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【2023】Creality Ender-3シリーズ徹底比較!【無印/S1/Neo】

〜景品表示法に基づく表記:本サイトのコンテンツにはプロモーションが含まれている場合があります〜

こんにちは、管理人のウノケンです。

今回は、

CrealityのFDM3Dプリンター「Ender-3シリーズ」を全機種徹底比較

していきます。

CrealityはFDM・光造形方式の3Dプリンターを販売する注目企業。FDM(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層)方式3Dプリンターとしては「Enderシリーズ」が有名で、中でも「Ender-3シリーズ」はユーザーからの評価がとくに高いラインナップとなっています。

そんな「Enderシリーズ」は、「Ender-3シリーズ」だけでなんと11機種も存在しています(2023年8月時点)。

「『Ender-3』はイイって聞くけど、『Ender-3』って1つじゃないの??」

「名前についている『Neo』とか『S1』って何?」

と思ってしまいますよね。

そこで今回は、2023年現在のCreality「Ender-3シリーズ」の各モデルにどのような違いがあるのか徹底解説していきたいと思います!

この記事を読んでわかること
  • 「Ender-3シリーズ」の大分類「無印」「S1」「Neo」の特徴
  • 「Ender-3シリーズ」全機種の特徴と詳細スペック

それでは見ていきましょう!

アップデート

2023/8・・・最新機種「Ender-3 V3 SE」について追記しました!



Creality「Ender-3シリーズ」とは

はじめに、

「Ender-3シリーズ」とはどんな3Dプリンターなのか?

その特徴について確認しておきましょう。

Ender-3シリーズの大分類は、「無印」「S1」「Neo」

Ender-3シリーズは種類が多いです。全容を把握するには、大分類について理解しておく必要があります。

この項目では、

各大分類の特徴について、ざっくりと解説

していきます。細かいスペックについては。後述する一覧表をご覧ください。

Ender-3人気の火付け役「無印」

各機種の画像はCreality公式ページより引用

「無印」シリーズは、

  • 最安で約2万円というコスパの高さが特徴

です。2017年に「Ender-3」が登場して以来、3Dプリンターユーザーから無類の人気を誇っています。

「無印」の特徴
  • 発表時期:2017〜2023年
  • おすすめポイント:最高コスパ(2〜3万円台)
  • 注意点:
    • 要組み立て(「V3 SE」を除く)
    • オートレベリングなし(「V3 SE」を除く)
    • ディスプレイはノブ式

家庭用3Dプリンターにおけるハイエンド「S1」

各機種の画像はCreality公式ページより引用

「S1」シリーズは、

  • 使い勝手の良い(「Ender-3シリーズ」における)ハイエンドモデル

といった位置づけです。

全機種が

  • ダイレクトドライブ式
  • オートレベリング搭載
  • 半組み立て済み

で、その使い勝手の良さが特徴です(後述)。

「S1」の特徴
  • 発表時期:2021〜2022年
  • おすすめポイント:使い勝手の良いハイエンドモデル
  • 注意点:コスパはあまり良くない

無印がオートレベリングを搭載して再登場「Neo」

各機種の画像はCreality公式ページより引用

「Neo」シリーズは、

  • 「無印」シリーズがオートレベリング搭載&アップグレード多数で再登場

したラインナップです。「無印」のコスパの良さを受け継ぎつつ、各ポイントで優れたアップグレードがなされています(後述)。

「Neo」の特徴
  • 発表時期:2022年
  • おすすめポイント:コスパそのままに「無印」からアップグレード
  • 注意点:ノブ式ディスプレイなど旧式装備も残る



組み立て式・半組み立て式のFDM方式3Dプリンター

出典:Creality「Ender-3」

Ender-3シリーズは、

組み立てを要するタイプのFDM方式3Dプリンター

です。

上の図は「Ender-3」が発送される際の、分解されたパーツです。かなり細かい部分まで分解されており、3Dプリントをはじめる前に自分で組み立てる必要があります。

ブランドによっては「DIYタイプ」などと表現されている場合もありますね。

出典:Creality「Ender-3 S1 Pro」

Ender-3シリーズには、半組み立て済み(Quick Assembly)の機種も多く存在します。

半組み立て済みの機種は、上の図のように本体がいくつかの大きなパーツに分解された形で納品されます。上の画像は「Ender-3 S1 Pro」の例で、96%組み上がった状態で納品されます。

細かい部品はユーザ側で組み立てる必要がないため、数十分程度の作業で難なく完成させることができます。

造形領域の四方は密閉されていない

組み立て式のFDM方式3Dプリンターの特徴として、「Ender-3シリーズ」は、

四方が密閉されていない

ことも覚えておきましょう。

FDM方式3Dプリンターは、ノズルとプラットフォームがXYZの3軸で大きく移動することにより、造形箇所を逐次的に制御しています。そのため、「Ender-3シリーズ」のように比較的安価なモデルでは四方を塞がないタイプが多いです。

家庭用のFDM方式3Dプリンターであっても、下のQIDI TECH製3Dプリンターのように密閉されたタイプの機種は存在します。保温性や安全面ではこちらの密閉タイプのほうが優れていますが、比較的高価なものが多いです。

価格と機能を総合して考えると、FDM方式3Dプリンター初心者の方が使用する最初の機種としては、

安全面には十分配慮しつつ、半組み立て式のモデルを選択する

のがおすすめです。その点、「Ender-3シリーズ」は良い選択になるのではないかと思います。

造形サイズはほとんど変わらない

11機種も存在する「Ender-3シリーズ」は、

造形サイズがほとんど同じ

という特徴があります。つまり、作れるモノのサイズはほとんど変わらないということです。

造形サイズに特徴をもつ「Ender-3 Max」「Ender-3 Max Neo」「Ender-3 S1 Plus」を除き、8機種の造形サイズは、

  • 幅・奥行き:22cm
  • 高さ:25〜27cm

です。ちょうどサッカーボールが収まる程度のサイズですね。

各モデルの違いは、

  • オートレベリングのようなオプション機能
  • プラットフォーム・ディスプレイといった各種のパーツ

に表れています。

詳細については後半で個別に解説していきます。比較表もあわせてチェックしてみてください。



【2023年版】Creality「Ender-3シリーズ」一覧

2023年現在、Crealityの公式ホームページ(英語版)で確認できる「Ender-3シリーズ」3Dプリンターは11点です。

機種ごとの詳細に入る前に、

各3Dプリンターのスペックを一覧表で確認

してみましょう。数が多いので、大分類ごとに分けています。

「無印」一覧

モデル名Ender-3Ender-3 ProEnder-3 V2Ender-3 V3 SEEnder-3 Max
本体イメージproduct imageproduct imageproduct imageproduct image
メーカーCrealityCrealityCrealityCrealityCreality
本体サイズ(LxWxH)[mm]440 x 440 x 465440 x 420 x 465475 x 470 x 620349 x 364 x 490513 x 563 x 590
造形サイズ(LxWxH)[mm]220 x 220 x 250220 x 220 x 250220 x 220 x 250220 x 220 x 250300 x 300 x 340
エクストルーダボーデンボーデンボーデンダイレクトボーデン
プリントスピード[mm/s]180180180250100
最大ノズル温度[℃]255255255260255
最大ヒートベッド温度[℃]100100100100100
組み立て要組み立て要組み立て要組み立て半組み立て済要組み立て
プラットフォームマグネットシートマグネットシートカーボランダムガラスPCばね鋼カーボランダムガラス
オートレベリング××××
フィラメントセンサ××××
停電時自動回復印刷
密閉×××××
ディスプレイノブ式ノブ式ノブ式ノブ式ノブ式
デュアルZ軸××××
データ入力SDカード
オンライン
SDカード
オンライン
-SDカードSDカード
USB
本体重量[kg]6.626.987.87.129.5
スライスソフトCura
Repetier-Host
simplify3D
Cura
Repetier-Host
simplify3D
Cura
simplify3D
Creality Print
Cura
Simplify3D
Creality Slicer
Cura
Repetier-Host
simplify3D
その他
出典公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト
画像、スペックは各社公式ページより引用。記載のない項目は”-“で示している。

「S1」一覧

モデル名Ender-3 S1Ender-3 S1 ProEnder 3 S1 Plus
本体イメージ
メーカーCrealityCrealityCreality
本体サイズ(LxWxH)[mm]487 x 453 x 622490 x 455 x 625557 x 535 x 655
造形サイズ(LxWxH)[mm]220 x 220 x 270220 x 220 x 270300 x 300 x 300
エクストルーダダイレクトダイレクトダイレクト
プリントスピード[mm/s]160160150
最大ノズル温度[℃]260300260
最大ヒートベッド温度[℃]100110100
組み立て半組み立て済半組み立て済半組み立て済
プラットフォームPCばね鋼PEIばね鋼PCばね鋼
オートレベリング
フィラメントセンサ
停電時自動回復印刷
密閉×××
ディスプレイノブ式タッチ式タッチ式
デュアルZ軸
データ入力SDカード
USB-C
SDカード
USB-C
SDカード
USB-C
本体重量[kg]9.18.710.25
スライスソフト---
その他LED搭載
出典公式サイト公式サイト公式サイト
画像、スペックは各社公式ページより引用。記載のない項目は”-“で示している。

「Neo」一覧

モデル名Ender-3 NeoEnder-3 V2 NeoEnder-3 Max Neo
本体イメージproduct imageproduct imageproduct image
メーカーCrealityCrealityCreality
本体サイズ(LxWxH)[mm]440 x 440 x 465438 x 424 x 472516 x 582 x 590
造形サイズ(LxWxH)[mm]220 x 220 x 250220 x 220 x 250300 x 300 x 320
エクストルーダボーデンボーデンボーデン
プリントスピード[mm/s]120120120
最大ノズル温度[℃]260260260
最大ヒートベッド温度[℃]100100100
組み立て要組み立て半組み立て済半組み立て済
プラットフォームカーボランダムガラスPCばね鋼カーボランダムガラス
オートレベリング
フィラメントセンサ××
停電時自動回復印刷
密閉×××
ディスプレイノブ式ノブ式ノブ式
デュアルZ軸××
データ入力SDカード
マイクロUSB
SDカード
マイクロUSB
SDカード
マイクロUSB
本体重量[kg]77.810.3
スライスソフトCreality Slicer
Cura
simplify3D
Creality Slicer
Cura
simplify3D
Creality Slicer
Cura
Repetier-Host
simplify3D
その他
出典公式サイト公式サイト公式サイト
画像、スペックは各社公式ページより引用。記載のない項目は”-“で示している。

一覧にしてみると、各モデルの違いや共通点が見えてきますね。

すでに述べたように、造形サイズは「Ender-3 Max」と「Ender-3 Max Neo」、「Ender-3 S1 Plus」以外の8モデルではほとんど変わりません



【2023年版】Creality「Ender-3シリーズ」全機種の詳細解説

各機種にどのような特徴があるのか、ここからは

「Ender-3シリーズ」全機種の特徴を確認

していきましょう!

高コスパ人気モデル【Ender-3】

出典:Creality

はじめに紹介するのは、「Ender-3」です。「Ender-3シリーズ」の初期モデルで、後継モデルはこの「Ender-3」をベースとして作られています。

Ender-3の特徴は、

なんといってもそのコスパ。約2万円で購入可能

です。

以降で登場する後継モデルは、もちろん「Ender-3」に何らかのアップグレードが施された機種となっており、性能面で上回ります。「Ender-3」は、あくまでもコストを可能な限り抑えたいという方が選ぶべきでしょう。

そのムダのないボディから、「Ender-3」は玄人好みの3Dプリンターでもあります。必要な機能を自分でカスタマイズできるので、自分好みの3Dプリンターに仕上げることができるのです。中には、「3Dプリンターの部品を3Dプリンターで作成する」という猛者もいるようですね。

Ender-3のマイナーチェンジ版【Ender-3 Pro】※販売終了

出典:Creality

「Ender-3」をベースに使いやすさが向上した「Ender-3 Pro」。

主な改善ポイントは次の2つです。

  • より高品質な電源を採用
  • プラットフォームが取り外しやすいマグネット仕様に

「Ender-3」のマイナーチェンジバージョンといったところでしょうか。

改良ポイント多数!【Ender-3 V2】

出典:YouTube「Product Introduction | New Upgrade Version Ender-3 V2 Economic and Integrated 3D Printer」

こちらも「Ender-3」のアップグレードモデル、「Ender-3 V2」。

主な改善ポイントは次のとおりです。

  • より高品質な電源を採用
  • プラットフォームが耐久性のあるガラスボードに
  • より静音に
  • 工具収納ボックス搭載
  • ディスプレイがカラーで見やすく

「Ender-3 Pro」と比べると、「Ender-3」からの改良ポイントが多いです。カラーディスプレイも見やすくて良いですね。

出典:Creality

人によっては、「Ender-3」とどちらにしようか迷ってしまうかもしれません。少し値段が上がるので、お財布と相談しましょう。

Ender-3シリーズの最新・最速機種【Ender-3 V3 SE】

出典:YouTube「Why Recommend Ender-3 V3 SE in 2023? Affordable Price, Advanced Features」

2023年8月に発表された最新機種が「Ender-3 V3 SE」です。

最新FDM3Dプリンター「Ender-3 V3 SE」の特徴
  • 開封から20分で3Dプリント開始が可能
  • 「Ender-3シリーズ」で最速のプリントスピード
  • 本体も価格もコンパクト

そのスリムで洗練されたボディが特徴の「Ender-3 V3 SE」。「Ender-3シリーズ」ならではのコスパの良さを維持しながら、シリーズ最速のプリントスピード(250mm/s)を実現しています。

詳細については以下の実機レビュー記事をご覧ください。

シリーズ最大造形サイズ【Ender-3 Max】※販売終了

出典:Creality

続いて紹介するのは、「Ender-3 Max」。「Ender-3シリーズ」では珍しい、造形サイズが大きいモデルです。「Ender-3」に比べて幅・奥行き・高さが8cm前後増加しています。

その他にもいくつかの改良がなされています。

  • フィラメント検知機能追加
  • ノズルの耐熱性向上

「フィラメント検知機能」は、フィラメントがなくなったり、切れたりしたときに自動でプリントを停止してくれる優れた機能。また、「ノズルの耐熱性向上」によって、より高速にフィラメントを溶かすことができます。

造形サイズだけではない、魅力あるアップグレードモデルです。

「Ender-3 Max」は、すでに生産が終了しているようです(2023年1月時点)。大きめの造形サイズに興味がある方は、後継機種の「Ender-3 Max Neo」をチェックしましょう。



オートレベリング機能搭載、基本機能も充実【Ender-3 S1】

出典:YouTube「Product Introduction | Ender-3 S1 3D Printer "Sprite" Bring Ideas to Life」

2021年末に発売された「Ender-3 S1」。

基本機能が向上した他、注目ポイントは「Sprite」と「CR touch」です。

「Sprite」は、独自開発の押し出し機構です。これにより、

  • TPUのようなやわらかいフィラメントが使用可能
  • 約30%の軽量化
  • 高精度化