こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
ELEGOOの2次硬化機・洗浄硬化機「Mercuryシリーズ」について解説
していきます。
光造形3Dプリンターでプリントした後に必要な処理である、
を行う際、便利な周辺機器が「2次硬化機」「洗浄硬化機」といったアイテムです。光造形3Dプリンターを取り扱うブランド各社がオリジナルの機器を展開しており、その性能は年々アップグレードされています。
後処理用の装置ということもあり、3Dプリンター本体と比べれば地味ではありますが、「ある」と「ない」とでは作業効率とプリント品質が大きく変わる「縁の下の力持ち」的な存在です。
今回は、
「今まで2次硬化はしていなかった・適当にやっていた」
「手作業の洗浄が面倒…」
という方におすすめの2次硬化機・洗浄硬化機ラインナップである、ELEGOO「Mercuryシリーズ」について解説していきます。
「Marsシリーズ」や「Saturnシリーズ」といった人気の光造形3Dプリンターを取り揃えるELEGOOが、その「相棒」として展開する2次硬化機・洗浄硬化機についてしっかり把握できる内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
それでは見ていきましょう!
ELEGOO Mercuryシリーズとは【2次硬化機・洗浄硬化機】
はじめに、
「Mercuryシリーズ」の基本について解説
していきます。個別の機種の特徴を知る前に、どんなラインナップなのか把握しておきましょう。
光造形3Dプリンターの後処理に必要な機能がもれなく搭載されている
「Mercuryシリーズ」の装置には、光造形3Dプリンターの後処理の主な作業である「洗浄」「硬化」に必要な機能がもれなく搭載されています。
大前提として、搭載されている光源は基本的に波長405nmのLEDを採用しています。2次硬化を行う際には波長(光の色)も重要で、光造形3Dプリンターに用いられている光源と(ほぼ)同じ波長の光を使用する必要があります。そのため、例えば屋内照明に数時間さらしたところで2次硬化を進めることはできません。
さらに、実質販売終了となっている「Mercury」を除き、「洗浄」「硬化」の両方に対応しているため、「超音波洗浄機」と「UVランプ」を別々で購入する必要がありません。
また、タイマー付きのため、好みの洗浄・硬化時間を設定することが可能です。2次硬化において、必要以上に光を当てる過剰露光は厳禁。黄変の原因になってしまいます。3Dプリンター専用の2次硬化機・洗浄硬化機を使用すれば、うっかり何時間も光を当てっぱなしにするようなミスを防ぐことが可能です。
洗浄と硬化の方法が異なる3タイプがある
後ほど具体的に解説しますが、「Mercuryシリーズ」には異なる3つのタイプが存在します。
適するケースや価格帯が異なるので、自分の使い道にあった装置を選ぶと良いでしょう。
ELEGOO以外の光造形3Dプリンターユーザーでも使用可能
「Mercuryシリーズ」はELEGOOの展開する2次硬化機・洗浄硬化機ラインナップですが、ELEGOOの3Dプリンターユーザーでなくても問題なく使用することができます。
2次硬化に必要な光の波長は、3Dプリンターやレジンの種類によらず基本的に405nmのため、他ブランド品を使用している方でも問題ありません。
注意すべきは、3Dプリンターのプラットフォームにプリント品が乗った状態で洗浄する際の互換性です。サイズの都合で収まらない場合もあるので注意しましょう。プラットフォームから取り外して洗浄することが多い人にとってはあまり問題にならないかと思います。
ELEGOO Mercuryシリーズ一覧
ここからは、「Mercuryシリーズ」の各装置について、その特徴を解説していきます。
現時点で公式ページに公開されている装置は以下の5種類となっています(2023年10月時点)。
それぞれ確認していきましょう。
Mercury Plus V3.0(洗浄硬化機)
2024年10月にリリースされた最新の洗浄硬化機が、「Mercury Plus V3.0」です。「Saturn 4シリーズ」のビルドプレートに対応する待望の装置が登場となりました。
主な特徴は以下の通りです。
もちろん「Saturn 4シリーズ」以外のほとんどの光造形機に対応。使い勝手も向上した最新の洗浄硬化機をチェックしておきましょう。
Mercury Plus V2.0(洗浄硬化機)
「Mercury Plus V1.0」がマイナーアップグレードされた機種が「Mercury Plus V2.0」です。その特徴は以下の通りです。
硬化に関しては「Mercury」と同様の仕組み。回転ステージとUVのLEDによってまんべんなく2次硬化を進めることができます。
さらに、光造形3Dプリンターにも似たその密閉された空間で、「洗浄」の役割も果たすのが「Mercury Plus V2.0」。硬化にも使用される回転機構を洗浄にも活用しているのです。黄色のカバーも、硬化中の紫外線を99.95%ブロックするだけでなく、洗浄中のアルコール揮発も防ぐという2つの役割を果たしています。
2つの役割を兼ね備えているため、ユーザーはお金とスペースの両方を節約することが可能。
「超音波洗浄機とUV硬化機を別々で買おうと思っていた!」
という方には、ぜひ天秤にかけてほしい選択肢です。
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Mercury Plus V1.0(洗浄硬化機)※販売終了
後処理における主な作業である、「洗浄」と「硬化」を1台で完結できるスグレモノが「Mercury Plus V1.0」です。
Amazon等における販売は終了しているので、類似の後継機種「Mercury Plus V2.0」の項目でその特徴を深掘っていきましょう。
Mercury(2次硬化機)※販売終了
光造形3Dプリンター専用の2次硬化機として必要十分な機能を備えるのが「Mercury」です。
以下のような特徴をもち、誰でも簡単かつ効率的に2次硬化させることが可能です。
7,000円程度の手頃な価格で購入できた「Mercury」ですが、ELEGOO公式によるAmazon販売は終了しています(2024年10月時点)。以下のようなSK本舗の類似品や、後述する「洗浄硬化機」を検討してみてください。
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Amazonで売り切れの際は、SK本舗の公式オンラインショップも確認してみましょう。
Mercury X Bundle(洗浄機&硬化機)
「Mercury X Bundle」は、洗浄器と2次硬化器のセット品です。
洗浄硬化機では難しい大型の3Dプリント品を洗浄・2次硬化させたい場合に検討
すると良いでしょう。
「Mercury X Bundle」は最大洗浄サイズが201mm × 124mm × 255mmとなっており、洗浄硬化機と比べてかなり大型の3Dプリント品まで対応できるようになっています(スペック詳細は後述する比較表参照)。
また、「Mercury X Bundle」には2次硬化用のLEDバーが2本搭載され、さらに回転ステージ下にもLEDが配置されています。硬化させたいのは側面だけではない場合がほとんどなので、手動でプリント品を回転させるような手間なく一気に硬化できるのは便利なポイントですね。
「Mercury X Bundle」は、1つの装置で「洗浄」「硬化」の両機能をもつわけではありません。両装置の設置スペースを確保した上で導入するようにしましょう。
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Mercury XS Bundle(洗浄機&硬化機)
「Mercury XS Bundle」は、「Mercury X Bundle」のマイナーアップグレード版です。
「本体サイズ」や「最大洗浄・硬化サイズ」といったスペックは「Mercury X Bundle」と変わらず。変化点は、手持ちのUVランプと安全メガネが付属している程度です。
手持ちのUVランプは、
のような用途で便利です。
若干「Mercury X Bundle」よりも価格が上がる点を考慮しつつ、「手持ちUVランプ」の必要性に応じて選択すると良いでしょう。
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ELEGOO Mercuryシリーズ全機種のスペック一覧
最後に、購入可能な「Mercuryシリーズ」全機種のスペックを一覧で確認していきます(2024年10月時点)。
とくに、頻繁にプリントするモノのサイズがわかっている人であれば、「最大硬化サイズ」や「最大洗浄サイズ」といったスペックに問題がないかチェックしておきましょう。
ELEGOO 「Mercury Plus 2.0」 | ELEGOO「Mercury Plus 3.0」 | ELEGOO 「Mercury X Bundle」 | ELEGOO 「Mercury XS Bundle」 | |
イメージ | ||||
光源 | 405nm LED 16個 | 405nm LED 24個+ターンテーブル下強化LED | - | 405nm LED 32個 ハンドヘルドUVランプ |
LED 定格電力(W) | 48 | - | 36 | 36 |
本体サイズ(mm) | 200×200×352 | 302.5×302.5×412.5 | 255×155×385.5(Wash) 246×230×363.5(Cure) | 255×155×385.5(Wash) 246×230×363.5(Cure) |
最大硬化サイズ(mm) | φ140×165 | φ250×290 | φ200×260 | φ200×260 |
最大洗浄サイズ(mm) (プラットフォームあり) | 124×90×110 | 214×135×180 | 180×121×153 | 180×121×153 |
最大洗浄サイズ(mm) (プラットフォームなし) | 131×90×220 | 230×135×260 | 201×124×255 | 201×124×255 |
ターンテーブル | ○ | ○ | ○ | ○ |
タイマー設定時間(分) | 0-30 | 0-30 | 0-30 | 0-30 |
本体重量(kg) | 3.8 | 4.7 | 2.27(Wash) 2.4(Cure) | 2.27(Wash) 2.4(Cure) |
まとめ
今回は、ELEGOOの2次硬化機・洗浄硬化機「Mercuryシリーズ」について解説してきました。
洗浄や2次硬化といった光造形3Dプリンターの後処理は、プリント品のクオリティを左右する重要な工程です。この作業を効率的に実行できる2次硬化機・洗浄硬化機は、まさに光造形3Dプリンターの相棒と言っても過言ではないでしょう。
今回解説した内容を参考に、自分の用途に適した2次硬化機・洗浄硬化機を選んでみてください!