こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、2022年3月末に発表されたAnycubic社の最新家庭用光造形3DプリンターPhoton M3について解説していきたいと思います。
Anycubic社は家庭用3Dプリンターの有名企業で、光造形方式のPhoton Monoシリーズ、FDM方式のMegaシリーズでその名を知る方も多いでしょう。
本記事では、光造形方式のPhoton M3シリーズについて徹底解説していきます。果たしてPhoton M3シリーズはPhoton Mono 4Kのような従来モデルとどのような違いがあるのでしょうか?
装置スペックも比較しているので、ぜひ購入の際には参考にしてみてください!
それでは見ていきましょう!
Photon M3シリーズの特徴は?
M3/M3 Plus/M3 Premium/M3 Maxの4種類
Anycubic Photon M3シリーズは、初登場時に同時発表されたM3/M3 Plus/M3 Maxの3モデルに加え、M3 Premiumを含めた4種類が存在します。
エントリーモデルの【Photon M3】
Anycubic Photon M3は、M3シリーズの中でもエントリーモデルの位置づけです。
エントリーモデルとはいえ、7.6インチの4K+モノクロLCDを備えています。家庭用光造形3Dプリンターにおいて、もはや4K以上は当たり前になってきましたね。
造形サイズ(幅×奥行き×高さ)は16.4×10.2×18.0 cmということで、従来モデルと比較してもコンパクトな印象です。
プリントサポート機能満載の【Photon M3 Plus】
Anycubic Photon M3 Plusは、M3シリーズの中位モデルです。
エントリーモデルのM3に比べて高解像度(9.25インチ6KモノクロLCD)で、さらにはレジン補充機能(Anycubic Auto Resin Filler)やリモート制御機能(Anycubic Cloud)が搭載されています。
8K解像度の最新モデル【Photon M3 Premium】
Anycubic Photon M3 Premiumは、M3シリーズの最新モデルです。ピクセルサイズ28.5um、8K解像度はM3シリーズ最大解像度となっています。
その他の特徴として、
- 特許取得済の照明技術「LightTurbo 2.0」搭載によるUV光均一性向上
- Z方向の精度向上0.010mm→0.005mm
- 空気清浄機2台搭載
- リモート制御機能(Anycubic Cloud)搭載
圧倒的高解像度だけじゃない、3Dプリンターをより便利に使うための機能が盛りだくさんの注目モデルです。
SK本舗にて予約販売が開始しています!
7K解像度!大型造形可能な【Photon M3 Max】
Anycubic Photon M3 Maxは、M3シリーズの最上位モデルです。
13.6インチの7KモノクロLCDは、6480×3600ピクセルの超高解像度。
造形サイズ(幅×奥行き×高さ)はなんと29.8×16.4×30.0 cmです。
従来モデルの最上位機種Photon Mono X 6K(造形サイズ197×122×245 cm)と比べて、ひと回りもふた回りも大型化しています!
また、M3 Plus同様、レジン補充機能が搭載されています。
造形のクオリティとプリントの利便性を兼ね備えた優秀モデルと言えそうですね!
プリント精度と速度が向上!
紹介した3つのモデルに共通する新技術が、LighTurboです。
LighTurboは、マトリックス状に配置された新しいLEDシステムで、これまで以上に強力で均一な光照射を実現します。これによって造形速度が向上します。
さらに、400:1の高いコントラストをもつモノクロLCDを新たに採用しています。これは競合よりも100%高いコントラストなのだとか。
高いコントラストは、ピクセルごとにレジンを硬化させるか、させないかがよりはっきりすることを意味します。造形物のエッジが際立ち、くっきりと精度の高い造形が可能になります。
Photon M3シリーズのスペック一覧!
ここまで紹介してきた3つの新モデルのスペックについて、一覧で確認しておきましょう。
各スペックは、現在判明している数値を公式サイトより引用しています。
モデル名 | Photon M3 | Photon M3 Plus | Photon M3 Premium | Photon M3 Max |
---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 269 x 256 x 425 | 360 x 290 x 475 | 350 x 330 x 630 | 400 x 408 x 596 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 163 x 102 x 180 | 197 x 122 x 245 | 219 x 123 x 250 | 298 x 164 x 300 |
Z軸精度[mm] | 0.01 | 0.01 | 0.005 | - |
積層ピッチ[mm] | - | - | - | - |
ピクセルサイズ[mm] | 0.04 | 0.034 | 0.0285 | - |
ピクセル数(XY) | 4096 x 2560 | 5760 x 3600 | 7680 x 4320 | 6480 x 3600 |
プリントスピード[mm/h] | Max 50 | Max 100 | Max 95 | Max 60 |
データ入力 | USB | USB/LAN/WAN | USB/Wi-Fi | USB |
本体重量[kg] | 7 | 12 | 19 | 26 |
スライスソフト | Photon Workshop | Photon Workshop | - | Photon Workshop |
その他 | 自動レジン供給機能 リモート制御機能 | 空気清浄機(x2)付き リモート制御機能 | 自動レジン供給機能 | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧表で比較してみると、各モデルの微妙な違いがわかりますね。
Anycubic CloudやUSB 3.0への対応、プリントスピードや解像度といったスペックを見ると、M3 Plusの総合力が非常に高いと感じます。
Photon M3シリーズをPhoton Monoシリーズと比較!
Photon M3シリーズのスペックについて把握できたところで、従来モデルであるPhoton Monoシリーズと比較してみましょう。
比較対象として、同等の解像度をもつモデルどうしで比較します。
- 4K+のM3を、4K解像度のPhoton Mono 4K、Mono X
- 6KのM3 Plusを6K解像度のPhoton Mono X 6K
と比較していきます。
Photon M3を4K解像度Monoシリーズと比較!
モデル名 | Photon Mono 4K | Photon Mono X | Photon M3 |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 227 x 222 x 383 | 290 x 270 x 475 | 269 x 256 x 425 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 132 x 80 x 165 | 192 x 120 x 245 | 163 x 102 x 180 |
Z軸精度[mm] | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.15 | 0.01-0.15 | - |
ピクセルサイズ[mm] | 0.035 | 0.05 | 0.04 |
ピクセル数(XY) | 3840 x 2400 | 3840 x 2400 | 4096 x 2560 |
プリントスピード[mm/h] | Max 50 | Max 60 | Max 50 |
データ入力 | USB | USB | USB |
本体重量[kg] | 4.3 | 10.75 | 7 |
スライスソフト | Photon Workshop | Photon workshop | Photon Workshop |
その他 | |||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
並べてみると、新モデルPhoton M3の造形サイズや本体サイズが、Mono 4Kよりは大きく、Mono Xよりは小さいところに位置しています。また、価格についても現状Mono 4Kよりは高価で、Mono Xよりは安いですね。
Photon M3は、スペック・価格に関してPhoton Mono 4KとPhoton Mono Xの中間にあたるモデルと言えそうです。用途に合わせて選択肢が多いのは良いことですね(迷ってしまいますが。。。)
Photon M3 Plusを6K解像度Monoシリーズと比較!
モデル名 | Photon Mono X 6K | Photon M3 Plus |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 290 x 270 x 475 | 360 x 290 x 475 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 197 x 122 x 245 | 197 x 122 x 245 |
Z軸精度[mm] | - | 0.01 |
積層ピッチ[mm] | - | - |
ピクセルサイズ[mm] | 0.034 | 0.034 |
ピクセル数(XY) | 5760 x 3600 | 5760 x 3600 |
プリントスピード[mm/h] | Max 80 | Max 100 |
データ入力 | USB/LAN | USB/LAN/WAN |
本体重量[kg] | 11 | 12 |
スライスソフト | - | Photon Workshop |
その他 | 自動レジン供給機能 リモート制御機能 | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
比較してみると、M3 Plusの造形サイズはMono X 6Kと同じです。一方、本体サイズは若干M3 Plusのほうが大きくなっています。これはM3 Plusでは内部にAuto Resin Fillerが設置されたためだと思われます。補充用のレジンボトルは外部に置く仕様なので、設置スペース自体はさらに広く確保する必要がありそうですね。
今後の価格推移次第ですが、1万円程度の価格差であれば、豊富な機能をもつM3 Plusが魅力的に写りますね。
Photon M3シリーズの販売情報は?
今回は、Anycubicの新光造形ラインナップPhoton M3について徹底解説してきました。Photon Monoシリーズに変わる新しい「主流」として今後の展開にも目が離せませんね!
最後に、Photon M3シリーズの販売情報にふれて締めくくりたいと思います。
2023年1月現在、Photon M3シリーズはAmazonやSK本舗等で購入可能です。
豊富な最新機能が搭載されたPhoton M3シリーズ、すでに売れ行きも好調なようです。気になる方は早めにチェックしておきましょう!