こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Ankerの最新FDM3Dプリンター「AnkerMake M5C」について徹底解説していきます。
Ankerといえば、モバイルバッテリーやスピーカー、プロジェクター等のガジェットで有名なハードウェアブランド。2023年3月には、Anker初となる3Dプリンター「AnkerMake M5」の一般販売を開始しています。
そんなAnkerから、2023年8月に新しい3Dプリンター「AnkerMake M5C」が発表されました。
家庭用3Dプリンター業界では「新参者」のAnkerが繰り出す2代目の3Dプリンター「AnkerMake M5C」。
「どんな特徴のある機種なの?」
「初代『AnkerMake M5』との違いは?」
という疑問がスッキリ解消するように、徹底解説していきます!
それでは見ていきましょう!
2代目を発表した3Dプリンターブランド「AnkerMake」
「AnkerMake」は、Ankerによるクリエイター向けのハードウェアブランドです。これまでAnkerが消費者向けハードウェア開発で培った技術を、クリエイターの創作活動をサポートするハードウェアの提供に注ぎこんだ注目のプロジェクトになっています。
これまで、AnkerMakeからは「AnkerMake M5」という3Dプリンターが販売されています。
といった特徴をもつ、初代としては十分すぎるほどの優秀な3Dプリンターとなっていました。以下の公式YouTube動画(1分半ほど)を見ると、ざっと特徴をつかむことができるので確認しておきましょう。
詳しくは以下の記事でも解説しています。「まずは初代の3Dプリンターについて詳しく知っておきたい」という方は、先にこちらをご覧ください。
2代目「AnkerMake M5C」の特徴
そして、2023年8月に発表された2代目の3Dプリンターが「AnkerMake M5C」です。
「AnkerMake M5C」の主な特徴は以下の通りです。
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
よりコンパクトで組み立てやすい本体デザインに
初代と非常に似た名前の「AnkerMake M5C」。それだけに、「C」の文字が気になるところでしょう。
公式ブログで明言されているように、「C」は「Compact(コンパクト)」を意味しています。初代へのフィードバックを踏まえ、2代目はシンプルで小型な3Dプリンターへと生まれ変わったとのこと。
詳しくは後述しますが、本体に搭載されていたタッチスクリーンの撤廃や造形サイズの縮小といった「スリム化」が行われ、価格を数百ドル安く提供することに成功したようです。
カスタマイズ可能なワンクリックボタン搭載
もう1つの注目ポイントは、「ワンクリックボタンの搭載」です。
「AnkerMake M5C」をよく見ると、本体の右手前部分に、他の3Dプリンターには見られない特徴的な「ボタン」がついていることがわかるかと思います。
このボタンは「シングルクリック」「ダブルクリック」「長押し」することが可能で、「プリント」や「レベリング」、「一時停止」といった機能をカスタマイズして設定することが可能です。
通常の3Dプリンターのように、ノブやタッチによるスクリーン操作の煩雑さを解消する狙いがあるようです。
オールメタル製のホットエンドを採用し、ノズル最高温度が300℃に到達
初代に比べて、機能も価格もコンパクトになった「AnkerMake M5C」。
とはいえ、単なる初代の「下位互換」ではありません。ホットエンドがオールメタル仕様になり、ノズル最高温度は300℃に到達(「M5」は最高260℃)しています。
ノズル最高温度が上昇したことにより、より幅広いフィラメントの種類に対応できる進化を遂げました。
初代3Dプリンター「AnkerMake M5」との違いは?
「AnkerMake M5C」の特徴について理解できたところで、初代の「AnkerMake M5」との違いについて確認していきましょう。主な変更点は以下の通りです。
順に見ていきましょう。
サイズや機能の「コンパクト化」
「M5C」の特徴である「コンパクト化」。見方によってはポジティブにもネガティブにも捉えられる、この変化点をチェックしておきましょう。
AnkerMake M5C(2代目) | AnkerMake M5(初代) | |
本体サイズ | 466×374×480 | 502×438×470 |
造形サイズ | 220×220×250 | 235×235×250 |
カメラ(AI検知、タイムラプスを含む) | なし | あり |
タッチスクリーン | なし | あり |
定価 | $399 | $699 |
タッチスクリーンが廃止され、リッチなカメラ・AI機能も撤廃されたことは、ネガティブに捉える人も少なくないでしょう。一方で、半額にも近い低価格化は大きな魅力の1つです。
「M5C」と「M5」のどちらを選ぶかに関しては、この表に記載の項目を十分に吟味することが重要です。
エクストルーダの強化
初代から2代目への純粋なアップグレードポイントは、「エクストルーダの強化」くらいではないでしょうか。以下のような最高温度やフローの強化が行われています。
AnkerMake M5C(2代目) | AnkerMake M5(初代) | |
ホットエンド | All-Metal | PTFE |
フロー | 35 mm³/s | 24 mm³/s |
ノズル最高温度 | 300℃ | 260℃ |
これにより、「M5」ではプリントが難しかった「PA(ポリアミド)」や「PA-CF(カーボンファイバー)」といったフィラメントが新たにサポートされています。
最後に、「AnkerMake M5C」のスペックを、「AnkerMake M5」と比較できるように一覧で記載しておきます。
モデル名 | AnkerMake M5C | AnkerMake M5 |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | Anker | Anker |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 466 x 374 x 480 | 502 x 438 x 470 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 235 x 235 x 250 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 500 | 500 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 | 100 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | PEIマグネットシート | PEIマグネットシート |
オートレベリング | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | - | - |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ |
密閉 | × | × |
ディスプレイ | なし | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - | ○ |
データ入力 | Wi-Fi Bluetooth USB-C | Wi-Fi Bluetooth USB-C |
本体重量[kg] | 11 | 12.6 |
スライスソフト | AnkerMake Slicer Cura PrusaSlicer | AnkerMake Slicer Simplify 3D Cura PrusaSlicer |
その他 | AIカメラ搭載 | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
おわりに 〜気になる「AnkerMake M5C」の販売情報〜
今回は、Ankerの2代目3Dプリンター「AnkerMake M5C」について徹底解説しました。
その特徴と初代「AnkerMake M5」との違いがよくわかったのではないでしょうか?
「AnkerMake M5C」は、8/1にアメリカで販売が開始されているものの、Anker Japanによる日本国内での販売開始時期は公表されていません(2023年9月時点)。情報が入り次第、アップデートしていく予定です!