こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Crealityの家庭用FDM方式3Dプリンター「Ender-3 V3シリーズ」について解説
していきます。
CrealityはFDM・光造形の両方式の3Dプリンターを販売する有名企業。FDM(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層)方式3Dプリンターとしては「Ender-3シリーズ」が有名で、ユーザーからの評価がとくに高いラインナップとなっています。
そんな「Ender-3シリーズ」の最新ラインナップとして、2023年9月に登場した3つの3Dプリンターが「Ender-3 V3シリーズ」。
"CoreXZ"と呼ばれる構造を採用した最新の「爆速」3Dプリンター「Ender-3 V3」をはじめとする同シリーズには、いったいどんな3Dプリンターがそろっているのでしょうか?
- 「Ender-3 V3シリーズ」の特徴は?
- 他の「Ender-3シリーズ」との違いは?
- 「Ender-3 V3シリーズ」の販売情報は?
それでは見ていきましょう!
2023/9/18:Amazon・楽天市場にて、「Ender-3 V3 KE」の販売が開始されています!
Creality 「Ender-3 V3シリーズ」とは

まずはじめに「Ender-3 V3シリーズ」の特徴をざっと把握しておきましょう。
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
目玉はCoreXZ構造採用の600mm/s機種「Ender-3 V3」
「Ender-3 V3シリーズ」の目玉は、やはり「Ender-3 V3」。「SE」や「KE」にない主な機能・特徴は以下の通りです。
高速機種に多く搭載される「CoreXY」構造を、X軸とZ軸の2軸で採用した「CoreXZ」が特徴的な「Ender-3 V3」。スペックの端々から2023年4月に登場した「K1」「K1 Max」を彷彿とさせます。
プリントヘッドやスクリーンにも「K1」の面影を感じますね(実際、スクリーンは「K1」と同じものだとローンチイベントにて言及されています)。
一部の新機能を除き、「密閉なしバージョンのK1/K1 Max」と思って良いでしょう。
第1弾はスタンダードサイズ3機種(大型「Plus」の登場予告あり)

2023年9月時点では、「Ender-3 V3」を含め、「Ender-3 V3シリーズ」は以下の3機種から構成されています。
それぞれ一部の機能・仕様を共有していたり、似通っていたりするため、特徴をつかんでおく必要があります。
まず、上記画像に見られるように、3機種には以下の共通点があります。
一方で、「V3」と「KE」のみに共通する特徴もいくつか存在します。
同じ値ではありませんが、「V3」は600mm/s、「KE」は500mm/sと、それぞれ超高速なプリントスピードを実現している点が類似していますね(「SE」は250mm/s)。
3機種それぞれが異なる仕様をもつ部分も見られます。例えば、軸の仕様は上記画像にあるようにすべて異なっています。
スペック・価格は「V3」>「KE」>「SE」
総合的に見て、3Dプリンターとしてのスペックと、それに比例する価格は
「V3」>「KE」>「SE」
となっています。日本円の価格は未公表ですが、ドル表記の希望小売価格については後述しています。
Ender-3 V3シリーズ各機種の特徴レビュー
シリーズとしての特徴を理解したところで、
「Ender-3 V3シリーズ」各機種の特徴についてレビュー
していきます。それぞれの3Dプリンターの魅力に迫っていきましょう。
CoreXZ採用の600mm/s爆速3Dプリンター【Ender-3 V3】

「Ender-3 V3シリーズ」の代表選手的存在が、「Ender-3 V3」です。
すでに述べた通り、目玉仕様であるCoreXZをはじめ、
「K1シリーズ」の要素を「Ender-3」ライクな密閉なしFDM3Dプリンターに盛り込んだ機種
と考えるとわかりやすいかもしれません。
といった最高レベルの仕様を盛り込んだ1台です。
X軸リニアレールを採用した最大500mm/s機種【Ender-3 V3 KE】

「Ender-3 V3シリーズ」における、スペック・価格面で中間的な立ち位置の「Ender-3 V3 KE」。注目すべき特徴は、以下の通りです。
高い基本スペックや、エントリーモデルからは一歩進んだ仕様が光る「Ender-3 V3 KE」。
一方で、上位機種「Ender-3 V3」との違いとして、
あたりには注意したいところです。
格安のCrealityエントリーモデル新定番【Ender-3 V3 SE】
「Ender-3 V3 SE」は、
従来機種の不便さを取り除いた、最初の1台にふさわしい低コスト3Dプリンター
です。
その主な特徴は以下の通りです。
長らくエントリーモデルとして指示されてきた「Ender-3」のようなコスパを維持しつつ、オートレベリングや簡易な組み立て、高速化といった昨今のトレンドをしっかり盛り込んだ1台。
初心者向けの高コスパ3Dプリンターの新定番となりうる優秀モデルです。
「Ender-3 V3 SE」は、さっそく購入して実機レビューしています!使用感含めてチェックしておきましょう!

おまけ:大型V3の登場予告も!【Ender-3 V3 Plus】

詳細は不明ですが、造形サイズの大きい「Ender-3 V3」の登場も予告されました。
上記の3機種は、どれもスタンダードサイズ(およそ220×220×250mm³)です。
「もっと大きめの造形サイズがいい…!」
という方は、もう少し様子見でも良いかもしれません。
従来のフィラメントは高速3Dプリンターに対応していない場合が多いです。「CREALITY Hyperシリーズ PLA」のような対応フィラメントを用意しておきましょう!
「Ender-3 V3シリーズ」全機種のスペック比較!
「Ender-3 V3シリーズ」の詳細スペックについて比較していきます。各機種にどのような違いがあるか確認しておきましょう。
モデル名 | Ender-3 V3 | Ender-3 V3 KE | Ender-3 V3 SE |
---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Creality | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 358 x 374 x 498 | 433 x 366 x 490 | 349 x 364 x 490 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 240 | 220 x 220 x 250 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 600 | 500 | 250 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 100 | 100 |
組み立て | - | - | 半組み立て済 |
プラットフォーム | - | PEI | PCばね鋼 |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | × |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | ノブ式 |
デュアルZ軸 | - | ○ | ○ |
データ入力 | USB LAN Creality Cloud APP | USB LAN Creality Cloud APP | SDカード |
本体重量[kg] | - | 7.8 | 7.12 |
スライスソフト | - | Creality Print Cura Simplify3D | Creality Print Cura Simplify3D |
その他 | リモート制御機能 | リモート制御機能 | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
今度は、「Ender-3 V3」を、同じく最大プリントスピードが600mm/sの「K1シリーズ」と比較してみましょう。
モデル名 | Ender-3 V3 | ||
---|---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Creality | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 358 x 374 x 498 | 355 x 355 x 480 | 435 x 462 x 526 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 | 300 x 300 x 300 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 600 | 600 | 600 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 100 | 120 |
組み立て | - | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | - | フレキシブル | フレキシブル |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | ○ | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - | × | × |
データ入力 | USB LAN Creality Cloud APP | USB Wi-Fi | USB Ethernet Wi-Fi |
本体重量[kg] | - | 12.5 | 18 |
スライスソフト | - | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer |
その他 | リモート制御機能 | リモート制御機能 Lighting kit搭載 | リモート制御機能 AIカメラ搭載 AI LiDAR搭載 空気清浄機搭載 Lighting kit搭載 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
まとめ:「K1」匹敵の爆速3Dプリンター「Ender-3 V3」に注目!
今回は、CrealityのFDM3Dプリンター「Ender-3 V3シリーズ」について解説・比較レビューしました。
現在公開されている3機種の中では、やはり「Ender-3 V3」が最注目でしょう。また、初心者向けとして「Ender-3 V3 SE」が新定番となる可能性もありそうです。
最後に、現在判明している価格と販売情報について述べて締めくくりたいと思います。
価格と販売情報
Ender-3 V3

「Ender-3 V3」は、日本未発売。ローンチイベントで公開された希望小売価格は以下のとおりです。1ドル=147円とした場合の日本円換算価格も参考値として示しておきます。
- 希望小売価格:$379
- 日本円換算(参考値):¥55,700
Ender-3 V3 KE
2023/9/18:Amazon・楽天市場にて、「Ender-3 V3 KE」の販売が開始されました!
Ender-3 V3 SE
2023年8月に先行して登場しており、すでにAmazon・楽天にて購入可能です。
「Ender-3 V3 SE」は、さっそく購入して実機レビューしています!使用感含めてチェックしておきましょう!

参考ページ
YouTube「Creality Brand Carnival & Autumn Event 2023! Upgrade Fun Together!」
Creality「Ender-3 V3 - Creality」「Ender-3 V3 KE - Creality」「Ender-3 V3 SE - Creality 3D」