こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、光造形3Dプリンターおすすめシリーズの1つである、ELEGOO Marsシリーズを徹底比較していきたいと思います。
ELEGOO Marsシリーズは、ELEGOO社の光造形3Dプリンターシリーズです。本体価格が2〜4万円程度と非常にお手頃で、特に初心者の方が3Dプリンターデビューする際におすすめのシリーズです。
そんなELEGOO Marsシリーズも、いくつもの製品が登場・廃盤になっており、
「どれを選んだらいいの?」
「今購入できるのはどの機種?」
と迷ってしまう方が多いのではないでしょうか?
そこで、今回は2023年現在のELEGOO Marsシリーズの販売状況について解説し、各機種についての解説とスペック比較を行っていきます。
- 歴代Marsシリーズのスペック・特徴
- 最新の販売状況とおすすめ3Dプリンター
それでは見ていきましょう!
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【2023年版】ELEGOO Marsシリーズ スペック一覧
まずはじめに、歴代のELEGOO Marsシリーズを一覧で見てみましょう。
モデル | Mars | Mars Pro | Mars 2 | Mars 2 Pro | Mars 3 | |
イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
造形サイズ(幅×奥行き×高さ)[mm] | 120×68×155 | 115×65×150 | 129×80×150 | 129×80×160 | 143×89.6×175 | 143×89.6×175 |
ピクセル数 | 2560×1440(2K) | 2560×1440(2K) | 2560×1620(2K) | 2560×1620(2K) | 4098×2560(4K) | 4098×2560(4K) |
解像度(XY) [mm] | 0.047 | 0.047 | 0.05 | 0.05 | 0.035 | 0.035 |
Z軸精度 [mm] | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 |
レイヤー厚さ(Z) [mm] | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
プリントスピード [mm/時間] | 22.5 | 22.5 | 30-50 | 30-50 | (1.5-3 秒/層) | 30-50 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)[mm] | 200×200×410 | 200×200×410 | 200×200×410 | 200×200×410 | 227×227×438.5 | 227×227×438.5 |
備考 | ・活性炭脱臭機能 | ・2KモノクロLCD | ・2KモノクロLCD ・活性炭脱臭機能 ・予備FEPフィルム×2 | ・4KモノクロLCD | ・4KモノクロLCD ・空気清浄機つき |
Marsシリーズは、2023年までに「Mars」「Mars 2」「Mars 3」といった3世代目までが登場しており、各世代にProモデルも存在するというイメージです。Proモデルに関しては、造形サイズ等のスペックに大きな変化はありません。後述するように、脱臭機能のような付加的な機能が搭載された機種となっています。
モデル名 | ||
---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() |
メーカー | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 246 x 230 x 453 | - |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 132.8 x 74.7 x 150 | 195.84 x 122.4 x 150 |
Z軸精度[mm] | 0.01 | - |
積層ピッチ[mm] | - | - |
ピクセルサイズ[mm] | 0.052 | 0.034 |
ピクセル数(XY) | 2560 x 1440 | 5760 x 3600 |
プリントスピード[mm/h] | Max 70 | 70 |
データ入力 | USB | USB |
本体重量[kg] | 6.8 | - |
スライスソフト | Lychee Slicer Voxeldance Tango ChituBox | Voxeldance Tango |
その他 | 空気清浄機付き | 空気清浄機付き |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
各種スペックに関しては、「どこに注目したらいいの??」という方も多いでしょう。主要な項目についていくつかピックアップして解説していきます。
造形サイズ
「造形サイズ」とは、3Dプリンターで製作可能なモノのサイズです。
「Mars」〜「Mars 2 Pro」の4機種に大きな差はありませんが、「Mars 3」「Mars 3 Pro」はひと回り大きいモノを作ることが可能です。
ピクセル数
光造形3Dプリンターは、層ごと(XY)にレジンを硬化させて、これをZ方向に積み上げることによって3D構造を製作する装置です。
「ピクセル数」は、各層にいくつの「点」を作ることができるか?を表す数値です。これが多いほど、1つの面にたくさんの「点」を作ることができるのです。
フィギュアの細かいところまで作り込むような用途では、ピクセル数が多い3Dプリンターを選択するのがよいでしょう。
解像度(XY)/ レイヤー厚さ(Z)
「解像度」や「レイヤー厚さ」は、それぞれXY, Z 方向にどれだけ細かい「点」を作ることができるか?を表す数値です。ピクセルの1つ1つの大きさと言い換えることもできます。
こちらも、細かい構造を再現したいような用途では、ピクセルのサイズが小さくなる、つまり解像度やレイヤー厚さの数値が小さい3Dプリンターを選択するのがおすすめです。
モノクロLCD
「Mars 2」〜「Mars 3 Pro」は「モノクロLCD」を使用しています。「Mars」「Mars Pro」に比べてプリントスピードが速い要因になっています。
「モノクロLCDって何?」といった細かい点は割愛しますが、基本的にモノクロLCD搭載の3Dプリンターの方がプリントスピードが速く、おすすめです。
3Dプリンターを使ったモノづくりには時間がかかります。作りたいモノのサイズにもよりますが、数時間〜半日以上かかるのが普通です。なるべく一層一層のプリントに時間がかからない3Dプリンターを選ぶようにしましょう。
【2023】ELEGOO Marsシリーズ 各機種の解説と販売状況

Marsシリーズの中にはすでに生産が終了している機種も存在します。ELEGOO社の公式ホームページ(英語版)とAmazon(日本版)で確認できる販売状況とともに、各機種の特徴について解説していきます。
今買えるのはどの機種か、今から買うならどの機種を選ぶべきかの参考にしてみてください。
Marsシリーズ初代3Dプリンター【Mars】※販売終了

2018年に登場したMarsシリーズの初代3Dプリンター「Mars」。
現在主流のモノクロLCDは当時まだ搭載されておらず、RGB LCDと呼ばれるタイプのLCDが使用されていました。RGB LCDは、モノクロLCDに比べて露光時間が約2倍、寿命は約1/4程度でした。
造形サイズも120×68×155mmとかなり小さいものでした。
脱臭機能がついた「Mars」のProモデル【Mars Pro】※販売終了
「Mars Pro」は「Mars」のProモデルです。
「Mars」と比べて各種スペックに大きな変化はないものの、活性炭の内蔵による脱臭機能が実装されました。
コスパ最強優秀モデル【Mars 2】※販売終了

モノクロLCDが搭載され、「Mars」から大幅に造形時間が短縮されたのが「Mars 2」です。Marsシリーズで唯一カバーが緑色という外見上の特徴があります。
2万円台前半で購入できる最強コスパの光造形3Dプリンターとして人気を博し、初心者におすすめのエントリーモデルでした。価格が安いのはもちろんのこと、必要な機能・操作性を備えた過不足のないモデルとなっていました。
筆者の私もいまだに愛用しており、サブ機として稼働させています。
脱臭機能がついた「Mars 2」のProモデル【Mars 2 Pro】
「Mars 2 Pro」は「Mars 2」のProモデルです。「Mars 2」の基本スペックはほぼそのままに、「脱臭機能」と「予備FEPフィルム」が追加されています。
個人的には、追加機能とコスパを天秤にかけたうえで「Mars 2」を推していました。現在は「Mars 2」の販売が実質終了している(公式サイト上では販売されているものの、日本のAmazon等では販売終了)ことから、Marsシリーズで最安の3Dプリンターとなっています。(2023年1月時点)
待望の4K3Dプリンター【Mars 3】

「Mars 3」は、2021年に登場したELEGOOシリーズ待望の4K3Dプリンターです。
2K解像度の「Mars 2」と比べて、以下のようにスペックが向上しています。
- 造形精度30%向上(0.050mm→0.035mm)
- 造形サイズ37%増(129×80×160mm→143×89.6×175mm)
もちろんモノクロLCDを使用しているため造形スピードも速く、「Mars 2よりも大きめで、細部までこだわったフィギュアを作りたい!」という方にはおすすめのモデルとなっています。
脱臭機能がついた「Mars 3」のProモデル【Mars 3 Pro】

「Mars 3 Pro」は「Mars 3」のProモデルです。「Mars 3」の基本スペックはそのままに、プラグインタイプの空気清浄機が追加されています。
新たに搭載された空気清浄機は、ELEGOOから販売されている充電式のミニ空気清浄機に似た形状をしています。「Mars 3 Pro」に搭載されている空気清浄機は充電不要で、かつ内部の活性炭サイズも大きいです。別途購入する必要がないのもうれしいですね。
最新DLP3Dプリンター【Mars 4 DLP】

待望のMarsシリーズ最新機種「Mars 4 DLP」は、ELEGOO初のDLP方式を採用しています。
- 低消費電力・長寿命
- アンチエイリアシング機能搭載による積層痕の抑制
といった、LCD方式にはない魅力が詰まった1台となっています!
造形サイズが大きくなった最新LCD3Dプリンター【Mars 4 Max】

「Mars 4 DLP」に続いて発表された「Mars 4 Max」。こちらは従来のMarsシリーズと同様、LCD(液晶ディスプレイ)方式の3Dプリンターです。
その特徴は、
- 6K高解像度(Marsシリーズ最大!)
- 造形サイズが大型化(Saturnシリーズに迫る!)
- 「Mars 4 DLP」との共通点多数!
詳細は以下の解説ページをご覧ください!
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【まとめ】現状のおすすめは「Mars 3 Pro」
今回は、光造形3DプリンターELEGOO Marsシリーズのスペック比較と最新の販売状況について解説しました。
「結局どの3Dプリンターがおすすめなの?」という方のために、現状の販売状況を踏まえたおすすめのMarsシリーズ3Dプリンターについて整理したいと思います。
高解像度化が進む光造形3Dプリンター。おすすめは「Mars 3 Pro」
「Mars 2 Pro」と「Mars 3 Pro」の2択で、どちらを選ぶべきでしょうか?両者のスペック比較を再掲します。
モデル名 | Mars 2 Pro | |
---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() |
メーカー | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 200 x 200 x 410 | 227 x 227 x 438.5 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 129 x 80 x 160 | 143.43 x 89.6 x 175 |
Z軸精度[mm] | 0.00125 | 0.00125 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.05 | 0.035 |
ピクセル数(XY) | 2560 x 1620 | 4098 x 2560 |
プリントスピード[mm/h] | 30-50 | 30-50 |
データ入力 | USB | USB |
本体重量[kg] | 6.2 | 5.5 |
スライスソフト | ChituBox | ChituBox |
その他 | 消臭機能付き | 空気清浄機付き |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
若干価格は上がるものの、おすすめなのは「Mars 3 Pro」です。理由は以下の通りです。
- 4K(4098×2560)解像度でピクセル数が多い
- ピクセルサイズが小さく(0.035mm)、細かな表現が可能
低価格帯の3Dプリンターでも高解像度化が進む昨今、4K解像度はマストと言っても良いでしょう。中価格帯では6Kや8Kも当たり前となってきています。
なめらかさや精密さといった光造形3Dプリンターの魅力を最大限生かすためにも、解像度(ピクセル数の多さ、ピクセルサイズの小ささ)は最重視したい項目です。
どうしても最安クラスの3Dプリンターがほしい方は「Mars 2 Pro」、光造形3Dプリンターの魅力を感じるエントリーモデルを探している方は「Mars 3 Pro」を検討してみてください。
光造形3Dプリンターをはじめてみたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
こちらも定番のAnycubic Photonシリーズについてチェックしたい方はこちらをご覧ください。