こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Anycubicのマルチカラー密閉CoreXY型3Dプリンター「Kobra S1 Combo」を実機レビュー
していきます。
マルチカラー3Dプリントに興味がある!
ABS/ASAを使いたいので密閉構造はマスト!
湿気が気になる...フィラメント乾燥機能も必須だな...
そんな方にとっての悩みは、
“““値段が高くなってしまう”””
ことでしょう。
今回紹介するAnycubic「Kobra S1 Combo」は、そんな“困った”を解決してくれるポテンシャルをもつ注目の3Dプリンターです。
この記事では、Anycubic様よりご提供いただいた実機を使い込んで分かった、実力と注意点を詳しく解説。
業界最安レベルのコストパフォーマンスを実現する注目機種に死角はないのか?
じっくりチェックしていきましょう!

モデル名 | Kobra S1 Combo | Kobra S1 |
---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() |
メーカー | Anycubic | Anycubic |
価格(サンステラ) | - | - |
価格(SK本舗) | - | - |
価格(Amazon) | ¥120,999 (2025-07-21 04:14 時点) | ¥74,999 (2025-07-20 19:00 時点) |
価格(海外ストア) | - | - |
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この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。
実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
Kobra S1 Comboとは?驚きの高コスパを実現したCoreXY機

近年、高性能な3Dプリンターの需要が高まる一方で、導入コストが障壁となるケースも少なくありません。
特に、密閉型CoreXY構造やマルチカラー印刷機能は、これまで高価格帯の機種でしか実現できませんでした。
しかし、「Anycubic Kobra S1 Combo」は、これらの先進機能を手の届きやすい価格で提供することで、多くのユーザーの課題を解決します。
このセクションでは、Kobra S1 Comboが注目されている理由に迫るべく、その基本的な特徴と魅力について深掘りしていきます。
Kobra S1 Comboの基本仕様

Anycubic Kobra S1 Comboは、CoreXY構造を採用したFDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターです。
CoreXY構造は、ベッドが前後しないため、印刷中の振動が少なく、安定した高速印刷を可能にする点が大きなメリットです。
最大印刷速度は600mm/s、最大加速度は20,000mm/s²と非常に高速。
印刷ボリュームは250x250x250mmと、家庭用としては標準的かつ十分な広さを確保しています。

ノズルは真鍮がデフォルトでカーボンファイバー系フィラメントには適しませんが、温度は最高320℃まで対応。
筐体は密閉型のエンクロージャーとなっているため、反りやすいABSやASAといった高難度フィラメントの印刷にも有利です。


このような機能性を備えながら、類似構成の機種と比較しても業界最安レベルの価格帯を実現。
非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。
ACE Proとの連携で広がる可能性

Kobra S1 Comboの最大の特徴の1つが、同梱されているAnycubic Color Engine Pro (ACE Pro)との連携です。
ACE Proは、4色までのマルチカラー印刷を可能にするシステム。
さらに別途ACE Proをもう1台追加することで、最大8色の多色印刷に対応します。
これにより、単色では表現できなかった複雑でカラフルなモデルの作成が可能に。
さらに、ACE Proは単なるマルチカラーシステムに留まらず、フィラメント乾燥機能も兼ね備えています。
特に湿度の高い日本では、フィラメントの吸湿が印刷品質に悪影響を及ぼすことが多いため、この乾燥機能は非常に有効。
最大55℃までの加熱乾燥が可能で、PLAフィラメントを中心に、その乾燥に効果を発揮します。

また、Anycubicの純正フィラメントにはRFIDタグが付属されはじめています。
ACE Proがこれを自動で読み取り、フィラメントの種類と色を自動認識。
設定の手間が省け、よりスムーズな印刷体験が提供されます。
ソフトウェアエコシステムと操作性

Kobra S1 Comboは、Anycubicが提供するソフトウェアエコシステムに支えられています。
専用のスライスソフト「Anycubic Slicer Next」は、Orca Slicerをベースに開発されており、LANモードでの接続やマルチプレート管理に対応。

さらに、印刷中に特定のオブジェクトの印刷をスキップできる「Skip Objects」機能も搭載され、失敗したパーツだけ印刷を中止するといった柔軟な対応が可能になります。
Anycubic製3Dプリンター専用のスマホアプリを使えば、
することも可能になっています。
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実際に使って分かった!Kobra S1 Comboの「スゴい」メリット3選

3Dプリンターを選ぶ際には、カタログスペックだけでは見えない、実際の使い勝手が重要です。
特に、初めてのマルチカラープリンター導入を検討されている方にとっては、期待通りの性能が得られるか不安を感じることもあるでしょう。
このセクションでは、実機を徹底的に使い込んだからこそ見えてきた、Kobra S1 Comboの「ココがスゴい!」と感じた点を3つ厳選してご紹介します。
1辺250mmのマルチカラー印刷で表現力が大幅アップ

Kobra S1 Comboの大きな魅力は、その十分な印刷ボリュームとマルチカラー印刷機能の組み合わせです。
1ケタ万円台のコスパ機種には、プリント領域のサイズが小さい機種もちらほら。
その点、Kobra S1 Comboの250x250x250mmという広大な印刷範囲は、一般的な家庭用3Dプリンターとして標準的なサイズ感を実現しています。

マルチカラー印刷では、フィラメント切り替えに伴うパージ(不要なフィラメントの排出)により大量のゴミが発生しがちです。
同じモデルであれば、一度に何体プリントしても排出されるゴミの量は変わらないため、できるだけ多く配置できることは製作コストの削減に直結する大事な要素。
1辺250mmの造形サイズを備えるKobra S1 Comboは、小さなモデルであれば何十体もの数量を一度に印刷することも可能。
一体あたりに換算すれば、排出されるゴミの量を効率的に抑えることができます。


実際に、3色を使ったミニドラゴン40体を一度に印刷してみました。
22時間ほどで完成した40体のドラゴンは、色の切り替わりも良好で、全体的に優れた仕上がりとなりました。
フィラメント乾燥機能とオートリフィルで安定した印刷を実現

ACE Proに搭載されたフィラメント乾燥機能は、Kobra S1 Comboの隠れた、しかし非常に重要なメリットです。
湿気を吸ったフィラメントは、印刷品質の低下(糸引き、表面のざらつき、造形不良など)を招く主要な原因の一つですが、ACE Proはこの課題を効果的に解決。
特に湿度の高い日本の環境では、この機能が安定した印刷に大きく貢献します。

実際に、湿気を多分に含んだWoodフィラメントでテストを実施。
乾燥前はひどい糸引きと表面のざらつきが見られましたが、ACE Proで適切に乾燥させた後では、糸引きが大幅に改善され、表面のざらつきも軽減。
印刷品質が大幅に向上しました。
この乾燥機能は印刷中も使用可能であり、フィラメントの種類に応じたプリセットも用意されています。
プリンター本体やスライスソフトから簡単に設定変更ができるのも便利でしょう。
ただし、最大加熱温度は55℃であるため、主にPLAフィラメントの乾燥に最適な機能となっています。

さらに、ACE Proはフィラメント切れを検知し、自動で同じ種類・色のフィラメントに切り替えてくれるオートリフィル機能も備えています。
これにより、長時間の印刷や大量生産時にも、フィラメント切れによる中断のリスクを減らし、安定した連続印刷が可能になっています。

注意点として、柔軟なTPUはACE Proからのフィラメント供給に対応していません。
単色印刷は可能で、その場合はプリンター背面の専用スプールホルダーを使用することになります。
密閉型CoreXY構造による高速・安定した高難度素材の印刷


Kobra S1 Comboは、密閉型のCoreXY構造を採用している点も大きな強みです。
この構造は、低価格帯に多いベッドスリンガータイプのようにベッドが激しく前後移動しないため、振動が非常に少なく、高速印刷時でも安定した高い品質を維持できます。
最高600mm/sの印刷速度と20000mm/s²の加速度(推奨印刷速度の300mm/s、推奨加速度の10000mm/s²)は十分な高速性を発揮し、小型ベンチーモデルを約15分で完成させるほどのパフォーマンス。


そして、密閉型エンクロージャーの採用は、特に反りや層剥がれが発生しやすいABSやASAといった高難度フィラメントの印刷に大活躍。
内部温度を安定させ、造形成功率を大幅に向上させます。
実際にASAフィラメントでの印刷では、長いモデルでも反りなく安定して出力できました。
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注意点も確認!Kobra S1 Comboを最大限に活用するポイント

優れた機能性とコスパを実現するKobra S1 Comboも、実際に使ってみると、導入前に知っておきたい注意点も存在すると感じました。
知っておくべきポイントを事前に把握しておけば、購入後に
こんなの聞いてない!
という後悔を最小限に抑え、自身の用途や予算に最適な3Dプリンターを選べることでしょう。
このセクションでは、実際に使ってみて感じたKobra S1 Comboの改善を期待したい点や、注意すべき箇所について詳しく解説します。
フィラメント供給の安定性と対応に関する課題


ここまで解説してきた通り、Kobra S1 ComboのマルチカラーシステムACE Proには、多くの利点が存在します。
一方で、フィラメント供給の安定性には一部注意が必要です。
フィラメントの種類によっては、ACE Proの内部でスプールがスムーズに回転せず、引き込みに失敗する「ローディングエラー」が発生するケースも。
その結果、印刷が途中で停止してしまったり、フィラメントがACE Proの内部で広がってしまう現象が散見されました。
特に紙製で端面補強がなされていないタイプのフィラメントスプールは、滑らかな回転が難しい傾向にあるようです。

さらに、ローディングエラーからの印刷再開時に、プリンターが予期せぬ挙動を示すことも。
By Object(オブジェクトごと)で印刷する設定とした場合、パージシュート付近のオブジェクトに接触・破壊してしまう事例が確認されました。
Anycubicはこの問題に対応中とのことで、近くスライスソフトのアップデートで対応されることが期待されます。
オートレベリングと共振補正の精度について

Kobra S1 Comboはもちろんオートレベリング機能を搭載しています。
ところが、テスト印刷をしてみたところ、ベッド全面におけるノズルとベッドの距離補正が一部でうまくいっていない箇所が見られました。
上記画像で見られるように、特に手前中央や手前右側、右奥あたりを中心に、1層のシート内に不均一性が現れています。
これは個体差の可能性も考えられますが、もし同様の問題が発生した場合は、Anycubicの公式Wikiを参照して調整することをおすすめします。

もう1点、高速印刷時の「共振補正」による効果についても、改善の余地があると感じました。
約15分で3DBenchyがプリントされる「高速版データ(あらかじめ本体に保存されている)」でプリントした際、表面に波打ち(ゴースト現象)が露骨に現れることが確認されました。
一方、約45分でプリントされる「標準版」では表面の波打ちは見られず、良好な仕上がりとなりました。
これらを踏まえると、Kobra S1 Comboの通常運用時には、推奨速度である200〜300mm/s程度で使用することを心がけると良いでしょう。
カメラの解像度とAI検知機能の現状

Kobra S1 Comboにはカメラが標準で搭載されています。
スライスソフト「Anycubic Slicer Next」やスマホアプリAnycubicからのモニタリングができたり、タイムラプス動画の生成ができたりと非常に便利です。
ただし、このカメラの解像度は480pとあまり高くありません。
そのため、モデルの細部まで鮮明に確認するといった用途には不向きでしょう。
あくまでも印刷が問題なく進んでいるか、どの程度まで進捗しているかといった大まかな状況確認用であると認識しておきましょう。

また、Kobra S1 ComboはAIによる「スパゲッティ検出」(フィラメントが絡まって麺のようになる現象)機能を備えていますが、現状では誤検知するケースが見られました。
実際には印刷に問題がないにもかかわらず、“焼きそばの異常を検知”といったエラーメッセージが表示されることも。
先端技術であるAIアルゴリズムの未熟さはKobra S1 Comboに限ったことではなく、他社製3Dプリンターにもよく見られるものです。
今後のアップデートによる改善を期待しつつ、誤動作を避けるためにも、現時点では機能オフを検討しても良いかもしれません。
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Kobra S1 Comboのスペック&価格を一覧でチェック!
最後に、Kobra S1 Comboのスペックとリアルタイムの価格情報を一覧でチェックしておきましょう。
参考までに、ACE Proが付属しない3Dプリンター単体の「Kobra S1」の仕様も併記しています。
モデル名 | Kobra S1 Combo | Kobra S1 |
---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() |
メーカー | Anycubic | Anycubic |
価格(サンステラ) | - | - |
価格(SK本舗) | - | - |
価格(Amazon) | ¥120,999 (2025-07-21 04:14 時点) | ¥74,999 (2025-07-20 19:00 時点) |
価格(海外ストア) | - | - |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 400 x 410 x 490 | 400 x 410 x 490 |
本体重量[kg] | 22.6 | 18 |
構造 | CoreXY | CoreXY |
密閉 | ○ | ○ |
ヒートチャンバー | × | × |
組み立て | 組み立て済み | 組み立て済み |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 250 x 250 x 250 | 250 x 250 x 250 |
最大スピード[mm/s] | 600 | 600 |
推奨スピード[mm/s] | 300 | 300 |
最大加速度[mm/s²] | 20000 | 20000 |
最大押出流量[mm³/s] | - | - |
最大ノズル温度[℃] | 320 | 320 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 120 | 120 |
対応フィラメント | PLA, PETG, ABS, ASA | PLA, PETG, TPU, ABS, ASA |
マルチカラー | ACE Pro 1台で4色 最大8色 | × |
消費電力[W] | - | - |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 |
Wi-Fi | ○ | ○ |
内部ストレージ[GB] | - | - |
カメラ/リモートモニタリング | ○ | ○ |
スライスソフト | Anycubic Slicer Next | Anycubic Slicer Next |
その他 | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
まとめ:Kobra S1 Comboはどんな人におすすめ?

Anycubic Kobra S1 Comboは、そのコストパフォーマンスと優秀な仕様・機能から、多くの家庭用3Dプリンターユーザーにとって魅力的な選択肢となる1台です。
コスパは超重要!10万円超えの機種は高すぎ!
ベッドスリンガーよりCoreXY派!
乾燥機能やエンクロージャーもマスト!
そんな方には、特におすすめできる3Dプリンターでしょう。
この記事を参考に、ぜひKobra S1 Comboの導入を検討してみてくださいね!
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