こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Crealityの3Dスキャナー「CR-Scanシリーズ」について徹底比較・解説
していきます。
立体的なモノの形を3Dのデータとして扱う上で欠かせない3Dスキャナー。ひと昔前は、企業における研究開発やリバースエンジニアリング、建築物やアートのデジタルアーカイブといった限られた用途に限定されていました。
近年では、3Dプリンターや3DCG、AR/VR、メタバースといった3D技術の発達により、一部の企業に限らない、広く注目される存在に。このような背景から、個人が使用できる家庭用3Dスキャナーが続々登場しています。
家庭用3Dプリンターで有名なCrealityが展開する3Dスキャナーが、今回紹介する「CR-Scanシリーズ」。現在までに7種類の3Dスキャナーが登場しています(2024年9月時点)。
この記事では、
「3Dスキャナーに興味がある!」
「Crealityの3Dプリンターは持ってるけど、3Dスキャナーを扱っているのは知らなかった!」
という方の参考になるよう、
行っていきます。最新機種を含めた全機種の特徴・スペックをイッキに把握して、ぜひ3Dスキャナー選びの参考にしてみてください!
それでは見ていきましょう!
Creality「CR-Scan」シリーズとは
「CR-Scanシリーズ」は、Crealityが展開する3Dスキャナーのラインナップです。
3Dスキャナーには産業向けの高価格帯モデルも多い中、「CR-Scanシリーズ」の性能・価格帯は家庭用(個人向け)として最適。PCやスマホと接続して手軽に扱うことができ、主に4〜10万円程度という手の届きやすい価格帯も魅力です。
そんな「CR-Scanシリーズ」からは、現在までに以下の7機種が登場しています(2024年9月時点)。
次の項目では、各機種の特徴や販売状況について詳しく解説していきます。
【2024】Creality「CR-Scanシリーズ」全機種の詳細解説
ここからは、Creality「CR-Scanシリーズ」各機種の魅力に迫っていきます。
初代3Dスキャナーから最新機種まで、それぞれどのような特徴があるのか確認していきましょう。
青色レーザー&近赤外光のハイエンド3Dスキャナー【CR-Scan Raptor】
2024年に登場した「CR-Scan Raptor」は、青色レーザーと近赤外光を併用するハイエンド3Dスキャナーです。
精度と速度
最大精度は0.02mmで、非常に細かいディテールまでスキャン可能です。スキャン速度は最大60フレーム/秒で、スムーズな操作が可能です。
多様なスキャンモード
7本の青色レーザーラインを使用する「青色レーザーモード」や、赤外線を用いた「赤外線モード」を搭載しており、小型から大型の物体まで幅広く対応。赤外線モードは顔や彫像などの大型オブジェクトにも適しています。
スプレー・マーカー不要のスキャン
特定のモードでは、スプレーやマーカーを使わずにスキャンが可能で、特に大きな物体や複雑な形状を持つオブジェクトに対しても効果的です。
小型から大型まで!高精度3Dスキャナー【CR-Scan Otter】
2024年に登場したもう1台の3Dスキャナーが、「CR-Scan Otter」です。
高精度スキャン
最大0.02mmの精度で、非常に詳細なスキャンが可能です。特に、小さなオブジェクトから大きなオブジェクトまで、幅広く対応しています。
2セットのデュアルレンズシステム
小型オブジェクト用の長焦点デュアルレンズと、大型オブジェクト用の短焦点デュアルレンズを搭載。小型から大型の対象まで、幅広いモノの詳細なスキャンをサポートします。
カラーキャプチャ&スプレーなしのスキャン
24ビットフルカラーのスキャンが可能で、自然な色の再現力をもつ「Otter」。黒や金属の表面もスキャンスプレーなしでスキャンできるため、車の部品やタイヤなどの特殊な素材にも対応しています。
携帯性
コンパクトで軽量なデザイン(重量390g)で、持ち運びにも便利。WindowsやMacOSに対応しており、ワイヤレスでのスキャンも可能です。
手ぶれ補正搭載のアップグレード機種【CR-Scan Ferret Pro】
2023年9月に発表された「CR-Scan Ferret Pro」。「CR-Scan Ferret」にいくつかの機能が追加された上位互換機種となっています。
「CR-Scan Ferret Pro」の特徴である、「CR-Scan Ferret」との主な違いは以下の通りです(出典:公式ページ)。
どれも非常に魅力的ですが、特筆すべきは「スキャニングスプレーなしで黒色/金属物体をスキャン可能」という文言。3Dスキャナーが一般的に苦手とする黒色あるいは金属物体を、スプレーなしでスキャンできる点は要注目。他の機種にない差別化ポイントとなりそうです。
その他、サイズや重量を含めた基本スペックは「CR-Scan Ferret」とほぼ同様です。どちらを選ぶかについては、上記の追加機能の必要性をもとに判断すれば良いでしょう。後述するスペック比較表も参考にしてみてください。
4万円台のコスパ最強3Dスキャナー【CR-Scan Ferret】
「CR-Scan Ferret」の特徴は以下の通りです。
特筆すべきは、
している点です。個人向けとはいえ、10万円弱の価格帯が一般的だった家庭用3Dスキャナーの中では破格と言える価格帯。
「3Dスキャナーに興味があるけど、まだちょっと高い…」
と思っていた方にとってはうれしい選択肢なのではないでしょうか?
初心者向けの格安3Dスキャナー【CR-Scan Ferret SE】
「CR-Scanシリーズ」でもっとも初心者向けの3Dスキャナーは、「CR-Scan Ferret SE」です。
というスペックは、他の「CR-Scanシリーズ」機種に比べるとやや見劣りします。とはいえ、購入しやすい価格を考慮すれば、エントリーモデルとして申し分ない3Dスキャナーだと言えるでしょう。
屋外使用も可能な高精度3Dスキャナー【CR-Scan Lizard】
「CR-Scan Lizard」は、「CR-Scan 01」からパワーアップした改良版です。赤外線を使用しているため、明るい日光のもとでも3Dスキャンすることが可能になっています。
もちろんマーカーなしで細部までスキャン可能です。最大0.05mmの精度を実現できる「プロ級」の3Dスキャナーです。
Crealityの初代3Dスキャナー【CR-Scan 01】※販売終了
「CR-Scan 01」は、Crealityの初代3Dスキャナーです。
という家庭用としてスタンダードな機能を備えています。
注意点は、光源にLED白色光を用いている点です。太陽光に埋もれてしまうため、屋外でのスキャンは難しいと思われます。公式サイトで明言はされていないようですが、使用環境は屋内限定ではないでしょうか。
「CR-Scanシリーズ」のスペック一覧!
以上、Crealityの3Dスキャナーを紹介してきました。各3Dスキャナーのスペックを一覧で確認しておきましょう。
モデル名 | CR-Scan Raptor | CR-Scan Otter | CR-Scan Ferret Pro | CR-Scan Ferret | CR-Scan Ferret SE | CR-Scan Lizard |
---|---|---|---|---|---|---|
本体イメージ | ||||||
メーカー | Creality | Creality | Creality | Creality | Creality | Creality |
精度 [mm] | - | - | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.05 |
点間距離 [mm] | 0.02 | 0.05 | 0.16 | 0.16 | 0.16 | 0.1 |
撮影領域(1ショット)[mm] | 270 x 170 | 1350 x 840 | 560 x 820 | 560 x 820 | 560 x 820 | 200 x 100 |
スキャンボリューム [mm] | 5 x 5 x 5 〜 | 10 x 10 x 10 〜 | 150 x 150 x - 〜 2000 x - x - | 50 x 50 x 50 〜 | 150 x 150 x 150 〜 | 15 x 15 x 15 〜 |
動作距離 [mm] | 150 〜 1000 | 110 〜 1000 | 150 〜 700 | 150 〜 700 | 150 〜 700 | 150 〜 400 |
スキャンスピード [fps] | 60 | 20 | 30 | 30 | 30 | 10 |
本体重量 [g] | 372 | 390 | 105 | 105 | 105 | 370 |
本体サイズ [mm] | 215 x 50 x 74 | 165 x 37 x 59 | 120 x 30 x 26 | 120 x 30 x 26 | 120 x 30 x 26 | 155 x 84 x 46 |
出力形式 | .ply .obj .stl | .ply .obj .stl | - | .ply .obj .stl | - | .ply .obj .stl |
光源 | Class 1 青色光+赤外光 | Class 1 赤外光 | - | 赤外光 | - | LED+赤外光 |
屋外対応 | - | ○ | ○ | ○ | - | ○ |
対応OS | Windows 10/11 macOS | Windows macOS | iOS macOS Windows Android | Windows 10/11 macOS Android | Windows macOS | Windows 10 macOS |
その他 | 撮影領域:距離300mm 2モード(ブルーライト/NIR) | 撮影領域:距離1000mm | 撮影領域:距離700mm | 撮影領域:距離700mm | ||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
【まとめ】求めるスペックに応じて「CR-Scanシリーズ」を選ぼう
今回は、Crealityの3Dスキャナー「CR-Scanシリーズ」について解説してきました。
ひとくちに3Dスキャナーといっても、現在では無料で使えるスマホアプリから、100万円を超えるような工業用3Dスキャナーまで様々な製品が存在します。
表面の凹凸のような細かな形状が必要ないのであれば、100万円もするような3Dスキャナーは必要なく、誰でも使えるスマホアプリで十分です。一方、正確な形状のスキャンを要するのであれば、高性能な3Dスキャナーが欠かせません。
今回紹介した「CR-Scanシリーズ」は、どれも個人が導入しやすい価格帯で、かつ0.1mm以下の精度で3次元データを取り込むことができる優れた3Dスキャナーです。自身の用途と予算を考慮して、お気に入りの「CR-Scanシリーズ」3Dスキャナーを導入してみてくださいね!