こんにちは、管理人のウノケンです。
CrealityのFDM3Dプリンター「Ender-5シリーズ」に新たなモデルが登場しました。
その名も「Ender-5 Max」。
2022年に登場した「Ender-5 S1」を最後に影を潜めていた「Ender-5シリーズ」ですが、2025年に超大型・超高速の3Dプリンターとして登場し再び注目を集めています。
本記事では、かつてのEnder-5シリーズ(Pro/Plus/S1など)との比較も交えつつ、新たに加わった「Ender-5 Max」の魅力を中心にご紹介します。
それでは見ていきましょう!
Creality Ender-5シリーズとは
はじめに、Creality Ender-5シリーズとはどんな3Dプリンターなのか、その特徴について確認しておきましょう。
特徴的なボックスデザイン
Ender-5シリーズ最大の特徴は、堅牢なボックスデザインにあります。
一般的な家庭用FDM3Dプリンターでは、ノズルがZ(高さ)方向の動きを兼ねることが多い一方、「Ender-5シリーズ」は土台(プラットフォーム)が上下する構造が主流です。
このボックス形状によりフレームががっちりと組まれ、プリント時の振動を抑えられるため高精度な出力が期待できるのが魅力です。また、ボックス内で造形が完結するため、設置スペースはコンパクトに収まりやすいです。
組み立てはDIY要素強め(S1以降は改善)
旧シリーズのEnder-5 ProやEnder-5 Plusは、フレームの組み立てをユーザー自身が行うDIYスタイルでした。
パーツ数が多い分、3Dプリンターの仕組みを学ぶ楽しさはある一方で、初心者にはハードルが高いモデルでもありました。
2022年発売の「Ender-5 S1」ではモジュラー化が進んだことで組み立て難易度が下がり、10分程度で組み立て可能と公式がうたうようになりました。
新登場「Ender-5 Max」の魅力
2025年、シリーズの流れをくむ超大型・超高速機「Ender-5 Max」が登場しました。
ここからは、その注目ポイントを詳しく見ていきましょう。
CoreXY方式で安定&爆速!
「Ender-5 Max」は、家庭用としてもすっかりおなfじみとなったCoreXY方式を採用。
ノズルがX・Y軸を走り、プラットフォームが上下に移動する構造は大きく変わりませんが、今回の「Ender-5 Max」は標準速度500mm/s、最大速度700mm/sという圧倒的な高速化が実現されました。
2024年までの家庭用ハイエンド3Dプリンターでは、最大500〜600mm/s、推奨300mm/s程度が一般的でしたが、「Ender-5 Max」はそれを上回るスペックを掲げ、新たな“爆速”の選択肢になっています。
造形サイズは400×400×400mm!
「Ender-5 Max」のもう一つの特長は、その超大型造形エリアです。
旧来の「Plus」(350×350×400mm)よりさらに拡張され、なんと1辺400mmに到達。これは大型マルチカラー3Dプリンター「K2 Plus」の1辺350mmを上回るサイズです。
大きなパーツを一度にプリントするにも、より広い造形スペースを活かして小物を多数配置するにも便利でしょう。
"プリントファーム"に適したユニークな機能も
さらなるアップグレードとして、「Ender-5 Max」は以下のような特徴も備えています。
- ヒートベッドの加熱効率が向上
大型モデルではヒートベッドが大きい分、加熱に時間がかかりがちでした。待ち時間の削減は運用上、大きなメリットです。 - 装置の状態を示すインジケーター搭載
本体上部にランプが設置され、- 緑:運転中
- 黄:スタンバイ
- 赤:エラー
とひと目でわかるようになりました。複数台をまとめて稼働させる「プリントファーム」的な運用にも配慮された設計と言えるでしょう。
- エンクロージャオプションにも期待
従来のEnder-5シリーズ同様、アクリルカバーなどのエンクロージャを活用すれば、保温やホコリ対策、気流対策も可能です。冷却システムやフィラメントの選択肢も広がり、高精度な造形が期待できます。
発売日は未定
【2025年版】Creality Ender-5シリーズの復習
これまでに登場した「Ender-5シリーズ」各種の特徴をおさらいしておきます。
まずは、新登場の「Ender-5 Max」を含め、各3Dプリンターのスペックを一覧表で見てみましょう。
モデル名 | Ender-5 Max | Ender-5 S1 | Ender-5 Plus | Ender-5 Pro |
---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||
メーカー | Creality | Creality | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 649 x 721 x 850 | 425 x 460 x 570 | 632 x 666 x 619 | 552 x 485 x 510 |
本体重量[kg] | 25.9 | 12.1 | 18.2 | 11.8 |
構造 | CoreXY | |||
密閉 | × | オプションあり | × | × |
ヒートチャンバー | × | |||
組み立て | - | 半組み立て済 | 要組み立て | 要組み立て |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 400 x 400 x 400 | 220 x 220 x 280 | 350 x 350 x 400 | 220 x 220 x 300 |
最大スピード[mm/s] | 700 | 250 | - | - |
推奨スピード[mm/s] | 500 | |||
最大加速度[mm/s²] | 20000 | |||
最大押出流量[mm³/s] | - | |||
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 260 | - |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 | 110 | 110 | - |
対応フィラメント | Hyper PLA/PLA/PETG/TPU95A/ABS/ASA/PLA-CF/PA/PLA-Silk | |||
マルチカラー | - | |||
消費電力[W] | 1250 | |||
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | ノブ式 |
Wi-Fi | ○ | |||
内部ストレージ[GB] | - | |||
カメラ/リモートモニタリング | × | |||
スライスソフト | Creality Print | Creality Slicer Creality Print Cura Repetier-Host simplify3D | - | Cura Repetier-Host simplify3D |
その他 | インジケーター搭載 | デュアルY軸 | デュアルY軸 | デュアルY軸 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧にしてみると、各モデルの違いや共通点が見えてきますね。
各モデルにどのような特徴があったのか、過去に登場した機種の復習をしていきましょう!
Ender-5 S1:組み立てが容易になったハイエンドモデル
「Ender-5 S1」は、2022年11月に発表されたモデルです。
「Ender-3 S1/ S1 Pro / S1 Plus」のように「S1」の名を持つ「Ender-5 S1」は、Ender-5シリーズの中でも特に優れた高性能モデルに仕上がっていました。主な特徴は以下の通り。
- 半組み立て済みで、組み立てが容易に。10分で組み立てが可能(公式より)。
- プリントスピードが高速に。最大250mm/s。
- ノズル最高温度が300℃に上昇。多様なフィラメントに対応可能。
- オプションでエンクロージャを搭載可能。保温性を高め、外部の気流もシャットアウト。
- エクストルーダはダイレクトドライブ方式を採用。TPU等の柔らかい素材で品質向上。