こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、FLASHFORGEの家庭用FDM3Dプリンターについて徹底解説していきたいと思います。
FLASHFORGEは、2011年に創設された中国・浙江省に本拠地を置く3Dプリンターメーカーです。FLASHFORGEはFDM方式と光造形方式の両方を扱っており、しかも家庭用(消費者向け)モデルから業務用(プロ向け)の機種まで幅広い機種を取り扱っています。
同じシリーズでも、家庭用と業務用が混在するFLASHFORGEの3Dプリンター。「いったいどの3Dプリンターが家庭用なの??」と戸惑う人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、FLASHFORGEの「家庭用」FDM方式3Dプリンターにフォーカスし、日本で販売されている機種を中心に特徴の解説・スペック比較をしていきたいと思います!
それでは見ていきましょう!
【2023年版】FLASHFORGEの家庭用FDM3Dプリンター一覧
日本で販売を確認できるFLASHFORGEの家庭用FDM3Dプリンターは8点存在します(2023年2月時点)。
なお、「家庭用」「業務用」の区分については、公式ページの「Consumer Grade」「Professional Grade」を参考にしています。
各モデルにどのような特徴があるのか、詳細を確認していきましょう!
コンパクトな密閉型モデル【Adventurer 3】
モデル名 | Adventurer 3 |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 388 x 340 x 405 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 150 x 150 x 150 |
エクストルーダ | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 |
最大ノズル温度[℃] | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | フレキシブル |
オートレベリング | - |
フィラメントセンサ | ○ |
停電時自動回復印刷 | × |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud |
本体重量[kg] | 9 |
スライスソフト | FlashPrint |
その他 | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) |
出典 | 公式サイト |
「Adventurer 3」は、FLASHFORGEの3Dプリンターの中では小型モデルにあたります。
造形サイズは150×150×150[mm]です。密閉型の3Dプリンターということもあり、Creality「Ender-3」(造形サイズ:220×220×250[mm])などに比べてもかなりコンパクトな印象です。
「Ender-3」のような格安機種との違いは、密閉型である点だけではありません。Wi-Fiによるデータ転送やクラウドプリントが可能というインターフェース面の充実に加え、8GBのストレージやモニタリング用のカメラも搭載しています。
コンパクトかつ操作性の高いモデルのため、家庭使用との相性が非常に良いモデルです。
ガラスビルドプレート採用モデル【Adventurer 3 Pro】
モデル名 | Adventurer 3 Pro |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 388 x 340 x 405 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 150 x 150 x 150 |
エクストルーダ | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 100 |
最大ノズル温度[℃] | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | ガラス |
オートレベリング | - |
フィラメントセンサ | ○ |
停電時自動回復印刷 | × |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud |
本体重量[kg] | 9 |
スライスソフト | FlashPrint |
その他 | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) |
出典 | 公式サイト |
「Adventurer 3 Pro」は、「Adventurer 3」のマイナーアップデート版です。
違いは「Pro」がガラスビルドプレート(ヒートベッド)になっている点くらいで、造形サイズ等は変わりません。
造形サイズが拡大【Adventurer 4】
モデル名 | Adventurer 4 |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 500 x 470 x 540 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 200 x 250 |
エクストルーダ | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 150 |
最大ノズル温度[℃] | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | マグネット式 |
オートレベリング | ○ |
フィラメントセンサ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud |
本体重量[kg] | 22 |
スライスソフト | FlashPrint Cura Slic3r |
その他 | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) エアフィルタ搭載 |
出典 | 公式サイト |
「Adventurer 3」の造形サイズに物足りなさを感じる方には、「Adventurer 4」がオススメです。
密閉型モデルにも関わらず、造形サイズが220×200×250[mm]に拡大。密閉なしモデルのCreality「Ender-3」などとほとんど変わらない造形サイズとなっています。
内蔵ストレージやモニタリング用のカメラは「Adventurer 3」に引き続いて搭載されています。さらにY軸がデュアルロッド(精度の高い2本構成)、エアフィルタ搭載といった進化も見せています。
オプション削減の廉価版【Adventurer 4 Lite】
モデル名 | Adventurer 4 Lite |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 500 x 470 x 540 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 220 x 200 x 250 |
エクストルーダ | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 150 |
最大ノズル温度[℃] | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | ガラス |
オートレベリング | ○ |
フィラメントセンサ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud |
本体重量[kg] | 22 |
スライスソフト | FlashPrint Cura Slic3r |
その他 | 内部ストレージ(8GB) |
出典 | 公式サイト |
「Adventurer 4 Lite」は、「Adventurer 4」の廉価版です。
主な違いは、
- プラットフォームがガラスビルドプレート(無印はアルミベースのマグネット式)
- モニタリング用カメラなし
- エアフィルタなし
となっています。
独立式デュアルエクストルーダ搭載モデル【Creator Pro 2】
モデル名 | Creator Pro 2 |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 526 x 360 x 403 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 200 x 148 x 150 |
エクストルーダ | デュアル |
プリントスピード[mm/s] | 200 |
最大ノズル温度[℃] | 240 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 120 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | ホットプレート |
オートレベリング | - |
フィラメントセンサ | - |
停電時自動回復印刷 | - |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | SDカード USB |
本体重量[kg] | 14.8 |
スライスソフト | FlashPrint |
その他 | |
出典 | 公式サイト |
「Creator Pro 2」の最大の魅力は、家庭用3Dプリンターとしては珍しく独立式デュアルヘッド(2つのエクストルーダ)を搭載している点です。デュアルエクストルーダは1つのX軸上に存在しており、2種類の材料を交互に使用したり、同時に複数のモノを3Dプリントすることが可能です。
もちろん密閉型(デスクトップタイプ)で、庫内温度を安定させることができます。造形サイズは200×148×150[mm]となっており、「Adventurer 3」より少し幅が大きいくらいのサイズ感です。
家庭用FDM3Dプリンターで上記のようなハイレベルな3Dプリントを実現したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
密閉型なのに造形サイズ大【Guider 2】
造形サイズが小さくなりがちな密閉型でも、大きなモノを3Dプリントしたい!という方にオススメなのが、「Guider 2」です。造形サイズは280×250×300[mm]で、上述の「Adventurer 4」よりも幅・奥行き・高さのすべてが50mm以上拡大しています。
剛性の高い金属フレームを使用することで、造形の安定性も高いです。家庭でハイクオリティかつ大ボリュームの3Dプリントを実現したい方はぜひチェックしておきましょう。
「Guider 2」がさらにアップグレード【Guider 2s】
モデル名 | Guider 2s |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 550 x 490 x 570 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 280 x 250 x 300 |
エクストルーダ | - |
プリントスピード[mm/s] | 100 |
最大ノズル温度[℃] | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 120 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | ガラス/フレキシブル |
オートレベリング | ○ |
フィラメントセンサ | - |
停電時自動回復印刷 | ○ |
密閉 | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud |
本体重量[kg] | 30 |
スライスソフト | FlashPrint |
その他 | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) エアフィルタ搭載 |
出典 | 公式サイト |
「Guider 2s」は、「Guider 2」のアップグレード版です。
「Guider 2」との主な違いは以下のとおりです。
- ノズル最大温度高(300℃)
- 内蔵カメラ搭載
- エアフィルタ搭載
高コスパエントリーモデル【Finder 3】
モデル名 | Finder 3 |
---|---|
本体イメージ | |
メーカー | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 406 x 416 x 469 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 190 x 195 x 200 |
エクストルーダ | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 180 |
最大ノズル温度[℃] | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 |
組み立て | 組み立て済み |
プラットフォーム | PEI鋼/ガラス |
オートレベリング | -(アシストレベリング) |
フィラメントセンサ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ |
密閉 | × |
ディスプレイ | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ |
データ入力 | USB Wi-Fi |
本体重量[kg] | - |
スライスソフト | - |
その他 | 内部ストレージあり |
出典 | 公式サイト |
赤と黒のボックスが特徴的な「Finder 3」は、FLASHFORGEの家庭用FDM3Dプリンターにおいて、もっともコスパの良いエントリーモデルです。
エクストルーダにはダイレクトドライブ式、プラットフォームはPEIマグネット鋼板(ガラスプラットフォームに付け外し可能)、さらにはデュアルZ軸を採用しています。このあたりは昨今の優秀な家庭用FDM3Dプリンターと似たものを感じますね。
なお、「Finder 3」は組み立て済みのボックスタイプではあるものの、前と横、上の4面は壁がなく空洞です。この点は上述のAdventurer、Creator、Guiderシリーズとの大きな違いと言えるでしょう。
まとめ:スペックを比較してFLASHFORGEの3Dプリンターを導入しよう
今回は、FLASHFORGEの家庭用FDM3Dプリンターについて比較解説してきました。最後に各3Dプリンターのスペックを一覧表で見てみましょう。
モデル名 | Adventurer 3 | Adventurer 3 Pro | Adventurer 4 | Adventurer 4 Lite | Creator Pro 2 | Guider 2 | Guider 2s | Finder 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||||||
メーカー | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE | FLASHFORGE |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 388 x 340 x 405 | 388 x 340 x 405 | 500 x 470 x 540 | 500 x 470 x 540 | 526 x 360 x 403 | 550 x 490 x 570 | 550 x 490 x 570 | 406 x 416 x 469 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 150 x 150 x 150 | 150 x 150 x 150 | 220 x 200 x 250 | 220 x 200 x 250 | 200 x 148 x 150 | 280 x 250 x 300 | 280 x 250 x 300 | 190 x 195 x 200 |
エクストルーダ | ボーデン | ボーデン | ボーデン | ボーデン | デュアル | - | - | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 100 | 100 | 150 | 150 | 200 | 100 | 100 | 180 |
最大ノズル温度[℃] | 240 | 240 | 240 | 240 | 240 | 240 | 300 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 | 100 | 110 | 110 | 120 | 120 | 120 | 110 |
組み立て | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | フレキシブル | ガラス | マグネット式 | ガラス | ホットプレート | - | ガラス/フレキシブル | PEI鋼/ガラス |
オートレベリング | - | - | ○ | ○ | - | ○ | ○ | -(アシストレベリング) |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | - | ○ |
停電時自動回復印刷 | × | × | ○ | ○ | - | ○ | ○ | ○ |
密閉 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | - | - | - | - | - | - | - | ○ |
データ入力 | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | SDカード USB | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | USB Wi-Fi Ethernet FlashCloud | USB Wi-Fi |
本体重量[kg] | 9 | 9 | 22 | 22 | 14.8 | 30 | 30 | - |
スライスソフト | FlashPrint | FlashPrint | FlashPrint Cura Slic3r | FlashPrint Cura Slic3r | FlashPrint | FlashPrint | FlashPrint | - |
その他 | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) エアフィルタ搭載 | 内部ストレージ(8GB) | 内部ストレージ(4GB) | カメラ搭載 内部ストレージ(8GB) エアフィルタ搭載 | 内部ストレージあり | |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧にしてみると、各モデルの違いや共通点が見えてきますね。
FLASHFORGEのような産業用3Dプリンター界で有名な3Dプリンターブランドの中には、家庭用のラインナップも展開しているブランドが多数存在します。「Age of 3DP」でも随時アップデートしていくので、優秀な機種の登場を見逃さないよう引き続きウォッチしていきましょう!
他ブランドの3Dプリンターとスペックを比較してみたい方は、ぜひ比較ツールも使用してみてくださいね!