こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、2024年に入って日本でも遂に発売された
Bambu Labの最新マルチカラー3Dプリンター「A1 Combo」を実機レビュー
していきます。
2023年末の海外リリースから遅れること約1ヶ月。購入した実機がついに到着しましたので、さっそくレビューしていきたいと思います!
「最近よく見かける『Bambu Lab』の最新機種が気になる!」
「10万円以下で買える『A1 Combo』ってどんな3Dプリンターなの?」
という方が
といった内容を理解できる記事となっています。ぜひ最後までご覧ください。
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。開封の様子など、動画ならではの内容も盛りだくさんの解説をお楽しみください!
それでは見ていきましょう!
Bambu Lab「A1 Combo」の特徴
実機レビューに入る前に、「A1 Combo」の特徴を押さえておきましょう!
密閉なしのマルチカラー3Dプリンター
「A1 Combo」は、先立って登場した小型タイプ「A1 mini」がもつ以下の特徴を引き継いでいます。
評価の高い以下の機能も継続して搭載。
10万円を越える価格帯の3Dプリンター顔負けの機能を搭載しています。
次の項目からは、「A1 mini」にはない「A1 Combo」ならではの特徴を確認していきましょう。
「X1/P1シリーズ」に匹敵する造形サイズ
「A1 Combo」の特徴の1つは、その造形サイズ。
「X1-Carbon」や「P1P」、「P1S」と同様に、最大造形サイズは256×256×256mm³となっています。
先代の「A1 mini」は、その名の通り造形サイズが小さい(180×180×180mm³)という欠点がありましたが、「A1 Combo」はこれを克服。家庭用3Dプリンターとして一般的な造形サイズを確保したことで、より完成度高い機種に進化しています。
そして、最大プリントスピードも、「X1シリーズ」「P1シリーズ」と並ぶ500mm/s。筐体のないベッドスリンガータイプ(ヒートベッドが前後に動く、一般的な構成)でありながら、超高速3Dプリントを実現しています。
「AMS lite」をガントリーに取り付け可能
さらに注目したいのが、「AMS lite」をガントリー上部に取り付けられる点です。
「AMS lite」とは、最大4種のマルチカラープリントを可能にする「A1シリーズ」3Dプリンターの相棒的フィラメント供給装置。
先代の「A1 mini」は、その小ぶりな本体の横に「AMS lite」が配置されることで、
「どっちが本体??」
と思ってしまうような関係性となっておりました。
一方で、「A1 Combo」においては、「AMS lite」をガントリー上部に取り付けることが可能に。
しかも、トップマウントパーツはユーザー自らがプリントする仕様になっており、「3Dプリンターのパーツを自作する」興味深い体験をすることができます。
トップマウントの取り付けに関しては、後半で実演を交えて追加解説しています。
「A1 Combo」の実機レビュー!
さて、ここまでは「A1 Combo」の概要について述べてきました。ここからは、
「実際に使ってみてどうなのか?」
について、実機レビューしていきたいと思います!
開封&組み立て!
「A1 Combo」を開封し、中身を確認していきましょう!
配送された通常よりも大きめのダンボールには、
の両方が分解された状態で封入されており、パーツ点数も多め。
せっせと組み立てること約1時間。ガジェット感満載の「A1 Combo」が姿を現しました!
「AMS lite」の組み立てが含まれていることもあり、通常の3Dプリンターよりも組み立てには若干時間がかかった印象。
くらいの作業時間は見積もっておきましょう。
開封&組み立ての詳細は動画でチェック!
開封と組み立てにフォーカスした動画も公開中!最新のマルチカラー3Dプリンターに興味のある方、必見です…!
3Dプリント実行!基本性能を確認!
準備が完了したので、さっそく3Dプリントを開始していきます!
3D Benchy
まずは、定番の3DBenchyをプリント。挿入されているmicroSDカードにスライス済みのデータが格納されているので、すぐにプリントすることができます。
フィラメントには、同梱されていたテスト用のPLAベーシックを使用していきます。
それでは、実際にプリントしているときの様子(等倍速)をご覧いただきましょう!
プリント開始から約14分で完成。プリント前の調整に5分ほど時間がかかりますが、プリント自体はかなり高速であることがわかりましたね!
完成品がこちら。
表面に若干の筋が見られるものの、標準的な積層痕の範疇でしょう。オーバーハング等も問題なく、かなり高精度と言って良いのではないでしょうか?
「第一層」の品質をPETGフィラメントで確認!
続いては、他のフィラメントを使ったプリントも確認していきましょう。
ペットボトルの材質に似た「PETG」を使ったプリントを行っていきましょう。「PLA」に次いで頻繁に使用されるフィラメントの1つで、後述するように、「A1 Combo」で使用する主要なフィラメントになります。
速度の設定値は、スライスソフト「Bambu Studio」のプリセットを使用。以下のような値となっています。
プリント結果がこちら!
破れたりすることもなく、傷もほとんどナシ!非常にクオリティの高い極薄シートがプリントされました。
「A1 Combo」、マルチカラー以前に3Dプリンターとしての性能もかなり高いようです。
マルチカラープリントを実行!
基本性能を確認できたところで、お待ちかねのマルチカラープリントの例を見ていきましょう!
3色Benchy
まずは、3DBenchyを3色でプリントしてみましょう。こちらもスライス済みのデータが用意されているので、すぐにプリントすることが可能です。
途中で2回、色の切り替えを実行。その出来ばえは…?
いい感じですね!色の切り替え部分にじんだり、歪んだりすることもなく、非常にキレイ。
流石はマルチカラー3Dプリンターブームの先駆け、Bambu Lab。
マルチカラーパンダ
さて、より本格的なマルチカラー3Dプリントにもトライしていきましょう。
続いての3Dモデルは「パンダ」!こちらもスライス済みモデルが同梱されています(元データはこちら)。
3色を使う点はさきほどの3色Benchyと変わりませんが、色の切り替え回数が段違い。ほとんどの層に白と黒が含まれるので、合計すると数百回の色切り替えが行われます。
果たして、うまくプリントできたのでしょうか…?
素晴らしいクオリティ!元データがそもそも簡単には作れないレベルの代物ということもありますが、このパンダの可愛らしさを引き出せるのは、「A1 Combo」のマルチカラープリントあってこそでしょう。
これまでの3Dプリンターで物足りなかった「色」が付くことで、モノづくりの幅がより一層広がること間違いなし。
これはいろいろとマルチカラーでプリントしてみたくなりますね!
ここまで、PLAやPETGの単色プリントや、3色のフィラメントを使ったマルチカラープリントの実行を通して「A1 Combo」の実力調査を行ってきました。
以降では、「A1 Combo」の
というポイントについて深掘りしていきたいと思います!
使ってみてわかった!「A1 Combo」のココがすごい!
ここからは、
実際に使ってみて感じた「A1 Combo」のスゴいところ
について紹介していきたいと思います。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!
スライス済みモデル多数!マルチカラー3Dプリントが超楽しい!
ここまで紹介した3Dモデルを含め、「A1 Combo」には多数のスライス済みモデルがデフォルトで用意されています。
はじめのうちは自分でカラー設定をしたりするのは骨が折れるので、はじめからいろいろなモデルでプリントを楽しめるのは嬉しいポイントですね。
ノイズキャンセリングがかなり優秀
また、使用していて顕著に感じたのが、「A1 Combo」に搭載されたノイズキャンセリング機能の優秀さ。
昨今の家庭用3Dプリンター(密閉なし)は、高速化とそれに伴うファンの強力化によって、ノイズがけっこう気になる存在に。
そんな中、「A1 Combo」にはノイズキャンセリング機能が搭載されたことで、ノイズが大きく低減。
標準的なスピード設定でプリントしているときの騒音値は40dB台後半。ちなみに、40dB台とは、図書館の中程度のかなり静かな環境とされています(参考ページ)。
標準的な高速3Dプリンターであれば、50dB台後半になることも珍しくありません(参考:上図「CR-10 SE」の例)。
以上を踏まえると、「A1 Combo」のノイズキャンセリング機能は非常に優れていることがわかるでしょう。
PC&スマホとの連携がスムーズで便利!
「A1 Combo」は、PCやスマホとの連携も優れています。
を活用することで、
などを簡単に実行することができます。
パソコンでもスマホでも、3Dプリンター本体からでも、状況に応じて好きなインターフェースから操作できるため、非常にストレスなくプリント作業を進めることが可能です。
使ってみてわかった!「A1 Combo」のココに注意!
最後に、
実際に使ってみて、個人的に気になった点
についても紹介していきます。人によって好みも異なりますので、選択する際の参考にしてみてください。
マルチカラーのフィラメント消費とプリント時間
もっとも気になったのは、マルチカラープリント時に生じる膨大なフィラメントのゴミと長いプリント時間。
上の画像が、何よりもその事実を雄弁に語ってくれているでしょう。
すでに述べたように、このパンダのモデルでは、ほとんどの層において白と黒のフィラメントを使用するため、その度にフィラメントの色を切り替える必要があります。
フィラメントを切り替えるには、
その後にやっとプリントを再開できるため、これほどのフィラメントのムダが生じてしまうというのが現状です。
やむを得ないデメリットではありますが、この課題を解決してくれる3Dプリンターを待つばかりです…。
フィラメントはPLAとPETGが中心(ABS等は非推奨)
様々なフィラメントを組み合わせて使えるマルチカラー3Dプリントが楽しい「A1 Combo」ではありますが、使用できるフィラメントの種類は、決して多くはありません。
Bambu Labの公式フィラメントガイドを参照すると、例えば以下の種類のフィラメントの使用には制限があることがわかります。
これはちょっと意外に感じる人も多いのではないでしょうか?
上記を踏まえると、「A1 Combo」で積極的に使用できるのは、PLAとPETGが中心となることでしょう。これらのフィラメントを使って、あくまでも「マルチカラー」を楽しむ3Dプリンターと割り切るべきでしょう。
トップマウントは揺れと負荷がちょっと不安
さらに、「A1 Combo」の売りの1つでもある「トップマウント」にも少々不安が。
というのも、「AMS lite」と4つのフィラメント、そしてプリントして自作するパーツを含めると、総重量は最大で5〜6kgに及びます。金属製の頑丈なガントリーとはいえ、筐体のないベッドスリンガータイプの上部に常設しておくのは、装置への負荷を考えると、ちょっと心配ですよね。
ただ、プリント品質への悪影響はほとんどないようです。実際、トップマウント設置前後のプリント品質を比較してみましたが、大きな変化は見られず。プリント中の揺れはスゴいものの、振動補正機能がうまく作用しているのかもしれません。
「A1 Combo」のスペック一覧!X1・P1シリーズとも徹底比較!
最後に、
「A1 Combo」の詳細スペックを、「X1シリーズ」や「P1シリーズ」と比較しつつ確認
していきます。
「どの3Dプリンターを選ぶか迷う…」
と思っている方、必見です。
モデル名 | A1 | X1 Carbon | P1P | P1S |
---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||
メーカー | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 385 x 410 x 430 | 389 x 389 x 457 | 386 x 389 x 458 | 389 x 389 x 458 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 | 256 x 256 x 256 |
エクストルーダ | クイックスワップ | - | - | - |
プリントスピード[mm/s] | 500 | 500 | 500 | 500 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 | 120 | 100 | 100 |
組み立て | 半組み立て済 | - | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | PEIプレート(Textured/Smooth) | Flexible Steel Plate(Cool/Engineering) | 両面PEIプレート | - |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | ○ | × | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | ボタン式 | ボタン式 |
デュアルZ軸 | - | - | - | - |
データ入力 | Wi-Fi Bambu-Bus | Wi-Fi Bambu-Bus | Wi-Fi Bluetooth Bambu-Bus | Wi-Fi Bluetooth Bambu-Bus |
本体重量[kg] | 8.3 | 14.13 | 9.65 | 12.95 |
スライスソフト | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | Bambu Studio |
その他 | ワンクリック印刷(MakerWorld)対応 AMS lite(マルチカラー)対応 カメラ搭載 | LiDAR搭載 リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 活性炭フィルタ搭載 カメラ搭載 | リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 半自動ベルトテンショニング | リモート制御機能 AMS(マルチカラー)対応 半自動ベルトテンショニング 活性炭フィルタ搭載 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
「造形サイズ」や「最大プリントスピード」など、15万円以上という価格帯の高額な従来機種と同等のスペックを維持しながら、マルチカラーを10万円以下で実現した「A1 Combo」。
「ずっとマルチカラーが気になっていた…」
という方にとっては、まさに救世主的存在と言っても過言ではないでしょう。
まとめ:「A1 Combo」は家庭用マルチカラーの入門に超オススメ!
今回は、Bambu Labの注目3Dプリンター「A1 Combo」について徹底実機レビューしてきました。
高く評価されているBambu Labの従来機種と同様の「高速」かつ「マルチカラー3Dプリント」を実現しながら、10万円以下というコスパを実現した「A1 Combo」。
という方にとっては、まさに見逃せない1台と言って良いでしょう。
販売情報
現在、Bambu Lab公式ストアにて販売中(Amazon等他のサイトでは販売を確認できていません)。
今回の記事を読んで気になった方は、ぜひ公式ストアをのぞいてみてくださいね!
「マルチカラー不要」「コスパを優先したい」場合は他社3Dプリンターを検討しよう
マルチカラー3Dプリンターとしては破格のコスパを誇る一方で、
なのは気になるところ。用途によっては、同じくらいの価格であれば他社製3Dプリンターの方が適する場合もあるでしょう。
「マルチカラーじゃなくてもいいかな…」
「ほしいけど、予算は5〜6万円までかな…」
と感じる方は、以下の例のような高速3Dプリンターもあわせて検討してみると良いでしょう。
Creality「Ender-3 V3 KE」
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「Ender-3 V3 KE」は、2023年後半に登場したCreality「Enderシリーズ」の最新FDM3Dプリンター。
といったコスパと性能を両立する高速3Dプリンターです。使用感がバッチリ分かる実機レビューも参考にしてみてください。
Anycubic「Kobra 2 Pro」
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Anycubic「Kobra 2 Pro」は、
という特徴をもつ最新の高速3Dプリンターです。使用感がバッチリ分かる実機レビューも参考にしてみてください。
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「Neptune 4」は、2023年6月に登場したELEGOOの最新FDM3Dプリンター。
といった高いコスパを誇る高速機種です。使用感がバッチリ分かる実機レビューも参考にしてみてください。