こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、Revopointの最新大型対応3Dスキャナー「Revopoint RANGE」について実機レビューしていきます。
2022年に「Revopoint POP 2」や「Revopoint MINI」のクラウドファンディングで大きな成功を収めたRevopointから、新しい3Dスキャナー「Revopoint RANGE」が登場しました。
2023年3月22日〜4月28日に渡って、CAMPFIREにてクラウドファンディングが実施され、いよいよ公式サイトでもリリースされました。
大きたモノのスキャンに特化した3Dスキャナー「Revopoint RANGE」とはいったいどのような3Dスキャナーなのでしょうか?
今回Revopoint様から実機をご提供いただきましたので、開封からスキャンまで、その使用感を徹底解説していきます!
過去2回に渡って「Revopoint POP 2」「Revopoint MINI」の実機レビューを行ってきたAge of 3DP。「Revopoint RANGE」と先代モデルとの違いについてもスペック・使用感の両面からレビューしていきます!
それでは見ていきましょう!
高精度3DスキャナーメーカーRevopointとは
Revopointは、2014年に創設された深センに本拠地を置くハイテク企業です。
2020年にKickstarterでローンチされた「Revopoint POP」が最も多くの資金を集めた3Dスキャナーとなったことで、Revopointの名が世界的に広く知られることとなりました。
2021年末には新機種「Revopoint POP 2」をローンチし、日本でもクラウドファンディングサイト「Makuake」にて9,200万円以上の支援額を記録しました。
2022年にはブルーライト搭載の高精度3Dスキャナー「Revopoint MINI」のクラウドファンディングも成功させるなど、Revopointは今もっとも勢いのある3Dスキャナーメーカーと言っても過言ではないでしょう。
「Revopoint RANGE」の特徴!先代機種からの進化は?
今注目の3DスキャナーメーカーRevopointが新たにクラウドファンディングを実施する「Revopoint RANGE」。
先代機種の「Revopoint POP 2」や「Revopoint MINI」との違いはいったいどのようなポイントなのでしょうか?
まずは「Revopoint RANGE」と先代機種との違いについて確認していきましょう。
「Revopoint POP 2」や「Revopoint MINI」とのスペック比較
まずはじめに、「Revopoint POP 2」や「Revopoint MINI」のスペックを比較していきましょう。
モデル名 | RANGE | MINI | POP 2 |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | Revopoint | Revopoint | Revopoint |
精度 [mm] | 0.1 | 0.02 | 0.05 |
点間距離 [mm] | 0.3 | 0.05 | 0.1 |
撮影領域(1ショット)[mm] | 360 x 650 | 64 x 118 | 210 x 130 |
スキャンボリューム [mm] | 50 x 50 x 50 〜 4000 x 4000 x 4000 | 10 x 10 x 10 〜 500 x 500 x 500 | 20 x 20 x 20 〜 2500 x 2500 x 2500 |
動作距離 [mm] | 300 〜 800 | 100 〜 200 | 150 〜 400 |
スキャンスピード [fps] | 18 | 10 | 10 |
本体重量 [g] | 210 | 160 | 195 |
本体サイズ [mm] | 295 x 41.5 x 28.2 | 120 x 38.5 x 25 | 154.6 x 38.2 x 25.6 |
出力形式 | .ply .obj .stl | .ply .obj .stl | .ply .obj .stl |
光源 | Class 1 赤外光 | Class 1 青色光 | Class 1 赤外光 |
屋外対応 | ○ | × | ○ |
対応OS | Windows 8/10/11 macOS Android iOS | Windows 8/10/11 macOS Android iOS | Windows 8/10/11 macOS Android iOS |
その他 | 撮影領域:距離600mm | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
新しい「Revopoint RANGE」は、先代機種の「POP 2」「MINI」に比べて
- 撮影領域が大きい
- 動作距離が大きい
- スキャンスピードが速い
という特徴があります。スペックを比較してみると、過去どの機種よりも大型3Dスキャンに特化した3Dスキャナーであることがよくわかりますね。
ここからは「Revopoint RANGE」の特徴について具体的に確認していきましょう!
注目ポイント①:大型のモノを3Dスキャンできる
「Revopoint RANGE」の特徴は、なんといっても大型の物体を3Dスキャンできる点にあります。非球面レンズや赤外線構造化光プロジェクターといったハードウェア技術を駆使し、0.1mmの高いスキャン精度を維持しながら、人体や家具、車といった大型の物体を難なく3Dスキャンすることが可能です。
また、「Revopoint RANGE」はシングルスキャン範囲が広い点も見逃せません。一度に大面積のスキャンが可能で、効率的に短時間で大型物体をスキャンすることが可能です。公式サイトによれば、フルボディスキャンも数分で完了とされています。
注目ポイント②:クラス1赤外光の使用で人体のスキャンも安全!
「Revopoint RANGE」には「クラス1」の赤外レーザが使用されています。
レーザの「クラス」は安全基準を示す指標です。「クラス1」というのはもっとも安全なレーザであることを意味しており、人体のスキャンに使用しても危険性はありません。
(参考)キーエンス「レーザ安全規格とクラス分類について」
注目ポイント③:「大型ターンテーブル」でラクラク3Dスキャン!
人体の3Dスキャンにも対応する「Revopoint RANGE」。
プレミアムパッケージには新アクセサリーの「大型ターンテーブル」が付属しています。
3Dスキャナーのお供としてよく使用されるターンテーブルと比べて、非常に大きな直径(約50cm!)をもち、重さも最大200kgまで対応しています。3Dスキャン対象の人に乗ってもらうことで、回転させながら簡単に3Dスキャンさせることができてしまいます。
以下のように「POP 2」のプレミアムパッケージに付属する「ミニターンテーブル」と並べてみると、「大型ターンテーブル」の大きさがよくわかります。
Revopoint RANGEのセット内容(スタンダード・プレミアム)
Revopoint RANGEには
- スタンダードセット
- プレミアムセット
の2つのパッケージがあります。それぞれのセット内容について確認しておきましょう。
スタンダードパッケージ
「Revopoint POP 2」ではプレミアムパッケージのみに同梱されていたパワーバンクが、「Revopoint RANGE」においてはスタンダードパッケージにも同梱されています!
プレミアムパッケージ
プレミアムパッケージは、スタンダードパッケージの内容に大型ターンテーブルとその関連器具が追加されたセットとなっています。
Revopoint RANGEを使った3Dスキャン体験をレビュー!
ここからは、いよいよ「Revopoint RANGE」(プレミアムパッケージ)を使った3Dスキャンについてレビューしていきます!
開封
まずはスタンダードパッケージに相当するスキャナー本体の箱を開封していきます。プレミアムパッケージには、別梱包で大型ターンテーブルが付属しています。
さっそくRevopoint RANGE(スタンダードセット)の中身を確認していきましょう。
大型ターンテーブル以外のセット内容がコンパクトに収納されています。
下の画像は、セット内容をすべて取り出して並べた様子です。
「RANGE」のパッケージには、「POP 2」や「MINI」のパッケージに同梱されていたサンプル彫像は含まれていませんでした。家具や人体といった大きなものをスキャン対象としているためかもしれません。
スキャン実施に向けて、付属の三脚にスキャナー本体を取り付けてみます。
少し横長な印象を受ける「Revopoint RANGE」。左右に1つずつDepthカメラが搭載されており、「RANGE」の特徴である大きな撮影領域を実現しています。
サイズ感を確認するため、「Revopoint POP 2」と並べてみましょう。
やはり「POP 2」と比べると「RANGE」の横長さが際立ちますね。
続いて、「大型ターンテーブル」も開封していきます。
3Dスキャナー本体が含まれるスタンダードパッケージの箱に比べて、大型ターンテーブルが梱包された箱は非常に大きいです。過去の「POP 2」や「MINI」のサイズ感をイメージしていると、配送時にビックリするかもしれません。収納場所も確保しておきましょう。
大型ターンテーブルの梱包された箱も開封!中身は以下のとおりです。
- 大型ターンテーブル本体
- 大型ターンテーブル用電源ケーブル
- リモコン
大型ターンテーブルは、付属のリモコンを使って操作することができます。オンオフはもちろんのこと、回転速度や回転の向きも変更することが可能です。
開封の儀を終えたところで、いよいよ3Dスキャンの準備に入っていきます!
システム要件確認
3Dスキャンを実施する際には、上記のパッケージの他にPCかスマホを使用することになります。対応するOSとシステム要件は以下の通りです。
Windows | バージョン:Win8/Win10/Win11 ※Win7はサポート対象外 メモリ容量:≧8GB プロセッサー:Intel Core i5以上 |
Mac | バージョン:Intel x86チップ → Mac OS 10.15以降 M1チップ → Mac OS 11.0以降 メモリ容量:≧8GB |
Android | バージョン:Android 9.0以降 メモリ:≧6GB |
iOS | iPhone:8 Plus以降 iPad:第6世代以降 バージョン:iOS 13.0以降 ※USB接続非対応。Wi-Fi接続のみ対応。 |
PCではWindowsとMac、スマホではAndroidとiOSと幅広いデバイスに対応しています。OSのバージョンが古いものだと対応していない場合があるので注意しましょう。
また、iOSはUSB接続非対応となっています。iOS搭載デバイスは端子にLightningケーブルを採用していることが影響しているのかもしれません。
また、ディスプレイの解像度にも以下のように最小仕様、推奨仕様が案内されています。
最小仕様 | 推奨仕様 | |
ディスプレイ解像度 | 1344×768 | 1920×1080 |
RANGEとAndroidスマホを使って3Dスキャン!
今回は、Androidスマホ(Pixel 6 Pro)を使った3Dスキャンにトライしていきます。
「Revopoint RANGE」は大型の物体をスキャン対象としていることもあり、スマホを使った3Dスキャンとの相性が非常に良いです。手元に操作画面としてのスマホが存在するため、進行状況を確認しながらスキャンでき、露光量の調整やスキャンの開始・停止もスムーズに行うことができます。
パワーバンクとスマホを装着した「Revopoint RANGE」は以下のようになります。
上から順に、「RANGE本体」→「スマートフォンホルダー」→「パワーバンク」→「三脚」となっています。三脚は取り付けなくても撮影可能ですが、持ち手が長くなるので装着しておくと持ちやすいです。
上記の構成でスキャンを実施する場合、必要なケーブルは画像にある「2in1モバイルケーブル」のみです。本体から伸びたコードが、スキャン操作のインターフェース・処理装置となるスマホと、電源としてのパワーバンクの2箇所につながっています。
パワーバンクをスキャナ本体に装着できるため、コンセントから電力を供給する必要がないのはかなり便利です。長く伸びるコードにわずらわされずに大きな物体のスキャンに集中することができます。「RANGE」ではスタンダードパッケージにパワーバンクが標準搭載されているところもうれしいですね。
上記のようにケーブルを接続したら、スマホアプリ「Revo Scan」を起動します。アプリのUIは「POP 2」や「MINI」の発表当初からアップデートされており、白が基調の洗練された印象になっています。
スキャナーが認識されると、左上に「New Project」という表示が出て、スキャンが開始できます。
スキャンをはじめる前に、設定画面が表示されます。精度や対象のタイプ、カラーの有無について設定することができます。今回は人体のスキャンにトライするため、「Object Type」を「Body」に設定しています。
「Start Scanning」をタップして、3Dスキャン画面を表示させます。
3Dスキャン時の画面では、DepthカメラやRGBカメラの露光量調節、対象との距離の設定が可能です。準備が整ったら、「開始ボタン▷」をタップして3Dスキャンを開始してみましょう。
今回は、「Revopoint RANGE」の特徴である大型スキャンの実力を確かめるべく、人体のスキャンにトライしていきます。スタッフに協力してもらい、プレミアムパッケージに付属する大型ターンテーブルを活用して3Dスキャンを実施!
いかがでしょうか?服のシワまで非常に精度高く3Dスキャンできていることがわかるかと思います。RGBカメラも搭載されているため、カラーデータもあわせて取得することができていますね!
同じデータについて、別の角度からも見てみましょう。
背面も問題なく取得できています!
「Revopoint RANGE」と大型ターンテーブルをあわせて使うことで、人体のような大きなスキャン対象も、難なく3Dスキャンすることができました!
Revopoint RANGEの使用感【良かったところ・知っておくべきところ】
今回「Revopoint RANGE」の実機を使用してみてわかった、「良かったところ」と「購入前に知っておくべきところ」を1つずつピックアップしていきます。
良かったところ:人体のスキャンに最適!数分で3Dスキャン可能
今回「RANGE」を使用してみて一番驚いたのは、人体の3Dスキャンが非常に楽だったことです。
シングルスキャン領域が広いため、人体のように大きな対象でも短い時間で3Dスキャンが可能でした。身長にもよりますが、ターンテーブル10周前後でスキャンが完了してしまいます。
さらに、大型ターンテーブルを使うことで、スキャンする側の人もスキャンされる側の人も動き回る必要がない点もGoodです。大型ターンテーブルに乗るサイズのスキャン対象を想定している場合は、プレミアムパッケージを選択すると良いでしょう。
知っておくべきところ:黒いモノや光沢のあるモノは苦手
「Revopoint RANGE」に限った話ではありませんが、3Dスキャナーは光の反射光を検知して物体の情報を取得します。そのため、黒色や反射性のある金属、光が透過してしまう透明体(ガラスなど)のスキャンが苦手です。
そのような物体を3Dスキャンしたい場合は、専用のスプレーを用意しておきましょう。表面を白くコーティングすることで3Dスキャンができるようになります。時間が立つと消える仕様なので、拭き取りの手間もなく使用することが可能です。
※一般販売はYahooショッピングからアクセスできるようです。
おわりに:クラウドファンディングの概要とRevopoint 3Dスキャナーの販売状況
今回は、大型対応のハンディタイプ3Dスキャナー「Revopoint RANGE」の実機レビューを行いました。大型のスキャン対象を手軽かつ高精度にスキャンするには最適の3Dスキャナーであることが伝わったのではないでしょうか?
最後に、クラウドファンディングの概要と、Revopointの各種3Dスキャナー販売状況について紹介して締めくくりたいと思います。
「Revopoint RANGE」クラウドファンディングの概要
今回実機レビューした「Revopoint RANGE」は、以下の日程・内容でクラウドファンディングが実施されました!
現在は公式サイトやAmazonでも通常販売が開始されています。気になる方はぜひチェックしておきましょう!
Revopointの各種3Dスキャナー販売状況
初代3Dスキャナー「Revopoint POP」
初代3Dスキャナーの「Revopoint POP」は、販売が終了しているようです。Revopoint公式ショップやAmazonにおける販売は確認できませんでした。
精度とスキャン領域を両立!「Revopoint POP 2」
精度とスキャン領域のバランスに優れた「Revopoint POP 2」は、Revopoint公式ショップやAmazonにて販売中です。
以下の記事で実機レビューもしているので、参考にしてみてください。
高精度ブルーライト3Dスキャナー!「Revopoint MINI」
高精度ブルーライト3Dスキャナーの「Revopoint MINI」は、Revopoint公式ショップやAmazonにて販売中です。
以下の記事で実機レビューもしているので、参考にしてみてください。
求める精度やスキャン領域に応じて、適切な3Dスキャナーを選ぶことが重要です。
ラインナップの充実したRevopointの3Dスキャナーを使って、さまざまなシーンで3Dスキャンを活用していきましょう!