こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
光造形3Dプリンタをはじめる前に知っておくべき注意点について解説
していきます。
光造形3Dプリンタをはじめるにあたって最低限知っておくべき注意点を、
の3つのパートに分けてピックアップしていきます。
それでは見ていきましょう!
光造形3Dプリンタをはじめる前に知っておくべき注意点【買い物編】
まずは
【買い物編】
です。3Dプリンタをはじめ、必要なものを買い揃える段階の注意点について解説していきます。
3Dプリンタ以外にも買うべきものが多い
3Dプリンタだけを購入しても光造形はスタートできません。材料となるレジンをはじめ、造形物を扱うための工具や、洗浄のための細々とした消耗品が必要になります。3Dプリンタ以外に準備すべきものは意外と多いのです。
追加のお金と買い揃えるための手間がかかる
3Dプリンタ以外に買うべきものを一通り揃えると、そこそこお金がかかります。どれくらいになるかは備品に求めるクオリティによって変わりますが、本体以外で1万円程度はかかってしまうでしょう。
また、材料や、洗浄用具は消耗品です。3Dプリンタを使っているうちにどんどん消費されていきます。「最初に本体さえ買ってしまえばお金はかからない」というわけにはいきません。
大小あれど、どんな趣味にもお金はかかるもの。多少の出費は覚悟が必要です。
アルコール洗浄が不要な「水洗いレジン」がおすすめ
本体購入時に一緒に購入する、材料となるレジン。購入前に知っておきたいのが、「水洗いレジン」の存在です。
通常のレジンを使用すると、プリント後にIPA(イソプロピルアルコール、イソプロパノール)を使って洗浄する工程が入ります。このIPAですが、実は有害物質です。実験室で使用する場合は、本来ドラフトチャンバーと呼ばれる排気設備内で使用する必要があるのです。また、引火性もあって扱い方を間違えれば火災にもなりかねません。そんな有害物質を家庭で使用するのは、できることなら避けたいですよね。
水洗いレジンを使えば、IPAは不要です。水洗い(+石けん)で洗浄することが可能なのです。
ゆくゆくはレジンに対するこだわりが出てくるかもしれませんが、初心者のうちはなるべく扱いやすい水洗いレジンを使用することをおすすめします。
それでも水洗いではない普通のレジンが使いたい方は、SK本舗から販売されている「レジンウォッシング」の購入を検討してみるとよいでしょう。
IPAのような通常の洗浄液に対して次のような使用上のメリットがあります。
光造形3Dプリンタをはじめる前に知っておくべき注意点【データ準備編】
続いては、
【データ準備編】
です。3Dプリンタでプリントしたい形状のデータを準備するうえで知っておきたいポイントを解説していきます。
3DCADあるいは3DCGソフトと、それを使いこなす技術が必要
立体形状を自由にプリントすることができる3Dプリンタ。Thingiverse, 3Dモデラボのようなサイトからデータをダウンロードすることも可能ですが、やはり自分が思い描く形状を作ってみたいですよね。
3Dデータのモデリングには、3DCADや3DCGソフトを使って「STL」という形式のデータを作成することになります。STLデータを作成するには、以下のようなフリーソフトを使用することができます。
どのソフトを使用するかは好みによるので、最初は試しにいろいろなソフトを触ってみることをおすすめします。
特定のソフトに限ったことではありませんが、使いこなせるようになるには時間がかかります。ソフトの習熟でつまずいてしまっては元も子もありません。まずは簡単なデータを作ってみて実際にプリントしてみましょう。自分でモデリングしたデータが形になる体験は想像以上にうれしいものです。簡単なデータで成功体験を得つつ、徐々に難易度の高いモデリングに挑戦していきましょう。
試行錯誤が不可欠
3D形状のモデリングさえできれば、あとは3Dプリンタのスイッチを入れるだけ…
とはいきません。3Dプリンタを使ったモノづくりには試行錯誤が欠かせないのです。
データの準備という意味で初心者が戸惑いやすいのが、サポート(造形物を支える支柱)の設定です。サポートを適切に設定できないと、造形物が最後まできれいに作製されません。
最初のうちはいきなり適切な本数や太さ、配置でサポートを設定できず、失敗してしまうことがよくあります。失敗するたびに片付けとプリント準備が必要になるので、なかなか骨が折れます。このあたりは「作業編」で後述します。
なかなか思い通りにプリントできずイライラするかもしれませんが、耐えどころです。次第に慣れて失敗する回数も少なくなっていきます。また、Chituboxのようなスライスソフトには自動で設定する機能もあるので、うまく使いこなしていきましょう。
光造形3Dプリンタをはじめる前に知っておくべき注意点【作業編】
必要なものを購入し、プリントしたい形状のデータを準備したら、いよいよ実際の作業に入ります。
【作業編】
では、はじめて光造形3Dプリンタを扱うときに注意すべき点を解説していきます。
有害物質を扱うため、マスク・手袋・換気は必須
3Dプリンタの材料となるレジンや、クリーニング時に使用するアルコールは人体に有害です。特にアルコールは可燃性も高く、取り扱いには注意が必要です。
3Dプリンタで使用するレジンやアルコールはAmazon等で簡単に購入できてしまうので危険性を感じにくいですが、例えばイソプロパノールなどは消防法で危険物に指定されています。上述のように、実験室などで扱う際には排気装置が設置された環境で使用されるものです。個人が扱う際にも十分注意する必要があるということがわかるでしょう。
これらの化学物質を扱う以上、マスクと手袋は必ず装着しましょう。また、洗浄時など薬品が飛散する場合に備えてメガネをかけることもおすすめします。安全メガネのようなものが好ましいですが、通常のメガネをかけて作業するだけでも安全性は飛躍的に高まります。100均でも簡易的な安全メガネが売っているので、他の購入品と一緒に購入しておくと良いでしょう。
また、作業場の換気も徹底しましょう。レジンの匂いを長時間吸い込むと気分が悪くなってしまいます。アルコールも揮発性が高いので密閉環境で使用しないようにしましょう。
それでも匂いが気になる場合は、空気清浄機の導入もおすすめです。3Dプリンターのカバー内に置いて使えるコンパクトサイズのものも販売されているので、検討してみましょう。
アルコールのような薬品を減らすという意味でも、水洗いレジンは有効です。こちらの購入も検討してみてください。
薬品を扱う上での注意事項をまとめておきます。
準備・片付けに時間がかかる
最後に、3Dプリンタを使ったモノづくりは準備と片付けに時間がかかるという点に触れておきたいと思います。
3Dデータを準備した後の、3Dプリンターの準備〜片付けの手順は以下のようになります。
- 準備プラットフォームの位置合わせ(レベリング)
- レジンの注入
- プリントプリント!
- 片付けプラットフォームからの造形物の取り外し
- 造形物の洗浄・ヤスリがけ
- 残ったレジンの濾過・保存
- プラットフォーム・FEPフィルムの清掃
習熟度や3Dプリンターのサイズにもよりますが、少なく見積もっても
はかかります。データの準備も考えるとなかなか大変な作業です。3Dプリンターの運用は、このような準備や片付けも含めて楽しめる方におすすめしたいモノづくりです。
おわりに
今回は、光造形3Dプリンタをはじめる前に知っておくべき注意点について、「買い物編」「データ準備編」「作業編」の3つのパートに分けて解説しました。
思い通りにどんな形状でも製作できる3Dプリンタ。はじめる前に注意点を押さえておくことで、よりモノづくりを楽しめるのではないかと思います。
「光造形3Dプリンタをはじめてみたい!」
と感じた方は、以下の記事を参考にして必要品を揃えてみてください。