こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
QIDI TECHのFDM方式3Dプリンター全機種を徹底比較・解説
していきます。
家庭用のFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンターといえば、組み立て式で、かつノズルやプラットフォームがむき出しの構成が一般的です。Creality「Ender-3シリーズ」やAnycubic「Kobraシリーズ」などが代表的ですね。
そんな組み立て式のFDM3Dプリンターと対をなすのが、
です。密閉型とも呼ばれるこのタイプは、その名の通り側面・上下面が覆われているところが特徴です。
QIDI TECHのFDM方式3Dプリンターは、販売中の全ラインナップが密閉型です。密閉型のFDM3Dプリンターは産業用に多く見られますが、QIDI TECHのラインナップは比較的安価に提供され、家庭用として個人用に導入しやすいという特徴があります。
今回は、
「QIDI TECHってあまり聞いたことなかったけど、気になってきた!」
「どんな密閉型3Dプリンターが登場しているのか知りたい!」
という方のために、QIDI TECHの密閉型FDM3Dプリンター全ラインナップの特徴・スペックについて、徹底的に比較解説していきます!
- QIDI TECHってどんな会社?
- 密閉型FDM3Dプリンターの特徴は?
- QIDI TECHのFDM方式3Dプリンター全モデルの特徴・スペックは?
それでは見ていきましょう!
QIDI TECHとは

QIDI TECH社は2014年に設立された中国の3Dプリンターメーカーです。
年間でおよそ5万台の3Dプリンターを生産しており、FDM方式3Dプリンターを中心に取り扱っています。
という特徴があります。
(出典:QIDI TECH公式ページ)
密閉型FDM3Dプリンターの特徴

QIDI TECHが提供する3Dプリンターの詳細解説に入る前に、
「密閉型」3Dプリンターにはどのような特徴があるのか解説
していきます。
「密閉型」3Dプリンターがもつ主なメリットは次の3つです。
一方、デメリットには次のような点が挙げられます。
このような特徴から、産業用グレードの高品質な3Dプリンターに多く採用される密閉型構造。にもかかわらず、QIDI TECHは密閉型FDM3Dプリンターを比較的安価に提供しているところに特徴があります。
以上を踏まえ、密閉型FDM3Dプリンターは次のような方におすすめです。
QIDI TECHとその密閉型FDM3Dプリンターについての理解は進んだでしょうか?
次の項目では、いよいよ各機種の詳細について解説していきます。
QIDI TECHの全FDM 3Dプリンター徹底解説!【Xシリーズ/Iシリーズ】
ここからは、
QIDI TECHのFDM方式3Dプリンター全機種の特徴を確認
していきましょう!
QIDI TECH社の公式ホームページで確認できるFDM方式3Dプリンターは以下の「8機種」です。この中で、
の2系統に大別されるという特徴があります。
さっそく「Xシリーズ」「Iシリーズ」の全機種の特徴について見ていきましょう!
「X-Max 3」:超高速&大型造形サイズ【2023年最新】

「X-Max 3」は、2023年に発表された「X-Max II」の後継機種。同時発表された「X-Plus 3」「X-Smart 3」と同様に、最大プリントスピード600mm/sの超高速モデルです。
そして、「X-Max 3」固有の特徴は、
超高速&大型造形サイズの実現
です。
QIDI TECH「Xシリーズ」のラインナップにおいては、「X-Max」系統が最大の造形サイズという特徴があり、「X-Max 3」もこれを踏襲。
その造形サイズは325×325×315mm³に到達し、ついに縦・横・高さのすべてで30cmの大台越えを達成しました。現状では、「I-Fast」と並ぶQIDI TECHの3Dプリンターで最大級の造形サイズとなっています。
その他にも、密閉型3Dプリンターならではとも言える「温度」面の強みも。
さらに、「X-Plus 3」「X-Smart 3」にはない機能として、
が搭載されているところも注目に値します。
「産業グレード」と銘打っていることも納得の、「サイズ」「速度」「精度」の三拍子揃ったハイエンド3Dプリンターとなっています。
「X-Plus 3」:超高速&中型造形サイズ【2023年最新】

「X-Plus 3」は、2023年に発表された「X-Plus II」の後継機種。同時発表された「X-Max 3」「X-Smart 3」と同様の、最大プリントスピード600mm/sを誇る超高速モデル。
簡潔に表現すると、
「X-Plus 3」は、「X-Max 3」の造形サイズ・機能を少し削ぎ落とした機種
です。「X-Max 3」と類似する部分が多いため、その共通点と違いについて理解しておくことが重要です。
「X-Max 3」からサイズ・機能が削ぎ落とされた分、価格はお手頃になっています。
「超高速3Dプリンターに興味があるけど、「X-Max 3」はちょっと高い…」
という方にはちょうど良い選択肢なのではないでしょうか?
さらに安価な「X-Smart 3」も含めた違いを確認したい方は、後述するスペック比較表も参考にしてみてください。
「X-Smart 3」:超高速&小型造形サイズ【2023年最新】

2023年に発表された最新機種の1つが「X-Smart 3」です。「Xシリーズ」におけるエントリーモデルに当たります。
「X-Smart 3」の特徴は、ここまで紹介した「X-Max 3」「X-Plus 3」と比較するとわかりやすいです。簡単に言うと、
「X-Max 3」からさらに造形サイズ・機能が削ぎ落とされ、圧倒的低価格になった機種
といったイメージです。以下のように、「X-Max 3」「X-Plus 3」からは一段階グレードが落ちるスペックが存在するので、違いをしっかり押さえておきましょう。
スペック | X-Smart 3 | X-Max 3 | X-Plus 3 |
---|---|---|---|
造形サイズ | 175×180×170mm³ | 325×325×315mm³ | 280×280×270mm³ |
最大プリントスピード | 500mm/s | 600mm/s | 600mm/s |
最大ノズル温度 | 300℃ | 350℃ | 350℃ |
チャンバー加熱 | なし | 65℃ | 65℃ |
機能が削ぎ落とされた分、6万円台という高コスパを叩き出す「X-Smart 3」(2023年8月時点)。
という強みをこの価格帯で実現している優秀な3Dプリンターと言って良いでしょう。
ここまで、2023年に発表されたQIDI TECHの「爆速」3Dプリンター3機種を紹介してきました。
最大プリントスピード500mm/s超えの「爆速」3Dプリンターは2023年以降、他のブランドも含め多数登場しています。他の爆速機種も気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。
ハイエンドならCreality「K1」「K1 Max」!

コスパ重視ならELEGOO「Neptune 4」!

「X-CF Pro」:カーボンファイバー対応の高温ノズルモデル

2022年に発表された「X-CF Pro」。開発に13ヶ月費やしたというこだわりの一品です(出典:QIDI TECH)。
「X-CF Pro」は、「CF(カーボンファイバー)」という名の通り
ナイロンやカーボンファイバーを使用した造形に特化
した3Dプリンターです。
高温(350℃)プリントに対応したエクストルーダーを採用し、PLAやPETGのような通常の材料に加え、
といった、産業グレードのフィラメントのプリントに強みをもつ1台となっています。
「X-Max II」

「X-Max II」は大型の「X-Max」系統の2代目3Dプリンター。
後継機種である「X-Max 3」等のリリースに伴い、日本のAmazon等では販売が終了しているようです(2023年8月時点)。
「X-Plus II」

「X-Plus II」は中型の「X-Plus」系統の2代目3Dプリンター。
後継機種である「X-Plus 3」等のリリースに伴い、日本のAmazon等では販売が終了しているようです(2023年8月時点)。
ここからは「Iシリーズ」3Dプリンターの解説に進んでいきます!
「I-Mates」:QIDI TECHの最安モデル

「I-Mates」は、QIDI TECHにおけるエントリーレベルの3Dプリンター。
実勢価格6万円前後と、
QIDI TECHのFDM3Dプリンターでは最も低コスト
です。他ブランドを含めても、密閉型FDM方式3Dプリンターでは最安クラスの価格帯です。
QIDI TECH唯一のシングルZ軸モデルとなっています。