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【NOVA3D Whale4 Ultra 16K】16K超高解像度&レジンヒーター搭載の光造形3Dプリンターを実際に使ってみた!【実機レビュー】

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こんにちは、管理人のウノケンです。

今回は、

NOVA3Dの家庭用光造形方式3Dプリンター「Whale4 Ultra 16K」について解説&実機レビュー

していきたいと思います。

近年、家庭用3Dプリンターにおいても光造形タイプの進化はめざましく、4Kや8Kをはるかに超える超高解像度モデルが続々と登場しています。

そのなかでもNOVA3D「Whale4 Ultra 16K」は、16K解像度という圧倒的なスペックを実現しながら、

  • レジンヒーター機能
  • レジン自動供給機能

まで搭載した注目の一台。

今回、ひと足早くNOVA3D様より実機をご提供いただきましたので、

  • 「Whale4 Ultra 16K」の特徴
  • 「Whale4 Ultra 16K」のスゴいところ・気になるところ
  • 先代の「Whale3 Ultra 14K」との違い

に注目しつつ、徹底レビューしていきたいと思います!

専用ソフト「NovaMaker」やWiFi送信機能の使い勝手、そしてヒーターを活用した冬場の造形テストなど、気になるポイントを余すところなくレビューしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

Age of 3DPアイコン画像
管理人:ウノケン
この記事を書いているのはどんな人?
  • 3Dプリンター関連メーカー勤務経験
  • 3Dプリンター特許出願経験
  • 3Dプリンター35機種・3Dスキャナー6機種の使用経験
  • 3Dプリント品販売点数1,000個以上
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この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。記事とあわせて活用してみてください。


それでは見ていきましょう!

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NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」のココがすごい!5選

NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」の正面画像

NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」は、近年の家庭用光造形機の中でもトップクラスのスペックを誇る3Dプリンターです。

まずは、そんな

「Whale4 Ultra 16K」を実際に使ってみて感じたスゴいところ

についてご紹介。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!

家庭用最高クラスの“16K”超高解像度

NOVA3D『Whale4 Ultra 16K』で3Dプリントした高解像度フィギュア
本体同梱のスライス済みデータ(Loot Studios)

NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」の最大の魅力は、何と言っても“16K”という圧倒的な解像度にあります。

一般的な4Kや8Kを超える超高解像度液晶パネルを搭載しており、細密なディテール表現が必要とされるフィギュアやジュエリー系パーツなども余すことなく再現できるのが大きな強みです。

たとえば、ウロコやシワのようなテクスチャをもつドラゴンモデルをプリントしてみると、その陰影や質感が驚くほど繊細に出力されることが実感できます。

AIで生成した複雑な装飾をもつ指輪の3Dモデル
極細サポートは痕が目立ちにくく、ヤスリがけ前でもわずかに残る程度。

さらに、サポート痕が目立ちにくい点もメリットで、0.25mm程度の極細サポートで美しく仕上がるのは高解像度ならではの恩恵でしょう。

「Whale4 Ultra 16K」でプリントしたエッフェル塔
プリントできる最大の高さは220mm(データ出典:Printables

コストパフォーマンスの面でも非常に魅力的で、10万円以下という価格帯でこのレベルの解像度を手にできるのは、現状ではかなりレアな存在だと言えます。高精細な3Dプリント体験を求めるユーザーにとって、“16K”はまさにロマンと実用性を兼ね備えたキーワード。

ワンランク上の表現力を体験してみたい方には大注目の機種だと言えるでしょう。

片手で開けられるフリップアップ式カバー

フリップアップ式のカバーを片手で開けているNOVA3D「Whale4 Ultra 16K」

「Whale4 Ultra 16K」には、片手でラクに開閉できるフリップアップ式カバーが採用されています。

このタイプのカバーは、低価格帯の家庭用光造形3Dプリンターではあまり見られない高級感と利便性を同時に実現しており、ユーザーの作業効率を大きく向上させてくれます。

従来的な取り外し式カバーの場合、プリント中にこまめに内部を覗きたい際、カバーをどこか別の場所に置かなければならず、作業スペースを圧迫してしまうことも少なくありません。

一方、このフリップアップ式カバーなら、正面の取っ手(凹み)をつかんで上に持ち上げるだけでカバーが開いた状態を保持してくれるため、レジンの状態確認やモデルの取り出し、ビルドプラットフォームの着脱などがスピーディーに行えます。

プリント後の洗浄作業やサポート除去にすぐ移りたいときなどにも、余計なストレスなく作業を継続できるでしょう。



冬場にうれしいレジン加熱システム

レジンヒーター作動時のNOVA3D「Whale4 Ultra 16K」のインターフェース

室温が低い環境では、レジンの粘度が上がったり、硬化時の反応速度が低下します。その結果、造形が不安定になるケースが多くなることから、「冬は光造形3Dプリンターの大敵」と言っても過言ではありません。

一方、「Whale4 Ultra 16K」には、プリンター内部を温めるヒーター機能が標準搭載。寒い季節でも安定したプリントが期待できます。

レジンヒーター機能OFFの場合。サポート下部に剥がれあり。
レジンヒーター機能ON、その他同条件の場合。剥がれなし。

実際、室温10℃前後の厳しい条件下でプリントした際、ヒーターを使わなかったドラゴンモデルと、ヒーターで加熱したレジンを用いたドラゴンモデルでは、剥がれやサポート浮きの発生率に大きな差が見られました。

冬場のプリント効率を上げる大きな助けとなり、季節を問わず安定した造形を目指す方にとっては、非常に重宝する機能だと言えるでしょう。

大型モデルも安心なレジン自動供給機能

右奥にレジンボトルをセットしたNOVA3D『Whale4 Ultra 16K』の自動供給システムのイメージ
レジンタンク右奥に専用のフタを付けたレジンボトルを逆さまにセットし、不足分のレジンを自動供給

大型モデルを3Dプリントする際、

レジンを注ぎ足さずにはタンク容量が足りないかもしれない…

と心配になるケースは意外と多いものです。

「Whale4 Ultra 16K」では、そんな心配は一切不要。レジンタンクの右奥に、専用のフタを付けて逆さまにしたレジンボトルをセットすることで、タンク内のレジン量減少に伴って、自動で適量を補充してくれる仕組みになっています。

これにより、長時間かかる大型モデルのプリントにおいても、レジン切れによるプリント失敗を防ぐことが可能。外出中や就寝中にレジン切れの心配をする必要はもうありません。

大きなモデルを頻繁にプリントするユーザーにとっては、非常に頼もしい機能だと言えるでしょう。

もはや“標準”のWiFi&レベリングフリー

NOVA3Dの専用スライスソフト「NovaMaker」の装置管理画面
NOVA3Dの専用スライスソフト「NovaMaker」では、3Dプリンターへのスライスデータアップロードやリモートコントロールが可能

最近の中~上位クラスの家庭用光造形3Dプリンターでは、WiFi機能やレベリングフリー機構がほぼ標準装備となりつつあります。

「Whale4 Ultra 16K」も例外ではなく、スライスしたデータをパソコンから無線で送信したり、プリントの進捗を確認することが可能です。USBディスクを介したデータ転送の手間は省かれています。

さらに、ビルドプラットフォームに関してはユーザー自身でレベリングを行う必要がありません。低価格帯モデルを中心に一般的な、A4用紙を使った高さや傾きの調整をするステップを省略することが可能です。

このように、「Whale4 Ultra 16K」は中〜上位機種で当たり前となりつつある機能は、ほぼ網羅していると考えて良いでしょう。



NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」のココに注意!5選

冬場の室温からレジン加熱機能を作動させる実験の様子
冬場の室温からレジン加熱機能を作動させると…?

一方で、「Whale4 Ultra 16K」を使いこなすためには、あらかじめ知っておきたい注意点や課題もいくつか存在します。ここからは、

実際に使ってみて、個人的に気になった点

についてご紹介。人によって好み・重視するポイントは異なるかと思いますので、選択する際の参考にしてみてください。

フリップアップ式カバーは要取り付け作業

箱から取り出した状態で別パーツになっているフリップアップカバーを取り付ける様子
箱から取り出した状態では、フリップアップ式カバーが別パーツになっている。ユーザー自身で取り付ける必要あり。

実際に製品が届いてわからなかったことの1つが、「Whale4 Ultra 16K」のフリップアップ式カバーは、初期状態で本体に装着されていないという点です。

本来ならば工場出荷時に取り付けられている方がユーザーに優しいのですが、配送の都合上、ユーザー側で組み立てる仕様になっているようです。

カバーの回転による開閉を担うパーツの取り付けは、慣れていないと非常にわかりにくいです。しかも、マニュアルにはあたかも取り付け済みであるかのような記載がなされており、取り付け方の解説はありませんでした。

開封時のユーザーが路頭に迷わないようAge of 3DPの開封動画で詳しく解説しているので、戸惑った方は参考にしてみてください。

ヒーター加熱には時間がかかる

約8時間半経過後のレジン加熱実験の様子
室温11℃、朝6時頃から30℃に設定して加熱を開始。8時間半経過後の内部温度は。。。

冬場に重宝するヒーター機能。

実際に使ってみると、目標温度に到達するまでには相当な時間がかかる場合もあると判明しました。

室温が11〜13℃ほどの環境で、加熱目標を30℃に設定して実験を開始すると、

  • 1時間ほどで20℃に到達
  • 3時間ほどで25℃に到達

その後はさらにスローペースで、

  • 8時間半経過時点で27℃

という結果に。先が見えないため、加熱を続けつつプリントを開始してみたものの、その後、追加の6時間経過時点で28℃。待てど暮らせど、30℃に達することはありませんでした。

メーカー側に確認したところ、

  • 室温23℃から加熱開始した場合:30℃に到達するまで約33分
  • プリント中は温度キープのみ(上昇しない)の仕様

との回答がありました。

以上の実験結果とメーカー回答より、

  • 冬場の室温レベル(10℃台前半)から30℃以上への加熱は難しい
  • 標準的な室温レベル(20℃台前半)から30℃以上への加熱は短時間で可能

というのが、「Whale4 Ultra 16K」に搭載されているレジンヒーターの実力だと理解できるでしょう。

とはいえ、数℃上昇するだけでも、レジンの粘度低下や造形安定化には大きくプラスに働きます(上記比較画像参照)。30℃ほどには達せずとも、レジンを加熱できるヒーターの存在が、冬場のプリント作業の成功率を大きく高めてくれることには変わりないでしょう。



レジン自動供給は純正レジンのみ

NOVA3D純正レジンボトルのフタを自動供給専用フタに取り替える様子
専用フタに取り替える必要あり
ボトルホルダーに逆さまにセットされたNOVA3D純正レジンボトル
ボトルホルダーにセットできる必要あり

レジン自動供給機能は非常に便利ですが、実は使用できるレジンの種類にある程度制限があります

NOVA3D純正ボトル向けに設計された専用キャップとホルダーを利用する仕組みのため、他社製レジンのキャップサイズやボトル形状が適合しない場合、自動供給機能は使用できません

純正レジン以外を使用する場合は、従来通り手動で注ぎ足すか、純正ボトルに移し替えて使うなどの工夫が必要になります。もちろん、自動供給なしでもプリントは可能ですが、10時間を超えるような大型モデルを出力する際にはやはり自動供給が心強いので、純正レジン(ボトル)を活用する方がスムーズでしょう。

そもそもNOVA3Dのレジン自体もバリエーションが豊富で、透明系や硬質系、水洗い対応などが揃っているため、相性を気にすることなく“安心セット”で使いたい場合は、純正レジンを選ぶのが無難でしょう。

「レベリング不要」がわかりにくい

製品ページから引用したレベリング説明イラスト
出典:NOVA3D

製品ページには「ワンステップレベリング」という記載と六角レンチを使用する描写のある「Whale4 Ultra 16K」。

付属のマニュアルに記載されている「レベリング済み」の案内
付属のマニュアルには「レベリング済み」の記載あり

一方で、届いた製品の注意書きには、「レベリング済み」との記載も。

「いったいどっちを信じればいいの?」

と困惑する案内になっています。

結論としては、出荷時に既にレベリングが完了している状態なので、ユーザー側で高さや傾きを調整する必要はありません(メーカー確認済み)。

ユーザーの立場では、このような混乱を招く表現は避けてほしいところ。知らずにネジを緩めてしまったら、不要な手間が発生してしまいます。

できるだけスムーズにプリントを開始できるのが理想ではありますが、このような不明点が見つかった場合は、遠慮なくサポートに問い合わせて解決してしまいましょう。

WiFi&アプリの改善に期待

「Whale4 Ultra 16K」をWi-Fi接続しようとするも何度か失敗する様子
何度かWi-Fi接続に失敗
「Whale4 Ultra 16K」のスライスソフトへの追加に失敗する様子
スライスソフトへの追加も何度か失敗

「Whale4 Ultra 16K」はWiFi経由でのデータ送信やスライスソフト上でのプリント管理に対応しています。パソコン側からプリンターに直接スライスデータをアップロードしたり、進捗をモニタリングしたりする機能は非常に便利。

ただし、Wi-Fi接続がうまくいかないことや、スライスソフトへの装置新規追加に少々苦戦。電源の再投入やアプリの再起動で改善しましたが、ユーザビリティの点で若干の課題が残る印象です。

また、NOVA3D純正スライスソフト「NovaMaker」のUIは、やや古めのデザインです。モダンなデザインの無料ソフトも増えていることから、今後のアップデートで改善を期待したいところでしょう。

Chituboxなど主要なサードパーティ製ソフトにも対応しているため、使い慣れたソフトがある場合には、NovaMaker以外の選択肢も検討すると良いでしょう。



NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」のスペック一覧!

NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」の特徴をまとめた図

最後に、

「Whale4 Ultra 16K」の詳細スペックを確認

していきます。先代の「Whale3 Ultra 16K」と並べることで、どのようなアップグレードがあるのか確認しておきましょう。

モデル名Whale4 Ultra 16KWhale3 Ultra 14K
本体イメージproduct image
メーカーNOVA3DNOVA3D
本体サイズ(LxWxH)[mm] x x 312 x 341 x 580
造形サイズ(LxWxH)[mm]211.68 x 118.37 x 220223 x 126 x 250
Z軸精度[mm]--
積層ピッチ[mm]-0.02-0.16
ピクセルサイズ[mm]0.014 x 0.0190.0168 x 0.0248
ピクセル数(XY)15120 x 623013320 x 5120
プリントスピード[mm/h]55
データ入力USB
WiFi
LAN
USB
WiFi
RJ45 cable
本体重量[kg]-
スライスソフトNovaMaker
ChituBox
Lychee Slicer
Tango Voxeldance
Chitubox
Novamaker
Voxel dance Tango
その他自動レジン供給機能
フリップ式UVカバー
レジン加熱機能
消臭機能付き
自動レジン供給機能
フリップ式UVカバー
レジン加熱機能
出典公式サイト公式サイト
画像、スペックは各社公式ページより引用。記載のない項目は”-“で示している。

先代「Whale3 Ultra 14K」との違い

「Whale4 Ultra 16K」でプリントしたテストモデル(タコ)
3Dプリンター本体に保存されているスライス済みテストモデル(タコ)

NOVA3Dの先代機種「Whale3 Ultra 14K」との最大の違いは、やはりその解像度。

  • ピクセル数:14K(13320✕5120)→16K(15120✕6230)
  • ピクセルサイズ:0.0168✕0.0248mm²→0.014✕0.019mm²

上記のようなピクセル数増加、ピクセルサイズ小型化により、微細な造形表現が可能になった点が最大の特徴でしょう。

また、空気清浄機能も「Whale3 Ultra 14K」にはなかった追加ポイント。もちろん室内の換気も必須ですが、レジンのイヤな匂いを軽減してくれるうれしいアップグレードです。



まとめ:家庭用最高クラスの超高解像度「Whale4 Ultra 16K」!

「Whale4 Ultra 16K」でプリントしたドラゴンの高解像度モデル

ここまで見てきたように、NOVA3D「Whale4 Ultra 16K」は16Kという圧倒的な解像度をはじめ、フリップアップ式カバーレジン自動供給レジンヒーターといった最新の機能を数多く搭載した光造形3Dプリンターです。

10万円未満で購入できるリーズナブルな価格帯にも関わらず、家庭用としてはハイエンドクラスの解像度と機能性を両立している魅力的な装置だと言えるでしょう。

16K解像度で生み出される繊細なフィギュアやジュエリーパーツは、従来の機種ではなかなか得られない完成度を誇ります。高精細かつ安定感のある光造形を目指したい方にとって、「Whale4 Ultra 16K」は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

この記事を読んで「Whale4 Ultra 16K」に興味をもった方は、ぜひ製品ページの方もチェックしてみてくださいね!

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