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メタマテリアルとは何か?通常物質との違い・応用先は?【おすすめ参考書籍も】

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こんにちは、管理人のウノケンです。

今回は、メタマテリアルについて解説していきます。

「透明マント」「完全レンズ」といったキャッチーなフレーズと密接に関わるメタマテリアル。

自然界に存在する物質とは異なる優れた性質を示すことから、その実用化が期待されています。

そんなメタマテリアルのこれだけは知っておきたい基礎知識について解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • メタマテリアルとはそもそも何なのか?
  • 通常の物質との違いは?
  • どのような応用に期待されている?
  • おすすめの参考書籍

それでは見ていきましょう!



メタマテリアルって何?

「メタ」=超越

Wikipediaによれば、メタマテリアルは「光を含む電磁波に対して、自然界の物質には無い振る舞いをする人工物質」とされています。

「メタ」とはギリシャ語で「超越」を意味します。人工的に作り出した、自然界に存在する物質を超越する材料をメタマテリアルと呼ぶのです。

メタマテリアルを構成するのはメタ原子

人工材料であるメタマテリアルは、どのようにして作られるのでしょうか?

メタマテリアルを構成する1つ1つの構造は「メタ原子」「メタアトム」と呼ばれます。「輪っか」のような構造をしていることが一般的です。

メタ原子の特徴は、電磁波の波長よりも十分に小さいサイズであるということです。

通常の材料を構成する原子は、一般的な電磁波の波長に比べて十分小さいです。これと同様に、メタマテリアルを構成するメタ原子も電磁波から見ると十分に小さいという対応関係があります。電磁波からすれば、メタ原子はある種の構造というよりも、ある性質をもつ材料に見えてしまうと言っても良いでしょう。

「電磁波の波長よりも十分に小さい」ということは、電磁波の波長ごとにメタ原子のサイズが変わるということになります。例えば、テラヘルツ波の波長(300um前後)は、可視光の波長(400~800nm付近)よりも約1000倍長いです。よって、メタ原子のサイズもテラヘルツ波の方が約1000倍ほど大きくなります。

メタ原子のサイズが非常に小さくなる可視光の場合、製造上の困難さが伴います。10nmオーダの微細な構造を精度高く作製する必要があります。

一方で、テラヘルツ波にとってのメタ原子の作製難易度は、可視光に比べるとだいぶ小さくなります。メタマテリアルに関する研究の進展も、ミリ波やテラヘルツ波のような波長の長い領域から、次第に可視光のような短波長領域に移っていく傾向にあります。



ポイントは「負屈折性」

それでは、メタマテリアルはどんな性質をもっているのでしょうか?なぜ自然界に存在する材料を使うのではなく、わざわざ人工的に作り出す必要があるのでしょうか?

メタマテリアルが注目される大きな理由は、「負屈折性」を実現できるためです。負屈折性とは、「境界面の法線に対して、屈折波が入射波と同じ側へ屈折する」性質のことを指します。通常物質の場合に、屈折波が入射波と反対側へ屈折する様子は、スネルの法則を説明する際に慣れ親しんだものでしょう。通常の物質から負屈折性のある材料に光が入射する状況下では、この「当たり前」が覆るのです。

負の屈折率は、比誘電率と比透磁率を同時に負にすることで実現できます。通常、光の領域では比透磁率μ=1として議論することが多いことからも、これを負にすることができるメタマテリアルの特異性を感じられるかと思います。

続いては、負屈折性をはじめとするメタマテリアルの特殊な性質を生かした応用先について紹介していきます。

透明マント、完全レンズ、無反射素子…その豊富な応用先

透明マント

「メタマテリアルを使うと透明マントが実現できるらしい」という話を聞いたことがあるかもしれません。クローキングとも呼ばれるこの技術は、すでにマイクロ波領域で実証されています。

メタマテリアルを用いると、比誘電率や比透磁率を3次元的に設計することができます。うまく設計すると、光路を曲げて透明にしたい領域を迂回させることも可能になります。そうすると、観察者にとっては迂回してきた光によって背後の空間が認識されるため、あたかも「透明マント」をかぶったかのような状態を実現できるのです。

透明マントについて興味のある方は透明マントってホントに実現できるの?科学的に解説!もあわせてご覧ください。



完全レンズ

「完全レンズ」とは、理論上、像を完全に復元できるレンズのことです。

通常のレンズでは、収差によってレンズの端の方を通る光線が近軸光線の集光点とズレてしまいます。また、光の波動性に由来する回折限界により、波長程度よりも小さい点は解像できません。

一方、完全レンズは負屈折性を利用します。物体面と像面の間に板状の負屈折率材料を配置するような簡単な構成です。レンズ前後の正屈折率媒質中の光路長と負屈折率物質内の光路長が相殺するように働くことで、すべての光線が収差なしで1点に結像するのです。

また、条件によっては表面反射もなくなるという利点もあります。

無反射素子

表面反射がない、つまり無反射素子を実現できるという点もメタマテリアルの特殊な性質の1つです。

通常、レンズなどの表面反射を抑えるには、非反射コーティングを施すのが一般的です。

一方、負屈折率物質にはs波とp波の両方にブリュースター角が生じるような設計が可能です。これによって、非反射コーティングをせずとも無反射素子が実現できるのです。

詳しく知りたい方におすすめの参考書

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