世界初の家庭用DLP3DプリンターPhoton Ultraについて徹底解説!

こんにちは、管理人のウノケンです。

今回は、Anycubic社の世界初家庭用DLP3DプリンターPhoton Ultraについて解説していきたいと思います。

Anycubic社はFDM(FFF)方式の3Dプリンターも販売する家庭用3Dプリンターの有名企業で、手頃な価格と高い品質で人気を博しています。

そんなAnycubicから、世界初の家庭用DLPプリンターPhoton Ultraが最近Kickstarterでローンチされました。今回は公式情報をもとにPhoton Ultraの特徴について徹底解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • DLPプリンターって何?
  • Photon Ultraのどこがスゴい?
  • 販売時期はいつ頃?

それでは見ていきましょう!



Photon Ultra登場。世界初の家庭用DLPプリンターについて解説!

出典:https://superbacker.co/anycubic-photon-ultra/?utm_source=prnewswire.com

2021年9月、Anycubicから世界初の家庭用DLP3DプリンターPhoton UltraがKickstarterにてローンチされました。DLPという言葉は聞き慣れない方も多いかもしれません。そこで、まずは「そもそもDLPプリンターとは何か?」「他のPhotonシリーズと何が違うのか?」について公式情報をもとにして解説していきます。

出典:Photon Ultra – 3D Print with ultra-precise DLP light beams

DLPプリンターとは?

DLPチップの拡大図。個々の微小ミラーが画素に対応する(9画素)。出典:テキサスインスツルメンツ

DLPとはDigital Light Processingの略で、プロジェクターなどに広く使われている技術です。DMD(デジタルミラーデバイス)と呼ばれる微小な画素(ミラー)のひとつひとつを制御することで、画像を表示するという用途で使われています。DLPという名前はテキサスインスツルメンツ社の登録商標であり、Photon UltraはAnycubicとテキサスインスツルメンツ社の共同開発となっています。

みなさんが会議室などで見かけるプロジェクターの中にも、テキサスインスツルメンツ製のDLPが多く使用されています。実は身近なところでも使用されている、長い年月をかけて成熟した画像表示技術なのです。このような優れた技術が今回光造形3Dプリンターに満を持して搭載されたのです…!

このDLP技術は、DLPプリンターのレジンバット下部で使用されます。微小なミラーのひとつひとつが画素として樹脂(レジン)を硬化させるか・させないかを制御しているのです。

Photon Ultraと他のPhotonシリーズの違いは?

Photon Monoなどの他の光造形3Dプリンターは、LCDプリンターと呼ばれます。こちらは、Liquid crystal Display、つまり液晶ディスプレイを用いた3Dプリンターです。こちらもひとつひとつの画素(ピクセル)をオンオフさせることで、樹脂(レジン)を硬化させるかどうか制御しています。

LCDプリンターが必ずしもDLPに劣るわけではありませんが、Photon Ultraは従来のLCDプリンターと比較して、耐久性や消費電力の点で優れた性能を示しています。以下ではPhoton Ultraの特に注目すべきポイントについて紹介していきます。



Photon Ultraのスペックを紹介!どこがスゴい?

以上でDLPプリンターとLCDプリンターの違いがわかったかと思います。

ここからは、Photon Ultraのスペック・特徴に着目し、ココがスゴい!というポイントについて見ていきましょう。

Photon Ultraの詳細スペック

現在公表されている情報から、Photon Ultraのスペックについて確認していきましょう。

次の画像が気になるPhoton Ultraのスペック全貌です。

Photon Ultra(出典:Kickstarter

これだけでは少しわかりにくいですね。

そこで、同等サイズのLCDプリンターであるAnycubic Photon Monoと比較してみましょう。

モデルPhoton UltraMono
イメージ
造形サイズ(幅×奥行き×高さ)[mm]102.4×57.6×165130×80×165
ピクセル数1280×7202560×1620(2K)
解像度(XY) [mm]0.080.051
Z軸精度 [mm]0.010.01
レイヤー厚さ(Z) [mm]0.01-0.150.01-0.15
プリントスピード [mm/時間]Max 60Max 50
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)[mm]227×222×383227×222×383
実勢価格(2021年12月時点)599ドル
(=67,000円)
約25,000
〜30,000円
備考・DLP・2KモノクロLCD
画像、スペックはAnycubic公式ページKickstarterより引用。情報のない項目は”-“で示している。

この比較表をじっと見て、疑問を感じた方も多いのではないでしょうか?

そうです。

Photon Monoのほうが安くてハイスペックじゃない??

そう感じたことでしょう。造形サイズ、ピクセル数、解像度(XY)の3項目はすべてPhoton Monoのほうが優れています。スペック比較表を見る限りではPhoton Ultraが勝る項目は最大プリントスピードのみです。

世界初のDLPプリンター!!と聞いてさぞスゴい3Dプリンターかと思ったら、Photon Monoの下位互換じゃないかっ!と拍子抜けしてしまったかもしれません。

ところが、世界初のDLPプリンターを甘く見てはいけません。Photon Ultraのスゴいところは上記のスペック以外のところにあるのです。

ここからは、Photon Ultraのどこが優れているのかについて解説していきます。

実は高解像度

1つ目はLCDに比べて高い解像度を実現している点です。

「上の比較表ではPhoton Monoの解像度(XY)のほうが小さいじゃないか!」

と思われるでしょう。そこで、まずはKickstarterのページで紹介されている、Photon Monoとの解像度比較を見ていきましょう。

DLPプリンターPhoton UltraとLCDプリンターPhoton Monoによる造形物比較(出典:Kickstarter

拡大図を見ると、Photon Ultraのほうが造形されたフィギュアの細かいところまで再現できていることがわかります。なぜ解像度が低く、ピクセル数も少ないはずのPhoton Ultraのほうが再現度が高いのでしょうか?

その秘密はDLPとLCDの違いにあります。簡単に言うと、DLPは硬化させたくない画素の光漏れをゼロにできるのに対し、LCDはゼロにできないのです。これがDLPとLCDの一番の違いです。詳細については割愛しますが、DLPは硬化させたい画素・させたくない画素を明確に切り分けることができる一方、LCDは硬化させたくない画素にも光が漏れてしまうのです。DLPはオンの画素とオフの画素の制御が明確に切り分けられるため、上の画像の造形物のように、ぼやけの少ないシャキッとしたフィギュアが作れるというわけなのです。

DLPプリンターが高解像度を実現できるワケ
  • DLP・・・硬化させたくない画素への光漏れナシ!ぼやけが少ない3Dモデルが作製可能!
  • LCD・・・硬化させたくない画素にもある程度光が漏れてしまう…



運用コストが圧倒的に安い!

次のポイントは、運用コストの圧倒的安さです。

3Dプリンター本体だけでは、もちろん何もプリントできません。材料であるレジンやクリーニングのためのアルコールといった様々な物品が必要になります。何ヶ月か使用すると、レジンバットやFEPフィルム、プラットフォームなども交換が必要になります。このように、光造形3Dプリンターのランニングコストは意外と大きく、無視できないものです。

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光造形3Dプリンターを使い始める上で必要なものについてはこちらの記事をご覧ください。

>> 光造形3Dプリンタをはじめよう!買っておくべき必要なもの一覧

LCDプリンターにおける液晶パネルもそのような「隠れコスト」の1つです。次の画像を見てみましょう。

DLPプリンターとLCDプリンターの隠れコスト比較(出典:Kickstarter

DLPプリンターのDLP部分が20,000時間以上使用できるのに対し、LCDプリンターのLCDは耐久時間が約2,000時間。3Dプリンター自体の寿命が20,000時間であるとした場合、DLPの場合追加コストは不要ですが、LCDは追加で700ドル(=約8万円)がかかることになります。

本体価格について振り返ると、Photon Ultraがおよそ67,000円、Photon Monoが30,000円程度です。Photon Monoを使用して5、6回LCDパネルを買い換えるとすれば、Photon Ultraの方が結果的に低コストということになるのです。見えにくい「隠れコスト」まで含めると、一見割高なPhoton Ultraのほうが安い場合もあるということですね。

注意すべきは、同一の3Dプリンターを使用して、何度LCDを買い換えるかという点です。1年も経てばスペックの高いモデルが登場することを考えると、ライトユーザーの場合は買い替えても数回程度ではないかと思います。自身の使用頻度も考慮に入れる必要がありそうですね。

DLPプリンターが低コストで運用できるワケ
  • DLP・・・耐久時間20,000時間以上!買い替えの必要ナシ!
  • LCD・・・耐久時間約2,000時間。5、6回買い換えると結果的にDLPプリンターより高額…



おわりに:Photon Ultraの販売時期は?

今回は、Anycubic社の世界初家庭用DLP3DプリンターPhoton Ultraについて解説してきました。

従来のLCDプリンターとは違った特徴がある注目の3Dプリンターであることがわかりましたね!

最後にPhoton Ultraの販売情報について触れて締めくくりたいと思います。

Kickstarterによれば、製品の到着は2022年1月〜3月(地域によって変動あり)になるとのことです。

また、これはKickstarterで注文した最も早いケースです。一般購入ができるのはもう少し先のことになりそうですね。情報が更新され次第当メディアでも発信していきますので、もう少しの間楽しみに待っていましょう。

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