こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、光造形3Dプリンター用のおすすめ透明レジンについて、ランキング形式で紹介していきます。
透明レジン(高透明レジン、クリアーレジン)は、光造形3Dプリンター用レジンの中でも人気材料の1つです。
数十umレベルの解像度で高精細な3次元形状を形作ることができる光造形3Dプリンターと透明レジンは相性抜群。ガラス細工にも似た外観をもちながら、より複雑な形状を実現することが可能です。フィギュアやアクセサリーの作成に広く使用され、産業レベルでは眼鏡のレンズなどにも使用されています。
光造形3Dプリンターならではの魅力が引き出せる透明レジン。様々なブランドがハイクオリティな製品を展開しています。
この記事では、
について解説していきます。
という方はぜひ最後までご覧ください。実際に3Dプリントしたモノの画像も多数掲載しております!
それでは見ていきましょう!
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光造形3Dプリンター用透明レジンの魅力
光造形3Dプリンターの材料としての透明レジンの魅力は、ガラス細工のような美しい外観を実現できることです。その上、「3Dプリンター」「樹脂(プラスチック)」という特徴から、
というメリットがあります。
冒頭でも触れたように、家庭用(個人用)3Dプリンターにおいても、フィギュアやアクセサリーといった用途で人気の高いレジンの1つです。
光造形3Dプリンター用透明レジンを選ぶときのポイント
光造形3Dプリンターと透明レジンを使って、
を作ってみたい!という方に向けて、光造形3Dプリンター用の透明レジンを選ぶときのポイントについて解説していきます。
名前は「クリア」「透明レジン」「高透明レジン」など様々
透明なレジンを選ぶ際には、レジンの名前に「クリア」「透明」「高透明」という記載のあるレジンを選ぶようにしましょう。その他の色と同様に、「アルコール洗浄タイプ(スタンダードレジン)」と「水洗いタイプ」が存在します。
「透明」という記載のあるレジンでも、3Dプリンター用ではないハンドクラフトレジンなどを間違えて選ばないように注意しましょう。
繊細な3次元形状を再現したいなら、「8K」「10K」対応を選ぶ
「透明なだけでなく、繊細な3次元形状も再現したい」という用途であれば、「8K」や「10K」に対応したレジンを選ぶようにしましょう。
露光条件や3Dプリンター本体のスペックにも影響されるため、「8K」や「10K」に対応したレジンを使えば必ずしも微細形状を表現できるとは限りません。
とはいえ、「8K」や「10K」に対応したレジンは
という性質をもつ傾向にあります。高精細を実現したい方は、「8K」や「10K」に対応したレジンを優先的に選ぶと良いでしょう。
「8K」や「10K」に対応したレジンは、パッケージや品名で強調されている場合が多いので、その他のレジンと見分けやすくなっています。
黄変(黄色っぽく見える)に注意
透明レジンの最大の敵は、「黄変」です。黄変とは、3Dプリント直後に透明だったレジンが二次硬化や時間経過の後に黄色っぽくなってしまうことを指します。また、UVレジンはその性質上黄色っぽく見えやすい傾向にあります。
「透明レジン」は透き通るようにクリアなはずだ!と思ってレジンボトルから出してみると、すでに黄色っぽいというレジンは少なくありません(筆者自身も過去に経験済み)。
同じ「透明レジン」でも、ブランドや製品によって「透明度」は大きく異なります。後述するおすすめランキングに実際に3Dプリントした際の画像を掲載しているので、参考にしてみてください。
豆知識:UVレジンが黄色っぽく見えやすい理由
UVレジンは青色に近い紫外線(主に405nm)を吸収して硬化します。そのため青色の光を吸収しやすく、それ以外の赤色や緑色の光が透過・反射されやすい性質をもちます。赤色や緑色の光が反射されて目に入ると、目は黄色(=赤色+緑色)と認識するため、UVレジンや黄色っぽく見えやすい傾向にあります。
扱いやすい「水洗い」タイプがおすすめ
すでに述べたように、透明レジンには「アルコール洗浄タイプ(スタンダードレジン)」と「水洗いタイプ」が存在します。
個人的には、扱いやすい「水洗いタイプ」が断然おすすめです。同じクオリティ(透明度、高精度)が実現できるのであれば、アルコールを使用せずに洗浄できる「水洗いタイプ」を選ぶと良いでしょう。
「水洗いタイプ」かつ「黄変しにくい」おすすめのレジンについては後述するおすすめランキングをご覧ください。
番外編:ピクセルサイズが小さい3Dプリンターを使おう
微細形状をくっきり再現したい場合は、透明レジンそのものだけでなく、光造形3Dプリンターのスペックにも注意しましょう。
3Dプリンター自体がどれだけ細かい形状を再現できるポテンシャルがあるのかを判断するには、標準的なLCD(MSLA)タイプの場合、スペック表における「ピクセルサイズ」に注目してください。ピクセルサイズは硬化できる形状の最小単位を表しているため、この値が小さいほど微細な形状を再現することができる3Dプリンターということになります。
この2点が微細3次元形状を実現する上で重要なポイントになります。
光造形3Dプリンター用透明レジン使用時のコツ・注意点
実際に3Dプリントしてみるとわかりますが、透明レジンの性質を理解していないと出力したときに透明度に物足りなさを感じる場合があります。
光造形3Dプリンター用の透明レジンを使用する際には、いくつかのコツや注意点があります。ここでは、透明レジンを使う前に認識しておきたい透明レジン使用時のポイントについて解説していきます。
洗浄・2次硬化後の表面はくもったように見える
一般に、3Dプリントした直後の造形物は透明度が高く見えるものの、洗浄・二次硬化したあとの表面はくもったように白っぽくなってしまいます。
この変化は、3Dプリント後に表面に残っていた未硬化のレジンが洗い流されたことによって起こります。3Dプリントは1層1層積み上げていく方式のため、表面にはわずかな段差や凹凸が生じます。肉眼では気にならない程度であっても、光が散乱されてしまうため、白っぽく見えてしまいます。
白っぽく見える問題を解決するには、二次硬化後にひと手間かける必要があります。透明感を取り戻す解決策を2つご紹介します。
光沢スプレーを使う
1つ目は、光沢スプレーの使用です。透明レジンの二次硬化後やヤスリがけをした後の3Dプリント品に吹きかけると、つるりと光沢のある表面になります。
光沢スプレーの例として、「UVカット光沢スプレー」が挙げられます。UVカット仕様のため、紫外線に弱いレジンを太陽光などから守ってくれます。経時的な劣化を抑えたい方はぜひ揃えておきましょう。
ハンドクラフト系レジンで表面をコーティングする
ハンドメイドのレジンアクセサリーなどに使用される、ハンドクラフト系のレジンを使うのも有効です。ハケなどを使って表面に塗り、UV硬化させることで表面の透明度が復活します。
粘土の高いレジンを使用すると、微細形状が埋もれてしまうことがあります。サラサラしたタイプのレジンを選ぶと良いでしょう。たとえば、以下の「作家のためのレジン」では、「ぷっくりタイプ」よりも「標準タイプ」の方が塗り上がりがキレイな印象でした。
2次硬化時間が長いと黄変しやすい
一般に、2次硬化時間が長ければ長いほど、3Dプリント品は黄色っぽく見えるようになります。
使用する2次硬化機の出力やレジンごとの性質によって最適な2次硬化時間は異なります。メーカーの推奨値を参考にしつつ、十分な2次硬化ができ、かつ黄色くならない程度の露光時間を見つけるようにしましょう。
また、3Dプリント品は一般に直射日光も苦手とします。変色の原因となる場合があるので、3Dプリント後は日の当たらない場所で保管するようにしましょう。
使ってみてわかった!おすすめ透明レジンランキングベスト3【2024】
ここからは、おすすめの透明レジンをランキング形式で紹介してきます。当メディア「Age of 3DP」で実際に使用してみてわかった「良い点」「惜しい点」、さらに「3Dプリント品の見た目」をあわせて紹介していきたいと思います!
今回ランキング形式で紹介したレジンの一覧を掲載しておきます。
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