こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は3Dプリンター用の3Dデータ(STL)を「無料で」ダウンロードできるサイト5つ紹介していきます。
3Dプリンターを使用するために必須となるのが、「3Dデータ」。3Dプリンター初心者には、3Dデータを作成するためのモデリング技術やソフトウェアの知識がない場合も多く、
「3Dプリンターを手軽に楽しむのはハードルが高いのではないか?」
と感じている方も少なくないでしょう。
実際には、3Dデータを自分で作成しなくても、データを準備する方法がいくつか存在します。その中でも特に重要なのが、「3Dデータ共有サイト」の存在。無料でデータをダウンロードできるサイトも多く、初心者のみならず世界中の3Dプリンター愛好家に使用されています。
この記事では、3Dプリンター用の3Dデータを無料でダウンロードできるサイトを厳選して5つ紹介していきます。無料でデータをダウンロードできないサイトや、現時点でユーザが少なく人気のないサイトは省いて、「これさえ押さえておけばOK!」というサイトをピックアップしています。
「3Dプリンターを持っているけど、何をプリントすれば良いのか分からない…」
という方や、
「『Thingiverse』以外にはどんな共有サイトがあるの?」
という方はぜひ最後までご覧ください。
それでは見ていきましょう!
はじめに:3Dプリンター用のデータを準備する3つの方法

3Dプリンターを使用するには、主に以下の3点が必要になります。
この記事で取り上げる「3Dデータ」とは、3Dプリンターでプリントするものの元となる3次元の情報をもつデータです。3Dプリンターを使用する目的においては、主に「STLファイル」という形式で取り扱われます。
ここでは、3Dプリンター用の3Dデータを準備するための3つの基本的な方法を紹介します。
3DCADや3DCGソフトを使って、自分でモデリングする
3DCADや3DCGソフトを使用する技術があれば、自分で3Dデータを作成(3Dモデリング)することが可能です。独自の設計や、既存のデータをカスタマイズをしたい場合には、必須の手段となります。
一般的な3DCAD・3DCGソフトの概要については後述しています。以下の記事でも詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
3Dスキャナーを使って、実物をデータ化する
3Dスキャナーは、実際の物体を3Dデータとしてデジタル化するための道具です。
アンティークや彫刻などの既存の物体を3Dプリントしたい場合や、実物の複製を作りたい場合にはこの方法が役立ちます。
近年では、家庭用として個人が扱いやすい
の3Dスキャナーが多数存在しています。
「どんな3Dスキャナーがあるのかな?」
と気になる方は、ぜひ以下の解説記事もご覧ください。
3Dデータ共有サイトからダウンロードする【今回ピックアップ!】
3Dデータ共有サイトは、世界中のクリエイターが自分の3Dモデルを共有したり、他の人のモデルをダウンロードしたりするためのプラットフォームです。どのデータも無料でダウンロードできるサイトもあれば、マーケットプレイスとしてデータを販売する機能をあわせもつサイトも存在します。
3Dデータ共有サイトを利用すれば、3Dモデリングの技術がなかったり、3Dスキャナーを持っていなくても、さまざまなデザインの3Dモデルを入手して、3Dプリントに使用することが可能です。
3Dデータ共有サイトは海外サイトが多く、具体的なサイトの種類や使い方についてよく知らないという方も多いでしょう。後述する「3Dプリンター用のデータを無料でダウンロードできるサイト5選」では、
といった疑問について、スクリーンショットを交えながら具体的に解説していきます。
【番外編】生成AIを使ってテキストから3Dデータを作成する
ChatGPTで有名なOpenAIが発表した「Shap-E」のように、3Dモデル生成AIを使用するという方法もあります。
現時点では実用レベルに遠く及びませんが、近い将来、上記のどの方法よりも一般的な3Dデータの準備手段になっているかもしれません。今のうちからイメージをつかんでおくと良いでしょう。
生成AIを使って実際に3Dプリントするまでのやり方を解説した以下の記事もあわせてご覧ください。

3Dプリンター用のデータを無料でダウンロードできるサイト5選

ここからは、3Dデータ共有サイトの例とその概要について具体的に解説していきます。
今回ピックアップするのは、以下の表に記載した5つのサイト。他にもいくつかの3Dデータ共有サイトが存在しますが、
という観点を重視しています。これらのサイトであれば、魅力的な3Dデータが数多く見つかることでしょう。
有料データの有無 | ユーザー登録 | 日本語サイト | |
---|---|---|---|
Thingiverse | すべて無料 | 不要 | × |
Printables | すべて無料 | 不要 | × |
3Dモデラボ | すべて無料 | 必要 | ○ |
MyMiniFactory | 有料あり | 不要 | × |
Cults | 有料あり | 必要 | × |
「有料データ」も共有されているサイトに関しては、「無料データの探し方」もあわせて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
Thingiverse

「Thingiverse」は、MakerBotが運営する3Dデザイン共有サイト。3Dプリンターを扱う人に知らない者はいないと言ってよいほど著名なプラットフォームで、250万以上もの3Dデータが公開されています(出典)。
3Dデータはすべて無料で、ユーザー登録をする必要もなくダウンロードすることが可能です。言語は英語ですが、シンプルな見た目のサイトなので、初めて使う人でも簡単に好みのデータを探すことができるでしょう。
Printables

「Printables」は、3DプリンターブランドPrusa Researchが運営する3Dモデル共有プラットフォームです。
Printablesでは、STLファイルのみならずPrusa製3Dプリンターを前提としたGコードの共有も可能という特徴があります。Prusaアカウントを作成すれば3Dモデル作成のコンテントにも参加することが可能です。
3Dデータのダウンロードのみであれば、Prusaアカウントの作成は不要。どの3Dデータも無料でダウンロードすることが可能です。ユニークな作品も多数アップされているので、ぜひ覗いてみてください。
3Dモデラボ

「3Dモデラボ」は、日本の3Dモデリングコミュニティサイトです。
「ダイソー用品のサポートデータ」や「七味唐辛子携帯用ケース」など、日本独自のデザインやキャラクターの3Dモデルを多く取り揃えています。英語表記の海外サービスが多い中、日本語で利用できるのはうれしいポイントですね。
3Dデータのダウンロードだけでなく、気に入ったクリエイターの応援や、「こんなデータを作って欲しい」というリクエストが可能な点もユニークです。
会員登録が必要ですが、すべて無料でダウンロードすることが可能です。
MyMiniFactory

「MyMiniFactory」は、2013年からデジタルクリエイターコミュニティを構築してきた老舗のプラットフォームです。
クリエイターの支援を重視しており、有料データが多いものの、8,000件以上の無料データも存在します。上の画像のように、「Price」の項目を「Free Objects」にチェックを入れて検索してください。
ダウンロード時には、以下のような画面が表示されます。右側の「Only Download」を選べばユーザー登録なしでダウンロード可能です。

Cults

「Cults」は、デザイナーと3Dモデルを使用したい人々を結び付けるフランスの3Dデータ共有・販売サイト。2014年に開設され、今では111万件の3Dデータが投稿されています(出典)。
特定のテーマに沿った「Collection」に分類されているという特徴があり、
などなど、クリエイターの個性が光る作品群をまとめてチェックすることができます。
無料データも豊富で、以下のように検索画面で「Free」をクリックすることでフィルタリングすることが可能です。

ダウンロードには無料の会員登録が必要となっています。
オリジナル作品をプリント!3Dモデリングについても知っておこう

ここまで、5つの厳選された無料の3Dデータダウンロードサイトを紹介してきました。気になるサイトや3Dデータは見つかったでしょうか?
たくさんの3Dデータを眺めているうちに、
「自分のオリジナルデータも作ってみたい!」
と思いはじめる方も少なくないでしょう。3Dプリンターを最大限に活用するためには、無料データを活用するだけでなく、自分自身で3Dモデリングのスキルを習得することも重要になります。
最後に、3Dデータを作成するための無料ソフトについても簡単に開設していきます。
無料3DCADソフトの例:Fusion360
Fusion360は、オートデスクが提供するクラウドベースの3DCADソフトウェアです。直感的な操作と豊富な機能で、3Dプリンター用のデータ作成においてもプロフェッショナルから初心者まで幅広く利用されています。
商用利用時等の制限はあるものの、基本的に無料で利用することが可能です。
Fusion360の「はじめの一歩」について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
無料3DCGソフトの例:Blender
Blenderは、3Dモデリング、アニメーション、レンダリングなどの機能を持つ無料のオープンソース3DCGソフトウェアです。無料とは思えない高度な機能とカスタマイズが可能で、多くのユーザーに支持されています。
Blenderを使って3Dプリンター用のデータを作成する方法は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:無料で3Dデータをダウンロードして3Dプリンターを楽しもう
今回は、無料で3Dデータをダウンロードできるサイトを5つ厳選して解説しました。
それぞれ個性のある共有サイトなので、使いやすさも含めてぜひ1度自分で使ってみてください。きっとお気に入りの3Dモデルが見つかることでしょう。
また、自分でオリジナルのデータを作成するための3Dモデリングについても簡単に解説しました。3Dデータや3Dプリンターの扱いに慣れたら、ぜひチャレンジしてみると良いでしょう。
クオリティの高い3Dデータを使ったり、自分でオリジナルの3Dデータを作成したりして、より一層3Dプリンターの面白さ・可能性を感じてみてくださいね!