こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、光造形3Dプリンターをはじめるにあたって買っておくべきものを紹介していきます。
- 光造形3Dプリンターをはじめるために最低限必要なものを知りたい
- 光造形3Dプリンターを使ううえで、あると便利なものを知りたい
- 光造形3Dプリンターをはじめる前に知っておくべきポイントを押さえたい
それでは見ていきましょう!
はじめに
前提として、私ウノケンは、3万円以下で買える家庭用3Dプリンター「ELEGOO MARS 2」を最初の1台として購入しました。3Dプリンターがこの値段で買えてしまうのは驚きですよね!
後継モデルが多数登場してきていることもあり、「ELEGOO Mars 2」は在庫切れの状態が多いですが、例えば「ELEGOO Mars 2 Pro」なども3万円台で購入することが可能です。
「Mars 2」には、以下のようにいくつか便利な備品がセットになっていました(Amazon販売ページより)。以下はあくまでも「Mars 2」の例ですが、基本的にどの3Dプリンターにもある程度の工具・消耗品がセットになっています。
- Mars 2 3Dプリンター
- ビルドプラットフォーム(造形物が作られていくところ)
- レジンタンク
- USB(2GB)
- 金属スクレーパー(造形物をプラットフォームから外すときに使用)
- プラスチックスクレーパー(フィルムから硬化したレジンを剥がすときに使用)
- マニュアル
- じょうご(10枚)
- 計量カップ
- バックアップネジ
- ULアダプター
- シリコンゴムシール
- ツールキット(ニッパー、六角レンチなど)
ところが、3Dプリンターを使い始める前に揃えておくべきものは他にもあります。ネットで検索すると、いろいろな方が買い揃えたものを知ることができますが、人それぞれなので何を買えば良いか迷ってしまいますよね…
そこで今回は、私が実際に買ってよかったもの・不要だったものについて、必要度順に紹介していきます。
絶対必要!:
あったほうがいい!:
なくてもいいけどあると便利!:
なくてもいいかな…:
不要:
3Dプリンターを買う前に知っておきたいポイント

3Dプリンタを買っておくべき必要なものの紹介に入る前に、私自身が買い物前に知っておきたかったポイントを紹介しておきます。
似たようなスペックの3Dプリンターがたくさんある
はじめて3Dプリンターを購入するときは、どのメーカーのどの機種を選ぶべきか迷ってしまうことでしょう。ネットで検索するだけでも数多くの3Dプリンターの情報にあふれ、初心者の方は困惑してしまうこと間違いなしです。
この記事では
- 徹底的にお気に入りの機種を選びたい人
- ある程度選択肢を絞ってほしい人
のそれぞれに向けた最適なソリューションを示しておきたいと思います。ご自身のタイプに合わせて3Dプリンター選びの参考にしてみてください。
徹底的にお気に入りの3Dプリンターを選びたい人→比較ツールを使用する
当メディアでは、家庭用3Dプリンターの有名どころを一通り網羅した比較ツールを提供しています。

造形サイズや解像度はもちろんのこと、各機種の解説ページへのリンクも掲載しています。
「細かいスペックを見比べて自分に最適な3Dプリンターを見極めたい!」という方にはおすすめのツールですので、ぜひ活用してみてください。
選択肢を絞ってほしい人→定番品やサポートのある機種から選ぶ
「たくさんの3Dプリンターの中から、初心者の自分が最適なものを選ぶのは難しい。。。」
そう考える方も少なくないでしょう。私自身もかなり迷いました。
今では複数の3Dプリンターを使用する私の実感として、「最初の3Dプリンターは定番品やサポートのある機種から選ぶ」ことをおすすめします。
定番品であればユーザも多く、困ったときに情報を得やすいです。スペックは高いけど日本ではあまり知られていないメーカーの製品や、最新の3Dプリンターはユーザが少ない場合も多く注意が必要です。
また、販売代理店によるサポートのある機種を選ぶのも安心感があって良いでしょう。家庭用3Dプリンターメーカーは中国が圧倒的に多く、困ったときにメーカーに対応してもらうということが難しいです。その点、3Dプリンター専門の代理店から購入することで、メールサポートや無償修理等の恩恵を受けることができます。
例えば、多数の海外3Dプリンターメーカーの国内代理店となっているSK本舗は、二次硬化機や水洗いレジン、取替用のFEPが光造形3Dプリンターとセットになった初心者導入セットを提供しています。必要品が本体にセットになっているうえに、以下のような初心者にうれしいサポートが付属しています。
- サンプル出力までのメールサポート
- 初期不良時の無償交換
- 1年以内の無償修理
- 3Dプリンターガイド冊子つき
はじめのうちは3Dプリンターの操作に慣れていないため、うまくプリントできなかったり、うっかり破損させてしまうこともあります。3Dプリンターに慣れていない初心者の方はとくに、このようなサポートが充実した国内代理店から購入するのがおすすめです。
以下の記事では、初心者におすすめな3Dプリンターについても紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

工具・消耗品はある程度セットになっている
「ELEGOO MARS 2」のセットには、上述のようにある程度の工具と消耗品が入っています。重複して購入してしまうのはもったいないので、事前にチェックしておきましょう。消耗品はすぐになくなってしまうので、セットに入っていても別途購入することをおすすめします。
3Dプリンター以外にも揃えておくべきもの多数。100均を賢く活用すべき
3Dプリンターを買うだけでは作業開始できません。材料であるレジンをはじめ、造形物を扱うための工具や、洗浄のための細々とした消耗品が必要になります。
3Dプリンターがお手頃価格でも、周辺備品にお金をかけすぎると合計金額がかさんでしまいます。とはいえ、安物の粗悪品ではかえって損してしまう場合もあります。
大切なのは、100均のように安く購入できるお店を賢く利用することです。必要な備品にお金をかけるためにも、100均のクオリティで十分な備品の購入には積極的に利用していきましょう。
以下の紹介では、100均で購入可能なものの冒頭に【100均】表示してわかりやすくしています。
3Dプリンターをはじめる前に買っておくべき必要なもの一覧
ここから、3Dプリンターをはじめる前に買っておくべき必要なものの紹介に入っていきます。解説に入る前に、必要なものと必要度、100均利用のおすすめ度を並べた一覧表を掲載します。
必要なもの | 必要度 | 100均がおすすめ |
---|---|---|
水洗いレジン | ★★★★★ | |
ゴム手袋・マスク・安全メガネ | ★★★★★ | |
キムワイプ・無水エタノール | ★★★★☆ | |
ろ紙・ストレーナー | ★★★★☆ | |
ヤスリ | ★★★★☆ | ✔ |
アルコール噴霧用スプレー | ★★★★☆ | ✔ |
スクレーパー | ★★★★☆ | |
ブラシ | ★★★★☆ | ✔ |
後処理用容器(30cm四方程度) | ★★★★☆ | ✔ |
水洗い用密閉容器 | ★★★★☆ | ✔ |
予備FEPフィルム | ★★★☆☆ | |
予備レジンタンク | ★★★☆☆ | |
レジン保存容器 | ★★☆☆☆ | ✔ |
液漏れ防止バット | ★★☆☆☆ | ✔ |
パソコン | ★★★★★ | |
トラックボールマウス | ★★★☆☆ | |
外部ディスプレイ | ★★★☆☆ |
私自身、購入前にいろいろ調べて実際に使ってみましたが、「絶対に必要!」と思うものもあれば、「なくてもよかったかな…」と思うものもありました。
私個人の感想を含んでいますが、購入するときの参考にしていただければ幸いです!
水洗いレジン
水洗いレジンの必要度:
3Dプリンター本体にレジンはついていません。色や種類がさまざまなので、好みのレジンを購入しましょう。
ここでおすすめなのが、「水洗いレジン」です。「水洗いレジン」でない通常のレジンの場合、3Dプリント後にIPA(イソプロピルアルコール)で洗浄する工程が必要になります。一方、水洗いレジンの場合は水で洗浄するだけで済みます。必要な容器も少なくなるので、特に希望がない場合は水洗いレジンを購入しましょう。
私は最初、装置と同じELEGOOの水洗いレジン(白)を購入しました。また、ELEGOOの透明タイプが購入できなかったため、SK本舗の水洗いレジン(透明色)も購入しました。
ゴム手袋・マスク・安全メガネ
ゴム手袋・マスク・安全メガネの必要度:
レジンを扱うために必要です。必ず使うようにしましょう。換気も忘れずに!
ゴム手袋は100均でもOKですが、白い粉がついてしまう場合があります。たくさん消費するものなので、「粉なし(パウダーフリー)」のものをまとめて買ってしまうのがおすすめです。私は100均でスタートしたのですが、「粉なし」に変更したことでかなりストレスが減りました。
安全メガネに関しては、普段メガネをかけていない方におすすめします。洗浄時など、不意にレジンやアルコールが飛散する場合に備えて眼を保護してくれます。100均の簡易的なもので良いので、ぜひ用意しておきましょう。
キムワイプ・無水エタノール
キムワイプ・無水エタノールの必要度:
3Dプリンターを販売するSK本舗さんの動画で紹介されていたことから購入しました。レジンを入れる容器(レジンタンク)を掃除するために使用します。
通常のティッシュと違い、キムワイプは水分を含んでもボロボロになりません。アルコール(無水エタノール)を使った洗浄の際に重宝します。
ろ紙・ストレーナー
ろ紙・ストレーナーの必要度:
造形後に残ったレジンや造形物の洗浄水のろ過に必要で、出番の多いろ紙・ストレーナー。
コーヒーフィルタなども使えるようですが、目の細かさによってはろ過に非常に時間がかかります。モノによっては「1日かかっても全然ろ過進んでない!」ということも経験があります。
「ELEGOO MARS 2」のセットにはろ紙(じょうご)が入っていますが、10枚だけです。すぐになくなってしまうので、別途購入しておくことをおすすめします。
【100均】ヤスリ
ヤスリの必要度:
光造形3Dプリンターには、サポート材と呼ばれる支えが必要となります。作りたい造形物を支える構造なので、造形後に外すことになります。この部分を外した後にはどうしてもイヤな凹凸が残ってしまいます。ヤスリはこの跡を消す目的で使用します。100均で購入しましょう。
【100均】アルコール噴霧用スプレー
アルコール噴霧用スプレーの必要度:
上述の無水エタノールを移し替えて噴霧するためのスプレーが必要です。アルコールの使用を推奨しないスプレー容器もあるので注意しましょう。
スクレーパー
スクレーパーの必要度:
SK本舗さんの動画で次のスクレーパーを別途購入することが勧められていました。
確かにテストプリントデータをプラットフォームから外すのはとても大変です。付属のスクレーパーで取り外すのはかなりの力が必要でした。オルファのスクレーパーの方が確かに外しやすいです。
【100均】ブラシ
ブラシの必要度:
水洗い時やヤスリがけの後処理にはブラシがあると便利です。
ちなみに、上で紹介したELEGOOの水洗いレジンにはブラシがついています。ELEGOO製レジンを購入する場合には別途ブラシは購入しなくて良いでしょう。
【100均】後処理用容器(30cm四方程度)
大きめの容器の必要度:
3Dプリンターを使うときは、レジンが周りに飛び散らないように作業するように注意しましょう。プラットフォームから造形物を外すときや、清掃時に注意です。
周囲に防水シート等を引いても良いですが、おすすめは大きめの容器の中で作業をすることです。作業のたびに準備する必要がありません。20cm程度の深さがあるとなお良いです。
【100均】水洗い用密閉容器
水洗い用密閉容器の必要度:
ネットで検索すると、水洗いレジン造形後の洗浄のため、密閉状態でシェイクできるマルチシェイカーがおすすめされていたりします。洗浄用に密閉できる容器を用意しておきましょう。
予備FEPフィルム
予備FEPフィルムの必要度:
「FEPフィルム」はレジンタンクの底の部分のフィルムです。光造形のための光を通す部分であり、レジンを固めるうえで、傷のない状態を保つ必要があります。
FEPフィルムは非常に薄く、傷つきやすいです。また、慎重に扱っていても、数ヶ月使用していると劣化が進みます。
「ELEGOO MARS 2」には予備のFEPフィルムが入っていません(ちなみに、「ELEGOO MARS 2 Pro」には2枚入っています)。予備のFEPフィルムか、後述する予備のレジンタンクは用意しておきたいところです。
予備レジンタンク
予備レジンタンクの必要度:
予備レジンタンクにはFEPフィルムが取り付け済みで、FEPフィルムが傷ついたときの保険とすることができます。FEPフィルムを取り付ける手間を考えると、タンクごと取り替えてしまうのもアリでしょう。
予備レジンタンクを用意するもうひとつの利点は、色違いのレジンを入れ替えるときの手間が減らせることです。同一のレジンであれば軽めの掃除でも大丈夫ですが、種類が異なる場合にはそうはいきません。レジンタンクがもうひとつあれば、レジンごとに使うタンクを分けることができます。
白色と透明色など、2種類以上のレジンを使う予定がある方は、予備レジンタンクの購入を検討しましょう。
【100均】レジン保存容器
レジン保存容器の必要度:
使用後のレジンを保存する容器も用意しておきましょう。濾過してもとの容器に戻す手もありますが、空気にさらし、紫外線も当てているレジンを未使用のものと混ぜるのは要注意です。
好みにもよりますが、レジンを保存できる密閉容器に入れて保存することをおすすめします。保存時は紫外線を当てないようにするか、遮光容器を使用しましょう。
【100均】液漏れ防止バット
液漏れ防止バットの必要度:
液漏れ防止のため、装置の下にバットを置いたり、周辺に防水シートを敷くことが勧められていたりします。ただ、個人的には頻繁に周囲が汚れることはないように感じます。
3Dプリンターをはじめる前に買っておくべき必要なもの:番外編
ここからは番外編です。3Dプリンターと直接関係はありませんが、自身で3Dプリンター用のデータを作成する際に必要なもの・導入して良かったものを紹介します。
パソコン
パソコンの必要度:
3Dプリンターで出力するデータを作成するために使用します。3DCADや3DCGソフト、スライスソフト(3Dデータを3Dプリンターに読み込ませるためのデータに変換するソフト)を動作させるため、ある程度スペックの高いパソコンを用意する必要があります。
具体的には、最低メモリ(RAM)が8GB以上のPCを用意してください。これは、3Dモデリングによく使われているCADソフト「Autodesk Fusion 360」の「複雑なモデリングと処理向けに推奨される仕様」として