こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Bambu Labの初代3Dプリンター「X1-Carbon Combo」を実機レビュー
していきます。
「Bambu Lab X1-Carbon」
この名前を聞いて、高性能な家庭用3Dプリンターを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
2022年の登場以来、その実力で世界中のユーザーを魅了してきたフラッグシップモデルが、
され、今再び注目を集めています。
果たして、登場から数年を経てもなお、X1-Carbonは家庭用3Dプリンターの最前線で活躍できるマシンなのでしょうか?
今回、Bambu Labの国内代理店「サンステラ」様より実機をご提供いただき、その“現在地”を探るべく検証を敢行。
サードパーティアクセサリや世界中のBambuユーザーによる豊富なMODも引き続き登場中のX1-Carbonについて、2025年の最新版として徹底レビューを実施していきます。
「H2D」はちょっと手が届かない...「X1-Carbon」も検討してみようかな?
初代マシンの「X1-Carbon」、今でもオススメ機種なの?
といった興味・ギモンを抱いている人も多いのではないでしょうか?
実機の使用感・性能をチェックしつつ、H2DやP1Sといった他の人気機種との比較も交えながら、その実力を深堀りしていきましょう!
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実際の装置の動きを含めた、動画ならではの内容が盛りだくさんの解説をお楽しみください!
X1-Carbonとは? 基本情報&P1Sとの違い

家庭用3Dプリンター選びにおいて、Bambu Labの機種は世界中で有力な候補“筆頭”となっています。
その中でもX1-Carbonは、Bambu Labの初代フラッグシップモデルとして登場した記念すべきモデル。
ここでは、X1-Carbonの基本的な特徴とともに、よく比較検討されるP1Sとの違いに焦点を当てて、その立ち位置を明確にしていきましょう。
初代フラッグシップ!CoreXYとAI機能
Bambu Lab X1-Carbonは、同社の初代3Dプリンターとして2022年に登場したフラッグシップモデル。
本機の最大の特徴の1つが、最大20000 mm/s²の加速度を誇る高速CoreXY構造を採用しているところ。
これにより、非常に高速なプリントが可能となっています。
そして、ただ速いだけでなく、高品質な印刷も同時に実現。
光を用いたセンサーの1つであるLiDAR(後述)を採用し、7μmの解像度を実現しています。
LiDARは様々な用途で活用されており、例えばベッドレベリングに関しては、アナログ力センサーと連携するデュアル自動ベッドレベリングシステムにより精度が向上。
3Dプリントの信頼性を高めています。
さらに、LiDARセンサーを用いたAIによるファーストレイヤー検査機能も搭載されており、トラブルを未然に防ぎ、ユーザーが安心して他の作業に集中できる環境を提供します。
AI活用も積極的に行われており、フィラメントがグチャグチャになる頻出エラーであるスパゲッティエラーの検知機能も備えています。
これらの機能に加え、アクティブ振動補正(XY)と押出補正機能により、滑らかな仕上がりで高品質なプリントを実現します。
P1Sとの決定的な違い:LiDARとタッチパネル

Bambu Lab X1-Carbonと廉価版のP1Sは、CoreXY構造や筐体のサイズなど共通点が多く、比較検討されることが多い機種です。
しかし、その違いは決して小さくありません。
P1SとX1-Carbonの最も分かりやすい違いの一つが、プリントヘッドに搭載されているLiDARセンサーの有無です。
X1-CarbonはこのLiDARモジュール(赤外線レーザーやLED、カメラを搭載)を使ってさまざまな機能を実現しています。
具体的には、ベッドレベリングのサポートやフローキャリブレーションの実行、そして一層目のプリントに問題がないかの状態チェックに利用されます。
これにより、ユーザーはプリント開始後に一層目が終わるのを待つ必要がなくなり、安心して他の作業に集中できます。

もう一つの決定的な違いは、インターフェースの種類です。
P1Sの大きな欠点として指摘されることが多いのが、モノクロでボタン式のシンプルなインターフェースです。
一方、X1-Carbonはフルカラーのタッチパネルを搭載。
最新のファームウェアにアップデートすることで、このタッチパネルのユーザーインターフェース(UI)は、上位機種であるH2Dとほぼ共通のものとなります。
タッチパネルなので直感的で快適な操作が可能。
P1Sと比較して格段に使い勝手が向上しています。
これらのLiDARセンサーとタッチパネルの存在は、X1-CarbonがフラッグシップモデルとしてP1Sから差別化されている重要なポイントだと言えるでしょう。
カーボンファイバー対応の耐摩耗ノズル

「X1-Carbon」という名前が示す通り、カーボンファイバー(Carbon Fiber, CF)系やガラス繊維(Glass Fiber, GF)を含むフィラメントに対応している点もP1Sとは異なる大きな特徴です。
これらの繊維強化ポリマーは、造形物に高い強度や剛性、耐熱性などを付与できるため、機能部品や強度が必要なパーツの製作に活躍。
標準仕様のP1Sでは、これらの耐摩耗性の高い材料をプリントすることは推奨されていません。
これは、繊維によってノズルやドライブギアといった部品が摩耗しやすいためです。

X1-Carbonに標準で付属する0.4mmの焼入れスチールノズルも、この耐摩耗性に対応するためのもの。
P1S以上に幅広いエンジニアリング用途や、高強度な造形を必要とするプロジェクトに対応できるマシンとなっています。
実際に使って分かったX1-Carbonの「ココがすごい!」

Bambu Lab X1-Carbonは、その基本スペックだけを見ても非常に高性能なプリンターであることがわかりますが、実際に使ってみるとさらに多くの魅力に気づきます。
ここでは、実機検証を通して明らかになった、X1-Carbonの優れた点を具体的なプリント例とともにご紹介します。
ベンチマークで実証! 高速かつ高精度プリント
X1-CarbonのCoreXY構造と、それによる最大20000 mm/s²の加速度は、伊達ではありません。
その高速性と高精度を確かめるために、いくつかのベンチマークモデルをプリントしてみました。
まず、3Dプリンターの定番ベンチマークである3DBenchyをプリントしたところ、(キャリブレーション時間を除いて)約20分という短時間で完了。
プリント結果は、特に指摘する点がないほどの、美しい仕上がりでした。
もっとも有名なベンチマークモデルである3DBenchyを、高速かつ高品質にプリントすること。
X1-Carbonに限らず、Bambu Labの3Dプリンターではもはや当たり前となっています。

次に、より多くの構造の造形品質を確認できるFDMtestをプリントしました。
結果として、クリアランスのテストでは5ピンすべてが当たり前のように外れ、これもまた、取り立てて言及すべき点がないほどの仕上がりでした。
(強いて言えば、オーバーハングの一番上の15°がわずかに荒れ気味だった程度でしょうか。)
ビルドプレート全面にわたる第一層のプリントテストも実施。

ベッドレベリングや一層目の設定精度が重要となるテストですが、その結果は非常にキレイな仕上がり。
第一層に関しては、上位機種であるH2Dよりも完璧な印象すら受けました。
これらの結果は、X1-Carbonが公称スペック通りの高速かつ高精度なプリントを実現できることを示しているでしょう。

これらのテストを通して気付いた注意点は、その最大造形サイズ。
最大造形寸法は256 × 256 × 256 mm³と仕様にありますが、実際にプリントできるエリアにはP1Sと同様の制限があります。
最大サイズでスライスを実施するとエラーが発生し、左手前の白い領域(フィラメント切り替え時のカットに使用される領域)はプリントできないと表示されます。
さらに、X1-Carbonでフローキャリブレーションを実行する際には、プレート手前の領域に数本のパージラインが引かれます。
この領域に重なってもプリントできますがパージラインの上に乗り上げて第一層がプリントされることになります。
これらの理由から、正方形でプリントできる最大のXYサイズは、およそ237ミリ四方となることを覚えておく必要があるでしょう。
AMSで広がる! マルチカラー&By Object印刷

X1-Carbon Comboの大きな魅力は、付属するAMS(Automatic Material System)によるマルチカラー印刷です。
AMSを使用することで、標準4色・最大16色のフィラメントを切り替えてプリントすることが可能になります。
ここでは、マルチカラー機能を活かしたプリント例をいくつがご紹介。
まずは、Bambu Labが提供するモデリングツール「LightBoxMaker」を活用した、お店の看板のようなライトボックスモデル。
画像をアップロードするだけで簡単にモデルが作成できました。

スライス後のデータをプリンターに送信してプリントを開始すると、3時間足らずで、Age of 3DPのロゴが入ったモデルが完成。
このようなマルチカラーモデルであれば、4色のマルチカラープリントでも発生したゴミの量はごくわずかでした。

AMSの便利な活用法に、By Objectでのプリントがあります。
標準的なBy Layerでは、すべてのオブジェクトをまとめて、1層ずつプリントします。
一方のBy Objectでは、1つのオブジェクトのプリントが終わったら、次のオブジェクトを1層目からプリントしはじめます。
AMSを使えば、By Objectのプリントによって、異なる色を設定した複数オブジェクトのプリントが効率的に実行可能。
色ごとにオブジェクトを分けてプリントする場合に比べて、プリント開始前の準備時間(加熱など)が不要になり、総プリント時間を短縮することが可能です。
また、すべてのオブジェクトが完成してから一度にビルドプレートから取り外せるため、プリント品取り外し作業の回数も削減できます。
就寝前や外出前にプリントを開始すれば、次にプリンターの前に立ったときには複数色のオブジェクトがすべて仕上がっている。
そんな使い方が可能です。
By Objectは背の高いモデルのプリントは基本的に対応していませんが、最後の色だけは高さの制限がありません。
プリント設定時のTipsとして覚えておきましょう。
幅広い材料に対応!TPU/ABS/ASA/PC/PPAもOK!

X1-Carbonは、非常に幅広い種類のフィラメントに対応している点も大きな強みです。
特にカーボンファイバーやガラスファイバー強化ポリマーへの対応に強みをもっています。
その他、オープンタイプでは反りやすい傾向にあるABSやASA、そしてポリカーボネート(PC)といった材料でも安定してプリントすることが可能。
X1-Carbonにチャンバー加熱機能はありませんが、箱型のエンクロージャー構造により内部がある程度保温されるため、上記のような材料でも反りや積層割れが少ない傾向にあります。
実際、ベッドを90〜100℃に加熱するだけでも、チャンバー温度は50℃に到達(室温28℃)。
反りが懸念されるABSやPCでも、反り返ってしまうようなこともなくキレイにすることができました。

ABSに似て反りが気になるASAも、X1-Carbonの密閉構造のおかげで非常にキレイに仕上がりました。

TPUのような柔らかいフィラメントもプリント可能。
AMSでの使用は推奨されていませんが、外部スプールホルダー等からの供給であれば問題なくプリントすることができました。
上記のサッカーボールはプリントエリアをフル活用したサイズ感。
プリントには35時間ほどかかりました。


(3Dモデル自体も含め)その仕上がりは素晴らしく、普通に蹴って遊べる実用的ボールが完成。
TPUは柔らかく、蹴っても形がしっかり戻る特性があります。
はずみ具合の再現が難しいエアレスバスケットボール等よりも、エアレスサッカーボールはTPUが活躍できる用途かもしれません。
ただし、TPUのプリントでは、サポート材が非常に剥がしにくい場合があります。
この点は、TPUプリント時にPLAをサポート材として使用しやすいデュアルノズル機種「H2D」の方が一枚上手だと言えるでしょう。

さらに、P1Sよりも対応範囲が広いX1-Carbonの特徴である、CF/GF系材料のプリント例もご紹介。
PETG-CFを使ったパーツは、マットな質感が良く、力のかかる用途でも頑丈に対応してくれます。

また、SIRAYA TechのPPA-CF Coreという材料でも、高温に耐える乾燥剤ケースをプリントしてみました。
こちらはノズル摩耗を抑えつつZ軸方向の密着性を高める効果が期待できる、ちょっと特殊なコアシェル構造のフィラメントとのこと。
PPA-CFは耐熱性が高いこともあり、プリント時のノズル温度にも高いものが求められます。
今回はX1-Carbonのノズル最高温度である300℃でのプリントが必要でしたが、高いクオリティでプリントを完了させることができました。
チャンバー保温と高いノズル最高温度を備えるX1-Carbonは、このような高機能材料に対応できる点も大きな強みでしょう。
ユーザーを強力にサポートするエコシステム

市場には、一見類似する機種も多く登場しつつあるBambu Lab X1-Carbon。
他社製品と一線を画す魅力のひとつが、その充実したエコシステムです。
高性能なプリンター本体だけでなく、その周辺環境が非常に良く整っている点が、多くのユーザーに支持される理由の1つとなっています。
エコシステムとしてはいろいろな観点がありますが、例えば、Bambu Lab純正フィラメントの種類が非常に豊富です。
AMSのようなマルチカラーシステムでは、フィラメントに搭載されたRFIDタグによって種類や色を自動認識する機能が一般的。
現状、各社のAMS(とその類似供給システム)では、純正フィラメントでないとその読み取り機能が使えない場合がほとんど。
そのため、メーカーが提供するフィラメントの種類が多いほど、AMSの恩恵を最大限に受けることが可能です。
Bambu Labはマルチカラーの先行者ということもあり、その種類が豊富で、かつ続々と新しいフィラメントを追加中。
その種類は他社を圧倒しています。

フィラメントだけでなく、プリンターの運用に必要な各種パーツや消耗品の入手性が高い点も見逃せません。
サンステラのような国内正規代理店経由で購入できる体制が整っているため、
あのパーツがほしい!
と思ったときに、ユーザーは気軽に部品を調達することが可能です。
また、Bambu Labのプリンターは世界中で多くのユーザーに支持されているため、自社運営の3Dモデル共有サイト「MakerWorld」が非常に充実しています。
MakerWorldには数多くの3Dデータがアップロードされていますが、ただデータが置かれているだけでなく、多くの場合、Bambu Labプリンター向けに最適化されたプリント設定も共有されています。
気に入ったモデルを見つけたら、ダウンロードしてすぐにプリントを開始できるという利便性を享受できるようになっています。

さらに、Bambu Labは、Light Box Makerのようなオリジナルのモデリングツールもすでに10個以上リリースしており(2025年6月時点)、ユーザーの創造活動を支援しています。
専用のスライスソフトであるBambu Studioも、バグが少なめで使いやすい印象があり、余計なイライラが少ないです。
このような、マルチカラー3Dプリンターを活用する上で必要な周辺環境が包括的に整備されている点は、Bambu Labがマルチカラー分野の先行者として他社を圧倒しているのが現状と言っても過言ではないでしょう。
エコシステムの充実は、X1-Carbonの性能・使い勝手をさらに引き上げ、ユーザー体験全体を向上させています。
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ぶっちゃけレビュー:X1-Carbonの注意点・気になった点

Bambu Lab X1-Carbonは多くの素晴らしい特徴を持つ一方で、使用する上での注意点や、他の最新機種と比較して少し気になった点も存在します。
ここでは、実機を使ったレビューで明らかになったX1-Carbonの正直な評価をお伝えします。
AMSとカーボンファイバー系・ガラス繊維系フィラメントの相性
X1-Carbonは摩耗性の高いフィラメントに対応しているのが特徴というのはすでに述べた通り。
ところが、AMSとの併用については注意が必要です。
X1-Carbon自体はギアやホットエンドの仕様上CF/GF系フィラメントに対応しているものの、AMSとの相性は決死て良くありません。
実際に、Bambu純正以外の一般的なCF系フィラメントをAMSで使用しようとすると、プリンターのインターフェース上に「CFフィラメントは折れやすいため、AMSでの使用は取り扱い注意」といった警告が表示されます。

カーボンファイバーなどが含まれるフィラメントは非常に硬いです。
そのため、複雑な経路を通るAMS内部では、フィラメントが折れてしまうことも少なくありません。
また、フィラメントを頻繁に出し入れする機構のAMSでは、フィラメントチューブ内をフィラメントが往復する際に、硬いCF/GF系フィラメントがチューブ内部をゴリゴリと摩耗させてしまいます。
AMS部品の劣化を早めることにもつながり、可能な限りCF・GF系材料をAMSでは使わないようにするべきでしょう。
ハード面の設計は少し旧世代感あり(ホットエンド/LED/ワイパー等)

2022年にリリースされたBambu Lab X1-Carbonは、その後のA1シリーズや最新のH2Dといった機種が登場する前に設計されたもの。
ハードウェアの設計において、最新モデルと比較するとわずかながら旧世代感が見られる部分があります。
最も気になる点の1つは、ホットエンドの交換手順。
X1-Carbonでホットエンドを交換する際には、ネジや配線を外したり、冷却ファンを取り外したりといった複数の工程が必要となります。
これに対し、A1シリーズやH2Dではホットエンドがクイックスワップ設計。
素手で簡単に取り替えられるようになっているため、この点でX1-Carbonは少し手間がかかると言えます。

その他にも、例えば、プリントエリアを照らすLEDが少し暗いと感じられます。
また、ノズルをクリーニングするためのノズルワイパーが比較的簡易的なタイプである点も、ノズル周りの汚れを取り除くには少々心もとないです。
最近ではコスパ機種でもブラシタイプが主流になっているため、この点に物足りなさを感じる方は少なくないでしょう。

さらに、プリンター正面の扉が中途半端な角度(100°程度)までしか開かない点も使いにくさを感じました。
PLAのように扉を開放してプリントする材料を頻繁に使用する場合には、うっかりぶつからないように注意する必要があります。
ちなみに、最新の上位機種「H2D」では、180°フルオープンすることが可能です。
モニタリング・通信の応答性

もう1つ気になった点として、モニタリングや通信の応答性が若干弱いことが挙げられます。
パソコンからプリンターの状態をモニタリングする際の画面は、少しカクカクしており、遅延が大きい印象。
また、タイムラプス動画をダウンロードする際にも、時間がかかったり、エラーが発生することが少なくありませんでした。
これらの現象が、使用している通信環境による可能性も完全に否定はできません。
しかし、同じ部屋に設置して使用した上位機種のH2Dでは、モニタリングが非常にスムーズで、タイムラプスデータのダウンロードも高速かつ問題なくできています。
このことから、X1-Carbonにおける応答性の違いは、プリンター本体の処理性能やスペック上の違いによるものでしょう。
上位機種であるH2Dとの比較になるため、一概にX1-Carbonが劣っているとは言えませんが、使用感の違いとして把握しておくべきポイントだと言えるでしょう。
特に、頻繁にプリンターの状態をチェックしたい場合や、通信におけるイライラを感じたくないユーザーにとっては、留意すべき点かもしれません。
X1-Carbonをもっと強化! おすすめアップグレードを紹介

Bambu Lab X1-Carbonは、2022年の登場から数年が経過しています。
最新機種と比べると劣る面があるのでは?
と侮ることなかれ。
その世界的な人気もあり、X1-Carbonの性能をさらに向上させたり、弱点を補ったりするための様々なアップグレード手段が登場しています。
ここでは、X1-Carbonのポテンシャルをさらに引き出すためのおすすめアップグレードを3点ご紹介します。
最新AMS 2 Pro対応でフィラメント乾燥&性能向上

2025年5月に、X1-Carbonは最新のマルチマテリアルシステム「AMS 2 Pro」に対応。
AMS 2 ProはH2Dと同時にリリースされた新しいAMSで、従来のAMSから様々な点が改善されています。
フィラメント供給速度やメンテナンス性が向上しているだけでなく、最大の目玉機能としてフィラメントを加熱して乾燥させることが可能に。
フィラメントの吸湿はプリント品質に大きな影響を与えるため、この機能は非常に有用です。
ハード面の弱点を補うサードパーティ製アクセサリ

上述のX1-Carbonがもつハードウェア面における「旧世代感」は、サードパーティ製のアクセサリによって解決できるものが多いです。
Bambu Labプリンターが世界中で人気がありユーザーも多いことから、BIQU PandaシリーズのようなX1-Carbonの弱点を補うための製品が続々と登場しています。


例えば、ホットエンドの交換の手間が気になっていたユーザーにとって朗報なのが、Panda Revoです。
流量向上といったホットエンドとしてのメリットに加え、課題であったノズル交換の手間も削減されるのです。
一度このPanda Revoに交換してしまえば、それ以降はノズルを素手で回すだけで簡単に取り替えられるようになるというスグレモノ。
X1-CarbonやP1Sのホットエンド交換ストレスを大きく軽減できるでしょう。

また、純正LEDの暗さが気になっている場合は、Panda Luxを使うことで、プリントエリアを明るく照らすことが可能。
ノズルワイパーが簡易的な点についても、Panda Brushに置き換えることで、ノズルクリーニングの性能を向上させることができます。
これらのサードパーティ製パーツは、X1-Carbonの気になる点を比較的大きなコストをかけずに(各1,000円前後)解消してくれる優れた相棒となるでしょう。
ユーザーコミュニティ発の便利MOD

Bambu Labの3Dプリンターは、その人気の高さゆえにユーザーコミュニティが非常に活発です。
世界中のユーザーが、3Dプリンターの使い勝手を向上させるための様々な改良モデル(MOD)を考案し、3Dプリント可能なデータとして共有しています。
これらのユーザー発MODを活用することも、X1-Carbonをさらに強化する実用的な手段となっています。
上の画像は一例で、「AMS Flipper」というMOD。
X1-Carbonは本体の上にAMSを載せて使用するのが標準的なスタイルですが、メンテナンス時などにAMSを一時的に移動させたり、本体の上のフタを開けたりしたいケースが少なくありません。
AMSをいちいち持ち上げたり降ろしたりするのは手間ですが、このAMS Flipperで本体とAMSを接続してあげれば、手軽に後ろにフリップ(跳ね上げ)させることができるようになります。
これにより、プリンター本体の上部やプリントヘッド周りへのアクセスが格段に容易になり、メンテナンス性が向上。
さらに、別のクリエイターがデータ作成した専用のハンドルを組み合わせることもできるなど、一般ユーザーによる3Dプリンターの“改造”は決して侮れない存在感を放っています。
ユーザー発の便利MODはMakerWorldで多数公開されており、多くのユーザーがその恩恵を受けています。
\精密マシンの購入はサポートも重要!/
Bambu Lab最新機種は安心の国内代理店「サンステラ」で!
まとめ:結局X1-Carbonはどんな人におすすめ?

Bambu Lab X1-Carbon Comboの実機検証を通して、その性能、使い勝手、そしてエコシステムの充実度を確認してきました。
登場から数年を経てもなお、このマシンは家庭用3Dプリンターとして最上級の性能と品質をもつことがよく理解できたのではないでしょうか?
高速かつ高精度なプリント、AMSによるマルチカラー・多素材対応、幅広いフィラメントへの適合性など、その基本性能の高さには疑う余地がありません。
Bambuのエコシステムをフル活用し、家庭用最高峰のマシンでプリントしたい!
という方にとっては、今なお最適な選択肢だと言えるでしょう。
競合他社からも類似の機種が後を追うようにして登場していますが、純正フィラメントの豊富さやMakerWorld・Bambu Studioにサポートされるエコシステムも非常に強力で、これがX1-Carbonの価値をさらに高めています。
サイズや構造の点で共通点の多い「P1S」や、大幅パワーアップした最新機種「H2D」についてもAge of 3DPのレビューをしっかりチェックしたうえで、ぜひX1-Carbonの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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