こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
CrealityのFDM3DプリンターK1シリーズについて徹底解説・徹底比較
していきたいと思います。
CrealityはFDM・光造形方式の3Dプリンターを販売する注目企業。FDM(Fused Deposition Modeling, 熱溶解積層)方式3Dプリンターとしては「Ender-3」をはじめとするEnderシリーズが有名で、世界中の多くの3Dプリンターユーザーに愛用されています。
そんなCrealityの9周年イベントで発表された
です。
最大600mm/sという驚愕のプリントスピードを実現する注目のFDM3Dプリンター「K1シリーズ」とはいったいどんな3Dプリンターが揃っているのでしょうか?各機種の共通点と相違点がわかるようにスペック比較しつつ、徹底解説していきます!
✔ 3Dプリンター関連メーカー勤務経験
✔ 3Dプリンター特許出願経験
✔ 3Dプリンター11台・3Dスキャナー4台の使用経験
✔ 3Dプリント品販売点数700個以上
それでは見ていきましょう!
Creality K1シリーズの特徴!〜「K1 Max」と「K1」の共通点〜

EnderシリーズやCRシリーズなど、多くのユーザーに愛されるFDM 3Dプリンターを手がけてきたCreality。
2023年4月に発表されたK1シリーズは、
従来のCreality製品の高い性能をさらに進化させた、新しいFDM3Dプリンターシリーズ
です。
現時点では、以下の2つの機種が発表されています(2023年8月時点)。
まずは、「K1 Max」と「K1」に共通するK1シリーズの特徴について確認していきましょう。
【速度】最大600mm/sの高速3Dプリント

K1シリーズの最大の特徴は、
最大600mm/sという驚異的なプリントスピード
です。これは通常の3Dプリンターと比較してはるかに高速で、プリント時間を大幅に短縮できます。
どれくらい速いのか、一般的な家庭用3Dプリンターの代表格であるとともに、Crealityの往年のスタンダードである「Ender-3」と比較してみましょう。
「K1 Max」「K1」 | 「Ender-3」 | |
最大プリントスピード[mm/s] | 600 | 180 |
最大速度を単純比較すると、
ということになります。
Crealityの公式YouTubeでは、リアルタイムでプリントスピードを確認できる動画が公開されています。まさに爆速ですね。。。!
【精度】Core XY構造と軽量プリントヘッドによる高精度プリンティング

K1シリーズは、ただ速いだけではありません。
これらを組み合わせることで、
慣性の影響を軽減した高精度な3Dプリントを可能に
しています。
さらに、プリントヘッドにはGセンサーが搭載されています。
高速プリント時の振動を自動検知し、リンギングの発生を抑制
します。
また、Z軸もアップグレードされています。
高さ方向のバンディングが軽減
されており、なめらかな表面テクスチャを得ることができます。
【レベリング】ハンズフリーオートレベリングで自動完了!

オートレベリング機能のアップグレードにも注目です。
K1シリーズのヒートベッドには、レベリング(水平出し)用のセンサーが搭載
されています。3Dプリントが開始されると、オートレベリングプロセスが自動で実行され、ユーザ側が意識する必要なくオートレベリングが完了します。
【温度】すばやい温度上昇&デュアルファンによるモデル冷却

K1シリーズは、ノズルの温度上昇まで高速です。新搭載のセラミックヒーターにより、
たったの40秒で200℃まで加熱することが可能
になっています。
さらに注目したいのが、デュアルファンによるモデル冷却システムです。
によって、効果的にモデルが冷却される仕様になっています。
冷却技術により、FDM3Dプリントにおいて問題となる
することが可能になります。
【システム】独自オペレーティングシステム「Creality OS」を採用
K1シリーズは、
Crealityが開発した独自のオペレーティングシステム「Creality OS」を採用
しています。これにより、
というメリットがあります。
また、
という特徴も備えています。
従来のフィラメントは高速3Dプリンターに対応していない場合が多いです。「CREALITY Hyperシリーズ PLA」のような対応フィラメントを用意しておきましょう!
Creality K1シリーズ一覧!スペック比較表
2023年4月現在、K1シリーズ3Dプリンターは
の2つです。
機種ごとの違いについての解説に入る前に、各3Dプリンターのスペックを一覧表で見てみましょう。
モデル名 | K1 Max | K1 |
---|---|---|
本体イメージ | ![]() | ![]() |
メーカー | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 435 x 462 x 526 | 355 x 355 x 480 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 300 x 300 x 300 | 220 x 220 x 250 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 600 | 600 |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 120 | 100 |
組み立て | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | フレキシブル | フレキシブル |
オートレベリング | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ |
密閉 | ○ | ○ |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | × | × |
データ入力 | USB Ethernet Wi-Fi | USB Wi-Fi |
本体重量[kg] | 18 | 12.5 |
スライスソフト | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer | Creality Print Cura Simplify3D PrusaSlicer |
その他 | リモート制御機能 AIカメラ搭載 AI LiDAR搭載 空気清浄機搭載 Lighting kit搭載 | リモート制御機能 Lighting kit搭載 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
「数値だけ見ても違いがよくわからない。。。」
という方もいることでしょう。次の項目では、
「K1 Max」と「K1」の違いについて詳しく解説
していきます。
「K1 Max」と「K1」の相違点は?
同時発表されたK1シリーズの2機種「K1 Max」と「K1」にはどのような違いがあるのでしょうか?
簡単に言うと、
「K1 Max」は「K1」の上位互換
です。「K1」がもつ機能は基本的に「K1 Max」も備えていると考えて良いでしょう。一方で、
「K1 Max」にしかない機能がいくつか存在
しています。
「K1 Max」と「K1」の相違点を知り、「K1 Max」の魅力に迫っていきましょう。
最大造形サイズ
「K1 Max」と「K1」の大きな違いの1つは、最大造形サイズ
です。
となっています。具体的なサイズを以下の表に示しておきます。
K1 Max | K1 | |
---|---|---|
最大造形サイズ [mm] | 300×300×300 | 220×220×250 |
AI LiDAR機能

もうひとつの大きな違いが、
「K1 Max」におけるAI LiDARの搭載
です。
高精度なLiDARは1umの解像度をもっており、ヒートベッドに埋め込まれたセンサを強力にサポートします。数百万点を走査してヒートベッドの傾斜情報を取得し、さらに正確なレベリングを自動で実行してくれます。
ちなみにAI LiDARの役割はレベリングだけではありません。
という機能を搭載しています。
また、「Motion Advance」という機能もLiDARを活用しており、
してくれます。
AIカメラ
AIカメラが標準搭載されているかどうか
という違いもあります。
となっています。
「K1 Max」のみに搭載されているAIカメラには、以下のような利点があります。
利便性を飛躍的に向上させるAIカメラの搭載は、「K1 Max」の大きな魅力の1つになっています。
空気清浄機能
さらに、
「K1 Max」には空気清浄機能も搭載
されています。ABSのように、プリント中に有害物質が発生する可能性のあるフィラメントを多用する場合はあると嬉しい機能と言えるでしょう。
おわりに〜価格と販売状況〜
今回は、CrealityのFDM3Dプリンター「K1シリーズ」について徹底解説・徹底比較してきました。
最大600mm/sの高速プリンティングをはじめとする「K1 Max」「K1」の特徴についてよく理解できたのではないでしょうか?
最後に、気になるお値段と販売状況について触れて締めくくりたいと思います!
販売状況
「K1」と「K1 Max」は、ともにAmazonやSK本舗における販売が開始されています!(2023年8月時点)
「K1 Max」

これらのキーワードにピンと来た方は、ぜひチェックしておきましょう!
比較的高額な機種のため、日本の代理店を通した購入もおすすめです。
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K1

「K1 Max」と同じ600mm/sの爆速3Dプリンター「K1」。
「K1 Maxほどの造形サイズはいらないかな。。」
「10万円超えの価格はちょっとキツい。。。」
「AI機能はちょっとオーバースペックかな。。。」
そんな方は「K1 Max」ではなく「K1」をチェックしておきましょう!