こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Anycubicの光造形3Dプリンター用レジンについて解説していきます。
Anycubicの光造形レジン全種類を列挙し、それらの特徴について簡単に記載していきます。
最新情報も随時アップデートしていきます!
それでは見ていきましょう!
Anycubic光造形レジン一覧
まずはAnycubicの光造形レジンを一覧で確認しておきましょう。
レジン名 | スタンダードレジン | スタンダードレジン+ | 水洗いレジン+ | ABSライクレジン+ | 植物ベースレジン | タフ(高靱性)レジン |
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イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
色 | ■White ■Black ■Grey ■Translucent Green ■Skin □Clear | ■White ■Black ■Grey ■Translucent Green ■Aqua blue ■Beige □Clear | ■White ■Black ■Grey ■Aqua blue □Clear | ■White ■Black ■Grey ■Translucent Green ■Aqua blue ■Beige □Clear | ■White ■Black ■Grey ■Translucent Green □Clear | ■White ■Black ■Grey ■Translucent Green □Clear |
容量[g] | 500 1000 | 500 1000 | 500 1000 | 500 1000 | 500 1000 | 500 1000 |
保存可能期間[年] | 1 | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 1 | 1.5 |
ショア硬さ[D] | 82 | 84 | 80 | 84 | 89 | 76 |
体積収縮率[%] | - | 3.72-4.24 | - | 3.72-4.24 | 1.88-2.45 | - |
粘度[mPa・s] | 150-200 | 150-200 | 150-250 | - | 150-350 | 150-250 |
液体密度[g/cm3] | 1.05-1.25 | 1.05-1.25 | 1.15-1.20 | 1.05-1.25 | - | 1.10-1.15 |
固体密度[g/cm3] | 1.05-1.25 | 1.05-1.25 | 1.15-1.20 | 1.05-1.25 | 1.05-1.25 | 1.10-1.15 |
曲げ弾性率[MPa] | 1200-1600 | 1200-1800 | 1500-1600 | 1400-1600 | - | 900-1200 |
曲げ強度[MPa] | 50-65 | 50-70 | 50-60 | 50-60 | 40-50 | 50-60 |
引張強度[MPa] | 36-45 | 36-52 | 30-45 | 35-55 | 35-45 | 35-45 |
破断伸び[MPa] | 8-12 | 15-22 | 8-15 | 20-30 | 8-12 | 30-50 |
衝撃強さ[J/m] | 25 | - | 50-60 | - | - | 50-60 |
熱変形温度[℃] | 65-70 | - | - | - | 55±5 | - |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
各レジンについて簡単に解説していきます。
スタンダードレジン
「スタンダードレジン」は、その名の通りもっとも標準的なレジンを指します。
基本的に最も価格が安く、材質的にも目立った特徴はありません。さまざまなレジンの中で、最も使用している人が多いレジンなのではないでしょうか。
プリント後にはIPAのようなアルコールを使って洗浄を行います。
スタンダードレジン+
「スタンダードレジン+」は、「スタンダードレジン」のアップグレードバージョンです。
上の比較表を見るとわかるように、全体的に機械的特性が向上しており、保存可能期間も1年から1.5年と長くなっています。

水洗いレジン+
「水洗いレジン+」は、プリント後の洗浄にアルコールを使用する必要がないという特徴のあるレジンです。アルコールを使用する必要がないという点で非常に人気が高く、初心者にもおすすめのレジンです。アルコールの刺激臭が苦手という方や、家庭で引火性のあるアルコールを保有することに不安のある方にとっては非常にうれしい存在ですね。
難点は、以降のレジンのような目立った材質的特徴がない点と、比較的価格が高い点でしょうか。
ちなみに、Anycubicでは現状「水洗いレジン」は販売されていないようです。「水洗いレジン+」を他ブランドにおける「水洗いレジン」と考えてOKです。
ABSライクレジン+
スタンダードレジンの脆さや曲げ耐性に不満のある方におすすめしたいのが、「ABSライクレジン」です。
ABSとは、アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)からなる合成樹脂で、硬度や耐衝撃性といった機械的特性のバランスに優れた樹脂です。
フィギュア用途というよりも、曲げや衝撃の加わる用途の造形時に採用したいレジンです。
Anycubicでは現状「ABSライクレジン」も販売されていないようです。「ABSライクレジン+」を他ブランドにおける「ABSライクレジン」と考えてOKです。
植物ベースレジン
「植物ベースレジン」は、主に大豆油を使用したエコフレンドリーなレジンです。
通常のレジンに比べて嫌な刺激臭が少なく、環境負荷も小さいという特徴があります。
化学物質の使用に抵抗のある方や、子どものいる環境で使用する場合などにおすすめです。
タフ(高靱性)レジン
機械的特性に優れたレジンには、「高靱性レジン」と呼ばれるものもあります。
靭性という言葉は聞き慣れないという方も多いでしょう。Wikipediaには次のように記載されています。
靱性(じんせい、英語: toughness)とは、物質の脆性破壊に対する抵抗の程度、あるいはき裂による強度低下に対する抵抗の程度のことで、端的には破壊に対する感受性や抵抗を意味する。
Wikipedia「靭性」より
簡単に言うと、「ポキっと折れにくい」というイメージです。単に壊れにくいというよりも、過度な力が加わったときにじわっと変形し粘り強く抵抗する性質を意味しています。
強度がありながら柔軟性も併せ持つような材質を求めている方におすすめのレジンです。
光造形レジンの種類・選び方についてもっと知りたい方は…
他のブランドも含めて、
- いつもなんとなく同じレジンを選んでしまっている
- 光造形3Dプリンター用のレジンにはどのような種類があるのか?
- いつも使っているレジン以外のブランド・種類にも興味がある
という方は、レジンの種類と選び方について徹底解説した以下の記事をご覧ください。