こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、MINGDAのFDM3DプリンターMagicianシリーズについて徹底比較していきたいと思います。
世界で20,000台以上売れている「Magician X」に代表されるMagicianシリーズにはいったいどのような3Dプリンターが揃っているのでしょうか?
さっそく見ていきましょう!
MINGDA Magicianシリーズとは
MINGDAは、2012年に設立された中国・深センを本拠地とする3Dプリンターメーカーです。
産業用の大型・高性能3Dプリンター・材料から、家庭用のFDM(熱溶解積層)方式・光造形方式の3Dプリンターの開発・販売まで幅広く手掛けています。
Magicianシリーズはすべての機種がオートレベリング機能搭載・5分で組立可能(公式オンラインショップの記載より)となっており、ユーザビリティに特徴があるラインナップとなっています。
FDM方式の「難点」と言える
- 組み立てに時間がかかる
- 毎回のプリント時にレベリング(位置合わせ)が必要になる
の2点が克服されているというMagicianシリーズ。
- 3Dプリンター初心者のはじめの1台に
- すでにFDM3Dプリンターを使っている方の2台目に
最適なモデルとなっています。
次の項目から、Magicianシリーズの各モデルの特徴について比較解説していきます。
【2023年版】MINGDA Magicianシリーズ一覧
2023年現在、MINGDA社の公式ホームページ(英語版)で確認できるMagicianシリーズ3Dプリンターは次の3点です。
まずは、各3Dプリンターのスペックを一覧表で見てみましょう。
モデル名 | Magician X | Magician X2 | Magician MAX | Magician PRO | Magician Pro2 |
---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | |||||
メーカー | MINGDA | MINGDA | MINGDA | MINGDA | MINGDA |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 415 x 460 x 546 | 430 x 460 x 546 | 555 x 430 x 660 | 650 x 586 x 675 | 650 x 600 x 670 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 230 x 230 x 260 | 230 x 230 x 260 | 320 x 320 x 400 | 400 x 400 x 400 | 400 x 400 x 400 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
プリントスピード[mm/s] | 200 | - | 200 | 200 | - |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 110 | 110 | 110 | 110 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | カーボランダムガラス | PEIばね鋼 | - | ガラス | PEI |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード USB USB-C | SDカード USB USB-C | SDカード USB USB-C | SDカード USB USB-C | SDカード USB USB-C |
本体重量[kg] | 7 | 7.4 | 10 | 14.5 | 14.5 |
スライスソフト | Cura | Cura | Cura | Cura | - |
その他 | デュアル斜め支柱 | 温度インジケータLED搭載 デュアル斜め支柱 | |||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧にしてみると、各モデルの違いや共通点が見えてきますね。
Magicianシリーズは、造形サイズ以外の点では基本的に大きな違いはないと思って良いでしょう。
自身がどのくらいのサイズまで3Dプリントしたいか?を踏まえて機種選びをしてみてください。
その他、各モデルにどのような特徴があるのか、他社の同等モデルと比べてどのような違いがあるのか、詳細を確認していきましょう!
エントリーモデル【Magician X】
「Magician X」はMagicianシリーズのエントリーモデルです。
造形サイズは230 x 230 x 260(mm)です。他社のエントリーモデル3Dプリンターと比べて同等か少し大きいサイズと言えるでしょう。
参考までに、「Anycubic Kobra」と「Creality Ender-3 Neo」と比較してみましょう。
モデル名 | Magician X | Kobra | Ender-3 Neo |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | MINGDA | Anycubic | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 415 x 460 x 546 | 430 x 486 x 486 | 440 x 440 x 465 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 230 x 230 x 260 | 220 x 220 x 250 | 220 x 220 x 250 |
エクストルーダ | ダイレクト | ダイレクト | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 200 | 100 | 120 |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 110 | 100 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 要組み立て |
プラットフォーム | カーボランダムガラス | PEIばね鋼 | カーボランダムガラス |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | × | × |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | ノブ式 |
デュアルZ軸 | ○ | × | × |
データ入力 | SDカード USB USB-C | SDカード | SDカード マイクロUSB |
本体重量[kg] | 7 | 7.5 | 7 |
スライスソフト | Cura | Cura Repetier-Host simplify3D | Creality Slicer Cura simplify3D |
その他 | |||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
エントリーモデルとして十分な造形サイズでありながら、オートレベリング機能を搭載し、かつ5分で組み立て可能な「半組み立て済」モデルです。
最初の1台としてどのFDM3Dプリンターを選ぶべきか迷っている方にとっては、有力な選択肢になるのではないでしょうか?
アップグレードされたエントリーモデル【Magician X2】
「Magician X2」はMagicianシリーズの最新モデルです。以下のプロモーション動画を見てみましょう。
基本性能は「Magician X」と同等ですが、以下のような点がアップグレードされています。
個人的には、「Magician X」でガラスだったプラットフォームが、標準でPEIばね鋼に変更された点がうれしいポイントかなと思っています。
さらに、「Magician X2」はSK本舗の初心者導入セットの3Dプリンター本体に採用されています。3Dプリンター以外にも必要品が多数同梱されており、「Magician X」以上にお得に購入できる初心者必見のセットになっています。
中型造形モデル【Magician Max】
3種類のMagicianシリーズのうち、中間の価格帯・造形サイズなのが「Magician Max」です。
造形サイズは320 x 320 x 400(mm)で、「Magician X」よりもひと回り大きくなっています。エントリーモデルでは造形できない大きさの3Dプリントも実現可能です。
「少なくとも各辺30cm以上の造形サイズはほしい!」という方にはうれしい選択肢になるでしょう。
他社の機種で同等の造形サイズをもつ比較対象となるような3Dプリンターは、「Anycubic Kobra Plus」や「Creality CR-10 Smart」あたりでしょうか。比較表を掲載しておくので参考にしてみてください。
モデル名 | Magician MAX | Kobra Plus | CR-10 Smart |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | MINGDA | Anycubic | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 555 x 430 x 660 | 560 x 546 x 605 | 578 x 522 x 648 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 320 x 320 x 400 | 300 x 300 x 350 | 300 x 300 x 400 |
エクストルーダ | ダイレクト | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 200 | 100 | - |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 100 | 100 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | - | カーボランダムガラス | カーボランダムガラス |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | - |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | - |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード USB USB-C | SDカード | SDカード Wi-Fi |
本体重量[kg] | 10 | 11 | 14 |
スライスソフト | Cura | Cura Repetier-Host simplify3D | Creality Slicer Cura |
その他 | リモート制御機能 オートシャットダウン機能 デュアル斜め支柱 | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
安定造形可能な大型モデル【Magician Pro】
Magicianシリーズ最大の造形サイズを実現しているのが、「Magician Pro」です。
造形サイズはなんと400 x 400 x 400(mm)。他社の家庭用FDM3Dプリンターと比較しても、この造形サイズを実現している機種は数える程度でしょう。
安定した大型造形を実現するために、「Magician X」「Magician Max」とは以下の点で異なります。
- オートレベリングの点数が36点(「X」、「Max」は16点)
- 斜め支柱搭載
これだけの大型機種になると、組み立ても一苦労です。その点、半組み立て済みの「Magician Pro」は比較的導入しやすい機種なのではないでしょうか。
造形サイズの観点で比較対象となる他社機種は、「Anycubic Kobra Max」や「Creality CR-6 MAX」あたりでしょうか。比較表を参考にしてみてください。
モデル名 | Magician PRO | Kobra Max | CR-6 MAX |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | MINGDA | Anycubic | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 650 x 586 x 675 | 715 x 665 x 720 | 725 x 640 x 691 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 400 x 400 x 400 | 400 x 400 x 450 | 400 x 400 x 400 |
エクストルーダ | ダイレクト | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 200 | 100 | - |
最大ノズル温度[℃] | 260 | 260 | 260 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 110 | 90 | 90 |
組み立て | 半組み立て済 | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
プラットフォーム | ガラス | カーボランダムガラス | カーボランダムガラス |
オートレベリング | ○ | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | ○ | ○ | ○ |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ | ○ |
密閉 | × | × | × |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ | ○ |
データ入力 | SDカード USB USB-C | SDカード | SDカード USB |
本体重量[kg] | 14.5 | 16 | - |
スライスソフト | Cura | Cura Repetier-Host simplify3D | - |
その他 | デュアル斜め支柱 | デュアル斜め支柱 | デュアルY軸 デュアルプルロッド |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
アップグレードされた大型モデル【Magician Pro2】
2023年8月に発表されたMINGDAの最新家庭用FDM3Dプリンターが、「Magician Pro2」です。
先代の「Magician Pro」の大型造形サイズ(400×400×400mm³)はそのままに、
エントリーモデルの「Magician X」から「Magician X2」へのアップグレードと同様の改善に加え、ノズル温度の変化をLEDの色の変化で知らせてくれるユニークな機能が搭載されています。
\安心の3Dプリンター専門日本代理店!/
まとめ:ほしいサイズにあわせてMagicianシリーズを選択しよう
今回は、MINGDAのMagicianシリーズの3Dプリンターを徹底比較してきました。
エントリーモデルの「Magician X」から、特大サイズの造形も可能な「Magician Pro」まで、作りたいモノのサイズにあわせて選べるMagicianシリーズ。
どれを選んでもオートレベリング機能搭載・5分で組立可能である点は、はじめてのFDM3Dプリンター選びでも安心ですね。
紹介した注目ポイントを参考に、あなたのお気に入りのMagician3Dプリンターを選んでみてください!