こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、ELEGOO社の新モデル「Saturn 2 8K」について、旧モデルと比較解説していきます。
家庭用光造形3Dプリンターにおいても、8K越えの超高解像度モデルがちらほら発表される昨今、ELEGOOから「Saturn 4K」「Saturn S 4K」の後継機種となる「Saturn 2 8K」が発表されました。
「S」と「2」の文字が似ていて紛らわしいですが、この記事で紹介する新モデルは「Saturn 2 8K」です。
旧モデルの「Saturn 4K」、「Saturn S 4K」といえば、4K解像度かつ同じくELEGOOの「Mars 3」を上回る造形サイズが特徴の人気モデル。「Saturn 4K」から「Saturn S 4K」への変化は「マイナーチェンジ」でしたが、今回の「Saturn 2 8K」は、前2モデルからの機能向上が多数見られます。いったいどのようなアップグレードがあったのでしょうか?
気になる旧モデルからの改善点や気になる価格・販売状況について徹底解説していきます!!
それでは見ていきましょう!
ELEGOO Saturn 2の特徴5選【旧モデルからの改良ポイント】
さっそく、「Saturn 2 8K」は「Saturn 4K」、「Saturn S 4K」からどのような改良がなされているのかを確認していきましょう。
圧巻の10インチ8KLCDパネルを採用した超高精細プリントが可能
まずは「Saturn 2 8K」の解像度に触れておかねばなりません。
「Saturn 2 8K」では10インチ8KのモノクロLCDが採用されています。
ついにELEGOO初の8Kモデル登場ですね。最近ではAnycubicやphrozenから家庭用光造形3Dプリンターにおいても7K、8Kモデルが登場しており、ELEGOOもこの流れに乗った格好です。
詳細なピクセル数や造形サイズについては、旧モデルと比較しつつ後述します。
造形サイズが43%大型化
解像度もさることながら、スクリーンサイズも「Saturn 4K」の8.9インチから大幅に向上しました。これにより、造形サイズも大型化しています。
もともと同じ4K3Dプリンターである「Mars 3」の約2倍の造形体積があった「Saturn 4K」。
「Saturn 2 8K」への進化によって、その造形サイズがさらに大きくなっています。
詳細な数値は後の比較表に譲りますが、「Saturn 4K」に比べて約43%の造形体積アップを遂げています。
特許取得済のフレネルレンズシステムを採用し、より均一な光照射を実現
「Saturn 4K」、「Saturn S 4K」から「Saturn 2 8K」への大きな変化の1つが、特許取得済のフレネルレンズシステムFCLS(Fresnel Collimating Light Source)を採用した点です。
「フレネルレンズ」という言葉は聞き慣れない方も多いかもしれませんが、通常のレンズよりも薄く軽量なものと思っていただければOKです。
光造形3Dプリンターでは、レジンを硬化させるためのUVライトをいかに効率よくパネル全体に均一に照射させるかが重要になっています。FCLSの搭載によって、軽量・コンパクトなシステムながら92%の均一性(大きな数値です!)を実現しています。
レジン全面への均一な光照射により、優れたプリント精度となめらかな表面をもつ造形物が期待できるというわけですね!
9Hの硬さを誇るスクリーンプロテクタ採用で、LCDへのキズ対策も万全
「Saturn 2 8K」では、LCDを保護するガラスの硬度も強化されています。
「9H」は、9Hの鉛筆でこすっても表面にキズがつかないという、鉛筆硬度の一般的な最高の値です。この指標は数値が大きいほどひっかきキズに耐性があることを示しており、「9H」は「B」や「HB」よりはるかに硬い鉛筆です。BやHBの鉛筆を折った経験はあっても、9Hの鉛筆を折ったことはありませんよね?(そもそも9Hの鉛筆を使ったことがないかもしれませんが。。。)
目立ちにくいポイントですが、作業を繰り返すうちにうっかりスクリーンをキズつけてしまった!などという心配がほとんどないというのは嬉しいポイントですね。
空気清浄機つきでレジン臭を格段に軽減
その他に、「Saturn S 4K」から搭載されている消臭機能が継続して「Saturn 2 8K」でも搭載されています。最近のELEGOO光造形3Dプリンターでは標準搭載となりつつあるようですね。
本体から給電できるタイプなので充電不要なところも、手間が減ってうれしいですね。
ELEGOO Saturnシリーズスペック比較【Saturn/Saturn S/Saturn 8K/Saturn 2】
ポイントを押さえたところで、Saturnシリーズのスペックを数値で確認しておきましょう。
モデル名 | Saturn | Saturn S 4K | Saturn 8K | Saturn 2 8K |
---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||
メーカー | ELEGOO | ELEGOO | ELEGOO | ELEGOO |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 280 x 240 x 446 | 280 x 240 x 446 | 280 x 240 x 462.5 | 305.9 x 273 x 567.3 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 192 x 120 x 200 | 196 x 122 x 210 | 218.88 x 123.12 x 210 | 218.88 x 123.12 x 250 |
Z軸精度[mm] | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 | 0.00125 |
積層ピッチ[mm] | 0.01-0.15 | 0.01-0.15 | 0.01-0.2 | 0.01-0.2 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.05 | 0.048 | 0.0285 | 0.0285 |
ピクセル数(XY) | 3840 x 2400 | 4098 x 2560 | 7680 x 4320 | 7680 x 4320 |
プリントスピード[mm/h] | 30-40 | 30-70 | 30-70 | 30-70 |
データ入力 | USB | USB | USB | USB |
本体重量[kg] | 10 | 11 | 11 | 11 |
スライスソフト | Chitu DLP Slicer | CHITUBOX | CHITUBOX | CHITUBOX |
その他 | 空気清浄機付き | 空気清浄機付き | 空気清浄機付き | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
並べてみると「Saturn 2」への進化に伴うスペックの向上がよくわかりますね。とくに「Saturn 4K」や「Saturn S 4K」からの造形サイズやピクセル数の大幅増加が顕著です。同じ8Kの「Saturn 8K」と比較しても、造形サイズが大きくなっています。
まとめ:大幅に性能向上したSaturn 2。気になる価格と販売状況は?
より大きなモデルを8Kの圧倒的高精細で出力できるようになった「Saturn 2 8K」。
フレネルレンズシステムFCLSや9H硬度のスクリーンプロテクタを搭載するなど、「Saturn 4K」「Saturn S 4K」から大幅な進化を遂げていることがわかりましたね。
今後、家庭用光造形3Dプリンターのスタンダードとなっていくのではないでしょうか?
そんな「Saturn 2 8K」ですが、2023年8月現在、Amazonにて販売されています。
気になる方は以下のページからお早めにチェックしておきましょう!