こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Anycubic社のFDM(熱溶解積層)方式3Dプリンター全モデルを徹底比較していきます。
Anycubic社は光造形方式の3Dプリンターも販売する家庭用3Dプリンターの有名企業です。FDM方式3DプリンターとしてはMegaシリーズや4Max Pro 2.0、Vyperなど多数のラインナップを展開してきました。2022年からはKobraシリーズを続々発表し、その高いコスパから人気を博しています。
この記事では、多数の機種を展開してきたAnycubicのFDM3Dプリンターについて徹底解説していきます。各機種・シリーズにどのような特徴があるのか詳しく解説しているので、購入する際の参考にしてみてください!
- 購入可能なAnycubic社FDM方式3Dプリンター全モデルのスペック
- 今選ぶならどの3Dプリンターがおすすめ?
それでは見ていきましょう!
【2023年版】Anycubic FDM方式3Dプリンター一覧
まずはじめに、AnycubicのFDM方式3Dプリンターを1つ1つ確認していきましょう。見やすいように、「Kobraシリーズ」と「Kobraシリーズ以外」で分けています。
Kobraシリーズ一覧
モデル名 | Kobra Plus | ||||
---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 430 x 486 x 486 | 445 x 443 x 490 | 445 x 443 x 490 | 560 x 546 x 605 | 715 x 665 x 720 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 300 x 300 x 350 | 400 x 400 x 450 |
エクストルーダ | ダイレクト | ボーデン | ダイレクト | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 110 | 110 | 100 | 90 |
組み立て | 半組み立て済 | 要組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 要組み立て |
プラットフォーム | ばね鋼 | PEIばね鋼 | PEIばね鋼 | カーボランダムガラス | カーボランダムガラス |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | × | × | × | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | ノブ式 | ノブ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | × | × | × | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード | SDカード | SDカード | SDカード | SDカード |
本体重量[kg] | 7.5 | 7 | - | 11 | 16 |
スライスソフト | Cura Repetier-Host simplify3D | - | Cura | Cura Repetier-Host simplify3D | Cura Repetier-Host simplify3D |
その他 | デュアル斜め支柱 | ||||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
Kobraシリーズ以外一覧(Megaシリーズ/Vyper)
モデル名 | Mega S | Mega X | Vyper |
---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Anycubic | Anycubic | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 405 x 410 x 453 | 500 x 500 x 553 | 508 x 457 x 516 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 210 x 210 x 205 | 300 x 300 x 305 | 245 x 245 x 260 |
エクストルーダ | ボーデン | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 | 100 | 180 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 250 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 90 | 110 |
組み立て | 半組み立て済 | 要組み立て | 要組み立て |
プラットフォーム | - | - | ばね鋼 |
オートレベリング | × | × | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | × | × |
停電時自動回復印刷 | ○ | × | ○ |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード | SDカード | SDカード |
本体重量[kg] | 11 | 19 | 10 |
スライスソフト | Cura | Cura | Cura |
その他 | デュアルY軸 | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※公式サイトでSold outとなっているMega Zero/Mega Zero 2.0/i3 Mega/4Max Pro/Chironなどは除外しています。
Anycubic FDM方式3Dプリンターシリーズの特徴

ここからは、AnycubicのFDM3Dプリンター各シリーズ・機種の特徴について確認していきましょう。
Kobraシリーズ

2023年、AnycubicのFDM3Dプリンターとして新たに登場したKobraシリーズ。2万円台前半で購入可能な「Kobra Go」を含むすべての機種がLeviQと呼ばれるオートレベリング機能を搭載している優秀なシリーズです。
発表当初は「Kobra」「Kobra Max」の2種でした。その後「Kobra Plus」「Kobra Go」「Kobra Neo」の3機種が順次発表され、現在では全5機種のラインナップとなっています。(2023年1月時点)
Kobraシリーズは、AnycubicのFDM3Dプリンターにおける現在の主流です。機能・価格の面で、後述する同社のどの旧シリーズよりも洗練されています。今からAnycubicのFDM3Dプリンターを選ぶのであれば、Kobraシリーズから選択すべきでしょう。
すでに5機種が登場していることもあり、Kobraシリーズだけでも造形サイズやエクストルーダの種類、組み立ての要否といった選択肢が多数存在します。自身の予算や組み立ての慣れ、3Dプリントしたいモノのサイズなどに応じて、好みの機種を選ぶと良いでしょう。
詳しくは、Kobraシリーズについて解説した以下の記事をご覧ください。各機種の詳細や選択のポイントについて徹底解説しています。
Vyper

「Anycubic Vyper」は、Kobraシリーズ以外のFDM3Dプリンターとして唯一販売が続いている3Dプリンターです(2023年1月時点)。「Vyper」に派生機種は存在せず、シリーズは1種のみです。
「Vyper」の特徴は、オートレベリング機能と2軸モータの安定性です。
Vyperのオートレベリング機能は、プラットフォーム(ヒートベッド)上の16点の平坦性を取得し、自動的に補正を行ってくれます。再現性の高い3Dプリントをサポートしてくれる非常に便利な機能ですね。
ちなみに、Anycubicのラインナップでオートレベリング機能を搭載しているのは、VyperとKobraシリーズのみとなっています。
Megaシリーズ
Megaシリーズは、かつてAnycubicにおけるFDMの主要ラインナップでした。現在ではそのすべてが公式ページにおいて「Sold Out」となっており、日本のAmazonや楽天においても販売が終了されています。(2023年1月時点)
どのような機種だったのか、代表的な3機種について取り上げます。
Mega S

前面の"S"が目印の「Mega S」。
特徴はその価格。AnycubicのFDM方式3Dプリンターの中では最安の2万円台で販売されていました。他社の最安クラスの3Dプリンターと比較しても同等の価格帯ですね。
Mega X

「Mega X」の特徴は、その造形サイズ。
スタンダードな低価格帯のFDM方式3Dプリンターは、幅・奥行き・高さがそれぞれ20cm台であるのに対し、「Mega X」は造形サイズ(幅×奥行き×高さ)が30.0cm×30.0cm×30.5cm。各辺10cm近く大きいモデルを造形することが可能で、2軸モータ採用による安定性もポイントでした。
Mega Pro

前面に"P"の文字が刻まれている「Mega Pro」。
レーザ彫刻機能を搭載しており、1台で3Dプリントとレーザ彫刻の両方をこなせる一風変わった3Dプリンターでした。
その他
すでに販売が終了している機種として、4Maxシリーズや「Chiron」、「Predator」「Kossel Plus」といった多数の機種が存在していました。
中でも4Maxシリーズは、Anycubicで唯一の密閉式FDM3Dプリンターで、後継モデルの登場が期待されます。現時点でシリーズ最後となる「4Max Pro 2.0」について振り返っておきましょう。
4Max Pro 2.0

「4Max Pro 2.0」は組み立て不要・密閉モデルです。保温性や安全面、開梱からすぐにプリントできるという点で優れた3Dプリンターでした。
家庭で使用するとなると、子どもが3Dプリンターにうっかり手を触れてしまう危険性があります。3Dプリンターの導入に対して家族の理解を得るためにも、4Max Pro 2.0のような密閉式の3Dプリンターはうれしい存在です。
価格に関しても優秀で、他社の密閉式(組み立て不要、デスクトップ式)3Dプリンターと比較しても最安クラスでした(5万円弱)。
【まとめ】Kobraシリーズが現在の主流。ラインナップも超充実。
今回は、Anycubic社の人気FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンター全モデルを徹底比較してきました。
日本で購入可能なAnycubic FDM 3Dプリンター全モデルの特徴・価格について一気に把握することができましたね。
2022年から、AnycubicにおけるFDM3DプリンターのメインはKobraシリーズとなりました。すでに個性豊かな5つの機種が存在するKobraシリーズ。今後どんな新機種が登場するか楽しみですね!最新情報が発表され次第、随時更新していきたいと思います!
Anycubicの最新主要ラインナップKobraシリーズの徹底解説記事はこちら!各機種の特徴・違いについて詳しく解説しています。