こんにちは、管理人のウノケンです。
新機種リリースのなかった2024年を経て、待望のBambu Lab最新機種が登場しました。
その名も、Bambu Lab H2D。
ついにベールを脱いだH2Dについて、
公式情報をもとに整理して紹介していきます。
世界中の全3Dプリンターユーザーが待ちに待った1台を徹底解剖していきましょう!

Bambu Lab H2Dとは?

Bambu Lab H2Dは、3Dプリントに加えてレーザー加工・カッティングやペン描画までこなすオールインワンのパーソナル製造マシン。
デスクトップサイズでプロ仕様の機能を実現しており、「パーソナル・マニュファクチャリング(個人向けものづくり)の再発明」を掲げるBambu Lab社の新たなフラッグシップ機種に位置付けられています。
従来の「多機能だけどどれも中途半端」といったオールインワン機の常識を覆し、H2Dはどの機能も高いレベルで両立しているのが特長。
デュアルノズルによるマルチ素材対応の高速3Dプリント性能と、多彩な加工モジュールを備え、これ1台で試作から仕上げ加工まで完結できるため、クリエイターの創造力を存分に引き出してくれるでしょう。
Bambu Lab H2Dのリリース日・ラインナップ

Bambu Lab H2Dは2025年初頭から大きな注目を集め、2025年3月25日に遂に正式発表されました。
USストア等においては、一部モデルは発表直後から予約・注文が可能となっています。
ここではリリース時期の詳細と、日本国内での想定入手可能時期、そして選べるラインナップ(パッケージ構成)について紹介します。
2025年3月25日に待望のリリース
H2Dは2025年3月25日に公式ブログやストアで発表されました。
USストア等では発表と同時に「H2D AMS Combo」の注文受付が開始。
レーザー機能搭載モデルも同日より予約開始となり、4月末から出荷開始と案内されています。
一方、もっとも低コストで導入が可能となる「H2D(AMSなし)」は2025年6月から発売予定となっています。
日本で入手できるのはいつ?
2025年3月25日のグローバルリリース時点では、日本向けのオフィシャルストアでは「H2D」の販売ページは公開されていません。
日本向けにおいては、前機種「A1」のリリース時も同様の遅れが見られました。
H2Dに関しても、グローバル向けにはひと足遅れてのリリースとなる見込みです。
パッケージは複数パターンから選べる
H2Dはユーザーのニーズに合わせて複数のパッケージが用意されています。
等に応じて選択することができ、それぞれ含まれるオプションが異なります。
ラインナップの概要は以下の通りです。
H2D(3Dプリンター本体のみ)
大型造形対応の3Dプリンター本体のみのセット。
デュアルノズル搭載による高速・高精度な3Dプリント機能を備えます。
ビルドプレート、フィラメントホルダー、付属品一式が同梱。
発売時期 | 2025年6月予定 |
価格(リリース時点) | $1,899(約28.5万円) |
H2D AMS Combo
H2DにAMS 2 Pro(マルチカラーシステム)を追加したセット。
マルチカラー・マルチマテリアル造形をすぐに始められる構成です。
ビルドプレート、フィラメントホルダー、付属品一式+AMS 2 Proを同梱。
発売時期 | 2025年3月25日発売(国内未定) |
価格(リリース時点) | $2,199(約33万円) |
H2D Laser Full Combo (10W)
AMS Comboの内容に加え、10Wレーザーモジュールとカッティング用モジュール(ペンホルダー付属)、専用のレーザー保護フード付きプラットフォーム、カッティングマット、緊急停止ボタンをセットにしたフルパッケージ。
レーザー加工も含めて幅広い制作を楽しみたい上級ユーザー向けの仕様です。
発売時期 | 2025年4月発売予定(国内未定) |
価格(リリース時点) | $2,799(約42万円) |
H2D Laser Full Combo (40W)
10W版レーザーフルコンボを強化した最上位構成。
10Wモジュールの代わりにより高出力な40Wレーザーモジュールが付属する以外は、同じ内容がすべて含まれます。
価格は約52.5万円と高価ですが、個人向けとしては群を抜く加工性能を備えています。
発売時期 | 2025年4月発売予定(国内未定) |
価格(リリース時点) | $3,499(約52.5万円) |
なお、Laserフルコンボ版を後から追加購入できるレーザーアップグレードキット(10W/40W)も用意される予定で、スタンダードモデルから段階的に拡張することも可能です。
Bambu Lab H2Dの主な特徴・スペック

H2Dはデスクトップサイズながら産業機器に匹敵する高度な機能とスペックを備えています。
その特長は、大きく分けて造形性能と多機能性、そしてAIやセンサーを駆使した使い勝手の良さにあります。
ここからはH2Dの注目すべき主な特徴・スペックについて、項目ごとに詳しく見ていきましょう。
デュアルノズルによるマルチマテリアル・マルチカラー造形
H2D最大の特徴の一つが、デュアルノズル(デュアルエクストルーダー)機構によるマルチマテリアル対応です。
2つのノズルをヘッドに搭載し、自動で切り替えながら印刷することで、1回のプリントで異なる材料や色を組み合わせた造形が可能となっています。
例えば一方のノズルに水溶性サポート材をセットし、もう一方にメインの造形材をセットすれば、サポート除去が簡単な複雑造形を実現できます。
また柔軟素材と剛性素材、安価な素材と特殊素材など性質の異なるフィラメントを組み合わせて1つのモデルを造形するといったことも可能です。
さらに注目すべきは、2つのノズル間オフセット(位置ずれ)の自動補正技術です。
H2Dでは渦電流を利用した独自の非接触センサーによってデュアルノズルの位置ズレを毎回高速に測定・補正し、25μm以下の極めて高精度なアラインメントを実現しています。
これにより、2つのノズルでありながらまるで1つのノズルで印刷しているかのような継ぎ目のない仕上がりを得ることができます。
面倒な手動調整やキャリブレーションツールは一切不要で、ユーザーはデュアルノズルの恩恵を煩わしさなく享受できるようになっています。
350×320×325mmの大型造形&ハイエンド性能
H2Dはビルドボリューム(造形可能サイズ)も従来機種より大幅に拡大されました。
最大350×320×325 mmという広大な造形エリアを備え、大型モデルの一体造形も可能です。
デュアルノズル印刷時でも有効造形サイズは300 × 320 × 325 mmと十分な大きさがあり、2つのノズルを駆使しても大規模なプロジェクトを形にできます。
造形サイズだけでなく、造形スピードや精度もハイエンド仕様。
H2Dのヘッドは最大1000mm/秒の移動速度に対応し、実際の印刷でも600mm/秒の高速連続プリントを安定してこなせる設計になっています。
これを可能にしているのが、新開発の高流量ホットエンドと高性能エクストルーダーです。
ホットエンドは最高**350℃まで加熱可能なオールメタル構造で、カーボンファイバーやグラスファイバー強化フィラメントを含むエンジニアリング材料にも対応。
造形エリア全体を最大65℃に保温できるヒートチャンバー(加熱式密閉造形室)も搭載しており、高性能樹脂(ナイロン、ポリカーボネート、ABSなど)の反りや剥がれを抑えて造形品質を高めます。
さらに、モーション制御にはビジョン・エンコーダーと呼ばれる視覚式位置検出システムが導入され、工具ヘッドの位置精度を50μmという精密さで補正しています(別売)。
このモーション精度は従来比で一桁向上(10倍の精度)しており、複数部品を組み合わせるプロジェクトでも初回から組み合わせぴったりの寸法精度を実現します。
高速造形時の振動を低減するアクティブ・バイブレーション補正や、筐体底部のフローティング防振足など、安定した高速プリントのための工夫も満載。
総じてH2Dは、大型造形とハイスピード造形を高精度に両立させた、非常にパワフルな3Dプリンターと言えるでしょう。
多機能オールインワン:レーザー・ブレード切断・ペンプロット

H2Dが「単なる3Dプリンターの枠を超えたパーソナル製造ハブ」と称されるゆえんが、この多機能オールインワン設計です。
本体に取り付け可能なモジュールを交換することで、レーザー彫刻・カッティング(切断)やブレードカッター(刃物切断)、ペンプロッター描画など、様々な加工が行えます。
例えば、
と、たった1台で複数の製造工程を実行できます。
レーザー加工については、オプションで選べる10Wと40Wの高出力ブルーレーザーに対応しています。
標準の10Wレーザーでも厚さ5mm程度の木板をカット可能で、40W版では最大15mm厚の合板を一発で切断できる強力さ。
もちろんレーザー彫刻も可能で、木材、革、アクリル、紙など様々な素材に精細な刻印ができます。
H2D本体にはエアアシスト(空気吹き付け)ポンプが内蔵されており、レーザー照射部に高速のエアを当てることでススの発生を抑え、切断面を綺麗に仕上げることが可能です。
さらに、上部に搭載されたカメラ(BirdsEyeカメラ)と画像処理によるビジョンベースの位置合わせシステムを組み合わせ、素材の上でレーザー描画位置を±0.3mmの精度で自動調整することも可能。
これにより、例えば印刷物の上に正確に輪郭カットを合わせるといった高度な芸当も簡単です。
ブレードカッター(デジタルカッティング)機能では、シール用のビニールシートや紙、薄手の布などを精密にカット。
一般的な家庭用カッティングマシンと同等以上の精度でステッカーや切り絵を作成可能。
付属のペンホルダーを使えば、ペンプロッターとしてポスターボードに文字やイラストを描画することもできます。
これらの機能はそれぞれ専用機が市販されていますが、H2Dならツールヘッドを交換するだけで同じことが実現でき、スペースの節約やワークフロー効率化に大きく貢献します。
H2Dのレーザー版には安全面にも十分な配慮がなされています。
筐体前面の扉には特殊なレーザー安全窓が採用され、ゴーグルなしでも外部から安全に加工の様子を確認できます。
また、万が一に備えての安全機能も充実。
を備えています。
オプションでCO2消火器を組み込む自動消火システムも用意されており、レーザー加工を伴う場合でも家庭内で安心して使えるよう設計されています。
ライブ空間アラインメント・完全自動キャリブレーション
多機能マシンゆえに重要なのが、各機能間のシームレスな連携と使い勝手。
H2Dでは高度なカメラとソフトウェア技術によりライブ空間アラインメント(配置合わせ)とフルオートキャリブレーションを実現しています。
ライブ空間アラインメントとは、加工対象の実物に対してツールパス(加工経路)を狙った通りの位置に合わせ込む技術。
H2Dでは筐体天井部に設置されたBirdsEyeカメラが常時ワークエリアを俯瞰撮影し、画像認識によって素材の位置や傾きを検出します。
例えば、
など、まさに「見たままを、狙った通りに」加工できる環境を提供します。
これらは従来だと手作業で微調整が必要だった工程ですが、H2DならカメラとAIがすべて裏でやってくれるため、ユーザーはソフト上でデザイン配置するだけで狙い通りの位置に加工が施せます。
また、各機能に関するキャリブレーション(較正調整)もH2Dでは全自動化。
先述のデュアルノズルのオフセット自動補正もその一例ですが、その他にも造形用のプラットフォームの水平出し(ベッドレベリング)や、レーザー焦点のピント合わせ&素材厚み測定といった調整もワンタップで完了します。
特にレーザー加工では通常、素材ごとに焦点距離や最適パワーを手動設定する手間がありますが、H2D Laser Editionでは内蔵カメラとセンサーによるオートフォーカス&材料厚検出機能により、その手間が不要に。
材料に印刷されたQRコードを読み取って加工設定を自動適用するMaterial CodeSync機能も搭載し、メーカー純正の材料であればプリセットを自動ロードしてくれます。
要するに、H2Dは多機能でありながらユーザーの手間を極力省く設計が随所に盛り込まれているのです。
AMS 2 Pro & AMS HTによる多彩なフィラメント管理

Bambu LabといえばAMS(オートマチック・マテリアル・システム)によるマルチマテリアル対応でも知られていますが、H2DではこのAMSも第2世代(Gen2)へと進化。
新登場のAMS 2 ProおよびAMS HTは、従来モデル(AMS)からフィラメント供給の仕組みや乾燥機能が大幅に強化されており、H2Dのマルチカラー・マルチ材料造形を力強く支援します。
AMS 2 Proは汎用の複数フィラメント管理システムで、1ユニットで4本のフィラメントスプールを収納・給排出できます。
最大の改良点はフィラメント乾燥機能を内蔵したこと。
AMS 2 Pro内部には温風を循環させる電磁換気システムが組み込まれており、フィラメントを印刷中でない時は自動で気密密閉して湿度を遮断。
乾燥モード時には排湿して効率よく水分を飛ばすことができます。
これにより、長期間にわたってフィラメントを適切な乾燥状態で保管できるようになりました。
また、AMS 2 Proはフィラメント給排にブラシレスサーボモーターを採用し、前世代比でフィラメントのロード/アンロード速度が約60%高速化されています。
材料切り替えの時間が短縮され、4色印刷時の総プリント時間も短くなります(100回の材料交換につき平均10分短縮と試算)。
その他、フタを開けずに上面からチューブ経路にアクセスできるツールレスのフィラメント解除構造や、摩耗に強いセラミック素材のフィラメント入口パーツ採用など細かな改良も施されています。

AMS HTは、エンジニアリング材料向けに特化した1ロール対応の高性能モデルです。
最大の特徴はフィラメントを最高85℃で加熱乾燥できる点で、ナイロンやポリカーボネートといった高性能樹脂をしっかり乾燥させてから供給できます。
また、カーボン・グラスファイバー入りの剛性フィラメントや軟らかいTPUフィラメントをスムーズに送れるよう、フィード経路を簡略化したバイパス経路を備えているのもポイント。
これは従来AMSだと柔軟フィラメントがチューブ内で摩擦により詰まりやすかった問題を解決するもので、H2Dでは高性能フィラメントも滞りなく扱えるよう配慮されています。
なお、AMS 2 Proは最大4台、AMS HTは最大8台を接続可能。
外部スプールホルダーも合計すれば、最大25種類のフィラメントを自動切替で使用できます。
H2D AMS Combo/Laser Full ComboにはAMS 2 Proが標準付属しますが、必要に応じてAMS HTを追加購入し組み合わせて使うことも可能。
総じて第2世代AMSは、H2Dのマルチマテリアル造形を下支えする次世代フィラメント管理システムとして、信頼性・効率性が大幅に向上しています。
AI・センサーで安心な3Dプリント体験
H2Dは高性能なハードウェアだけでなく、36個ものセンサーと4基のAIカメラによる高度なモニタリング・制御機能を備えています。
これにより、ユーザーは常に安心してプリントに臨むことが可能に。
具体的には、以下のようなAI・センサー機能が搭載されています。
AIノズルカメラ監視
ノズル先端付近を拡大監視するマクロレンズ付きカメラがヘッドに内蔵されており、AIがフィラメントの押出状態をリアルタイム解析。
これにより、ノズル先端への樹脂だまり(ノズルクランプ)やエアプリント、プリントのほつれ(スパゲッティ現象)などを即座に検知し、異常時は一時停止するなど被害を最小限に抑えます。
従来は大失敗につながっていた造形トラブルも、H2Dなら早期に発見して対処できるため安心です。
プリント前AIチェック
プリント開始前には、チャンバー内カメラによるビルドプレート全面スキャンで異物混入や前ジョブからの残り物がないかを確認。
さらに、ツールの装着状態やノズル径・プレート種類がスライス設定と合致しているかをAIが検証します 。
この「プレフライトチェック」により、設定ミスや環境要因による失敗を事前に防ぐことができます 。
高度なフィラメントモニタリング
フィラメント経路上には合計15個ものセンサーが配置されており、フィラメントの送り速度・張力・先端位置・エクストルーダー温度・押出圧力といった5つの重要パラメータを常時モニターしています。
単なる有無の検知(いわゆるフィラメント切れセンサー)に留まらず、フィラメントの噛み込み不良やグラインド(削れ)、詰まりかけなども検知し、トラブル発生時にはすぐさま停止します。
この業界最先端のフィラメント挙動監視システムによって、深夜の長時間プリントや高価なフィラメント使用時でも安心して任せることができます。
ヘルスマネジメントシステム2.0
ヘルスマネジメントシステム(HMS)は、プリント中に何らかのエラーや問題が生じた際、その原因を特定してユーザーにフィードバックする自己診断機能。
多数のセンサーやカメラから得た情報をもとに、トラブルの所在を分析します。
問題箇所や対処法がディスプレイやアプリ上にコード付きで表示されるため、ユーザーは迅速に原因を突き止めて解決策を講じることができます。
高度化・複雑化した本機を安心して使いこなす上で、非常に心強い機能と言えるでしょう。
本体重量・外形寸法

大型化・高性能化に伴い、H2Dの本体サイズと重量は従来モデルより増加しています。
公式スペックによれば、本体の外形寸法は492 × 514 × 626 mm(幅×奥行×高さ)で、デスクトップ3Dプリンターとしてはかなり存在感のあるサイズ。
高さが約626mmなので、設置には上方の空きスペースも考慮する必要があります。
特にAMSユニットを上に載せる場合はさらに高さが増すため、設置箇所のクリアランスには注意しましょう。
そして、本体重量は約31kg。
一般的な家庭用3Dプリンター(5~15kg程度)と比べると格段に重い装置です。
通信機能
現代のスマート3Dプリンターらしく、H2Dは充実した通信機能を備えています。
基本的にはWi-Fi接続によるクラウド連携が可能で、専用のBambu LabアプリやPC用Bambu Studioソフトから、リモートでプリント開始・監視・停止といった操作を行えます。
またネットワーク対応のクラウドスライス機能も利用でき、どこからでもプリントジョブを送信可能です。
一方で、セキュリティやオフライン環境での利用を考慮し、完全オフラインモードにも対応。
インターネット未接続のローカル環境下でも、本体とPCを直接通信(ローカルネットワークまたはUSB経由)させることでプリントを実行可能です。
ファームウェア更新も手動で行えばネット不要で完結できるため、機密性の高いプロジェクトでも安心でしょう。
さらに上級者向けには、Developer Modeも用意されています。
このモードを有効にすると、MQTTプロトコルを介してH2Dと通信できるポートが開放され、サードパーティ製のシステムやソフトウェアと連携することが可能になります。
通信面でも、H2Dは汎用性と利便性を兼ね備えた柔軟な設計となっています。
Bambu Lab H2Dのメリットは?

先進的な機能をこれでもかと盛り込んだH2D。
1度そのメリットを整理しておきましょう。
1台で完結する多用途性
3Dプリントからレーザーカット、ペンプロットまで、H2D1台で複数の加工プロセスをこなせます。
別々の機械を揃える必要がなく、省スペースかつコスト効率に優れています。
異なる工程を組み合わせた作品作りも、機材間の段取りなしにシームレスに実行可能です。
デュアルノズルの生産性
2ノズルによるマルチマテリアル造形は、サポート材の活用や2色造形によって仕上がりの幅を広げます。
ノズル間オフセットの自動補正で品質も高く保たれ、シングルノズル+材料交換方式に比べパージ廃材の削減や時間短縮につながります。
プロトタイプの作成から機能的な多素材プリントまで、高い生産性を発揮してくれるでしょう。
高速・高精度な造形
最大1000mm/sのヘッド速度と350℃対応ホットエンド、65℃ヒートチャンバーを備えたH2Dは、大きなモデルでも短時間で精密に造形できます。
専用サーボ式エクストルーダーとビジョンエンコーダーによる制御で、寸法精度も工業レベル。
試作サイクルの短縮や大型造形の信頼性において大きなメリットがあるでしょう。
完全自動の調整・校正
面倒なプラットフォーム調整やノズルオフセット調整、焦点合わせ等をH2Dはすべて自動で実行。
初心者でも高度なデュアルノズル設定やレーザー設定に悩まされることなく使い始められ、経験者にとっても手間のかかる調整時間をゼロにできます。
スイッチ1つで最適化される手軽さは大きな利点です。
充実したセンサーと安全設計
36個のセンサーとAI機能がプリントを常時見守り、失敗やトラブルを未然に防いでくれます。
フィラメント切れやノズル詰まり、造形失敗も検知して自動停止するため長時間プリントも安心。
さらに難燃構造や炎センサー、自動消火オプションまで備え、安全面でも家庭で使いやすい配慮が行き届いています。
次世代AMSによる快適なマルチ素材運用
AMS 2 Pro/HTの高速な材料切替えとフィラメント自動乾燥機能は、頻繁な素材変更や長時間プリントで威力を発揮。
フィラメント管理の手間やトラブルが減り、最大25種類もの材料を組み合わせた創造的な造形にもスムーズに挑戦できます。
Bambu Lab H2Dのデメリットは?

実際に導入を検討する際にはそのデメリットを把握しておくことも大切です。
使用するユーザー目線で短所となりうるポイントを評価してみましょう。
価格が高い
H2Dはその最先端性能ゆえに価格もプレミアム帯。
H2D本体のみでも約28.5万円と、一般的な家庭用プリンターの数倍の投資が必要になります。
フル機能を備えたLaser Full Comboでは50万円を超える金額になると想定され、予算面で導入のハードルは高いでしょう。
本体サイズ・重量が大きい
前述の通りH2D本体は非常に大柄かつ重量級(31kg)で、設置スペースをしっかり確保する必要があります。
気軽に場所を移動できるサイズではなく、工作部屋やガレージなど専用の設置場所を用意できるユーザー向きでしょう。
オーバースペックの可能性
多機能・高性能ゆえに、使いこなすには一定の知識や経験が求められます。
初心者が家庭で使うには機能が豊富すぎて持て余すおそれも。
また、全機能をフル活用しない場合は宝の持ち腐れになる可能性もあります。
自分の用途に本当にこれだけの機能が必要か、見極めが必要でしょう。
部品交換やメンテナンス
デュアルノズルやレーザーモジュールなど可動部分・消耗部品が増えている分、メンテナンスの手間や交換コストもかかります。
例えば、ノズルが2つあることで交換やクリーニング頻度も増えるかもしれませんし、レーザー使用時には内部にススが蓄積することが想定されます。
運用には従来以上に適切なメンテナンスが求められるでしょう。
以上のように、H2Dは圧倒的なメリットを持つ一方、価格や設置環境、そしてユーザー側のスキルによってはデメリットも考慮すべき製品です。
ただしデメリットの多くは「高性能ゆえ」の裏返しとも言えます。
自分のニーズと照らし合わせて、H2Dがもたらすメリットがその投資に見合うかを判断すると良いでしょう。
Bambu Lab H2Dはどんな人におすすめ?

これだけの高機能を備えたH2Dは、すべてのユーザーに万能…というわけではありません。
公式にも「H2Dは高度なツール群を活用できる経験者、もしくは学習意欲のあるユーザーに最適」と案内されています。
では具体的に、どんな人にH2Dがおすすめなのでしょうか。
3Dプリントの中〜上級者
まず、3Dプリントの中〜上級者で「より高度な造形表現に挑戦したい」「プロトタイピングの精度を高めたい」という方にはうってつけです。
デュアルノズルでサポート除去性を向上したり、多色造形でデザイン性を追求したりと、従来機では難しかった表現が可能になります。
加えて、H2Dならではの高速&高精度印刷はプロダクトデザイナーやエンジニアにとって試作品製作の大幅な効率化につながります。
特に寸法精度が重要な機構部品や、大型モデルを作りたいケースではH2Dのスペックが真価を発揮するでしょう。
レーザー加工&カッティングも含めて制作したいクリエイター
また、レーザー加工やカッティングも含めてワンストップで制作したいというクリエイターやメーカー系ユーザーにもH2Dは最適。
例えばハンドメイド雑貨やモデルづくりで、3Dプリントしたパーツにレーザー刻印してオリジナリティを加えたり、ケースや台座を木材カットで製作して組み合わせたりと、複合加工プロジェクトが1台で完結します。
これまで外注に出していた工程を自前でできるようになるため、ものづくりの幅とスピードが飛躍的に向上します。
教育機関やファブ施設
さらに、教育機関やファブ施設にもH2Dは有用でしょう。
多用途な機能は限られたスペースや予算で多彩なデジタル工作体験を提供するのに適しています。
特にエンジニアリング系の学校では、3Dプリントからレーザー加工まで一通り学べる教材マシンとして活躍が期待できます。
反対に、3Dプリンタ初心者やライトユーザーにはH2Dはオーバースペックかもしれません。
まず価格面で手軽とは言えませんし、シンプルな造形を時々楽しみたい程度ならここまでの性能は不要でしょう。
そうした方にはBambu Labの普及モデル(P1SやA1 miniなど)の方が適しています。
H2Dは「攻めた」使い方をしたい意欲的なユーザーにこそおすすめのマシンと言えるでしょう。
まとめ:Bambu Lab H2Dで新時代のものづくりがはじまる!

Bambu Lab H2Dは、デュアルノズルによる多素材高速造形とレーザー・カッター機能まで統合した、まさに新時代のパーソナル製造ハブです。
その登場は、「一台で何でも作れる」という夢を現実に近づけ、従来のデスクトップ3Dプリンターの枠を大きく押し広げてくれるでしょう。
多機能でありながら各機能の完成度が高く、ユーザーに妥協を強いることがない点も特筆すべき。
もちろん高度なマシンゆえに扱いには相応の知見が伴う可能性もありますが、それを補って余りある創造性の解放をH2Dは約束してくれます。
これまで別々のマシンや業者任せだった工程が自宅で完結できることで、プロトタイピングのスピードアップや、個人クリエイターが生み出せる作品の多様性は飛躍的に向上するはず。
Bambu Lab H2Dは、そんなものづくりの新たな地平を切り開くキーマンとなるでしょう。
自分のデスクから「何でも作れる」未来を、H2Dとともにぜひ体験してみてください。
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