こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、AnycubicのFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンター全モデルを徹底比較していきます。
Anycubicは光造形方式の3Dプリンターも販売する家庭用3Dプリンターの有名企業です。FDM方式3Dプリンターとしては「Megaシリーズ」や「4Max Pro 2.0」、「Vyper」など多数のラインナップを展開してきました。2022年からは「Kobraシリーズ」を続々発表し、その高いコスパから人気を博しています。
この記事では、多数の機種を展開してきたAnycubicのFDM3Dプリンターについて徹底解説していきます。各機種・シリーズにどのような特徴があるのか詳しく解説しているので、購入する際の参考にしてみてください!
それでは見ていきましょう!
【2024年版】Anycubic FDM方式3Dプリンター一覧
まずはじめに、AnycubicのFDM方式3Dプリンターを1つ1つ確認していきましょう。見やすいように、「Kobraシリーズ」と「Kobra 2シリーズ」、「その他」で分けています。
「Kobraシリーズ」一覧
モデル名 | Kobra | Kobra Go | Kobra Neo | Kobra Plus | Kobra Max |
---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | |||||
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 430 x 486 x 486 | 445 x 443 x 490 | 445 x 443 x 490 | 560 x 546 x 605 | 715 x 665 x 720 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 300 x 300 x 350 | 400 x 400 x 450 |
エクストルーダ | ダイレクト | ボーデン | ダイレクト | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 110 | 110 | 100 | 90 |
組み立て | 半組み立て済 | 要組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | カーボランダムガラス | カーボランダムガラス |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | × | × | × | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | ノブ式 | ノブ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | × | × | × | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード | SDカード | SDカード | SDカード | SDカード |
本体重量[kg] | 7.5 | 7 | - | 11 | 16 |
スライスソフト | Cura Repetier-Host simplify3D | - | Cura | Cura Repetier-Host simplify3D | Cura Repetier-Host simplify3D |
その他 | デュアル斜め支柱 | ||||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
「Kobra 2シリーズ」一覧
モデル名 | Kobra 2 | Kobra 2 Neo | Kobra 2 Pro | Kobra 2 Plus | Kobra 2 Max |
---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | |||||
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 440 x 435 x 486 | 440 x 440 x 485 | 435 x 463 x 486 | 605 x 564 x 630 | 735 x 640 x 740 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 320 x 320 x 400 | 420 x 420 x 500 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 300 | 250 | 500 | 500 | 500 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 110 | 110 | 90 | 90 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | ノブ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | microSDカード | microSDカード | USB Anycubic APP | USB Anycubic APP | USB Anycubic APP |
本体重量[kg] | 8.4 | 7.3 | 8.4 | 13 | 21 |
スライスソフト | AnycubicSlicer PrusaSlicer Cura | AnycubicSlicer PrusaSlicer Cura | AnycubicSlicer PrusaSlicer Cura | AnycubicSlicer PrusaSlicer Cura | AnycubicSlicer PrusaSlicer Cura |
その他 | 最大プリントスピードはファームウェアアップデート後の値 | 内部ストレージ(8GB) アプリコントロール対応 | 内部ストレージ(8GB) アプリコントロール対応 ダブルモーターデュアルZ軸 | 内部ストレージ(8GB) アプリコントロール対応 ダブルモーターデュアルZ軸 | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
その他(Megaシリーズ/Vyper)
モデル名 | Mega S | Mega X | Vyper |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 405 x 410 x 453 | 500 x 500 x 553 | 508 x 457 x 516 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 210 x 210 x 205 | 300 x 300 x 305 | 245 x 245 x 260 |
エクストルーダ | ボーデン | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 | 100 | 180 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 250 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 90 | 110 |
組み立て | 半組み立て済 | 要組み立て | 要組み立て |
プラットフォーム | - | - | ばね鋼 |
オートレベリング | × | × | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | × | × |
停電時自動回復印刷 | ○ | × | ○ |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード | SDカード | SDカード |
本体重量[kg] | 11 | 19 | 10 |
スライスソフト | Cura | Cura | Cura |
その他 | デュアルY軸 | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※公式サイトでSold outとなっているMega Zero/Mega Zero 2.0/i3 Mega/4Max Pro/Chironなどは除外しています。
Anycubic FDM方式3Dプリンターシリーズの特徴
ここからは、AnycubicのFDM3Dプリンター各シリーズ・機種の特徴について確認していきましょう。
Kobraシリーズ
2023年、AnycubicのFDM3Dプリンターとして新たに登場した「Kobraシリーズ」。2万円台前半で購入可能な「Kobra Go」を含むすべての機種がLeviQと呼ばれるオートレベリング機能を搭載している優秀なシリーズです。
発表当初は「Kobra」「Kobra Max」の2種でした。その後「Kobra Plus」「Kobra Go」「Kobra Neo」の3機種が順次発表され、現在では全5機種のラインナップとなっています。(2023年1月時点)
「Kobraシリーズ」は、AnycubicのFDM3Dプリンターにおける現在の主流です。機能・価格の面で、後述する同社のどの旧シリーズよりも洗練されています。今からAnycubicのFDM3Dプリンターを選ぶのであれば、「Kobraシリーズ」から選択すべきでしょう。
すでに5機種が登場していることもあり、「Kobraシリーズ」だけでも造形サイズやエクストルーダの種類、組み立ての要否といった選択肢が多数存在します。自身の予算や組み立ての慣れ、3Dプリントしたいモノのサイズなどに応じて、好みの機種を選ぶと良いでしょう。
詳しくは、「Kobraシリーズ」について解説した以下の記事をご覧ください。各機種の詳細や選択のポイントについて徹底解説しています。
Kobra 2シリーズ
2023年、「Kobraシリーズ」が「超高速」になって帰ってきました。
それが「Kobra 2シリーズ」です。
スタンダードモデルである「Kobra 2」のみ先立ってリリースされ、販売当初はAmazonでも品薄状態が続くなど、すでに人気のFDM3Dプリンターとなっています。
そして、2023年8月末に一挙4機種が公開。最大500mm/sのプリントスピードが魅力のラインナップとなっています。
現時点では、造形サイズや最大プリントスピードの異なる全5機種からなる「Kobra 2シリーズ」。後発の4機種は9月中旬以降日本でも発売されることになるでしょう。
詳しくは、「Kobra 2シリーズ」について解説した以下の記事をご覧ください。各機種の詳細や選択のポイントについて徹底解説しています。
Vyper
「Vyper」は、「Kobraシリーズ」以外のFDM3Dプリンターとして唯一販売が続いている3Dプリンターです(2023年9月時点)。「Vyper」に派生機種は存在せず、シリーズは1種のみです。
「Vyper」の特徴は、オートレベリング機能と2軸モータの安定性です。
「Vyper」のオートレベリング機能は、プラットフォーム(ヒートベッド)上の16点の平坦性を取得し、自動的に補正を行ってくれます。再現性の高い3Dプリントをサポートしてくれる非常に便利な機能ですね。
ちなみに、Anycubicのラインナップでオートレベリング機能を搭載しているのは、「Vyper」と「Kobraシリーズ」のみとなっています。
Megaシリーズ
Megaシリーズは、かつてAnycubicにおけるFDMの主要ラインナップでした。現在ではそのすべてが公式ページにおいて「Sold Out」となっており、日本のAmazonや楽天においても販売が終了されています。(2023年1月時点)
どのような機種だったのか、代表的な3機種について取り上げます。
Mega S
「Mega S」の特徴はその価格。
AnycubicのFDM方式3Dプリンターの中では最安の2万円台で販売されていました。他社の最安クラスの3Dプリンターと比較しても同等の価格帯ですね。
Mega X
「Mega X」の特徴は、その造形サイズ。
スタンダードな低価格帯のFDM方式3Dプリンターは、幅・奥行き・高さがそれぞれ20cm台であるのに対し、「Mega X」は造形サイズ(幅×奥行き×高さ)が30.0cm×30.0cm×30.5cm。各辺10cm近く大きいモデルを造形することが可能で、2軸モータ採用による安定性もポイントでした。
Mega Pro
前面に"P"の文字が刻まれている「Mega Pro」。
レーザ彫刻機能を搭載しており、1台で3Dプリントとレーザ彫刻の両方をこなせる一風変わった3Dプリンターでした。
その他
すでに販売が終了している機種として、「4Maxシリーズ」や「Chiron」、「Predator」「Kossel Plus」といった多数の機種が存在していました。
中でも「4Maxシリーズ」は、Anycubicで唯一の密閉式FDM3Dプリンターで、後継モデルの登場が期待されます。現時点でシリーズ最後となる「4Max Pro 2.0」について振り返っておきましょう。
4Max Pro 2.0
「4Max Pro 2.0」は組み立て不要・密閉モデルです。保温性や安全面、開梱からすぐにプリントできるという点で優れた3Dプリンターでした。
家庭で使用するとなると、子どもが3Dプリンターにうっかり手を触れてしまう危険性があります。3Dプリンターの導入に対して家族の理解を得るためにも、「4Max Pro 2.0」のような密閉式の3Dプリンターはうれしい存在です。
価格に関しても優秀で、他社の密閉式(組み立て不要、デスクトップ式)3Dプリンターと比較しても最安クラスでした(5万円弱)。
【まとめ】Kobraシリーズが現在の主流。ラインナップも超充実。
今回は、Anycubicの人気FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンター全モデルを徹底比較してきました。
日本で購入可能なAnycubicのFDM3Dプリンター全モデルの特徴・価格について一気に把握することができましたね。
2022年から、AnycubicにおけるFDM3DプリンターのメインはKobraシリーズとなりました。すでに「Kobra 2シリーズ」までリリースされています。今後どんな新機種が登場するか楽しみですね!
最新情報が発表され次第、随時更新していきたいと思います!