こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、最新(2023年下半期時点)の家庭用3Dプリンターのおすすめモデルを価格別で紹介していきます。
手頃な価格帯で高性能かつ使い勝手の良い3Dプリンターが登場するに連れて、家庭でも使える3Dプリンターに興味をもつ人は増えています。その一方で、
「どのブランドの3Dプリンターを選べばよいのかわからない」
「3Dプリンターのどんな性能に注目して選ぶべきかわからない」
「自分の使いみちに合った3Dプリンターがわからない」
という方も多いのが現状です。
私自身、3Dプリンターを使いはじめるまでは、見知らぬブランドや多すぎる選択肢に戸惑ったことを覚えています。検索結果に出てくるランキングサイトに出てくる機種は、
ばかりで、自分に合った3Dプリンターを選ぶのにはかなり苦労しました…
同じような思いを抱える、3Dプリンター選びに迷う人々のために立ち上げたのがこの「Age of 3DP」。このメディアの目的は、
です。
この記事では、
家庭用3Dプリンターの有名ブランド・最新機種の情報をもとにピックアップしたおすすめ機種を価格別で紹介
していきます。また、筆者自身のおすすめを紹介するだけでなく、ご自身で選んでいただくための無料ツールについても紹介しているので、ぜひ活用してみてください(詳しくは後述します)。
✔ 3Dプリンター関連メーカー勤務経験
✔ 3Dプリンター特許出願経験
✔ 3Dプリンター11台・3Dスキャナー4台の使用経験
✔ 3Dプリント品販売点数700個以上
それでは見ていきましょう!
↓さっそくおすすめ機種をチェックしたい方は目次からジャンプしてみてください。↓
- はじめに:3Dプリンターとは?
- 家庭用3Dプリンターを選ぶポイント【3ステップで完了!】
- 購入前に知っておきたい家庭用3Dプリンターの有名ブランド3選
- 【価格別】家庭用3Dプリンターのおすすめ10選【FDM】
- 【〜2万円台】不朽の人気3Dプリンター「Ender-3」
- 【2〜3万円台】シリーズ最新&最速機種「Ender-3 V3 SE」
- 【3〜4万円台】超高速スタンダードサイズ3Dプリンター「Neptune 4」
- 【4〜5万円台】超高速スタンダードサイズ3Dプリンター「Kobra 2 Pro」
- 【5〜6万円台】超高速&中型サイズ3Dプリンター「Neptune 4 Plus」
- 【6〜7万円台】コンパクトサイズの密閉型「X-Smart 3」
- 【7〜8万円台】超高速&大型サイズ3Dプリンター「Neptune 4 Max」
- 【8〜9万円台】超高速&密閉型スタンダードサイズ3Dプリンター「K1」
- 【9〜10万円台】超高速&密閉型の中規模サイズ「X-Plus 3」
- 【10万円台〜】超高速&AI LiDAR&カメラ搭載「K1 Max」
- 【価格別】家庭用3Dプリンターのおすすめ10選【光造形】
- 【〜2万円台】初心者向け低コストモデル「Sonic Mini」
- 【2〜3万円台】格安4K3Dプリンター「Photon Mono 2」
- 【3〜4万円台】コスパ最強9K「Mars 4」
- 【4〜5万円台】高速&Wi-Fi対応の9K「Mars 4 Ultra」
- 【5〜6万円台】8K&中型サイズ3Dプリンター「Saturn 2」
- 【6〜7万円台】高速&スマートレジンポンプ搭載8K機種「HALOT-MAGE Pro」
- 【7〜8万円台】12K超高解像度3Dプリンター「Saturn 3」
- 【8〜9万円台】スマート機能多数の12K機種「Photon Mono M5s」
- 【9〜10万円台】高速&超高解像度12K3Dプリンター「Saturn 3 Ultra」
- 【10万円台〜】大型&高コスパ光造形機種「Photon M3 Max」
- まとめ 〜おすすめ3Dプリンターのスペック一覧〜
はじめに:3Dプリンターとは?
3Dプリンターとは、
あらかじめ準備した3Dデータにもとづいて3次元的な形状を作り出す装置
です。
光造形方式(主な2つの方式については後述します)の例では、プラットフォームと呼ばれる土台をレジン(樹脂)にひたして表面に光を当て、一層ずつ樹脂(レジン)を固めながら引き上げていきます。これを何層も何層も繰り返していくことで、3次元形状を作り上げていきます。

上の図では、右上の板のような部分がプラットフォームです。材料となる液体の樹脂(レジン)は、図の右下にあるタンクに入れておきます。図には含まれていませんが、タンクの下にLEDやUVランプが設置してあり、その光を使って樹脂を硬化させます。
3Dプリンターでは基本的にどんな3次元形状でも形づくることができます。
もととなるデータはSTLファイルと呼ばれる形式で出力するのが一般的です。STLファイルは、Fusion360のような3DCADや、Blenderなどの3DCGソフトで作成することができます。これらのソフトは基本無償なので個人でも利用しやすく、初心者の方でもすぐに使用することができます。
家庭用3Dプリンターを選ぶポイント【3ステップで完了!】
ここからは家庭用3Dプリンターの選び方について確認していきましょう。
「どこに注目すればいいのかさっぱりわからない!」
という初心者の方にもわかりやすいように、3Dプリンター選びをたったの3ステップにまとめています。
後述するおすすめ3Dプリンターの特徴を理解するうえでも参考になるので、しっかり押さえておきましょう!
まずは「FDM(熱溶解積層)方式」か「光造形方式」の2種類から選択
家庭用3Dプリンター選びは、
「FDM(熱溶解積層)方式」と「光造形方式」のどちらかを選択する
ところからはじまります。
FDM(Fused Deposition Modeling、熱溶解積層法)方式

「FDM(Fused Deposition Modeling)」は、日本語で「熱溶解積層法」と訳されます。「FFF(Fused Filament Fabrication)」という一般名称で呼ばれることもあります。
FDMは、
熱で繊維状の樹脂(フィラメント)を溶かして積層する方式
です。この方式の特徴として、以下のポイントは押さえておきましょう。
光造形方式

「光造形方式」は、「光」を使った造形方式です。
液体の樹脂(レジン)を1層1層固めながら3次元形状を形成
していきます。
最低限押さえておきたい光造形方式の特徴は、以下の通りです。
FDM方式と光造形方式を選ぶ基準をひと言で言ってしまえば、
実用品を作りたい人はFDM方式、フィギュア系の用途であれば光造形方式
です。この観点で選べば間違いないでしょう。
「FDM方式と光造形方式の違いについてもっと詳しく知りたい!」という方は、こちらの記事をご覧ください。
造形可能なサイズを検討
FDM方式と光造形方式のどちらを選ぶかが決まったら、
次に重要な点は「造形可能サイズ」
です。家庭用3Dプリンターを使って作れるモノの標準的なサイズについて理解しておきましょう。
- 幅:20〜30cm
- 奥行き:20〜30cm
- 高さ:25cm〜35cm
→サッカーボール(直径22cm)くらいのサイズと覚えておきましょう。
- 幅:10cm〜20cm
- 奥行き:6cm〜12cm
- 高さ:15cm〜25cm
標準的なサイズで言えば、
傾向にあります。
もちろん、上記の標準サイズよりも小さい、あるいは大きい造形サイズの3Dプリンターも存在します。後述するおすすめ3Dプリンターを参考に、自分の求める造形サイズが実現できる機種を選びましょう。
必要なスペック・オプション機能をチェック
「造形方式」と「造形可能サイズ」の目星がつけば、機種の選択肢はある程度絞られてきます。
あとは
その他のスペックやオプション機能を確認しつつ、お財布と相談
して3Dプリンターを選んでいきましょう。
とはいえ、スペックやオプション機能のすべてを吟味していては、あまりに時間がかかってしまいます。ここからは、
していきたいと思います!
組み立て【FDM】(重要度:★★★)

FDM方式の3Dプリンターは、
機種によって配送時の組み立て度合いが異なる
ことを覚えておきましょう。
の3種に大別され、3Dプリント開始までの手間が大きく異なります。
DIY好きな人にとっては、「要組み立て」の3Dプリンターであっても組み立ての過程を楽しめるでしょう。
一方で、組み立てが苦手な人や煩わしさを感じる人は「半組み立て済み」や「組み立て済み」が適しています。組み立て度合いによって価格帯も変わってくるので注意しましょう。
組み立てが容易で価格も手頃な「半組み立て済み」がオススメ。
ノズル最高温度【FDM】(重要度:★★☆)

FDM方式3Dプリンターは、ノズル(材料のフィラメントが出てくるところ)を熱して、材料を一度柔らかくすることで自由自在に3次元形状を作っていきます。
材料の種類によって柔らかくなる温度が異なるため、適切なノズル温度に設定する必要があります。設定できる最高温度が不十分な場合、材料によってはプリントできない場合もあるため注意が必要です。
家庭用3Dプリンターにおいては、ノズル最高温度は260℃度前後が標準的
です。
基本的な材料(PLAやABS、PETG等)の造形であればスタンダードな260℃前後で十分です。一方で、PA(ポリアミド、ナイロン)のような材料を使うことも考えている場合は、300℃付近まで温度上昇可能な機種を選ぶようにしましょう。
基本的な材料の造形であれば、スタンダードな260℃前後でOK
ヒートベッド(プラットフォーム)【FDM】(重要度:★★☆)

ヒートベッド(ホットベッドやプラットフォームとも呼ばれます)は、FDM方式において3Dプリントの土台となる箇所です。3Dプリント中に造形物がしっかり固定されるように、通常ヒートベッドは加熱して使用します。
また、ヒートベッドの種類には、大きく分けて
があります。
ヒートベッドの種類によって、造形中の固定具合や造形後の取り外しやすさが異なる
ため、要チェックです。
- 「最高温度」:通常100℃前後。機種によって大きく変わらないため、そこまで重視しなくてOK。
- 「種類」:硬いガラス製のものや、柔らかいバネ鋼製品がある。造形中はしっかり固定され、造形後は取り外しやすいPEIばね鋼製がオススメ。
オートレベリング【FDM】(重要度:★★☆)

「オートレベリング」は、3Dプリント開始前の高さ調整機能
です。
3Dプリントを実施する前に、ノズルの高さとヒートベッドの隙間がA4用紙1枚分(約0.1mm)程度になるように高さを調整します。
ことになります。
オートレベリング機能を実行すると、ヒートベッド上の複数箇所(16〜121点程度)の高さを自動で取得し、XY位置ごとの微妙なZ方向の高さを補正してくれます。手動の調整に加えて
です。
ただし、「オートレベリングあり」であっても、手動で粗調整する必要がある場合が多いです。完全にオート(自動)で調整してくれるわけではないので注意しましょう。
- 「オートレベリングの有無」:手動レベリングをサポートしてくれる「オートレベリングあり」がオススメ!
- 「オートレベリングの点数」:点数が多いほど位置ごとの適切な補正が期待できる。
ディスプレイ【FDM】(重要度:★☆☆)

3Dプリンターを操作するインターフェースとなるのが、ディスプレイ
です。
など、すべての操作はディスプレイを介して行います。
近年は
します。一方で、コスパ重視の格安モデルでは、
になっている場合もあります。
- 「モノクロ or カラー」:見やすいカラーがオススメ!
- 「ノブ式 or タッチ式」:直感的に操作できるタッチ式がオススメ!
ピクセル数・解像度【光造形】(重要度:★★★)

光造形方式3Dプリンターにおいて、
「ピクセル数」や「ピクセルサイズ」は最注目のスペック
です。基本的には、
ほど高品質な3Dプリントが可能です。
近年では、10万円を下回る低〜中価格帯の3Dプリンターであっても、
といった高解像度が実現されています。家庭用3Dプリンターが実現できるクオリティは日々大きく進化しているのです。
光造形方式の特徴である滑らかさやディテールの表現を重視する場合には、
最優先で考えるべきは、「ピクセル数」や「ピクセルサイズ」
であると覚えておきましょう。
ピクセル数が多く、ピクセルサイズが小さいほど高品質な3Dプリントが可能!
消臭機能【光造形】(重要度:★☆☆)

家庭用光造形3Dプリンターを使用する上で、
最大の課題の1つが、イヤなレジン臭
です。密室で使用することは難しく、換気はマストです。
そんなレジン臭を軽減してくれるのが、
です。内部の活性炭が臭いを吸着してくれる仕様になっています。近年では、3万円台の低価格帯3Dプリンターにおいても、搭載される機種が増えています。完全に臭いが消えるわけではありませんが、「ある」と「ない」では快適さが大きく異なります。
内蔵されていない場合でも、ELEGOOやAnycubicからミニ空気清浄機が販売されています。内蔵されている機種と違って充電する必要がありますが、内蔵されていない機種でも対応可能であることは覚えておきましょう。
空気清浄機能があると、充電不要で手間が少ない!
対応するデータ形式・スライスソフト【FDM・光造形】(重要度:★☆☆)

前提として、3Dプリンターを使ったプリントの流れは、基本的に以下の通りです。
- データを用意する(他人が作ったデータをダウンロード、自分で制作)
- 3Dプリンターが認識できるデータ形式に変換する
1.の段階では、3次元データは「STLファイル」という形式で用意するのが一般的です。そして、2.の段階で「スライスソフト」という3Dプリンター専用のソフトを使い、3Dプリンターが認識できる形式(.gcode等)に変換します(詳しくは初心者向け3Dプリンター完全ガイド【選び方・価格帯・必要なもの】をご覧ください)。
3Dプリンターを選ぶ際に、
データ形式やスライスソフトの対応関係について心配する必要はほとんどありません。
優秀かつ無償の3Dデータを扱う3DCAD・3DCGソフトやスライスソフトが多数存在しており、この記事で紹介しているような有名どころの3Dプリンターであれば、問題なく対応しています。
優秀な無料ソフトが多数存在。心配しなくてOK!
Wi-Fi接続機能【FDM・光造形】(重要度:★☆☆)

高価格帯(10万円前後)の機種になると、
家庭用3DプリンターであってもWi-Fi接続可能なものが存在
します。ちなみに、低〜中価格帯の場合は、SDカードを介してパソコンと3Dプリンターの間でデータの受け渡しをするのが一般的です。
Wi-Fi接続機能があると、
です。他にも、
することが可能な機種もあります。
とはいえ、これらの機能はあくまでも付加的な、価格と引き換えの「贅沢な」機能です。3Dプリントの実施においては、なくても問題ない機能なので、
と考えて良いでしょう。
利便性を追求する人以外は無視してOK!
日本語サポート・マニュアルの有無【FDM・光造形】(重要度:★☆☆)
家庭用3Dプリンターの基礎知識として覚えておくべきなのが、
家庭用3Dプリンターのブランドは、中国製がほとんど
いうことです。ひと昔前は、中国製を不安視する人も多かった印象がありますが、今や低価格・高品質なガジェットばかりです。むしろ日本製ではこれほど費用対効果の高い家庭用3Dプリンターは販売されていません。
中国製の場合に気になるのが、
あたりではないかと思います。
「装置自体の日本語対応」は、機種によってさまざまです。近年では、
します。少なくとも英語表記は可能なものが大多数なので、そこまで心配しなくて良いでしょう。
「日本語マニュアルの有無」に関しても、
印象です。
「サポートセンターの存在」に関しては、ほとんど期待できません。公式サイトから問い合わせることは可能ですが、
でしょう。
困ったときの日本語サポートはどうしても譲れない!という方は、
です。Amazon等に比べると若干価格が高い傾向にはありますが、人によっては十分アリな選択肢でしょう。
例えば、多数の海外3Dプリンターメーカーの国内代理店となっているSK本舗は、
といった特別サポートを提供しています。