こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、2023年9月に発表された
Bambu Labの最新3Dプリンター「A1 mini」について徹底解説
していきます。
2022年のクラウドファンディング開始以来、マルチカラー対応の超高速3Dプリンター「X1シリーズ」や「P1P/P1S」を次々にリリースし、家庭用3Dプリンター業界における存在感を高めているBambu Lab。
そんな新進気鋭のブランドから新たに発表された3Dプリンターが「A1 mini」です。
「最近よく見かける『Bambu Lab』の新機種が気になる!」
「『A1 mini』ってどんな3Dプリンターなの?」
という方が
といった内容を理解できる記事となっています。ぜひ最後までご覧ください。
それでは見ていきましょう!
Bambu Lab「A1 mini」の特徴
まずは上記の公式YouTubeの紹介動画をご覧ください。約2分で「A1 mini」の特徴をざっと把握することが可能です。
小ぶりな本体サイズに、特徴的なシングルZ軸形状。本体と同じかそれ以上の存在感を放って脇を固める「AMS lite」からは、何本ものチューブが本体エクストルーダーに繋がっています。
気になる機能・仕様が満載の「A1 mini」。さっそく、注目すべきポイントを確認していきましょう。
AMS lite併用で4色までのマルチカラープリントが可能
「A1 mini」の1番の特徴は、
「AMS lite」併用により、最大4色のマルチカラー3Dプリントが可能
という点です。
「AMS lite」とは、「A1 mini」のリリースと同時に発表されたBambu Labのマルチカラーシステムです。準備したマルチカラープリント用データに基づいてフィラメントを切り替えて1つのノズルに供給し、最大4色を使い分けた3Dモデルのプリントを実現します。
「A1 mini」と「AMS lite」は別売ですが、「A1 mini」のポテンシャルを存分に引き出すためには、実質「AMS lite」が必須と考えるべきでしょう(「A1 mini Combo」という名称でセット販売されます)。上記の公式YouTube動画においても、大部分が「AMS lite」との併用を前提とした紹介となっています。
「マルチカラー対応」に関しては、すでにBambu Labが「X1 Carbon」や「P1S」において実現してきた機能であり、さほど目新しさはありません。注目すべきは、$459(≒68,000円)という価格帯でこれを実現しているところです。Bambu Lab公式ストアで掲載されている「Combo(AMSあるいはAMS liteとのセット)」価格を比較した表は以下の通り。
A1 mini Combo | P1S Combo | X1-Carbon Combo | |
---|---|---|---|
価格 | $459 | $949 | $1,449 |
「P1S Combo」の価格は「A1 mini Combo」の約2倍。「X1-Carbon Combo」に至っては「A1 mini Combo」の約3倍の価格となっています。
「『P1S』や『X1-Carbon』が気になっていたけど、高くて買えなかった…」
という方にとっては、待ってましたとばかりに手を出したくなる価格設定なのではないでしょうか?
「lite」という名の通り、「AMS lite」は、「X1 Carbon」や「P1P」向けマルチカラーシステム「AMS」の機能簡略化版です。実際、「AMS」が備えていたフィラメントの乾燥や最大16色への拡張に関しては、「AMS lite」はサポートしていないようです。
「X1-Carbon」「P1P」と同じ最大500mm/sのプリントスピード
「A1 mini」の魅力は、マルチカラー3Dプリントだけではありません。
「X1-Carbon」や「P1P」、「P1S」と同様に、最大プリントスピードは500mm/sとなっています。
マルチカラー3DプリントとプリントスピードというBambu Lab従来機種の2大特徴といっても過言ではない仕様を維持しつつ、上述の低価格化を実現。Bambu Labの技術を妥協せずに手にすることができるのは、ユーザーにとって非常にうれしいポイントですね。
組立・取替・キャリブレーションが簡単で初心者にやさしい
公式YouTubeでも強調されていたように、「A1 mini」は3Dプリンター初心者を意識した仕様になっています。例えば、
などなど。これらは、どれも初心者が躓きやすい3Dプリンターのネックとなりうるところです。3Dプリンターのハードルを下げたいと考えるBambu Labの意気込みが感じられますね。
従来機種は、どちらかと言うと価格・仕様ともに中級者向け以上という印象でした。より初心者を意識した「A1 mini」の登場により、ますますBambu Labユーザーの裾野が広がるのではないでしょうか?
モニタリングカメラやノイズキャンセリング等のテクノロジー満載
「mini」だからといって、「A1 mini」の備える機能は馬鹿にできません。
などなど、10万円を越えるような価格帯の3Dプリンター顔負けの付加的な機能を搭載しています。
初心者に優しいだけでなく、マルチカラー3Dプリントに興味のある中級者以上の方でも触ってみたくなる1台なのではないかと思います。
「A1 mini」のスペック一覧表【従来機種との違いは?】
「A1 mini」の特徴についてしっかり理解できたところで、そのスペックを一覧で確認しておきましょう。参考として、Bambu Labの従来機種「X1-Carbon」「P1P」「P1S」のスペックを併記しています。
モデル名 | A1 mini | X1 Carbon | P1P | P1S |
---|---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 347 x 315 x 365 | 389 x 389 x 457 | 386 x 389 x 458 | 389 x 389 x 458 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 180 x 180 x 180 | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 |
エクストルーダ | クイックスワップ | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 500 | 500 | 500 | 500 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 80 | 120 | 100 | 100 |
組み立て | 組み立て済み | - | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | PEIプレート(Textured/Smooth) | Flexible Steel Plate(Cool/Engineering) | 両面PEIプレート | - |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | ○ | × | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | ボタン式 | ボタン式 |
デュアルZ軸 | × | - | - | - |
データ入力 | Wi-Fi Bambu-Bus | Wi-Fi Bambu-Bus | Wi-Fi Bluetooth Bambu-Bus | Wi-Fi Bluetooth Bambu-Bus |
本体重量[kg] | 5.5 | 14.13 | 9.65 | 12.95 |
スライスソフト | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio |
その他 | ワンクリック印刷(MakerWorld)対応 AMS lite(マルチカラー)対応 カメラ搭載 | LiDAR搭載 リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 活性炭フィルタ搭載 カメラ搭載 | リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 半自動ベルトテンショニング | リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 半自動ベルトテンショニング 活性炭フィルタ搭載 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
価格が抑えられていることもあり、従来機種と比べるとどうしてもスペック上見劣りしてしまうかもしれません。とはいえ、マルチカラー3Dプリント初心者〜中級者にとっての「A1 mini」の魅力はここまで述べた通りです。
このあたりは従来機種との違いとしてしっかり頭に入れておきましょう。
まとめ:初心者に優しく魅力あふれる3Dプリンター「A1 mini」

今回は、Bambu Labの注目3Dプリンター「A1 mini」の特徴について解説してきました。
高く評価されているBambu Labの従来機種と同様の高速かつマルチカラー3Dプリントを実現しながら、半分〜3分の1というコスパを実現した「A1 mini」。
にはとくにおすすめできる3Dプリンターなのではないでしょうか?
Bambu Lab製フィラメントは種類・カラーが豊富!こちらの記事で全種類を解説しています。

「マルチカラー不要」「コスパを優先したい」場合は他社3Dプリンターを検討しよう
一方で、
といった点は気になるところ。用途によっては、同じくらいの価格であれば他社製3Dプリンターの方が適する場合もあるでしょう。
「マルチカラーじゃなくてもいいかな…」
「速度は魅力的だけど、造形サイズが小さすぎる…」
と感じる方は、以下の例のような高速3Dプリンターもあわせて検討してみると良いでしょう。
Anycubic「Kobra 2 Pro」
Anycubic「Kobra 2 Pro」は、
という特徴をもつ最新の高速3Dプリンターです。使用感がバッチリ分かる実機レビューも参考にしてみてください。
ELEGOO「Neptune 4」
「Neptune 4」は、2023年6月に登場したELEGOOの最新FDM3Dプリンター。
といった高いコスパを誇る高速機種です。使用感がバッチリ分かる実機レビューも参考にしてみてください。
参考ページ
Bambu Lab「Bambu Lab A1 mini| Desktop 3D Printer | A1 series」