こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、ELEGOO社の新モデル「Mars 3 Pro」について、旧モデルと比較解説していきます。
ELEGOO Marsシリーズは、ELEGOO社の光造形3Dプリンターシリーズです。本体価格が非常にお手頃で、特に初心者の方が3Dプリンターデビューする際におすすめのシリーズです。
そんなELEGOO Marsシリーズから待望の最新モデル「Mars 3 Pro」が発表されました。いったいどんなアップグレートがなされているのか、気になりますよね?
気になる旧モデルからの改善点やスペックの変化について徹底解説していきたいと思います!!
それでは見ていきましょう!
ELEGOO Mars 3 Proの特徴は?改良ポイントを解説!
さっそく、「Mars 3 Pro」は旧モデルからどのような改良ポイントがあるのかを確認していきましょう。
フレネルレンズシステムを採用し、より均一な光照射を実現
「Mars 3 Pro」の特徴1つが、COB (Chip on board) UV LEDとフレネルレンズの組み合わせによる、UV光の均一性向上です。
光造形3Dプリンターでは、レジンを硬化させるためのUVライトをいかに効率よくパネル全体に均一に照射させるかが重要になっています。フレネルレンズの採用によって、軽量・コンパクトなシステムながら92%の均一性(大きな数値です!)を実現しています。
レジン全面への均一な光照射により、優れたプリント精度となめらかな表面をもつ造形物が期待されます。
フレネルレンズについてはELEGOO Saturn 2 8Kの解説記事で解説しているのでご参照ください。
9H硬度のガラスプロテクタ採用で、モノクロスクリーンを強力に保護
「Mars 3 Pro」では、LCDを保護するガラスの硬度も強化されています。
「9H」は、9Hの鉛筆でこすっても表面にキズがつかないという、鉛筆硬度の一般的な最高の値です。この指標は数値が大きいほどひっかきキズに耐性があることを示しており、「9H」は「B」や「HB」よりはるかに硬い鉛筆です。BやHBの鉛筆を折った経験はあっても、9Hの鉛筆を折ったことはありませんよね?(そもそも9Hの鉛筆を使ったことがないかもしれませんが。。。)
目立ちにくいポイントですが、作業を繰り返すうちにうっかりスクリーンをキズつけてしまった!などという心配がほとんどないというのは嬉しいポイントですね。
こちらも「Saturn 4K」「Saturn S 4K」から「Saturn 2 8K」への改良ポイントと同様ですね。
空気清浄機を標準装備。イヤなレジン臭を軽減!
「Mars 3」では搭載されていなかった空気清浄機が標準搭載となっている点も注目です。本体から給電できるタイプなので充電不要です。
「Saturn S 4K」や「Saturn 2 8K」でも搭載されているように、最近のELEGOO光造形3Dプリンターでは標準搭載となっています。レジン臭は光造形3Dプリンターを家庭ではじめる際にネックとなるポイントなので、このような機能がスタンダードになるのはうれしいですね。
私自身、空気清浄機能のない「Mars 2」と空気清浄機能付きの「Saturn S 4K」の両方を使用していますが、その差は大きいです。換気は欠かせないものの、空気清浄機能が付いていることでかなりレジン臭に悩まされることが少なくなりました。
剥離性の高いPFAフィルムを採用
最後に紹介するのは、PFAフィルムの採用です。
「Mars 3」までのMarsシリーズでは、レジンバットの底部分におなじみのFEPフィルムが使用されていました。
PFAフィルムは剥離張力が弱く、プラットフォームがフィルムから離れる際に過剰な吸引が起こりません。これにより、小さなサポート材などの構造が壊れにくくなり、印刷精度が向上します。
ELEGOO Mars 3 Proのスペックを従来モデルと徹底比較!
ポイントを押さえたところで、「Mars 3 Pro」の詳細スペックを従来モデルと比較していきましょう。
「Mars 3 Pro」 vs. 「Mars 2 Pro」
まずは、「Mars 3 Pro」と「Mars 2 Pro」で比較してみましょう。
モデル名 | Mars 3 Pro | Mars 2 Pro |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 227 x 227 x 438.5 | 200 x 200 x 410 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 143.43 x 89.6 x 175 | 129 x 80 x 160 |
Z軸精度[mm] | 0.00125 | 0.00125 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.035 | 0.05 |
ピクセル数(XY) | 4098 x 2560 | 2560 x 1620 |
プリントスピード[mm/h] | 30-50 | 30-50 |
データ入力 | USB | USB |
本体重量[kg] | 5.5 | 6.2 |
スライスソフト | ChituBox | ChituBox |
その他 | 空気清浄機付き | 消臭機能付き |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
両者を比較してみると、「ピクセル数」と「ピクセルサイズ」の点で、「Mars 3 Pro」の優位性が際立っています。
- 4K(4098×2560)解像度でピクセル数が多い
- ピクセルサイズが小さく(0.035mm)、細かな表現が可能
若干価格は上がるものの、「Mars 3 Pro」にはそれを補って余りある魅力があると言って良いでしょう。
「Mars 3 Pro」 vs. 「Mars 3」
続いては、「Mars 3 Pro」と「Mars 3」のスペックを比較してみます。
モデル名 | Mars 3 Pro | Mars 3 |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 227 x 227 x 438.5 | 227 x 227 x 438.5 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 143.43 x 89.6 x 175 | 143.43 x 89.6 x 175 |
Z軸精度[mm] | 0.00125 | 0.00125 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.035 | 0.035 |
ピクセル数(XY) | 4098 x 2560 | 4098 x 2560 |
プリントスピード[mm/h] | 30-50 | (1.5-3s) |
データ入力 | USB | USB |
本体重量[kg] | 5.5 | 5.2 |
スライスソフト | ChituBox | ChituBox |
その他 | 空気清浄機付き | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
表からわかるように、造形サイズやピクセル数、解像度は「Mars 3」と「Mars 3 Pro」で変化はありません。どちらを選ぶか?の基準は、この記事で紹介した改良ポイントと価格、出品・在庫状況となるでしょう。
まとめ:堅実な性能向上を果たした「Mars 3 Pro」。価格と販売状況は?
均一性の高い光照射システムや高硬度ガラス、空気清浄機の搭載など、3Dプリント体験をより快適にする性能向上が見られた「Mars 3 Pro」。
「Mars 3」の優秀な基本性能はそのままに、堅実なアップグレートを果たしたという印象ですね!
2023年8月現在、Amazonから購入することが可能です。
気になる方はチェックしてみてください!