こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、2023年9月に発表された
Peopolyの最新FDM3Dプリンター「Magneto X」について徹底解説
していきます。
2016年の創業以来、光造形方式の3Dプリンター「Moaiシリーズ」や「Phenomシリーズ」、材料のレジンを展開してきたPeopoly。今回、満を持して発表した「Magneto X」は、同社初のFDM方式3Dプリンターです。
初のFDM3Dプリンターというだけでも注目が集まりますが、「Magneto X」にはそれを大きく上回る性能面の特徴が盛りだくさん。
「Peopolyって聞き慣れないけど、『Magneto X』ってどんな3Dプリンターなの?」
「普通のFDM方式3Dプリンターと何が違うの?」
という方のために、
について徹底解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
それでは見ていきましょう!
Peopoly「Magneto X」の特徴
まずは上記の公式YouTubeの紹介動画をご覧ください。約1分半で「Magneto X」の特徴をざっと把握することが可能です。
中〜高価格帯の家庭用3Dプリンターや産業用3Dプリンターで一般的な、密閉されたボックス形状の本体。「Ender-3」のような低価格帯の家庭用3Dプリンターによく見られる密閉なしのタイプとは、一味違う高級感を感じさせますね。
このボックスの中に隠された数々の最新テクノロジーに迫っていきましょう!
MagLevリニアモーター採用!ベルトやプーリーなしで800mm/sを実現!
「Magneto X」の1番の特徴は、
デスクトップ3Dプリンターとして初めてMagLevリニアモーターを採用し、超高速・高精度を実現
した点にあります。
MagLevとは、Magnetic levitation、つまり磁気浮上を意味する通称です。PeopolyはこれをX軸・Y軸に搭載し、「MagXYモーションシステム」として「Magneto X」に搭載しました。
一般にベルトやプーリーを用いることが多いXY軸を、このMagXYに置き換えることで、
という驚愕のスペックを実現しています。
さらに、
といったメリットも兼ね備えています。
充実の造形サイズ400×300×300mm³
さらに、造形サイズにも注目です。
「Magneto X」の造形サイズは400×300×300mm³。
これは、競合となりうるCreality「K1」「K1 Max」、Bambu Lab「X1-Carbon」「P1P」を上回る造形サイズです。
800mm/sという爆速スピードをもってすれば、大きめモデルのプリントとの相性もバッチリでしょう。
さらに、
が実装されており、サイズの大きいプリントにおいても精度の高いプリントが期待できます。
Klipper、カメラ、オートレベリング、PEI…の便利機能全部入り!
その他にも、「Magneto X」は欲しい機能がひと通り揃っています。
といった近年の3Dプリンターに広く搭載されている利便性の高い機能・仕様が不足なく採用されています。PeopolyがFDM3Dプリンター界のトレンドをしっかり押さえて乗り込んできたことが伺えますね。
注意点は、
である点です。日本においても、後述する標準価格に数万円上乗せの料金となることが予想されます。
「Magneto X」のスペック一覧表【競合機種との違いは?】
「Magneto X」の特徴についてしっかり理解できたところで、そのスペックを一覧で確認しておきましょう。
参考として、類似の高速3DプリンターであるCreality「K1」「K1 Max」、Bambu Lab「X1-Carbon」「P1P」のスペックを併記しています。
モデル名 | Magneto X | K1 | K1 Max | X1 Carbon | P1P |
---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | |||||
メーカー | Peopoly | Creality | Creality | Bambu Lab | Bambu Lab |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 550 x 610 x 700 | 355 x 355 x 480 | 435 x 462 x 526 | 389 x 389 x 457 | 386 x 389 x 458 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 400 x 300 x 300 | 220 x 220 x 250 | 300 x 300 x 300 | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 |
エクストルーダ | - | ダイレクト | ダイレクト | - | - |
プリントスピード[mm/s] | 800 | 600 | 600 | 500 | 500 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 130 | 100 | 120 | 120 | 100 |
組み立て | - | 組み立て済み | 組み立て済み | - | 組み立て済み |
プラットフォーム | 両面PEI | フレキシブル | フレキシブル | Flexible Steel Plate(Cool/Engineering) | 両面PEIプレート |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | オプション | ○ | ○ | ○ | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | ボタン式 |
デュアルZ軸 | ○(4軸) | × | × | - | - |
データ入力 | Wi-Fi | USB Wi-Fi | USB Ethernet Wi-Fi | Wi-Fi Bambu-Bus | Wi-Fi Bluetooth Bambu-Bus |
本体重量[kg] | - | 12.5 | 18 | 14.13 | 9.65 |
スライスソフト | Orca Slicer | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) |
その他 | カメラ搭載 | リモート制御機能 Lighting kit搭載 | リモート制御機能 AIカメラ搭載 AI LiDAR搭載 空気清浄機搭載 Lighting kit搭載 | LiDAR搭載 リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 活性炭フィルタ搭載 カメラ搭載 | リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 半自動ベルトテンショニング |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
競合機種と比べても、造形スピードと造形サイズが際立つ「Magneto X」。後発ということもあり、競合との差別化もバッチリといった印象です。
このあたりが選択のポイントになってくるのではないでしょうか?
注目の爆速3Dプリンター「Magneto X」。気になる価格と販売状況は?
今回は、Peopolyの注目3Dプリンター「Magneto X」の特徴について解説してきました。
磁気浮上システム「MagXY」を初搭載し、800mm/sという異次元の造形スピードに到達した「Magneto X」。
といったポイントに興味を惹かれた方は多いのではないでしょうか?
驚異のスペックを打ち出したPeopolyから、今後も目が離せませんね!
販売状況
公式ページによれば、「Magneto X」の出荷開始は11月中旬。
日本での流通はもう少し先になることが予想されます。
価格
「Magneto X」の本体価格は$1,999(予約販売価格:$1,399)です。
Bambu Lab「X1-Carbon Combo」の価格が$1,449であることを考えると、家庭用としても手の届かない価格ではないのかな?という印象です。
上述の通り、エンクロージャーはオプションで別料金となっています。
- エンクロージャー(サイド):$79.99(予約販売価格:$69.99)
- エンクロージャー(上面):$139.99 <