の「Photon Mono 4」。その魅力を、以降の「実機レビュー」パートでも詳しく確認していきましょう。
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Anycubic「Photon Mono 4」の実機レビュー!
さて、ここまでは「Photon Mono 4」の特徴について解説してきました。ここからは、
「実際に使ってみてどうなのか?」
について、実機レビューしていきたいと思います!
開封!
「Photon Mono 4」の開封作業は簡単で、非常にスムーズに行えます。
本体の重量はわずか4kgと軽量であるため、力に自信のない人でも問題なし。コンパクトなサイズも相まって、机や棚の上など、限られたスペースにも簡単に設置することが可能です。
「Photon Mono 4」の同梱品をチェック!
「Photon Mono 4」の同梱品には、ビルドプレートやレジンタンク、スクレーパー、六角レンチ、ビニール手袋、マスクなどが含まれています。
使いはじめるために必要な付属品がほぼ全てそろっているので、初心者でもすぐに使い始められるでしょう。「Photon Mono 4」本体以外には、
を用意しておけば、3Dプリントをスタートすることができるでしょう。
注意点は、付属する紙の説明書が英語であること。付属のUSBディスクに格納されている電子版も英語版と中国語版のみとなっています。英語に苦手意識のある方は、翻訳ツール等を駆使することになるでしょう。
「Photon Mono 4」の操作はシンプルですが、初心者の方が操作に慣れるまでは、少し手こずるかもしれません。
3Dプリント実行!コスパ高解像度マシンの実力は?
開封&セッティングの詳細は「実機レビュー動画」を見ていただくとして、お待ちかねの3Dプリントを開始していきます!
すぐにプリントできるスライス済みデータをプリント!
同梱のテストモデルを使用してファーストプリントを実行。SUNLUの水洗いレジン(ダークグレー)を使用し、約3時間でプリントが完了しました。
現れた楕円体のモデル表面には非常に細かい模様が施されており、10K高解像度3Dプリンターの実力を体感することができました。細かなディテールまで美しく表現されています。
定番テストモデルをプリント!
次に、定番のテストモデル「AmeraLabs town」をプリントしていきます。このモデルは、建物が密集した街のようなデザインで、光造形3Dプリンターの性能を測るための複雑な構造が含まれています。
スライスデータの作成には、Anycubicの光造形3Dプリンター専用スライスソフト「Photon Workshop」を使用。
45分程度でプリントが完了し、17μmの解像度で非常に細かい部分までしっかりと表現されています。うまくプリントされていないのは、もっとも細いピラー構造程度でした。
格安機種である「Photon Mono 4」ですが、昨今の高解像度家庭用光造形3Dプリンターと同等の仕上がりを確認することができました。
最大サイズはどれくらい?「エッフェル塔」をプリント!
続いて、エッフェル塔のモデル(データ出典:Printables)を使用して、「Photon Mono 4」でプリントできる最大の高さを確認していきます。
4点レベリングの実行時にわずかな傾きが生じたのか、プリントの序盤で手前右側の脚が脱離してしまいました。手動レベリングによるシビアな調整が求められ、利便性の点ではオートレベリング搭載機種に劣ります。
約7時間かけてプリントが完了し、高さ165mmのエッフェル塔が完成しました。このプリントにおいても、細かな構造まで正確に表現されており、「Photon Mono 4」の高い精度が感じられます。
このエッフェル塔がもつ165mmという数値が、「Photon Mono 4」でプリントできるモノの最大高さとなります。上述の通り、家庭用3Dプリンターの中でも小型に類する「Photon Mono 4」。導入する機種を検討する際には、チェックポイントのひとつになるでしょう。
モデリングなし!AIで生成した3Dモデルをプリント!
最後に、3Dモデル生成AIを活用して用意した3Dモデルをプリント。レジンにはSUNLU「水洗いレジン(クリアブルー)」を使用しています。
ここでは、2つの異なる生成AIツールを使用しました。
これらのAIツールは、テキストや画像から3Dデータを自動で生成するため、専門的な3Dモデリングスキルがなくても、3Dプリントできるデータをすぐに用意することが可能です。
約3時間で完成した手のひらサイズのフィギュアは、AIによって生成された3Dデータを忠実に再現。
このように、モデリングスキルが不要なAIツールと格安3Dプリンター「Photon Mono 4」を組み合わせることで、初心者でも高品質な作品を作ることが可能な時代になっています。生成AIの進化と3Dプリンターの性能向上により、デジタル製作がさらに手軽なものになっていることが実感できるでしょう。
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Anycubic「Photon Mono 4」のココがスゴい!3選
ここからは、
実際に使ってみて感じた「Photon Mono 4」のスゴいところ
について紹介していきたいと思います。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!
とにかく安い
「Photon Mono 4」の最大の魅力は、その高いコストパフォーマンスです。
2024年10月の発売時点で2万円台。これは家庭用光造形3Dプリンターの中でも、トップクラスの低価格帯に位置します。
価格は安くても、性能面は十分及第点。初心者にとっては最適な選択肢のひとつになるでしょう。
レベリング作業は1回だけ
「Photon Mono 4」は4点レベリング方式を採用。一度レベリング(ビルドプレートと液晶ディスプレイ間の高さ調整作業)を行えば、その後の再調整はほとんど必要ありません。
光造形プリンターのレベリングは、FDMプリンターと比べても手間がかかりがちで、とくに初心者にとってはイヤな工程。毎回のプリント時に手動レベリングを必要としない4点レベリング方式では、その手間が大幅に削減されています。
ただし、オートレベリングでないのは少し残念なポイント。
昨今では低価格帯でも導入機種が増えてきています。レベリングの技術不足によってプリントミスが発生するのを避けたい場合はELEGOO「Mars 5 Ultra」のような低価格帯オートレベリング採用機種を検討してみると良いでしょう。
扱いやすいサイズ感
コンパクトな設計と軽量な本体は、「Photon Mono 4」の使いやすさを支える大きな要素です。
重さがわずか4kgで設置場所を選ばないため、家庭内の限られたスペースにも問題なく置くことが可能。
また、準備や後片付けに少し手間のかかる光造形機において、このサイズ感は初心者にうってつけ。液体の材料であるレジンの取り扱いに慣れるという意味でも、はじめの1台は「Photon Mono 4」程度のサイズが最適でしょう。
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Anycubic「Photon Mono 4」のココに注意!3選
最後に、
実際に使ってみて、個人的に気になった点
についても紹介していきます。人によって好みも異なりますので、選択する際の参考にしてみてください。
特徴的な機能はほぼゼロ
「Photon Mono 4」は、コストパフォーマンス重視のエントリーモデル。最近の家庭用3Dプリンターに見られる便利な機能はほとんど搭載されていません。
例えば、
といった機能は一切搭載していません。利便性を求めるユーザーにとっては物足りないと感じる部分もあるでしょう。
「3Dプリントする」という基本機能だけで十分な場合は問題ありませんが、数年におよぶ使用を見越して、利便性も重視したい方は他のモデルもあわせて検討することをお勧めします。
作れるモノのサイズは最小クラス
「Photon Mono 4」はコンパクトなサイズ感がメリットですが、その一方でプリント可能な最大サイズが限られている点には注意が必要です。
高さ165mm、幅153.4mm、奥行87mmという最大造形サイズは、フィギュアや小型パーツには十分ですが、大型のオブジェクトには向いていません。
より大きな作品を作りたい場合は、ELEGOOの「Saturnシリーズ」「Jupiterシリーズ」など、より大型のプリンターを検討するべきでしょう。
安定感に欠ける(本体・フタ)
「Photon Mono 4」は軽量設計が特徴ですが、その分、安定感にはやや欠ける面があります。
本体が軽いため、設置場所によっては作業中でも揺れやすいです。フタも固定されていないため、本体には触れないように注意する必要があります。
特に精密な造形を行う光造形プリンター。安定性も品質に影響を与えるため、この点には気を配るべきでしょう。
ここまで挙げてきたポイントは、人によっては気になるところかもしれません。他の3Dプリンターもチェックしておきたい!という方は、比較ツール等を活用して他の機種の情報も確認しておきましょう。
「ここに記した気になるポイントは問題ないよ!」
という方にとっては、高い機能性をエントリーレベルの高コスパで実現した非常におすすめできる3Dプリンターなのではないかと思います!
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Anycubic「Photon Mono 4」のスペック一覧!
最後に、
「Photon Mono 4」の詳細スペックを、上位機種「Photon Mono 4 Ultra」と比較
していきます。どのような違いがあるか確認しておきましょう。
モデル名 | Photon Mono 4 | Photon Mono 4 Ultra |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 230 x 235 x 391 | 231 x 236 x 430 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 153.4 x 87 x 165 | 153.4 x 87 x 165 |
Z軸精度[mm] | - | |
積層ピッチ[mm] | 0.03-0.15 | 0.02-0.15 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.017 | 0.017 |
ピクセル数(XY) | 9024 x 5120 | 9024 x 5120 |
プリントスピード[mm/h] | Max 70 | Max 120 |
データ入力 | USB | USB Wi-Fi LAN MODE |
本体重量[kg] | 4 | 5 |
スライスソフト | Photon Workshop | Photon Workshop |
その他 | 4点レベリング | 4点レベリング ACFフィルム 失敗検知機能 レジン残留物検知機能 レジン不足検知機能 自動状態確認機能 フィルム寿命マネジメント機能 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
類似機種との差分を総合した上で、
「光造形3Dプリンターを、できるだけ安く導入したい...!」
「追加的な機能は一切不要!3Dプリントできれば問題ない!」
という方にとっては、十分検討する価値のある1台でしょう。
まとめ:最安で光造形をはじめたいならAnycubic「Photon Mono 4」!
「Photon Mono 4」は、光造形3Dプリンターの世界に足を踏み入れる初心者に最適なモデルの1つです。
2万円台という「コスパ最強」価格で提供されていながら、10Kの超高解像度と申し分ない性能を備えています。サイズがコンパクトで使いやすく、初めての1台として導入するにはベストな選択肢の1つでしょう。
その一方で、最新機種に搭載されるような便利な機能はほとんど搭載されておらず、将来的に多機能なプリンターが欲しくなる可能性もあります。
この記事で紹介したようなメリット・デメリットを踏まえつつ、同じく最新の光造形エントリーモデルであるELEGOO「Mars 5 Ultra」等とも比較したうえで、「Photon Mono 4」をぜひ購入候補に入れてみてください。
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