意外と知らない?レンズの種類と使い分けを解説!【球面・凹凸・メニスカス】

こんにちは、unogram管理人のうのちゅ〜です。

今回は、光学技術者でも意外と理解していない【レンズの種類と使い分け】について紹介していきます。

球面・非球面、平凸・両凸、メニスカスレンズなど、名前は当然知っていながらもその使い分けや性質について理解していない方も多いのではないでしょうか?

これらの基本的なレンズについて、しっかり理解できるように解説していきます。

それでは見ていきましょう!



基本的なレンズの種類と使い分け

単レンズ

まずは一枚で使用する場合のレンズ(単レンズ)の種類・機能について解説していきます。

球面レンズと非球面レンズ

メガネのレンズを選ぶ際にも耳にする、「球面レンズ」と「非球面レンズ」という言葉ですが、その違いについてご存知でしょうか?簡単に言うと以下の通りです。

  • 球面レンズ:屈折面がある曲率をもった球面であるレンズ
  • 非球面レンズ:平面でも球面でもない曲面を屈折面に含むレンズ(引用:wikipedia 「非球面レンズ」)

「レンズ」と聞いて多くの人が想像するのが「球面レンズ」でしょう。後述する凸レンズや凹レンズという表現は一般に「球面レンズ」に対して使用されます。球面になっているため、研磨によって比較的容易に作製することができます。

一方で、「非球面レンズ」は取り込める光量・収差の改善等のために使用されます。「球面レンズ」では2、3枚のレンズの組み合わせが必要となる場合でも、非球面レンズでは1枚のみで済むこともあり、レンズ系の小型化・軽量化・低コスト化に貢献します。放物面や多項式で表される面をもつことから研磨による作製が難しく、ガラスモールド等の製法によって作製されます。(参考:住田光学ガラス「非球面レンズとは?」

非球面レンズをはじめとする特殊なレンズの詳細については次回解説します。

凸レンズと凹レンズ

凸レンズと凹レンズの違いについても簡単に説明しておきます。凸レンズ・凹レンズについて一言で説明すると以下のようになります。

  • 凸レンズ:光を集めるレンズ(焦点距離が正)
  • 凹レンズ:光を発散させるレンズ(焦点距離が負)

あなたも虫眼鏡で太陽の光を集めて黒い紙を焦がしたことがあるのではないでしょうか?これは、凸レンズの「光を集める」性質を使ったものです。

凹レンズはどちらかというと馴染みが薄いかもしれません。凹レンズは、ガリレイ式(ガリレオ式)の拡大光学系や、負の焦点距離・球面収差を生かして、レンズ系における他のレンズの収差を相殺する目的等に用いられます。(参考:Thorlabs「平凹球面レンズ」



平凸(平凹)レンズと両凸(両凹)レンズ

次に説明するのは平凸レンズと両凸レンズの違いです。レンズの光が入射する側と出射する側の両方が凸形状になっているものが両凸レンズ、片方のみが凸形状となっているものが平凸レンズです。

光線は異なる屈折率をもつ媒質の境界面で屈折するため、面形状が平らか凸面かで異なる両者には、以下のようなメリット・デメリットが存在します。(参考:シグマ光機「ちょっとためになる光学勉強会 004 レンズいろいろ」

  • 平凸レンズのメリット
    • 両凸レンズよりも球面収差を抑えることが可能。
  • 平凸レンズのデメリット
    • 平らな面と凸面のどちらから光を入射させるか、向きが決まっている。
      • 平行光を入射する場合は凸面から入射、点光源から入射する場合は平らな面から入射
  • 両凸レンズのメリット
    • 1枚のレンズで大きく屈折できる。入射方向の裏表がない。
  • 両凸レンズのデメリット
    • 平凸レンズほど球面収差を抑えることができない。

以上のようなメリット・デメリットを考慮して、用途に合わせたレンズ選びが重要となります。(平凹・両凹レンズについても同様です。)

メニスカスレンズ

平凸・平凹、両凸・両凹レンズがあれば、「凹凸レンズ」のようなものも存在します。これはメニスカスレンズとも呼ばれ、両面の曲率の違いに応じて凹レンズ・凸レンズとしての働きをします。

聞き慣れないメニスカスレンズですが、実は平凸レンズなどよりも一般的です。というのも、現代のメガネに使われているレンズは、このメニスカスレンズが主流なのです。収差が少ないことや見た目がよいこと、フレームへの枠入れ加工がしやすいことが理由として挙げられるようです。(参考:高田眼鏡店「レンズには、どんな種類があるの? 」)

メガネのレンズとして単体で用いられる他にも、光学機器のレンズ系の一部として活躍するレンズです。



まとめ:球面レンズの基本知識はレンズ系構成の第一歩

今回は、光学技術者でも意外と理解していない【レンズの種類と使い分け】について紹介してきました。これまでモヤモヤしていた球面・非球面、平凸・両凸、メニスカスレンズなどの特徴と基本的な使い方が理解できたのではないでしょうか?

次回は非球面レンズをはじめとする特殊なレンズについて紹介したいと思います。

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レンズやカメラの基本についてわかりやすい図解を通して学ぶことができます。光や数学・物理に関する知識がなくても十分理解できるでしょう。