こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Bambu Labの革新的3Dプリンター「H2C」を実機レビュー
していきます。
Bambu Labの「H2C」が気になっているものの、約40万円という高額な価格設定から購入を迷っている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Bambu Labの日本代理店であるサンステラ様よりご提供いただいた実機を400時間以上使い込んでわかった「H2C」のリアルな実態を徹底解説していきます。
革新的なVortekの仕組みから実際の導入前に知っておくべき注意点まで、気になるポイントをしっかりお伝えしていくので、ぜひ導入に向けた参考にしてください。
また、YouTubeでは映像付きでより詳細に踏み込んだレビューもしているので、記事内に掲載している動画もぜひ合わせてご覧ください!

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動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
Bambu Lab H2Cを開封!Vortekもセットアップ!
Bambu Lab「H2C」は、次世代マルチカラーマシンとして大注目の3Dプリンター!
最大の特徴はやはり、Vortek(ボルテック)と呼ばれる革新的なホットエンド交換システムを搭載していることでしょう。
そんな新しい3Dプリント時代をつくる「H2C」を早速、開封していきましょう。

「H2C」の本体は、なんと30kgを超える大重量。
開封作業はできるだけ2人で実施することが推奨されています。

アクセサリーボックスの中には、
などが入っていました。




本体内部には、固定された「AMS 2 Pro」が入っていました。

そしてこちらが、注目のVortek。

Vortek周りに取り付けられた結束バンドや緩衝材を丁寧に取り除いていきましょう。
続いて、本体奥のツールヘッドまわり。

「H2D」と似たツールヘッドですが、右側が誘導ホットエンドであること、そしてヘッドの表面も違う(ツールヘッド強化冷却ファン搭載)ことがわかりますね。
あとは外側に回って、本体の上に乗せるガラスのフタをセットし、本体後ろ側のテープを外して安全キーを差し込んでおきます。
そして「AMS 2 Pro」を本体の上にセットして、フィラメントチューブとケーブルを本体と接続したら、開封作業はほぼ完了です。
H2Cの電源を入れて初期設定へ

「H2C」本体のセットが完了したら、いよいよ電源を入れて初期設定を行いましょう。
従来のBambuマシンと同様の流れで、
といったステップを経て、初回キャリブレーションに進みます。
キャリブレーションは、
が、順々に実行されます。
ちなみに、自動で行われる初回キャリブレーションには約30分の時間がかかりました。
その後、3つのアシスタントメッセージが表示されます。

まずは、ファームウェアアップデートをしておきましょう。
ファームウェアを更新した後は、キャリブレーションの再実行が推奨されているので、二度手間にはなりますが、気になる方は実行しておくと良いです。
次に「AMS 2 Pro」のセットアップ。

接続した「AMS 2 Pro」が右と左のどちらのホットエンドに接続されているのかを割り当ててあげましょう。
最後に、お待ちかねのVortekです。

が、画面で表示されるので実施していきましょう。
この工程では、
が行われます。
セットアップには7分30秒ほどの時間がかかりました(内、ヒートベッドを冷却する工程が半分ほどの時間を占めています)。
ホットエンドラックのセットアップが完了したところで、そのまま誘導ホットエンドの取り付けに進みましょう。
誘導ホットエンドの取り付け


誘導ホットエンドの取り付けは、テキストと図で取り付け方が表示されます。
とてもわかりやすく、初めてのセッティングでもスムーズに行うことが可能です。
各スロットに以下画像のような2本のピンがあり、そこに誘導ホットエンドを合わせて磁力でくっつけるイメージです。

ちなみに、誘導ホットエンドはこんな感じ。



先ほどのスロットに対応した2つの穴と固定用のマグネット、下半分の細いところがツールヘッド側の磁気コイルに覆われることになるスチールスリーブ。
ここでコイル側の磁場に応じた渦電流が流れ、それによって発生する熱でホットエンドが急速に加熱される仕組みです。
そして、ホットエンドの上側にはツールヘッド側と非接触通信を行って、温度やフィラメントの情報を送信するボードである電子基板が設けられています。
誘導ホットエンドをA列のスロット、B列のスロットへ順に軽く差し込むようにしてセットしていきましょう。

セットすると、約50秒で各スロットの装着と読み取り作業が実施され、ついに全工程が完了!
結果として、初期キャリブレーションとホットエンドラックの初回設定にかかった時間は1時間程度。
設定には少し時間がかかりますが、画面の指示に従うだけで迷わず進められるので、初めての方でも安心です。
補足:ホットエンド交換システム「Vortek(ボルテック)」とは?

Vortekは、本体右側面に配置されたホットエンドラックに複数の誘導ホットエンドを格納する仕組みです。
Vortekは、従来機で悩みの種だった問題を根本から解決する、まさにゲームチェンジャーといえる技術です。
長時間のプリントでも安定した出力結果を得られるため、失敗を恐れずに様々な作品づくりに挑戦できるでしょう。
ちなみに現段階では、異なる直径のホットエンドを同時にプリントで使用することはできません。
Vortekの性能をフルで生かしたい場合には、例えば0.4ミリホットエンドを別途2本用意することになる点は頭に入れておきましょう。
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H2Cの特徴は?400時間使ってわかったスゴい点と3Dプリント事例

従来のマルチカラー3Dプリンターでは、色や材料を変えるたびにフィラメントを捨てる必要があるなど、大きな課題が多々ありました。
そこでここからは、400時間の検証を通してわかった「H2C」の、
ここがスゴい!
という強みを深掘りしていきます。
「H2C」に搭載されたVortekにも触れつつ、従来の課題をどのように解決するのかを詳しく見ていきましょう。
フィラメントのゴミゼロでマルチカラー3Dプリントを実現

「H2C」の最大の目玉は、フィラメント切り替え時のゴミである“プープ”を排出せずにマルチカラー3Dプリントができる点です。
従来のシングルノズルとAMSを組み合わせた方式では、色や材料を変えるたびにノズル内の古いフィラメントを押し出して捨てる必要がありました。
しかし「H2C」のVortekは、色や材料ごとに専用のホットエンドを割り当てて物理的に交換する仕組みを採用しています。
そのため、ノズル内をクリーニングするための無駄なプープが全く発生しません(最初にホットエンドに挿入するタイミングの少量のみ)。
これはフィラメントの消費量を劇的に抑えるだけでなく、環境にも優しい画期的な機能だといえます。
長時間のマルチカラー3Dプリントを行う方にとっても、材料費の節約効果は計り知れません。
最大7色のフィラメントを自在に切り替え可能
「H2C」は、プープを出さずに切り替えられるフィラメントの数が非常に多いことも大きな魅力です。
「H2C」は本体の内側、右の壁際にコンパクトに収まったホットエンドラックに5つまで予備のホットエンドをセットしておくことが可能です。
つまり、ツールヘッドの左右のホットエンド2つと合わせた最大7つのフィラメントを無駄なゴミを出さずに自在に操ることが可能です。

一般的なツールチェンジャー機が4色から5色程度を上限としていることを考えると、7色対応は驚異的なスペックだといえます。
また、PVAのようなサポート専用材料を1つのホットエンドに割り当てたとしても、残りの6つものホットエンドを使ってマルチカラー3Dプリントができてしまう点は非常に便利。
7つのフィラメントを使えるというメリットは想像以上に大きいです。


将来的には、
左側の壁にもボルテックを設置できないのかなぁ…!
なんてことも想像してしまいますね。
現状、「H2C」でプープがゼロになるのは7色までですが、これまでのプープを出す方式とのハイブリッドも可能です。
そうすると、AMSをさらに用意する必要はありますが、右側ホットエンドは最大24色まで切り替えられるので、左側と合わせれば最大25色になります。
部分的にAMS方式を継続しているVortekだからこその拡張性といえるでしょう。
もちろん25色は極端なシナリオですが、
メインとなる7色までをVortekによるゼロプープ切り替えにして、ワンポイントで使いたい8色目以降は従来のAMS方式を併用!
といった使い方であれば、Vortekを最大限に生かした少ないプープでの超多色プリントが実現できるでしょう。
AMS方式やツールチェンジャーとは異なる独自の強み
Vortekは、既存のAMS方式やツールチェンジャー方式と比較しても、独自の強みを持っています。
まずは、AMS方式との比較。
AMS方式は1つのノズルで複数のフィラメントを扱うため、切り替えに時間がかかるうえ大量のゴミが出てしまいます。
ですが、Vortekでは前述してきた通りゴミが出ないうえ、切り替え時間も圧倒的に早いです。
約10秒で切り替え可能なツールチェンジャーには及びませんが、AMS方式と比べれば圧倒的にスムーズで効率的です。
次に、ツールチェンジャー方式との比較を見てみましょう。
ツールチェンジャー方式では、ツールヘッド全体を交換するため切り替え時間が高速である反面、装置が巨大化しやすく保温性が低いという弱点があります。

「H2C」のVortekは、ツールヘッド全体ではなくホットエンド部分のみを交換するコンパクトな設計です。
これにより、本体サイズを抑えながらもプープを出さずに複数のフィラメントを切り替えることが可能です。

チャンバー加熱とエンジニアリング素材への対応力

「H2C」は単なるカラフルフィギュア製造マシンではなく、産業レベルの素材を扱える高いポテンシャルを秘めています。
最大65℃まで庫内温度を制御できるアクティブヒートチャンバーを搭載しており、温度管理がシビアな素材にも対応します。
また、ホットエンドは最高350℃まで加熱可能で耐摩耗仕様。
ABSやASA、ポリカーボネートなども安定してプリントできます。



実際にヒートチャンバーのない「P2S」では、ABSでプリントしようとして反ってしまったモデルも最後まで反り上がらずにプリントできました。
さらに、強度に優れたPPA-GFのような高温材料も容易です。

より強度や耐熱性、耐薬品性も重視する用途にも活躍するPPA-GFを余裕でプリントできるのは、300℃を超える高温対応のホットエンドや、チャンバー加熱機能があってこそでしょう。
そして、マルチマテリアルと素材対応力という「H2C」ならではの強みを活かせば、
という3つの異なる材料を使ったドローンモデルのマルチマテリアルプリントも可能です。


こういった各素材の良いとこどりができてしまうのも「H2C」だからこそ!
高度なマルチマテリアル3Dプリントを現実的なものとしたところも、「H2C」の革新的な側面でしょう。
省スペースで完璧なフィラメント防湿システム

本体の巨大化を抑えつつ、フィラメントの防湿システムを完璧に備えている点も「H2C」の大きな特徴の1つです。
例えば「Prusa XL」では、通常のオープンフレーム構造にエンクロージャーを後付けできますが、非常に大きくなってしまいます。

待機中のツールヘッドを収めるのはもちろんのこと、そこにつながるケーブルやフィラメントチューブも覆う必要があることから、実際の造形領域にはならない空間まで大きく余分に囲わなければなりません。
その結果、エンクロージャーが巨大化し、その内部の保温が難しくなってしまうのです。
しかし「H2C」は、ホットエンドを交換するだけの方式を採用しているため、従来のH2シリーズと同じ本体サイズを維持しています。
外部スプールホルダーやAMSを含めても、幅と奥行きがおよそ60cm未満、高さが86cm程度です。

さらに、本体の上には密閉型の「AMS 2 Pro」を設置でき、フィラメントを湿気からしっかり守ります。
このように、「H2C」であれば設置スペースを圧迫せず、面倒な防湿ボックスや過剰に大きいエンクロージャーを用意する必要がありません。
開封したその日から、完璧な環境でプリントをスタートできるのは非常に大きなメリットといえるでしょう。
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H2Cを実際に使ってみてわかった導入前の3つの注意点
技術革新の塊ともいえる「H2C」ですが、どんなに優れたマシンでもメリットばかりではありません。
購入後に、
こんなはずじゃなかったのに…!
と後悔しないためにも、ここからは実際の運用でつまずきやすいデメリットを事前に確認しておきましょう。
ここでは、「H2C」を導入するうえで避けては通れない3つのシビアな注意点と、その対策について紹介していきます。
フィラメント切り替えとプリント前準備にかかる待機時間

導入を検討する上で知っておくべき1つ目の注意点は、フィラメントの切り替えと準備にかかる時間の長さです。
Vortekは従来のAMS方式よりは高速ですが、1回のフィラメント切り替えに約42秒の時間がかかります。
というステップを踏むなか、加熱自体はPLAでおよそ8秒と高速。
しかし、ヘッドの移動や実質的に必須となるプライムタワーを経由する時間を含めると、1回の切り替えに42秒ほどの時間がかかってしまうのです。
約10秒で切り替わるツールチェンジャー方式と比較すると、速度の面ではどうしても見劣りしてしまいます。
例として、マルチカラー用のベンチマークモデルであるBenchBinのプリント時間を比較してみましょう。

AMS方式の約44時間から、「H2C」では約17時間へと大幅に短縮されましたが、ツールチェンジャー方式では約11時間で完了します。
切り替え回数が多いモデルほど、数十秒の差が数時間単位の総プリント時間の差となって現れてしまうのです。
そして、もうひとつの意外な点が、待機時間。
プリント開始前にはノズルオフセットキャリブレーション等の準備に30分近くかかる点も見逃せません。
サクッと気軽にプリントを始めたい場合には、少しもどかしさを感じるポイントになるでしょう。
やわらかいTPU系フィラメントの扱いは苦手

2つ目の注意点は、一般的なTPUをはじめとする、やわらかいフィラメントの扱いが苦手であることです。
Vortekによる切り替えはAMSとの組み合わせが必須であり、フィラメントの引き戻しや送り込みが頻繁に発生します。
そのため、チューブ内で詰まりやすいTPU系のフィラメントは、実質的にマルチマテリアルプリントでは使用できません。
やわらかいTPUと硬いその他の材料も自由自在に組み合わせられるのかな!
と考えていた方は、要注意です。
しかし、ここで朗報。
AMSに公式対応した少し硬めのTPUであれば、マルチマテリアルが可能になります!
また、TPUとPLAの2種類だけであれば、純粋なデュアルノズルプリントのような形で使うこともできます。
その場合は、フィラメント供給の抵抗を減らすため、3Dプリンターの上にTPUを設置してプリントすることが推奨されます。

素材の特性を理解して適切に配置すれば、制限のあるなかでも素晴らしい作品を生み出すことができるでしょう。
プープはゼロでも「プライムタワーのゴミ」は発生

3つ目の注意点は、プープが出ないからといって完全にゴミがゼロになるわけではないという点です。
なぜなら、ホットエンド切り替え後の押し出しを安定させるため、プライムタワー(パージタワー)のプリントが不可欠だからです。
本当にプライムタワーって必要なの?
という方に向けて、プライムタワーが「ある場合」と「ない場合」でのプリントを比較して、プライムタワーの効果を確認してみましょう。
カラフルなインコのモデルを、3Dプリントしてみました。

その結果、プライムタワーなしの場合では、押し出しが安定せず、インコの目やくちばしのあたりがガサついてしまうという品質低下が見て取れます。
一方、プライムタワーありの場合では、綺麗にプリントされていますよね。
プープが出ない「H2C」であっても、美しい表面仕上げを得るためにはプライムタワーのプリントが事実上必須であることがよくわかるでしょう。
さて、プライムタワーの重要性がわかったところで話を戻します。
プライムタワーは意外とフィラメントを消費するため、切り替え回数が多いとゴミの量も増えてしまいます。
例えば、本体重量64gの7色ロボットをプリントした際、ゴミを含めた総量は、なんと179gにもなりました。

実に本体重量のほぼ3倍の材料が、ゴミとなるプライムタワーに消費されてしまったことになります。
プープゼロだからといって材料費が劇的に下がると過信すると、プライムタワーの意外な重量に驚くことになるため注意しておきましょう。
プライムタワーによる材料消費を抑える方法は?

最後に、プライムタワーによる材料消費を抑えるための、ちょっとした対策を1つ紹介しておきましょう。
それは、
です。
1個のプリントでも、10個のプリントでも、作られるプライムタワーの重量は同じ。
だからこそ、ビルドプレートいっぱいに同じモデルをたくさん並べてプリントすれば、1個あたりのタワー消費量を減らすことができます。

切り替え時間も全体で効率化できるため、「H2C」の運用において賢いテクニックといえるでしょう。
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まとめ:Bambu Lab H2Cはどんな人におすすめ?

最後に「H2C」がおすすめな人について、実際に使ってみたうえでの見解をお伝えします。
ずばり、
に、おすすめです!
最大7つのフィラメントを自由自在に切り替えられる性能は、実際の運用でも圧巻のパフォーマンスを発揮します。
また、エンプラやスーパーエンプラに対応するホットエンドとチャンバー加熱機能を備えている点も見逃せません。
業務で試作を繰り返す小規模事業者や、高品質なマルチカラー作品を量産したいクリエイターにも強くおすすめできます。
一方で、最小構成でも約40万円という初期投資が必要になります。
4色程度までのPLAプリントがメインであれば、他の選択肢を検討するのも1つの手でしょう。
とはいえ高度なマルチマテリアルプリントを日常的に行いたい方にとっては、価格以上の驚異的な価値を提供してくれる1台であることは間違いありません。
この記事を読んで気になってきた方は、ぜひ「H2C」を導入してその実力を実感してみてください。
ちなみに、「H2C」は数万円クラスの格安マシンとは違った本格的な業務用クラスのマシンです。
初期不良に見舞われる可能性も鑑みると、サポート体制の整った安心の国内代理店、サンステラさんからの購入を強くおすすめします。
今回、初期不良に見舞われた私にとっても、国内代理店のサポートは非常に有難い存在でした(すぐに交換対応してもらいました!)。
ぜひみなさんも、安心の国内代理店サンステラさんからの購入を検討してみてくださいね。
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実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!

