こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Crealityの家庭用光造形方式3Dプリンター「HALOT-MAGE S」について解説&実機レビュー
していきたいと思います。
2024年に登場したCrealityの最新光造形3Dプリンター、「HALOT-MAGE S」。
となっています。
そんな「HALOT-MAGE S」とは、いったいどのような3Dプリンターなのでしょうか?
今回、Creality様より実機をご提供いただきましたので、
について、徹底レビューしていきたいと思います!
それでは見ていきましょう!
\クーポン・タイムセールはAmazonページをチェック!/
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。開封の様子など、動画ならではの内容も盛りだくさんの解説をお楽しみください!
Creality「HALOT-MAGE S」の特徴
実機レビューに入る前に、
「HALOT-MAGE S」の特徴について確認
しておきましょう。
「特徴はいいから実機レビューが見たい!」
という方は該当箇所までジャンプしてください。
主な項目について、それぞれ確認していきましょう。
14K(13320×5120)超高解像度
「HALOT-MAGE S」がもつ一番の特徴が、
14Kの超高解像度
です。
の超高精細な液晶ディスプレイを搭載しています。
2023年に登場した「HALOT-MAGE」「HALOT-MAGE Pro」はどちらも8K。1年で飛躍的に解像度が向上したことになります。
この解像度は、他社の家庭用光造形と比べても、現時点で入手できる機種の解像度としては最高クラスの1台です。
記事の後半では、細かい構造の多い3Dモデルをいろいろプリントしていきます。そのクオリティをチェックしていきましょう。
最大150mm/hの高速プリント(Dynax+モード×"Pictor"フィルム)
もう1つの目玉機能が、
最大150mm/hの高速プリント
です。
上記の2つが高速プリントに貢献している模様。
"Pictor"フィルムという名前は聞き慣れませんが、上の画像のような白っぽい表面をもち、一般的にはACFと呼ばれるタイプの高速プリント対応フィルムかと思われます。
定着しやすく取り外しやすいビルドプレートを採用
その他、
といった基本的なパーツにも改善が施されているようです。
とくに、レーザー刻印入りのビルドプレートは非常に使い勝手が良い印象を受けました。
特徴を備えています。
\クーポン・タイムセールはAmazonページをチェック!/
Creality「HALOT-MAGE S」の実機レビュー!
さて、ここまでは「HALOT-MAGE S」の特徴について解説してきました。ここからは、
「実際に使ってみてどうなのか?」
について、実機レビューしていきたいと思います!
開封!
「HALOT-MAGE S」を開封し、中身を確認していきましょう。
ダンボールを開けると、3Dプリンター本体がすっぽり収まっています。
フリップアップ式のカバーを開けると、装置内部を満たす緩衝材とともに、
が収納されています。
「小物類」の詳細は上の画像の通り。基本的な工具類や消耗品がそろっていて、材料であるレジンさえ別途用意すれば、3Dプリントを開始することができます。
以下に3Dプリンター本体以外の同梱品リストを記載しておきます。
3Dプリント実行!高解像度3Dプリンターの実力は?
開封&セッティングの詳細は「実機レビュー動画」を見ていただくとして、お待ちかねの3Dプリントを開始していきます!
テストデータ「Caedes」をプリント!
まずは、同梱のUSBに保存されていた、サンプルモデルをプリントしていきます。
サンプルの1つ目は、「Caedes」。
レジンには、Chitu Systems「水洗いレジン(ロックグレー)」を使用していきます。
約5時間半で完成。ゲームに出てきそうな剣と盾をもったキャラクターが、分離した土台と一緒にプリントされています。
サポートを外して洗浄したものがこちら。
細部までデザインされた、躍動感のあるフィギュアが姿を表しました。
盾や衣服の装飾、細かい鎖のような飾りまで、クッキリ表現されています。
14Kの精度を味わうのにもピッタリのサンプルデータですね。
テストデータ「Berserker」をプリント!
もうひとつのサンプルデータは、「Berserker」。
これまた、サポート設定済みがありがたい、複雑な形状のフィギュアです。
約7時間でプリント完了。
こちらも、高解像度3Dプリンターにぴったりの3Dモデル。
衣服の装飾や、剣、矢といった細かい部分はもちろんのこと、編み込んだ髪の再現度は、素晴らしいの一言。
これぞ、14K超高解像度のなせる技ではないでしょうか?
テストモデル「AmeraLabs town」
続いて、光造形3Dプリンターの性能を測るテストモデルをプリントしていきます。
さまざまな構造をもつ、街のような3Dモデル「AmeraLabs town」。
引き続き、Chitu Systems「水洗いレジン(ロックグレー)」を使用。スライスソフト「chitubox」の「HALOT-MAGE S」プリセット(Dynaxプロファイル)を使用していきます。
一般的なレジンと基本的なスライス設定を使って、どの程度のプリント品質が実現できるのか?を確認してみましょう。
プリント結果は上の通り。
目立った特徴として、右手の細いピラー構造(画像1枚目)に関しては、一番細い列以外は問題なし。露光時間やレジンの種類にもよりますが、1番細い列のプリントには、パラメータを詰める必要があるでしょう。
後ろ側のスリット状の構造(画像2枚目)は、最も細いところ以外は潰れずに表現できています。
注意したいのは、2枚目の画像にうっすらと見られる縦筋。これはおそらく、ACFフィルムによく見られる特徴と同一のものでしょう。幸い、「HALOT-MAGE S」にはFEPフィルムが同梱されているため、気になる方は張り替えてもOKです。
高解像度フィギュアをプリント!
引き続き、14K解像度の実力をチェックしていきます。
肌や装飾の質感までリアルな胸像(3Dデータ:Printables(@BenDansie_84596))をプリント。
高さ135mmの上記3Dモデルのプリントには、chituboxのプリセットに記録されている2つのモードのうち、高速な「Dynaxプロファイル」で約6時間を要しました。
2つのサンプルモデルとは異なる首から上だけの3Dモデル。顔の各パーツやシワ、立派なヒゲのディテールから、衣服・帽子の細かい装飾・質感まで、高いレベルで表現されていることが伝わるかと思います。
光造形はツルッとした表面も得意な一方で、このモデルのように、細かな凹凸のあるリアルな表面を実現できるのも14K超高解像度の真骨頂でしょう。
最大プリントスピードで「エッフェル塔」をプリント!
解像度以外の面にも目を向けていきます。推奨スライスパラメータ(付属のUSB内にPDFあり。ただし、レイヤー厚さ0.05mmのみ)を用いて、150mmの高さに設定した「エッフェル塔(データ出典:Printables)」をプリントしていきます。
冒頭で紹介した特徴の通りであれば、0.2mmのレイヤー厚さで1時間のプリント時間になるはずです。
しかしながら、スライスソフト「HALOT BOX」に表示されたスライス結果は、推定プリント時間が1時間18分。どうやら推奨設定の通りでも、150mm/hのプリントスピードには達しないようです。
そのうえ、短い露光時間で0.2mmのレイヤー厚さ設定はリスキーです。推奨露光時間が1.5〜2.0秒の「SK本舗 水洗い10Kレジン スノーホワイト」を使用したところ、早々にプリント失敗してしまいました。
おとなしく0.05mmに設定しなおして再トライ。レイヤー数が4倍になることから、プリント時間も6時間超えの長丁場に。
レイヤー厚さが0.05mmになったこともあり、先端付近の細かい「×印」のような構造もつぶれることなく表現されています。期せずして、優れた解像度を再確認することとなりました。
高速プリントを実現するには、0.2mmという比較的分厚いレイヤー厚さに適した長めの露光時間と、その他のスライスパラメータの組み合わせをユーザー側で「実験」して見出す必要があるようです。
使ってみてわかった!「HALOT-MAGE S」のココがすごい!
ここからは、
実際に使ってみて感じたCreality「HALOT-MAGE S」のスゴいところ
について紹介していきたいと思います。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!
14K高解像度がスゴい【テストモデルですぐに体感できる】
「HALOT-MAGE S」を実際に使ってみて改めて実感したのが、
14K超高解像度の表現力
です。
ここまで多くのプリント例を見てきて、その実力を感じることができたでしょう。フィギュアはもちろんのこと、エッフェル塔のような構造物、ミニチュア、模型のような領域でも大いに活躍してくれることでしょう。
加えて、「HALOT-MAGE S」には、「Caedes」「Berserker」の2つのサポート設定済み・スライス済みデータが付属しています。初心者の方であっても、購入・セットアップ後すぐに"14K"の解像度を体感できるのは、うれしいポイントですね。
Z軸の上下動が速い【高速プリントだけじゃない】
地味ながら好印象だったのが、
Z軸の高速・安定動作
です。
上の動画は、早送りなしの実際のスピード。レベリング後や、プリント完了後の原点復帰速度、プリント中の上下動(特に、高速なDynax+モード)が、非常にクイックです。
スムーズに動いてくれるので、作業中の「ちょっとした待ち時間」が発生しない快適さを実感することでしょう。
スマホでプリントの状況確認ができる【別売カメラ接続も検討】
「HALOT-MAGE S」のソフトウェア面も、家庭用の光造形機としては比較的先行している印象を受けました。Wi-Fi対応はもちろんのこと、
クラウド・スマホアプリとの連携
により、プリント作業の効率が向上しています。
が可能です。完了通知や、外出先からのプリント進行状況チェックは、アプリ連携のメリットでしょう。
別売オプションにはなりますが、FDM機にも使用可能なNebulaカメラを併用することで、リモートモニタリングも可能になります。プリントエラーが発生していないか?など、視覚的に状況確認をしたい場合は、1台用意しておくと便利でしょう。
\クーポン・タイムセールはAmazonページをチェック!/
使ってみてわかった!「HALOT-MAGE S」のココに注意!
最後に、
実際に使ってみて、個人的に気になった点
についても紹介していきます。人によって好みも異なりますので、選択する際の参考にしてみてください。
プリントスピードはスライス設定次第
「エッフェル塔」の項目で確認したように、「プリントスピード」はスライス設定次第です。とくに、Crealityの提供する推奨設定では「最大150mm/h」に到達しない点には注意しましょう。
より高速なプリントを実現するには、
が必須になります。
スライサは純正HALOT BOX推奨?
使用するスライスソフトにはいくつかの選択肢がある「HALOT-MAGE S」。
知名度の高いスライスソフトである「chitubox」を好むユーザーも多いかも知れませんが、「HALOT-MAGE S」との相性の良さという点では、Creality純正スライスソフト「HALOT BOX」を使用するべきでしょう。
その理由としては、
であることが挙げられます。
今後chituboxとの連携が強化される可能性もありますが、現時点では「HALOT BOX」の方を優先的に使用することになるでしょう。
UI・スライサ・取扱説明書の日本語がわかりにくい
最後に、FDMにも共通するCreality製3Dプリンターの気になる点にも触れておきます。
それは、「日本語対応の雑さ」です。
UIやスライスソフト、マニュアルには、機械翻訳・AI翻訳でももう少し適切に訳してくれそうな、不思議な日本語がところどころに見受けられます。
多国籍言語への対応にコストがかかることは理解できますが、言語選択に「日本語」が含まれる以上、しっかり対応してほしいところ。
英語表記で問題がない方であれば、圧倒的に英語表記での使用をおすすめします。
ここまで挙げてきたポイントは、人によっては気になるところかもしれません。他の3Dプリンターもチェックしておきたい!という方は、比較ツール等を活用して他の機種の情報も確認しておきましょう。
「ここに記した気になるポイントは問題ないよ!」
という方にとっては、超高解像度を高コスパで実現した非常におすすめできる3Dプリンターなのではないかと思います!
\クーポン・タイムセールはAmazonページをチェック!/
「HALOT-MAGE S」のスペック一覧【無印/HALOT-MAGE Proと比較】
最後に、
「HALOT-MAGE S」の詳細スペックを、「HALOT-MAGE」「HALOT-MAGE Pro」と比較
していきます。どのような違いがあるか確認しておきましょう。
モデル名 | HALOT-MAGE S | HALOT-MAGE PRO | HALOT-MAGE |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | Creality | Creality | Creality |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 333 x 270 x 608 | 333 x 270 x 608 | 333 x 270 x 608 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 223 x 126 x 230 | 228 x 128 x 230 | 228 x 128 x 230 |
Z軸精度[mm] | - | - | - |
積層ピッチ[mm] | 0.05-0.2 | 0.05-0.15 | 0.05-0.15 |
ピクセルサイズ[mm] | 0.0168 x 0.0248 | 0.0297 | 0.0297 |
ピクセル数(XY) | 13320 x 5120 | 7680 x 4320 | 7680 x 4320 |
プリントスピード[mm/h] | Max 150 | Max 170 | (1-5s) |
データ入力 | USB Creality Cloud Ethernet WiFi | USB Creality Cloud WiFi RJ45 cable | USB |
本体重量[kg] | 13.13 | 13 | 12 |
スライスソフト | HALOT BOX CHITUBOX Tango | HALOT BOX LycheeSlicer CHITUBOX | HALOT BOX LycheeSlicer CHITUBOX |
その他 | 消臭機能付き リモート制御機能 フリップ式UVカバー | 消臭機能付き リモート制御機能 フリップ式UVカバー スマートレジンポンプ | 消臭機能付き フリップ式UVカバー |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一覧表で比較してみると、各モデルの微妙な違いがわかりますね。
総合すると、
上記のように整理することができます。自身の用途に適した機種を選択してみてください。
まとめ:超高解像度なのに高コスパな3Dプリンター「HALOT-MAGE S」
今回は、Creality「HALOT-MAGEシリーズ」の最新モデル「HALOT-MAGE S」について解説&実機レビューしました。
取り外しやすいビルドプレートや、剥離性の高いフィルムの採用、クラウド・アプリ連携の充実といった高い基本性能に加え、14Kの超高解像度が際立つ優秀な3Dプリンターであることがわかりましたね!
家庭用光造形の最高峰である「14K」解像度を有しながら、6万円台という高いコスパを誇る「HALOT-MAGE S」。
使い勝手はもちろん、とにかく高解像度な3Dプリンターをお手頃価格でゲットしたい!
という方は、ぜひ製品ページもチェックしてみてください!