
こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Creality3D社CRシリーズのFDM方式3Dプリンターを徹底比較していきたいと思います。
Creality3D社はFDM・光造形方式の3Dプリンターを販売する企業です。FDM(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層)方式3Dプリンターとして、EnderシリーズやCRシリーズ、Sermoonシリーズを展開しています。
今回取り上げるCRシリーズは、CrealityのFDM3Dプリンターの中でも高い性能をもつモデルが多数存在します。低価格が特徴的なEnderシリーズとは一線を画していますね。
CRシリーズだけでも多くのモデルが存在するので、購入する際にはしっかり比較をしておきたいもの。そこで今回は、2023年現在のCreality CRシリーズの各モデルにどのような違いがあるのか徹底比較していきます。
それでは見ていきましょう!
Creality CRシリーズとは

はじめに、Creality CRシリーズとはどんな3Dプリンターなのか、その特徴について確認しておきましょう。
ポイントを簡単にまとめると以下の通りです。
- 低価格帯モデルよりもひとまわり高性能
- 低価格帯モデルよりもちょっとお高め
- 2色フィラメントモデルや、奥行方向無限大のベルトコンベア型モデルが存在
例えば、Ender-3シリーズの造形サイズは、ほとんどが幅・奥行きは22cm、高さは25〜27cm出会ったのに対し、CRシリーズはほとんどが幅・奥行き・高さのすべてが30cm以上です。オートレベリング機能もほぼ標準搭載となっています。
価格帯は5〜10万円程度です。Ender-3のようなもっとも安い価格帯よりはお値段が上がりますが、家庭用としても十分候補に入る価格帯ですね。
CRシリーズには、エントリーモデルでは物足りない方にぴったりの、ひとまわり高性能な3Dプリンターがそろっています。
【2023年版】Creality CRシリーズ一覧
まずは、各3Dプリンターのスペックを一覧表で見てみましょう。
モデル名 | CR-6 SE | CR-6 MAX | CR-10S Pro V2 | CR-10 Smart | CR-10 Smart Pro | CR-30 |
---|---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Creality | Creality | Creality | Creality | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 442 x 462 x 540 | 725 x 640 x 691 | - | 578 x 522 x 648 | 578 x 522 x 648 | 535 x 656 x 410 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 235 x 235 x 250 | 400 x 400 x 400 | 300 x 300 x 400 | 300 x 300 x 400 | 300 x 300 x 400 | 200 x ∞ x 170 |
エクストルーダ | ボーデン | ボーデン | ボーデン | ボーデン | ダイレクト | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | Max 100 | Max 180 | - | - | - | |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 | 260 | 300 | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 90 | 100 | 100 | 100 | 100 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 要組み立て |
プラットフォーム | カーボランダムガラス | カーボランダムガラス | - | カーボランダムガラス | PEIばね鋼 | コンベアベルト |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | - | - | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | - | - | ○ |
密閉 | × | × | × | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | ノブ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
データ入力 | SDカード USB | SDカード USB | SDカード オンライン | SDカード Wi-Fi | SDカード Wi-Fi Bluetooth | - |
本体重量[kg] | 9.5 | - | - | 14 | 13.6 | 16.5 |
スライスソフト | Creality Slicer Cura Repetier-Host simplify3D | - | Cura Repetier-Host simplify3D | Creality Slicer Cura | Creality Slicer Cura | Crealitybelt |
その他 | デュアルY軸 デュアルプルロッド | リモート制御機能 オートシャットダウン機能 デュアル斜め支柱 | リモート制御機能 AIカメラ搭載 LED搭載 デュアル斜め支柱 | |||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧にしてみると、各モデルの違いや共通点が見えてきますね。
すでに述べたように、造形サイズは幅・奥行き・高さのすべてが30cm以上のモデルがほとんどです。また、CR-10 Smart Pro以外のモデルはボーデン式の押出機が採用されています。
一方で、実勢価格は約5万円〜15万円弱と幅があります。CR-30のみ、造形サイズに「∞」の文字が見られるのも気になりますね。。。!
各モデルにどのような特徴があるのか、ここからは注目モデルについて詳細を確認していきましょう!
2色のフィラメントを使って3Dプリント!【CR-X Pro】
非常にユニークな特徴をもつ注目モデルCR-X Pro。
その特徴は、なんといっても2色のフィラメントを同時に使用してプリントできてしまう点です。

通常のFDM3Dプリンターでは、同時に使用できるフィラメントは1種類(1色)です。フィギュア用途など、カラフルなプリントを行いたい方にとってはかなり魅力的なモデルですね。
難点は、2022年5月時点で公式ページやAmazonにて在庫切れとなっていることです。在庫補充や後継機登場を待ちましょう。
クラウド印刷可能・AIカメラ搭載!【CR-10 Smart Pro】
続いてピックアップするのは、CR-10 Smart Pro。
ひとことで言えば、全部入りのFDM方式3Dプリンターです。
オートレベリングやPEIプラットフォーム、デュアルZ軸といった最近のミドルレンジモデルでは「基本装備」となっている機能はもちろんのこと、以下のような注目機能が搭載されています。
- Wi-Fi対応、クラウド連携リモートコントロール可能
- AIカメラによるリモート・リアルタイムのプリント状況チェック
- 暗い部屋でも安心の、意外と便利なLED照明
現状搭載できる機能は網羅しているのではないかという、まさに「全部入り」のモデルとなっています。
唯一の難点は、品薄で手に入りにくい状況となっていることです(2022年5月現在)。今後の在庫補充に期待しましょう。
2022年9月現在、Amazonにて購入が可能となっています!
CR-10 Smart Proが品薄のときは、Wi-Fi対応やCreality Cloudによるリモートコントロールに興味がある方は、旧モデルのCR-10 Smartの選択も検討しましょう。
造形サイズ・本体サイズは共通で、オプションとなる機能の必要性次第では十分選択肢に入ってきます。
CR-10 Smart Proがもつ特徴のうち、「AIカメラ」「ダイレクトドライブ」「PEIプラットフォーム」「LED照明」などは非対応なので、この点には注意しましょう。
CR-10 Smart
ベルトコンベアを採用した造形サイズ無限大モデル!【CR-30】

最後に紹介するのは、ベルトコンベアを採用した注目モデルのCR-30です。
「ベルトコンベア採用ってどういうこと??」と思われるかもしれません。CR-30は、造形の土台となる部分がベルトコンベア式になっており、時間の経過にともなって造形されたもの(部分)が次々と流れていくのです。

これにより、
- 奥行方向に長さがあるもの
- 同じ構造の連続プリント
が容易になるというメリットがあります。
中には実物大(?)とも言えるサイズのカッコいい剣を作ってしまう猛者もいるようですね。
ベルトコンベア式は他社製品にもなかなか見られないユニークなモデルです。通常の3Dプリンターでは作るのが難しい長さのあるものを作りたい方にとっては非常に有力な選択肢になるのではないでしょうか?
まとめ:高品質・ユニークな機能をもつCRシリーズを導入しよう

今回は、Creality3D社のFDM3DプリンターCRシリーズの3Dプリンターを徹底比較してきました。
2色フィラメントモデルや、奥行方向無限大のベルトコンベア型モデルなど、ユニークな機能をもつモデルが多数登場しましたね!
FDM方式3Dプリンターのエントリーモデルではちょっと物足りない、中級者におすすめのラインナップとなっています。
紹介した注目ポイントを参考に、あなたにぴったりのCRシリーズ3Dプリンターを選んでみてください!