こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
ELEGOOの家庭用光造形方式3Dプリンター「Mars 5 Ultra」について解説&実機レビュー
していきたいと思います。
2024年6月24日に、ELEGOOの光造形方式3Dプリンター人気ラインナップの1つである「Marsシリーズ」から、最新機種2台「Mars 5 Ultra」「Mars 5」の予約販売が開始されました。
新たに搭載となった「チルトリリース機能」「AIカメラ搭載」といった気になる特徴で話題の「Mars 5 Ultra」。いったいどのような特徴がある3Dプリンターなのでしょうか?
今回、ELEGOO様より一足早く実機を提供いただきましたので、
についてレビューしていきたいと思います!
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。記事とあわせて活用してみてください。
それでは見ていきましょう!
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ELEGOO 「Mars 5 Ultra」の特徴
実機レビューに入る前に、
「Mars 5 Ultra」の特徴について確認
しておきましょう。
「特徴はいいから実機レビューが見たい!」
という方は該当箇所までジャンプしてください。
主な項目について、それぞれ確認していきましょう。
なお、類似点の多い
についてもあわせて記載しています。両者の違いを知るための参考にしてみてください。
高速プリント可能なチルトリリース機能
★Mars 5:なし
★Saturn 4 Ultra:共通
「Mars 5 Ultra」がもつ目玉機能の1つが、
高速プリント可能なチルトリリース機能
です。
上の動画の通り、ビルドプレートの上下動ではなく、液晶ディスプレイ側がレジンタンクごと傾くことで、硬化したレジンを剥離するシステムとなっています。
チルトリリースによってフィルムを素早く剥がすことが可能になり、最大150mm/hの高速プリントを実現しています。
モニタリング・検出可能なAIカメラ搭載
★Mars 5:なし
★Saturn 4 Ultra:共通
もう1つの目玉機能が、
モニタリング・検出可能なAIカメラ搭載
です。
光造形3Dプリンターにも最先端の「眼」が搭載されたことで、
といった、これまでにない多数の新機能が実現しています。
レベリング不要でスムーズにプリント開始
★Mars 5:共通
★Saturn 4 Ultra:共通
上記2つほど目立つ仕様ではないものの、
オートレベリング機能
もイチオシです。
メカニカルセンサーが搭載されたことで、毎回のプリント開始前に自動でレベリングを完了してくれる優秀機能。ユーザーがA4用紙を使って高さ調整する必要はありません。
センサー搭載で失敗・レジン減少等を検出
★Mars 5:共通
★Saturn 4 Ultra:共通
AIカメラに加え、メカニカルセンサーが搭載された「Mars 5 Ultra」。
プリント失敗や・レジン減少等を検出・通知
してくれるようになっています。
レジン不足や、途中でプリント品が脱離してしまうような「あるある」のエラーを検知して、時間と材料の無駄を減らしてくれます。
ユーザーフレンドリー度が大幅改善
★Mars 5:共通
★Saturn 4 Ultra:共通(一部変更、後述)
その他、「Saturn 4 Ultra」と同様の特筆すべきアップグレードが、
ユーザーフレンドリー度が大幅改善
している点です。
主な例を挙げると、
などなど。
解像度向上路線をひた走っていた家庭用光造形3Dプリンター業界に「待った」をかけるかのように、「使いやすさ」の向上に大きくアップグレードの比重を移した点は、注目に値するでしょう。
列挙しきれないほどに、新機能・仕様が盛りだくさんの「Mars 5 Ultra」。その魅力を、以降の「実機レビュー」パートでも詳しく確認していきましょう。
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ELEGOO「Mars 5 Ultra」の実機レビュー!
さて、ここまでは「Mars 5 Ultra」の特徴について解説してきました。ここからは、
「実際に使ってみてどうなのか?」
について、実機レビューしていきたいと思います!
開封!
「Mars 5 Ultra」を開封し、中身を確認していきましょう。
ダンボールを開けると、
が隙間なく詰まっています。なお、今回はオートレベリング機能搭載のため、「Mars 4 Ultra」等に見られたレベリングペーパーの同梱はありません。
本体のビニール袋とUVカバーを取り外すと、内部は発泡スチロールでしっかり固定されています。単なる緩衝材ではなく、内部にはツールボックスやビルドプレートが納められているので注意しましょう。
ツールボックスには、基本的な工具類や消耗品がそろっています。以下に同梱品リストを記載しておきます。初心者の方は、他にそろえるべきものがあるかどうか確認しておくと良いでしょう。
なお、最近の常連だった「USB空気清浄機」は、「Mars 5 Ultra」には同梱されていないようです。その代わり、背面には「拡張ポート」があり、空気清浄機「Mars Mate」(別売り)に対応しています。
「Mars 5 Ultra」の外観をチェック!
開封を終えたところで、「Mars 5 Ultra」の外観をチェックしていきましょう。
高級感のあるブラックの筐体は、「Mars 4 Ultra」から継続。
一方、「Mars 3シリーズ」「Mars 4シリーズ(Max,DLPを除く)」と続いた丸みのあるデザインから、「Saturnシリーズ」に近い角張ったボックス形状が採用されています。
また、UVカバーの表面には電子回路チックなデザインが施され、右下のタッチスクリーンは縦長に変更されています。
3Dプリント実行!高解像度3Dプリンターの実力は?
開封&セッティングの詳細は「実機レビュー動画」を見ていただくとして、お待ちかねの3Dプリントを開始していきます!
定番のテストデータ「rook」をプリント!
まずは、同梱のUSBに保存されていた、ELEGOOの光造形3Dプリンター定番モデル
「rook」のデータを使って3Dプリント
していきます。
レジンには、ELEGOO「水洗いレジン(セラミックグレー)」を使用。
新搭載のチルトリリース機能によるファーストプリント。「儀式」としてプリントしておきましょう。
チェスの駒であるルークをモチーフにした、内部にらせん階段、らせん構造をもつおもしろい3Dモデルがプリントされました。当然ながら、問題なくキレイな仕上がり。
プリント時間は、50mmの高さで1時間38分でした。チルトリリースにより、スムーズにプリントが実行されました。
テストモデルをプリント!
続いては、
解像度・品質を確認するテストモデルをプリント
していきます。
今回は、光造形3Dプリンターの性能を測るための様々な構造をもつ街のような3Dモデル「AmeraLabs town」をプリントしていきます。
引き続き、ELEGOO「水洗いレジン(セラミックグレー)」を使用。一般的なレジンを使ってどの程度のプリント品質が実現できるのか?を確認してみましょう。
どの構造も高い品質でプリントできましたが、特筆すべきは上の画像に見られるピラー(柱)構造。
太さと高さの異なる多数のピラーが並ぶ中、もっとも細い髪の毛ほどの形状が、つぶれることなくプリントできています。同じ太さでも、高さのあるピラーはたおれてしまっていますが、そもそも形が残っていること自体が優秀だと言えるでしょう。
ピクセルサイズ18um角の高解像度により、複雑・繊細な立体構造を高いレベルでプリントできています。
高解像度フィギュアをプリント!
続いて、
解像度が求められる高精細フィギュア
をプリントしていきます。
3DデータはPrintables(@BenDansie_84596)から、レジンにはSUNLU「水洗いレジン(クリアブルー)」を使用していきます。
待つこと約3時間。鮮やかなクリアブルーが美しい、細部まで高品質なフィギュアがプリントされました。
流れるような毛並みが非常にキレイ。目や鼻、歯といった顔のパーツが、細かいところまで繊細に表現されています。
コンパクトサイズの9K3Dプリンター「Mars 5 Ultra」は、手のひらサイズの高精細フィギュアとの相性が非常に良さそうです。
最大サイズはどれくらい?「自由の女神」をプリント!
最後に、「Mars 5 Ultra」で作れるサイズを確認する意味も込めて、
自由の女神像
をプリントしていきます。
3DデータはThingiverse(Cool3DModel)から、レジンには再びELEGOO「水洗いレジン(セラミックグレー)」を使用していきます。
AIカメラによる新機能「タイムラプス」で、自由の女神がプリントされる様子をチェックしてみましょう。
豆知識として、AIカメラは3Dプリンターの奥に設置されているので、タイムラプス撮影時はモデルをカメラの方向に向けるのがおすすめです。
完成した自由の女神がこちら。本物そっくりですね!
気になるプリント品の高さは160mm。「Mars 5 Ultra」の最大高さは165mmなので、このサイズがほぼ最大高さということになります。
ELEGOO「Mars 5 Ultra」のココがすごい!3選
ここからは、
実際に使ってみて感じた「Mars 5 Ultra」のスゴいところ
について紹介していきたいと思います。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!
クイックリリース&オートレベリングが超快適!
新機能満載の「Mars 5 Ultra」ですが、使いやすさの点でもっとも印象的だったのが、
クイックリリース&オートレベリング
の採用です。
これまで必要とされてきた、
といった面倒な作業が一切不要になりました。
FDM3Dプリンターを使っている方であれば、すでに一般的になったオートレベリングなしの機種には戻れないことでしょう。
これと同じ現象が光造形にも徐々に起きはじめています。「Saturn 4 Ultra」と「Mars 5 Ultra」でコレを味わってしまった筆者は、もうオートレベリングなしの機種には戻れません。。。!
ドリップトレー&改良レジンタンクで片付けもラク!
ユーザーフレンドリーが止まらない、今年登場のELEGOO光造形3Dプリンター。
後片付けもグッと簡単に
なっています。
前半で紹介したドリップトレーによって、プリンター周辺をレジンで汚す心配が激減。
そして、上の画像の左上・右下に注目すると、使い終わったレジンをボトルに戻す際の注ぎ口が大きくなっていることがわかるでしょう。これにより、残ったレジンの片付けが劇的に楽になっています。
「なんとなく手間がかかりそう。。。」
と、光造形に抵抗のあった人でも問題ナシ。扱いやすいコンパクトなサイズ感も相まって、光造形デビューにうってつけの1台だと言えるでしょう。
Wi-Fi&モニタリングでPCとの往復ナシに
加えて、
Wi-Fi対応とカメラ搭載
によって、プリントの様子を確認する必要が一切なくなっているのもうれしいポイント。
光造形はレジンの匂いも気になるので、プリント中には別の部屋にいるという人も多いでしょう。そんな場合でも、プリント状況はPC上で確認できるため、いちいちプリントの様子を見に行く必要がありません。
視覚情報も含めて、部屋を移動することなく好きなタイミングで状況確認することが可能です。
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ELEGOO「Mars 5 Ultra」のココに注意!3選
最後に、
実際に使ってみて、個人的に気になった点
についても紹介していきます。人によって好みも異なりますので、選択する際の参考にしてみてください。
解像度は「Mars 4 Ultra」と同じ9K
「5」にバージョンアップした「Marsシリーズ」最新機種の「Mars 5 Ultra」ですが、今回解像度の進化はありません。
先代の「Mars 4 Ultra」と同じ、
というスペックです。
「Mars 5 Ultra」の進化は解像度にあるのではなく、
にあると言えるでしょう。
「扱いやすさ」と「造形サイズの小ささ」は表裏一体
また、類似機能の多い「Saturn 4 Ultra」と異なる点として、「造形サイズの違い」には注意が必要です。
上の画像は、「Saturn 4 Ultra」でプリントした(ほぼ)最大高さの「エッフェル塔」と、「Mars 5 Ultra」でプリントした(ほぼ)最大高さの「自由の女神像」です。
コスパが良くコンパクトな「Mars 5 Ultra」を選択する場合には、上位機種である「Saturn 4 Ultra」に比べて、プリントできる高さに制限があることは覚えておきましょう。
フリップカバーは採用ナシ
最後に、「Saturn 4 Ultra」との違いをもう1点。
上の画像は、「Saturn 4 Ultra」と「Mars 5 Ultra」を横向きにおいて並べ、それぞれのフタを開けた状態です。
見てわかる通り、「Saturn 4 Ultra」ではフリップアップ式カバーが採用されているのに対し、「Mars 5 Ultra」では、その採用はありません。これまで通り両手で持ち上げるタイプです。
片手で開閉できるフリップアップ式カバーは、「Saturn 4 Ultra」におけるユーザーフレンドリーなアップグレードの1つとなっていましたが、コンパクトサイズの「Mars 5 Ultra」には採用されず。
類似機能の多い両機種ですが、「カバーの違い」は数少ない相違点として、選択のポイントになるでしょう。
ここまで挙げてきたポイントは、人によっては気になるところかもしれません。他の3Dプリンターもチェックしておきたい!という方は、比較ツール等を活用して他の機種の情報も確認しておきましょう。
「ここに記した気になるポイントは問題ないよ!」
という方にとっては、高い機能性をエントリーレベルの高コスパで実現した非常におすすめできる3Dプリンターなのではないかと思います!
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ELEGOO「Mars 5 Ultra」のスペック一覧!
最後に、
「Mars 5 Ultra」の詳細スペックを、「Mars 5」「Saturn 4 Ultra」と比較
していきます。どのような違いがあるか確認しておきましょう。
モデル名 | Mars 5 Ultra | Mars 5 | Saturn 4 Ultra |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | ELEGOO | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 260 x 268 x 451.5 | 230 x 230 x 433.5 | 327.4 x 329.2 x 548 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 153.36 x 77.76 x 165 | 143.43 x 89.6 x 150 | 218.88 x 122.88 x 220 |
Z軸精度[mm] | 0.02 | 0.02 | 0.02 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.018 | 0.035 | 0.019 x 0.024 |
ピクセル数(XY) | 8520 x 4320 | 4098 x 2560 | 11520 x 5120 |
プリントスピード[mm/h] | Max 150 | Max 70 | Max 150 |
データ入力 | USB Wi-Fi | USB | USB Wi-Fi |
本体重量[kg] | 8.8 | 6.6 | 14.5 |
スライスソフト | ChituBox | ChituBox Voxeldance Tango | ChituBox |
その他 | チルトリリース AIカメラ搭載 ドリップトレー付属 オートレベリング メカニカルセンサー搭載 | オートレベリング メカニカルセンサー搭載 | チルトリリース AIカメラ搭載 ドリップトレー付属 オートレベリング メカニカルセンサー搭載 フリップ式カバー |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧表で比較してみると、各モデルの微妙な違いがわかりますね。
今回レビューした「Mars 5 Ultra」には、
というメリットがあります。
一方で、ひと足先に登場した「Saturn 4 Ultra」と比べると、
というデメリットもあります。どちらを選ぶか考える際にはポイントになるでしょう。
類似機種との差分を総合した上で、
「手間の多い光造形3Dプリンターを、できるだけラクに使いたい...!」
「『Saturn 4 Ultra』ほどのサイズ・価格は自分に合わないんだよな。。。」
という方にはとくにおすすめの1台だと言えるでしょう。
まとめ:ELEGOO「Mars 5 Ultra」はコスパ最強で使いやすい!最新機能も豊富!
今回は、ELEGOO Marsシリーズの最新モデル「Mars 5 Ultra」について解説&実機レビューしました。
高速プリントを実現する「チルトリリース機能」や「AIカメラ」など、新機能が盛りだくさんの高解像度3Dプリンターであることがわかりましたね!
ひと足先に登場した「Saturn 4 Ultra」と比べ、
が特徴の「Mars 5 Ultra」。
「Saturn 4 Ultra」レビュー記事も参考にした上で、ぜひ購入候補に入れてみてください!
販売状況
ELEGOO公式ショップや国内代理店SK本舗、Amazon等にて販売されています(2024年9月時点)。
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